2009年11月30日月曜日
平成20年度市町村普通会計の概要
リンクはこちら(PDF注意)。平成20年度で見れば法人税は8.7%減ですが、固定資産税・個人住民税は伸びており、平成19年度比では税収はプラスのようです。意外。
おそらく個人住民税に影響がでるのは来年度なのでしょう。
むしろ法人税収に頼っている都道府県の決算(こちらもPDF注意)の方が大変なようです。
2009年11月29日日曜日
2020プラン準備の話し合い
まず市長の挨拶があり、その後市長挨拶への質疑、その後各分科会で意見交換をしました。
日野市は市民参画では先進的と思っているのですが、今は曲がり角を迎えつつあるようです。
市の方からは
①公募の市民が減少(2010は150人応募したのに、今回は応募30人)
②メンバーが同じような顔ぶれ(職員も・・・)
③世代の偏り
④企業や商工会、各種団体の意見を聞けていない
⑤参加市民以外の意見が聞けていない
という反省点が挙げられました。
分科会での意見交換(10分だけでしたが)では、「イベントなど市民が集まるところに出て行くのはどうか」といった市の方から意見を聞きにいくのはどうかという話が多かったようです。
とはいえ、ただ多くの人から意見を聞くだけではどうしても断片的な情報を聞きっぱなしになり、深みが出ないので、広く聞きつつ、議論をどう深めていくというのが難しいところですね。
例えば、協働チームを作って市民の声を広く集めることも考えているようですが、ほとんどが無関心層という現実の前に挫折しないようなやり方が必要にも思います。
2009年11月28日土曜日
財政白書 各論編を作る
(まだ終わってないものもあるという突っ込みもあると思いますが。。)
市全体の財政の概要(総論編)をまとめる白書の作り方については、既にいろいろと本が出ていますので、下記の書のいずれかを参考にすればよいでしょう。
・出井信夫著 「基礎からわかる自治体の財政分析」学陽書房
・大和田一紘著 「習うより慣れろの市町村財政分析」自治体研究社
3月のコラムで紹介したように、財政白書は今後各論化が進んでいくだろうと考えています。
とはいえ、市民が個別の施策について分析するのは簡単なことではありません。
このコラムではデータ収集、分析など各論作成に関わる一般論についても書きますが、基本的には具体的な事例の分析を紹介していきたいと思います。個別の分析を通じて何か発見するところがあればと思っています。
2009年11月27日金曜日
小松島市 議会が作る財政白書
http://blogs.yahoo.co.jp/jcjc270/folder/1082138.html?m=lc&p=1
(議会の?)行財政改革委員会が開かれ、議会がつくる「財政白書」について実務的な協議にはいりはじめているようです。いろいろな市の財政白書を集めている模様。
小松島市議会では、議会報告会を市民に対して行うなど、議会改革を進めているようで、多くの市が視察に訪れています。
また2005年に財政非常事態宣言を行っているようですね。
議会主導の財政白書はあまりない事例と思いますので、今後とも注目です。
財政の疑問に答える 第4回
前回まで、バブル崩壊後も歳入が伸び続けた理由として
①給与総額が97年まで上がり続けたため、個人の所得税が伸びたこと
②固定資産税評価額の急増が固定資産税に反映されるのに時間がかかったこと
をあげました。
が、これでは実は歳入が伸びた理由の半分も説明していません。
なぜならば市町村の歳入のうち市町村税が占める割合は40%弱にすぎないからです。(日野市の場合は60%程度)
財政の基本としてよく言われるのが、「量入制出」つまり歳入をよく見定めてから歳出を決める、というもの。語源は中国の古典の礼記のようです。 が、実際にそんな財政運営をしている自治体はまずありません。そもそも地方交付税の仕組みが「財政需要に足りない部分を国が交付する」というものであり、まさに「量出制入」という構造になっています。どちらがあるべき姿かというのは、神野先生なんかは後者の立場ですし、前者の立場を取る方も多いのでここではこれ以上深くつっこみません。
いずれにしても「財政需要」の分に市税が足りなければその分は補てんされるわけですから、歳入は日本の自治体の9割を占める交付団体にとっては税収ではなく需要に影響されます。
さて、最初の問いに戻ると
「バブル崩壊後も歳入が増えた理由は」 の答えとしては
「財政需要が増えたから」という答えが想定されます。
その答えは本当かということをこれから検証します。
日野市の場合を下のグラフで示します。グラフの数値は億円。各年度の基準財政需要額の推移です。
グラフで見るように平成12年度(2000年)まで基準財政需要額が伸び続けその後一旦落ち、また上がり始めています。
益子町も同様のようです。
それではなぜ基準財政需要額が増えたのか?
となると私の分析できる範囲を超えてしまっています。ここから先は分析ではなく予想又は意見として。
①高齢化などにより、福祉の需要が高まっていること。
平成13年度以降一時落ちているのは、介護保険の導入(一般会計から切り離された)が関係していると見られます。
②景気対策としての公共事業分が増えた
小渕内閣までは、公共事業による景気対策が行われました。投資的な経費は基準財政需要額には含まれなかったと思いますが、そのために借金したものの返済が、交付税で面倒を見る(基準財政需要額に含まれる)ため、その後の財政需要額に加算されています。
ただし、全体での影響額は不明。
とりあえず、Qなぜバブル後歳入が増えたのかという問いに対する分析はここまで。
不十分な点については、どなたか分析していただけるか、文献を紹介いただければ幸いです。
次回以降は ○平成13~18に地方債が急増した理由は
について調べていきます。
2009年11月26日木曜日
生ごみで野菜広がる輪 日野市の市民団体
「日野市の市民団体「まちの生ごみ活(い)かし隊」が野菜作りを始めて1年。地域住民の生ごみを堆肥(たいひ)にし、無農薬で栽培した作物は30種類 にのぼる。3人で始めた畑仕事は30~40人に広がり、小さな子どもたちが参加することも。ごみ減量を目的に04年に始まった同隊の事業は、地域の農地保 全や食育などにも発展している。」
「まちの生ごみ活(い)かし隊」は市と住民の協働事業として生ごみのリサイクル促進を目的に発足、当初の堆肥作りから野菜作りに発展したとのこと。後継者のいない農地を使っての家庭菜園ということで、農業振興にも役立っている様子。さらに食育や高齢者福祉にもつながっているとのこと。
新聞にでたことで、さらに広がっていくといいですね。
財政の疑問に答える 第3回
前回はバブル崩壊と個人住民税が減らなかった理由でしたが、今回は固定資産税がなぜ下がらなかったか?という話題です。
益子町でも日野市でも平成14年度まで伸び続けています。
一方地価は平成4年(1992年)からを平成18年(2006年)まで毎年下がり続けています。
なぜ地価が下がり続けたのに、固定資産税が下がらなかったのか。
まずは次のグラフを見てください。
青色の線は、日野市の土地の固定資産税の評価額。右のメモリを見てください。単位は百万円。
赤色の線は、日野市の土地に係る固定資産税の調停額(簡単にいうと滞納がない場合の固定資産税の額)
左のメモリを参照、単位は同じく百万円。
固定資産税の評価額は原則3年ごとに見直されます。平成6年に突然あがっているのは平成6年に地価が突然上がったのではなく(実際には下がっている)、これまで公示地価(国が標準的と認めた地価水準)の3割程度であった固定資産税の評価額を、公示地価の7割にすることを定めたことが原因。
このような税制の改正(運用の改正?)が行われた理由は、「土地を持っている法人や地主は資産価値が上がっているのに、それに見合った負担をしていない」という批判が強まったためと思われます。(正確な経緯は不明。)
これにより、固定資産税の評価額は一気に5倍以上になりました。とはいえ、固定資産税を急に5倍にするというのはあまりにも負担の増加が急激過ぎるというので、一定水準に達するまでは前年度+15%というように、少しずつあげていくことにしました。
というような経緯があったため、土地は下がる一方で固定資産税は少しずつあがり続けるということが起こっているのです。
平成15年ごろから頭打ちになっていますが、このころになってやっと地価の下落の影響が出始める水準になってきたといえます。
ということは地価水準が固定資産税額に影響するのはこれからということになります。
ところで、1,250,000百万円に70%と税率の1.4%を掛けると12,250百万円となり、赤色の線の5,000百万円とはかなり乖離があります。 原因はよくわかりませんが、考えられることとしては、
・住宅地については1/3、小規模なものについては1/6の評価になること
があげられます。つまり、工場を売却してマンションになると、何もしなくても土地の固定資産税は1/6になるということになります。
(次回はこちら)
2009年11月25日水曜日
日野いいプラン2010ステップアップと2020プランへの準備
タイトルが長い。
昨年度、分科会に分かれて議論し、最後の2年間に行うことと次の総合計画への申し送りという、なかなかわかりにくい位置づけにあったように思います。10年前のこの時期には既に2010への具体的な動きが始まっていたことを考えると、2020(第五次総合計画)への動きにしてしまってもよかったのではないかなと思わないでもないですが。
私は市民委員として、子ども分科会に参加、僭越ながら座長を務めさせていただきました。
2010では200名ぐらいの市民委員が集まったようですが、今回は公募では30名程度しか集まらなかったとのことで、次の総合計画策定に向けてはどう市民参加を進めていくかが課題といえそうです。
2009年11月24日火曜日
公募市民2人も意見 小平市「事業仕分け」
「行政刷新会議の事業仕分けが注目を集めるなか、小平市でも事務事業のあり方を検討する事業仕分けが行われ、19日、市民参加の委員会が小林正則市長 に意見書を提出した。昨年7月の町田市に続いて都内自治体では2番目の試みだが、仕分け人に公募市民が加わるのは初めて。対象となった32事業のうち、 18事業が「見直し」となった。」
関連する市のHPはこちら。
こちらは、「市事業仕分け委員会」(委員長・宮崎伸光・法政大教授)の5人によるもので、「構想日本」によるものではないようです。(国の事業仕分けでそれどころではないと思いますが。)
都内では公募市民が加わるのは初めてとのことですが、埼玉では和光市が市民を交えた事業仕分けを行い、報告書が出ています。
(和光市はこちら)
記事によると「今年度から3年がかりで事業仕分けを計画、初年度は事業を開始して40年以上がたつ32事業を対象」としたとのことでした。
財政の疑問に答えよう 第2回
バブル期が過ぎても固定資産税をはじめとする歳入が増えたのはなぜか。
バブルの崩壊というと今までぐんぐん上り調子だったものが、突然まっさかさまに落ちてしまったようなイメージを持ってしまっている方も少なからずいらっしゃるようです。もちろん人によりかなり違うとは思いますが。
そういえば、「リーマンショック」も2008年9月15日を境に天国から地獄に落ちたというイメージが強いのですが、日経平均株価やダウ平均は2007年の中盤をピークに下落を続けており、2007年下半期から景気は後退(経済財政白書より)していたとのこと。
どうも人間というのは忘れやすい生き物のようです。
さて、バブル崩壊です。
もう早いもので、バブル期から20年。バブル期について振り返ってみます。
内容についてはWikipediaの記事を参考にさせていただきました。
○バブル期とは
・バブル景気の期間は概ね1986年12月から1991年2月の間といわれています。
ただしバブル景気という言葉が使われ始めたのは1987年ごろからのようです。
・バブルというのは日本語で言えば泡、つまり中身は空気で大きさだけ大きくなったということを意味しています。
では大きくなったのは何かというと、地価や株価などの資産の価格。特に地価の高騰は社会的な問題になりました。
・地価の高騰により、土地を持つものと持たざるもの、個人と法人(個人は相続があるが、法人は相続がない、また土地の含み益をもって資金を調達することができた)の格差が生じました。
・そのころには、「いくらがんばって働いても家も買えない。土地持ちのお嬢様との逆玉を狙った方がよい。」
というようなこともいわれました。
・財政面でいうと地方自治体が公共施設用地を確保できない(東京区部では道路整備費の99%が土地代)という問題も生じました。
・土地はあがり続けるものという土地神話がまだありました、
当時放送大学かNHK教育での経済学か何かの講座で「利子率よりも土地の期待値上がり率が高ければ、地価は理論上無限大になる」 ということがまことしやかに説明されていました。地価が下がるリスクというファクターがすっぽり抜け落ちていたのですね。
・バブル崩壊がいつかというのはいろいろ節目があろうかと思いますが、 日経平均のピークは1989年の12月29日でした。
地価のピークは1992年頭といわれています。
・株や土地が下がり始めたときの世間の捉え方としては「これは大変だ」というよりも、むしろあまり一般市民には関係ない(むしろ「ざまあみろ」みたいな)という捉え方のほうが大きかったような気がします。
バブル崩壊後
・意外と思われるかもしれませんが、バブル経済後も日本のGDPは延び続けます。
株価がピークを過ぎた1990年のGDPは452兆円、GDPは97年の514兆円まで伸び続けます。
・同様に雇用者報酬1990年の231兆円から97年の279兆円まで伸び続けます。
それ以来、雇用者報酬は減少傾向ですが、それでも1990年を下回った年はありません。
・思い出してみれば1997年当時、業務で事業計画を作成したときには、人件費は漸増する設定だった気がします。
サラリーマンにとっては、バブル崩壊よりも97年の山一證券の自主廃業の方がはるかにインパクトが強かったように思います。
税収への影響
・ 地方財政白書(平成19年度決算版)によると市町村の税収のうち
40.4%が固定資産税
33.8%が個人の市町村民税
14%が法人の市町村民税
5.6%が都市計画税となっています。
・つまり、地価に大きく影響される固定資産税・都市計画税と、個人の給与に大きく影響される個人市民税があわせて80%以上を占めることになります。
・雇用者の報酬が1997年(平成9年)まで伸び続けたので、個人の給与に比例する個人市民税は理論上は97年までは伸びることになりますが、実際には特別減税などがあったため、平成5年ぐらいがピークとなっています。
・ここまでが個人の市民税が伸び続けたことの理由です。
・個人市民税はバブル後も伸び続けるとしても、なぜ地価に影響される固定資産税が伸び続けたのか?については
また次回(こちら)の話題とします。
2009年11月23日月曜日
土地区画整理事業 事業計画を読む3
今日は事業計画の課題について、当然のことながら、区画整理事業にかかった費用は誰かが負担しなければなりません。
区画整理事業のための費用と、財源のバランスを考える上でのポイントは他の財源が減ればその分は事業施行者である日野市の負担になるということ。
例えば、保留地は民間に売却しますが、売却できる価格はその時点の景気状況などに左右されます。想定より売却価格が低ければその分市の負担は増えます。
事業計画上の保留地の価格は
豊田南20.5万円/㎡
万願寺第二26.9万円/㎡
東町 22.5万円/㎡
西平山23.6万円/㎡ です。
ちなみに平成21年度の路線価は豊田駅前で23~28万円、万願寺で一番高いところ(いなげやの前)で20万円前後。
路線価は公示地価の8割になっていますが、バブル崩壊後は時価が路線価割れをするところもあるようです。
また西平山の区画整理事業の財源の半分を占める公共施設管理者負担金の相当部分は道路特定財源になっています。
一般財源になってもこの事業が必要ということであればもちろんお金は出るわけですが、これまでのように優先的に確保されているということはなくなるということになります。つまり、国の動向によって区画整理事業の進捗が大きく左右されやすくなっています。
豊田南地区も財源の3割を占める国庫補助のうちに相当道路特定財源が入っているため、似たような状況にあります。
ということで、財源の面での課題(不安な点を2点)をあげました。
土地区画整理事業についてはこの投稿でとりあえず終了です。
12/5(土)札幌戦「日野市サンクスマッチ」開催
「東京ヴェルディでは、12月5日(土)のホームゲーム・コンサドーレ札幌戦(味の素スタジアム、12時30分キックオフ)を、ホームタウン日野市、そして 日野市で活動する企業などの皆さんと連携し、「日野市サンクスマッチ」として開催します。偶然にも昨年のサンクスマッチと同じ対戦カードとなるこの試合で すが、シーズン最終戦を勝利で飾れるよう、日野市をはじめとするホームタウン皆さんのご声援を宜しくお願いします!」
とのこと、日野市長のキックインセレモニーもあるようです。以前からやっていたんですね・・・・・。知りませんでした~。
2009年11月22日日曜日
日野市関係 残念なニュース2点
「東京都日野市の市立病院副院長から市庁舎内の市民健康相談室に異動を命じられた男性が、「退職勧奨を拒否したためで受け入れられない」として市に取 り消しと500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、「あからさまな報復とは言えないが、病院からの排除が目的だった」として異動を取 り消した。賠償請求は棄却した。
松田典浩裁判官は「副院長の処遇に窮した市が、受け入れ先とするためだけに形ばかりの相談室を新設した」と判断した。
市の退職勧奨自体については「病院の多額の赤字を問題視して経営一新を図る目的があり、不当とは言えない」とした。
市側は「男性に医療ミスや患者らの信頼を損なう言動もあった」と主張したが「ただちに副院長としての適格性を欠くとは言えない」と退けた。判決によると、男性は2001年に私立大の付属病院から日野市立病院の副院長に就任。06年4月に副院長職を解かれ、相談室勤務となった。市は「判決を見ておらずコメントできない」としている」
市立病院のHPはこちら。MSN 10月の記事
「第二新卒者」らを対象とした文部科学省の就職支援事業を受託していた社団法人「学術・文化・産業ネットワーク多摩」(日野市)が、07年度事業 の一部を民間企業に再委託していたことが分かり、同省から09年度分の委託費約1600万円を取り消されていたことが分かった。同法人は22日の臨時総会 で、会長の永井和之・中央大学長ら3人が責任をとって辞任。
後任の会長には小川哲生・明星大学長が就任した。 問題の事業は「再チャレン ジのための学習支援システムの構築」。新卒後に就職したものの間もなく退職した大卒者らの再就職を支援するのが目的。 07年度から委託を受けていたが、今年5月、委託金の不正使用を指摘する投書があり、同省が調査。07年度の約3300万円のうち約100万円を都内の マーケティング会社に調査報告書作成名目で支出していたことが判明した。9月に09年度分(約1600万円)の委託取り消しを決定。禁止されている再委託 分の約100万円の返還も求めた。」
ネットワーク多摩とは、02年7月に発足した産学連携の団体。再チャレンジ事業を実施しているほか、多摩地区のご当地検定「多摩・武蔵野検定」(愛称タマケ ン)なども手掛けています。
土地区画整理事業 事業計画を読む2
もう外側はなくなり、芯の部分にちょこっと残るだけになっています。今しか見られない風景ですが、ちょっと寂しい感じです。
さて、区画整理事業計画の第2弾です。
○土地区画整理事業の財源
前回土地区画整理事業は何にお金がかかるかという話でしたが、今回は財源は何かというお話。
かかる費用の面ではそれほど差がありませんでしたが、財源の面では大きな差があります。
「保留地」と「公管金」というのがわかりにくいと思いますので、解説すると(下図参照)
(クリックするとちゃんと見えます。)
区画整理事業では、事業前と事業後の宅地の価値は基本的に同じになります。
道路などができて面積あたりの価値が高まると、事業前の宅地はそれぞれ小さくなるので、地域全体としてみれば余る土地がでてきます。その土地を保留地といい、これを売却して事業費の一部に充てます。
古い区画整理事業の本を見ると、基本的に保留地を売却して区画整理の費用を賄うようなことが書いてあったような気がしましたが、実際には上のグラフにもあるように保留地で賄えるのは2~3割です。
公管金は、上図にもあるように、「国道や都道の土地代の負担金」です。
以下簡単に特徴を
○豊田南:国庫補助金の割合が多い。そのほかは保留地、日野市、東京都で均等。
○万願寺第二:東京都の割合が多い。国の割合がほとんどない。
○東町:保留地・日野市・東京都がおおよそ均等。
~万願寺第二と東町で東京都が多いのは、モノレールの敷地にあたり、開業にあたり東京都が積極的に支援したためと思われます。
○西平山:公管金が約50%を占める。
これは区域内を国道が通る予定であるため。
この項続きます。
コニカミノルタ、有機EL照明を低コスト化 ロール方式のラインを建設
「コニカミノルタホールディングスは、東京都日野市の事業所内に世界に先駆けて塗布型ロール・ツー・ロール方式の有機EL(エレクトロ・ルミネッセン ス) 照明製造パイロットラインを建設する。本格量産に向けて生産技術を確立し、販売するための設備。今月着工し、2010年秋の完成予定。2010年度内に商 業化を目指す。」
記事によると、有機EL照明は薄くて軽いのが特徴。エネルギー効率がたかく、リサイクルも容易。また、面発光体という従来の光源にない特徴もあり、新しい用途開拓も期待される。ロール・ツー・ロール方式は有機ELの価 格が劇的に下がる可能性がある方式とのこと。
こういう企業は地元として大事にしていきたいものです。
2009年11月21日土曜日
東京V、株主自治体に保有率アップを依頼
丸の内にて。、クリスマス向けなのでしょうか。この手のイルミネーションの始まりの時期って少しずつ早くなっている気がしますが、気のせいでしょうか。
さて本題。日刊スポーツ11月10日付け。
「 東京ベルディが9日、東京・稲城市のクラブハウスで、株主でもある稲城市、多摩市、日野市、立川市の4市と合同懇談会を 行い、各自治体に株式保有率を上げてほしいと依頼した。」
これに対し、稲城市の石川良一市長は「仮に検討するにせよ、増資だけではなく、どのような関係を築いて いくかという全体のコンセプトで考えていくもの」と慎重に語った。
とのこと。
東京ベルディは昔はベルディ川崎でしたね。当時サッカー界のジャイアンツ(つまり全国区)を目指していたところがあり、地元との関係があまり強くなかったのですが、いつの間にか、川崎といえばフロンターレになり、東京といえばFC東京ということで、日野市が株主ということは最近まで知りませんでした。
ちなみに出資額は10万円。公式戦も行われたことが(たぶん)ないので、地元の人も地元のチームという意識がないのでは。
南多摩ベルディとかにすれば違うのでしょうが。
2009年11月20日金曜日
外郭団体を紹介する4 社会福祉協議会
前回の社会福祉事業団との違いとかなかなか直接関係がない人にはわかりにくいところも。
○社会福祉協議会とは?
全国社会福祉協議会のページがこちら。
前回の社会福祉事業団と同じく、社会福祉法に定められた社会福祉法人のようです。
また社会福祉法の中で、市町村ごと(あるいは複数市町村で)・都道府県ごとに社会福祉協議会が設立されるもののようです。
HPでは非営利の民間組織とのことですが、行政とのつながりが深そうです。
ウィキペディアによると、社会福祉協議会の起源は、戦前から戦中にかけて行政の関与で設立された民間の慈善団体「中央慈善協会」「恩賜財団同胞援護会」など及びその都道府県の組織だとか。
実態としては半官半民、運営資金は行政からの予算措置のようです。
○日野市社会福祉協議会の業務
地域の福祉・ボランティア活動をしています。
具体的にはHPを参照ですが、
福祉車両での送迎や杖・車椅子の貸し出し、家事の援助、法律相談などを行っています。
キャラクターのひの助
○収支状況
収入3.56億円
うち補助金1.39億円
受託 0.77億円
事業収入 0.52億円
支出 3.31億円
うち人件費1.4億円
○日野市との関係
会長:社会福祉法人理事、社会福祉事業団理事、もと市議?
その他理事等のメンバー不明
監事2名:税理士と元日野市収入役
内部経理担当2名:民間会社社長他
事務局長は市の職員の再雇用、
次長は市からの派遣
庶務 社員9名
高幡事務所 所長は市からの派遣。
委託
在宅介護支援センター(高幡) 1000万円
日野ハンディキャプ業務 1103万円
高齢者食事宅配サービス 3064万円
補助
運営費補助 7980万円
事業費補助 1700万円
ちなみに東京都の社会福祉協議会にも58100円負担しています。
とりあえず、外郭団体系は今回で終了。
あれ?日野市○○協会とかいろいろあるのでは?と思った方もいるのでは?
これらについては、社会福祉事業団などと違い市の図書館に事業報告書がなかったので、取り上げませんでした。
機会があれば取り上げることがあるかも。
2009年11月19日木曜日
外郭団体を紹介する3 日野社会福祉事業団
○社会福祉事業団って何?
私もよく知らないので調べてみました。
簡単にいうと、自治体主体で作った社会福祉法人のようです。
社会福祉法人とは何かというと、障害者や高齢者を対象とした福祉施設や保育園を運営する法人。基本的にはこれらの施設は社会福祉法人か自治体など運営できる法人が限定されていたかとおもいます。
社会福祉法人は民間の法人ですが、昭和40年代はサービスの供給主体があまりいなかったため、公設民営でできるようにしたもののようです。(ここまではこちらのページを参考に作成しました。)
○日野社会福祉事業団はなにをしている?
障害者や高齢者を対象とした福祉施設を運営しています。
昭和60年に設立されました。
具体的には栄町高齢者在宅サービスセンター、つばさ、やまばと、はくちょう、希望の家、障害者放課後クラブ。
HPはこちら。
○収支は
HPに平成20年度の決算あり。 ちょっとわかりづらい。
収入:約5.86億円 支出:約6.69億円 ということで約8300万円の赤字。
財務活動で+1.2億円ですが、借入か補助金か不明。
○市との関係
理事長、副理事長、理事2名、監事1名、評議員2名が市の職員(元含む?)
なお、そのほかは理事2名(社会福祉法人理事)、監事1名(会計士)
評議員5名(民生委員、行政相談員など)。
運営補助金8960万円(赤字を打ち消すようになっているようです。)
つばさ 指定管理料 約8500万円
やまばと指定管理料 約3400万円
はくちょう 〃 約7000万円
希望の家 〃 約5900万円
栄町サービスセンター 約1億円
後半5項目は市の予算書から推測。
2009年11月18日水曜日
国の事業仕分け進行中
大阪市、町田市、上田市を記事で取り上げています。
今年になってから事業仕分がニュースになることが多くなっており、記事にはしておりませんが、和光市では市民を交えた事業仕分けが行われたようです。(こちら)
構想日本のHPをみると、なんと自民党政権下の2008年にも行われていたのですね。マスコミであまり取り上げられていなかったので、気がつきませんでした。
いずれにせよ、国民の目に触れる形で国の仕事も地方自治体の仕事も見直されるようになるという流れは、仮にもうもう一度政権交代があったとしても止められない流れになったといえるでしょう。
ただ最近の報道をみると、国会議員VS官僚 みたいな対決の構図を作って、ショーアップしすぎのように思われます。
全般的に議論を単純にしすぎるきらいがある。
政治が劇場型から参加型になりつつあるのに、報道は相変わずなのではないか、単に役者を変えるだけではなく自らも変わることが重要なことに気がついてほしいものです。参加型を担う市民としては、財政を含めたリテラシーが非常に重要です。
マスコミの大きな役割として、市民のリテラシーを高めることがあると思うのですが、残念ながらその役割をあまり果たしていない(特にTVは)と思います。「視聴者はこんなものだろう」と思っているのでしょうが、実は市民の方が意識は先にいっているように思います。
環境首都 関東地域交流会の資料をアップしました。
まちづくり研究はちおうじ
「まちづくり研究はちおうじ」
八王子市が設置する自治体シンクタンクとのことで、大体年に1回ぐらい報告書を出しているようです。
第6回がHPに発表されています。
お勧めは首都大学東京の大杉教授の講演録(PDFファイル)。
1年以上前に行われた「八王子市民参加条例講演会」の内容です。
地方分権と市民参画の意義についてわかりやすく、なおかつ説得力がある説明がされています。
財政とは直接関係ありませんが、お勧めです。
その他にも、道州制の話題や公文書の在り方、地域分析の話もあり、充実しています。
相模原市も「さがみはら都市みらい研究所」を持っており、さすが50万人以上を擁する都市の力というものを感じさせます。
といいつつ、日野市は八王子市と合併すればよいかというと、例えば八王子と一緒になって70万都市になったら果たして今の行政との距離感で協働で財政白書が作れるのだろうか?と思うと、正直自信がありません。その意味では健全財政を考える会にとっては今の規模感と距離感がよいような気もします。
単なる慣れかもしれませんが、市民の財政白書ができているところが概ね20万人ぐらいまでの市であるのも偶然ではないのかもしれません。(もちろん札幌や町田のような例外もあります。)
2009年11月17日火曜日
外郭団体を紹介する 日野市企業公社
HPはこちら
HP及び市の事務報告書、公社の決算書(図書館にあり)より。
○会社概要
1991任意団体として発足 1995年会社設立
資本金3000万円。
従業員82名。
○業務内容
実にいろいろ
大きくは公共施設の管理運営
・駐車場や駐輪場 ・大成荘 ・勤労青年会館 ・市民ギャラリー
・市民農園 ・地区広場 ・遊び場 ・南平体育館
・陸上競技場 ・七生福祉センター
市からの委託関係
・ごみ袋の配送 ・清掃 ・住民基本台帳入力
・映像撮影支援
区画整理事業関係の認可
その他販売
○平成20年度決算
売上 5.69億円
うち日野市関連事業4.77億円
区画整理関係 0.54億円
その他 0.38億円
支出 5.54億円
○市との関係
代表取締役 : 元 市の部長
非常勤取締役2名:元市議会議員、市の部長
常勤取締役 :市の職員
監査役2名:税理士と元市議会議員
市からの主な委託
・住民基本台帳入力 1183万円
・一般廃棄物指定収集袋管理配送 1355万円
・陸上競技場管理運営・使用料徴収 1886万円
・南平体育館管理運営・使用料徴収 2159万円
・庁内印刷業務 2461万円
区画整理事業
川辺堀之内組合設立認可事業 4510万円
準備組合から受託。
豊田駅周辺検討調査事業 368万円
新都市建設公社から受託。
新都市建設公社は日野市の特別会計から受託。
2009年11月16日月曜日
広報ひのにて人事行政運営の状況と職員給与を掲載
広報ひののページはこちら。
広報ひのがHPに残っている平成16年度以降、毎年11月15日に公表しているようです。(平成16年度は給与のみ)
詳細は市のHPを見ていただければよいのですが、他の情報をあわせてみると興味深いことがわかるかも。
役職とポスト・級の関係
部長職30名。
市の部は8つ、その他市立病院、議会事務局等の事務局が4つ。
課長職93名。
課の数は35、そのほか~室3、~館・センターが6、支所が1。
もっとも民間企業も部下のいない課長や部長はいっぱいいますが。
各種委員(総額は平成20年度決算)
教育委員 :委員長・委員4名。定例会12回。 月額14.6~18.3万円。
総額745.2万円。
選挙管理委員:委員長1、委員3。委員会平成20年は14回。会議研修会18回。
月額6.95~8.6万円。総額353.4万円。
監査委員 :2名。例月出納検査、定期監査、財政援助団体に対する監査。
決算監査、財政健全化判断比率審査、住民監査請求への対応。
月額6.7万円(議員)13.4万円(有識者) 総額241.2万円。
農業委員 :17名。総会12回、部会12回。月額4.85~6.55万円
総額約958.3万円。
日野市立病院経営専門監 :1名 前副市長。月額75万円。
その他:9~11.85万円。
今後ももう少し調べてみます。
外郭団体を紹介する1 日野市環境緑化協会
データはHP及び中央図書館の情報コーナーで。
○何をする団体なのか。
①啓発イベント。
②事業(菊の花の栽培、種子の配布、公園への花の植え付け、腐葉土・肥料販売、蓮華畑づくり)
③調査
④市からの受託(公園清掃 市内121箇所。公園の除草。安全緑地の設置。)
公園清掃のうち67箇所は愛護会へ再委託。
○収支(平成20年度)
収入は約4808万円
主なものは市からの助成金2,749万円、市からの事業受託収入1690万円。
寄附金127万円。肥料などの販売107万円。
支出も約4819万万円
①イベント関連2457万円
②事業 1467万円 うち臨時職員等708万円
プランター据付517万円
③調査 2万2千円
④受託 1688万円 うち臨時職員671万円。
愛護会への委託費840万円
一般管理費が1269万円
うち理事の人件費275万円
嘱託職員1名 302万円
法定福利費 261万円
○日野市との関係
市からの助成金2749万円
市からの委託料1690万円(公園の清掃委託が1570万円)
理事長1名、副理事長1名、常務理事1名、理事9名、監事2名
常務理事と理事2名は市の職員。
理事2名は元市の職員。
2009年11月15日日曜日
東村山市市民の財政白書発行
昨年は緑の百景と市の財政、ですが、今年は紅葉と桜と市の財政。
東村山市内6つの書店で800円で発売されています。(昨年より安い。)
http://plaza.rakuten.co.jp/hatenaisya/diary/200910230000/
東村山市は市でも財政白書を出しています。
http://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/~kakukaweb/010000/hakusyo/hakusyo.htm
2つの財政白書が出ている市としては他に小平市や西東京市があります。
行政の財政白書と市民の財政白書では視点や論点とするところが、それぞれ違うので、比較してみるのも面白いかと思います。
財政に疑問に答えよう スタート
例えば「バブルが崩壊した後も歳入が伸びているのはなぜ?」。
分析をして「そういう事実」は把握していましたが、その理由の分析まではしていませんでした。
ここらへんは多くの市民が疑問に持つところだろうと思い、分析に挑戦しています。
まずは
①疑問点が日野市にも当てはまるか見てみる。
→乱暴だが、当てはまれば多くの市で当てはまると考える。
当てはまらなければ分析が難しいので分析しない。
②日野市でその理由を分析
③その理由が日野市特有のものでなければ、多くの市で当てはまると考える。
論理構成としてはかなり乱暴ですが、学術論文を書くわけではないので、ご容赦。
課題として出されたのはは
Q1財政規模がバブル期の終わりに膨らんでバブルが終わってからも規模が小さくならないのはなぜか。
Q2 平成13~18に地方債が急増した理由は
Q3バブルが終わっても歳入が伸び続けるのはなぜか
Q4固定資産税の伸びに違和感を感じる
Q5公債費が1986~96で283%になった理由は
Q6財政の縮小期にも関わらず 公債費が平成12年以来膨張している理由は
Q10 補助金の問題:交付の根拠があいまい。長年の慣行により意味がなくなったものも継続されているのでは
Q11 突出した単独事業が全ての年次で組まれている。
このうち分析が可能な疑問はQ1、Q2とQ6はほぼ同じ、Q3と4はほぼ同じ、Q5。
次回は比較的こたえやすいQ3・4、つまり
バブル期が過ぎても固定資産税をはじめとする歳入が増えたのはなぜか。
について分析をしていきます。
2009年11月14日土曜日
市税概要を発見
以前 事務報告書には、個人と法人別の固定資産税が載っていたのですが、5年ぐらい前からなくなり、残念に思っていたのですが、市税概要には記載されていました。中央図書館の資料コーナーと市政図書館にあったのですが、いままで気がつきませんでした。
参考までに固定資産税の個人と法人別の推移
個人 法人(単位億円)
昭和55 14.2 18.5
昭和60 22.8 27.6
平成02 30.1 39.3
平成07 44.9 51.7
平成12 51.6 54.2
平成17 56.2 49.4
平成19 57.6 48.7
2002年に個人が法人を逆転したようです。
逆転の理由は、①機械にかかる固定資産税が減ったこと(機械への投資が減った)、
②法人の土地からの資産税が2001から減り始めた(企業が土地を手放した?)
ことが考えられます。
土地区画整理事業 事業計画を読む1
前回区画整理事業の決算を単年度で見てもあまりわからないという話をしました。
では、何を見ればわかるのか。 それは事業計画です。
土地区画整理事業は「土地区画整理法」という法律に基づいて実施されます。
土地区画整理法の第52条によると、市が区画整理事業をするときは事業計画を定め、都の認可を受ける必要があります。
事業計画は、あるひとつの年だけではなく、事業の最初から終わりまでの全体のお金の流れと事業の内容をまとめたものです。
市が行う区画整理事業の事業計画は「市政図書室」で閲覧することができます。
○区画整理事業の事業規模
市が施行する4つの事業計画を見てみます。それぞれの事業費の総額は
豊田南:440億円(昭和61~平成30)
万願寺第二:256億円(平成3~25)
東町:167億円(平成4~26)
西平山:408億円(平成4~23)
となっています。
どれも多額の費用と長い時間がかかることがわかります。(実際にはもっと時間がかかりそうです。)
○事業計画から事業の仕組をみる
それぞれの区画整理事業でどのようなことに費用がかかっているかを示したのが下のグラフです。
その構成比率は4つの区画整理事業でそれほど大きな差はありません。
「移転」のための費用がもっとも多く事業費の40~55%となっています。
移転とは建物や立木や墓地を移転する費用。区画整理事業は敷地の整理にあわせて建物を少しずつ動かしていく(建替含む)ので、そのための費用がかなりかかります。
「築造」というのは、道路や公園を作るための費用、これが全体の15~20%。
「調査設計費」というのは、測量や調査、道路や宅地の設計(用地交渉などの費用が含まれるかは不明)で、これが約20%となっています。
○ここまでのまとめ
区画整理事業は
1道路や公園などの施設を計画的に配置することが可能
2面的に道路を整備することで、地域として交通や災害時の安全を確保することが可能
3宅地の利用価値が上がる
4道路とともに下水道なども整備される
5これらをその地域から立ち退くことなくできる
というメリットがあります。(日野市HPから筆者まとめ)
その一方で、現に人が住んでいる建物を動かすので少しずつ事業を進める必要があり、そのための時間と費用がかかるものなのです。 とりあえず今日はここまで。
2009年11月13日金曜日
財務省査定もネット公開へ 事業仕分けにならう
「藤井裕久財務相は10年度予算編成で、財務省による査定の状況をインターネット上で公開する考えを明らかにした。主要事業 を対象に、省庁が 予算を要求する理由や、要求を切り込む財務省の意見を文書で紹介。予算編成の過程を見えやすくし、無駄の削減につなげる狙いだ。」
一般公開で始まった「事業仕分け」にならい、これまで公表していなかった財務省とのやりとりを公開しようともの。
実は予算編成の公開は滋賀県の草津市で行われています。(記事はこちら)
このように地方自治体のほうが進んだ取組をしている事例もあるので、何でも国が決めるのではなく、これからは地域がそれぞれ知恵を出して国のほうが学ぶ時代になるのではないでしょうか。そのためにも是非地方分権を進めるとともに、住民も相応の覚悟を持つ必要があるのではないかと思います。
2009年11月12日木曜日
環境首都関東地域交流会に参加しました
菊地代表と私で、20分という限られた時間のなかで、時間を押しながらも発表しました。
カメラも回っていたようなので、ちょっと緊張。これで緊張するようでは、動画版が思いやられるのですが。
環境首都コンテストなのになぜ財政?という向きもあろうかと思いますが、
「限られた資源を使い、後の代によい社会を残していく」
という意味では、環境と財政は共通点があると考えており、代表からもその旨お話がありました。
(内容については後日、考える会のHPに資料をアップします。)
本日は先進事例として荒川区、立川市、板橋区、東松山市から発表がありました。
立川市は商店街連合会(HPはこちら)の取組は隣町でもあり非常に興味深かったです。
特にエコポスターラリー(ポスターをみるとスタンプをくれる)は小学生が参加することで、商店街の活性化と地域の見守り、さらに店の人に挨拶をさせることによる教育効果もあるという、すばらしい取組とおもいました。また地元メディア(まいどTV)との連携など参考になるところも多かったです。
板橋区の環境教育カリキュラムについては、財政を考える会からも教育カリキュラムにどういれたかについて質問をさせていただきました。
特に東松山市のホタルの里整備事業については、ここでは書ききれない。(参考ビデオはこちら)
自治体との連携に始まり(予算はほぼ0から始まった)、地域の力を借りながら徐々に整備することで、地域のコミュニティや地域への愛着も高まり、さらにホタルから地域づくりに発展していっている(進行形)ところがすごいと思いました。
交流会の後の懇親会にも参加させていただき、市民協働についてお話を聞かせていただきました。
是非今日うかがったことをヒントに、いろいろ広げていければと思っています。
2009年11月11日水曜日
土地区画整理事業 平成20年度決算を読む2
決算書では、項目別の分類になっているので、ここでは地区別に分けてみてみます。
1.共通・その他
国庫補助金:日野駅北750万。平山5700万。
都補助金 :日野駅北375万。平山4275万。
~日野駅北と平山は民間の区画整理事業です。
一般会計から:3.39億円
損害賠償金:3400万円
2.豊田南
国庫補助:4.02億円
国庫負担:1.28億円
都補助 :1.81億円
一般会計:2000万
基金から:4.20億円
基金利子:3316万
繰越金6443万円
保留地処分金:7090万円
~基金の取り崩しと国の補助が大きい。
3.万願寺第二
基金から:1.52億円
繰越金1255万円
保留地処分金:893万円
4.東町
一般会計から:5283万円
基金から2100万円
繰越金:577万円
5.西平山
国庫補助:2.64億円
国庫負担:13.87億円
都補助:1.15億円
基金利子137万
繰越金:9466万円
~国の補助が大変
平成20年度は特に国庫補助・国庫負担が多く、歳入全体の過半を占めています。
国庫補助は、その元をたどるとほとんどが道路特定財源です。
国庫負担は、区画整理事業区域内を走る予定の国道を整備するための費用です。
国庫補助と国庫負担の違いは何?という疑問はこちら。難しいと思ったらとりあえず読み飛ばしていいです。
一般に区画整理事業は、長い時間がかかるものです。散々説明しておいてなんですが、平成20年度の部分だけを取り出しても全体像はわかりにくいので、次回以降全体像について説明をしていきます。
宇部市の財政を考えるパネル展開催
「宇部市の財政を考える会は9日から、市の財政状況を分かりやすくまとめたパネル展をフジグラン宇部で開いている。15日まで。
昨年3月に発足した同会が、市の現状を自ら分析し、市民に伝えようと企画している。昨年に続いて2回目。
今年度一般会計当初予算を示し、下水道、公共用地造成、国民健康保険などの特別会計にどの程度の予算が繰り出されているかを表で紹介。また2006年度ま での決算状況から、債務の状況を市民1人当たりに換算して類似団体、県内主要都市と比較。ガス事業、公用車の現状についてのレポートも公開している。」とのこと。
特別会計の他、一部事務組合や第3セクター、公社も含めた分析をしているほか、県内主要都市との比較もしています。
冊子も発行・販売しているそうです。平成20年度の全国のデータが出たらまた分析をするということです。
当ブログでも是非応援したいと思います。
2009年11月10日火曜日
土地区画整理事業 特別会計平成20年度を読む
○何に使われているのか?(うちわけは概ね1千万円を超える項目を)
総額は36.27億円。
1.一般管理費:2.18億円。
内訳の主なものは、市以外の区画整理事業への助成金1.78億円
うち職員人件費は4人で3,739万。 これでほとんど。
2.豊田南区画整理費:12.97億円。
主な内訳
区画整理業務委託料:10.71億円
職員給:6人、6,243万円
積立金:5300万円
損害賠償金:3400万円
土地の借り上げ:2588万円
水道整備への負担金:2243万円
文化財調査:1908万円
3.万願寺第二区画整理費:1.71億円
主な内訳
区画整理業務委託料:1.17億円
水道整備に関する負担金:2300万円
土地借り上げ:1323万円
職員給:2人 1295万円
4.東町区画整理費:7,858万円
主な内訳
区画整理業務委託料:4,547万円
水道整備に関する負担金:1372万円
職員給;2人、1040万円
5西平山区画整理費:18.62億円
主な内訳
積立金 : 10.22億円
区画整理業務委託料:7.17億円
埋蔵文化財調査:5320万円
水道整備に関する負担金3515万円
職員給:2人 1,886万円
6公債費 2.35億円
そのうち利子4529万円。
全般的に見て、区画整理業務委託料が多くなっています。具体的な業務内容は、区画整理に関わる道路や宅地の工事や調査、移転などと思われます。
これらは全て日野市も出資している「新都市建設公社」に発注しています。
新都市建設公社についてはよく知らないので、今後調べてみようと思います。
歳入については次回。
2009年11月9日月曜日
一部事務組合を紹介する 南多摩斎場組合
○メンバーは
南多摩の5市(八王子、町田、日野、多摩、稲城)
○目的は
火葬場の管理運営
○設立は昭和50年。結構古い。建物は新しいようですが。
○財政
・収入6億円、支出5.7億円(平成19年度)
・借入金残高約4億円。
○日野市の火葬場
・3年ぐらい前にはじめて聞いたのですが、日野市にも火葬場があります。
・安いので利用率は高いという話を聞いたことがあり。
・火葬場の経費は衛生費の保健衛生費の中の環境衛生費に分類されています。
平成20年度は経費が約2100万円。うち委託費1021万(有限会社ハマヤナ協会)、燃料558万。
・使用料収入は343万円だとか。
○日野市との関係
・やはり議会があり、各市から2名ずつ議員を出しています。
・日野市の負担金が4552万円。 自前で火葬場があるので負担金が安くなっているという話もあるようです。
(それぞれの住民の利用実績により負担の割合が決まるため。)
○ちなみに一部事務組合の議員報酬などについては、こちらのHPに貴重な資料あり。
http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/jimukumiai-houshu.htm
今日で一部事務組合の紹介は終わりです。
2009年11月8日日曜日
一部事務組合を紹介する その4 東京たま広域資源循環組合
1980年に「三多摩地域廃棄物広域処分組合」が設立、2006年から現在の名称になっています。
○目的
・日野市のゴミのうち燃やされたものの灰と、不燃とされたものは、日の出町に運ばれています。
これらの処分(日野以外からも来ている)の処分が目的です。
・谷戸沢処分場(埋め終わり)、二ツ塚処分場への埋め立てを行っていましたが、最近灰についてはエコセメント化施設によりリサイクルが図られています。
○参加市町
・25市1町が参加しています。
・意外なことに処分場が存在する日の出町は参加していません。西秋川衛生組合(あきる野市、日の出町、檜原村)でゴミ処理をしています。
○処理量
・焼却灰は6.6万立米、不燃物は7千立米。(平成20年度)
ピークは灰が8.5万立米、不燃は7.4万立米(平成12年度) 特に不燃が減っています。
・エコセメントの販売量などは不明。最近景気が悪いので、出口があるかちょっと心配。
○財務
・歳入108.9億円、歳出102.0億円(平成19年度決算)
・歳入のうち93.3億円が各市町村の負担金。
・歳出のうち70億円が処分費。エコセメントでそのうち約半分と思われます。公債費が25.9億円あまり。
・平成19年度末現在267.8億円の借入金。
○議会・理事会
・理事会は26名。各市町の長で構成。
・議員は26名。各市町から1名ずつ。
・監査委員は2名。調布市議と八王子市役所の元部長。
○日野市との関係
・負担割合は4.2%。
・焼却灰を3080立米。不燃物を1208立米持ち込み。
不燃の量は八王子市についで多い量。
・上記の負担金として平成20年度は4.2億円を負担。
・日野市長が理事会の副議長
・議員を1名(市の健康福祉部会に所属議員)
○その他
・小学生向けの動画のページあり。
2009年11月7日土曜日
一部事務組合を紹介する その3競艇事務組合
2009年11月6日金曜日
一部事務組合を紹介する その2 競艇事業組合
HPは京王閣のHPのみ、組合のHPは不明。
○11市とは?
八王子市、武蔵野市、青梅市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市。
ちなみに立川競輪は三鷹市、西東京市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市の8市の一部事務組合(東京都市収益事業組合)で行っているようです。
立川市は?→市営の競輪つまり、独自でやっているようです。
○何をしているの?
・競輪の施行。
・競輪の調査及び情報。
○行政がギャンブルをやっていいの?
・それは逆。JRA以外でギャンブルをしてよいのは、地方自治体だけです。(あとはTOTOか。)
パチンコなどは法的にはギャンブルになっていません。
○議員・理事がいる
・各市から2名ずつ市議会から。
・理事がおり、これは各市の市長。
・監査委員2名。1名は上記の議員から。
○収支
・収入が約260億、支出が255億。
・もともと公営ギャンブルは戦災からの復興支援が主目的であり、90年代までは地方財政に健全化してきた(ウィキペディア「公営競技」より)ようです。しかし最近は収支が悪化、撤退する自治体も出ているとか。
○日野市との関係
・議員が2名出ています。
・平成20年は1千万円が、市の歳入に繰り入れられています。
2009年11月5日木曜日
一部事務組合を紹介 その1
・東京市町村総合事務組合
・東京都十一市競輪事業組合
・東京都四市競艇事業組合
・東京たま広域資源循環組合
・南多摩斎場組合
・東京都後期高齢者医療広域連合 です。
後期高齢者についてはすでに紹介していますので(こちら)それ以外の5つについて紹介します。
まずは東京市町村総合事務組合(HPはこちら)
○区を除く東京都の全市町村(島嶼部含む)が加入
○昭和63年4月1日に発足 ~ 意外と新しい。
○何をしているか
・東京自治会館の設置管理運営 ~ 主目的?
・交通事故関係の共済(これは別会計になっている)
・職員の研修
・非常勤消防団員や作業従事者の損害補償・退職報償金等の支給事業
・公平委員会の事務
○自治会館って?
・市長会や町村会、市町村自治調査会などの事務所が入っている。
・会議室:国や地方自治体のみ使える。
○職員
・職員55人うちプロパー17人、残りは市町村からの派遣
・人件費は平成19年で4.3億円、一人当たり782.8万円。
プロパーは平均約700万、そのほかは820万。
○組織
・議会がある!
・議員は14名。市議会の議長3名。町議会の議長2名。
市長6名、町長1名、村長2名。
・正副管理者というのがいる。現在は昭島市長と日の出町長。
・監査委員は2名、元市長と市議会議長
○収支
・共済以外で収入11.16億、支出10.49億。内容不明。
・共済 収入5.59億、支出4.34億。
○日野市との関係
・負担割合は4.8%。
・日野市長が議員になっています。
・平成20年度で1291.5万円を負担しています。
・市長会や市議会議長会への負担金が間接的に賃料としてこの事務組合に回っています。
ちなみに東京都市長会への負担は平成20年度は325.6万円。
一部事務組合ってなかなか情報がないものですね。ここから紹介するページはHPおよび財政状況等一覧表からの情報。市の図書館の資料室や市制図書館でも詳しい決算の情報は見つけることができませんでした。
2009年11月4日水曜日
全国財政白書行脚 滋賀県
県ごとに市町村の財政資料を見ていくと、県によって傾向がありそうな気がします。
やはり隣の市や町のすることは気になるからでしょうか。
滋賀県は長期の財政計画を立てて公表している市が多いように思われます。
滋賀県で特徴的な市をいくつか。
草津市:予算の編成過程を詳しく公開しています。具体的には各部の見積、内示、部長間調整、市長査定、公開調書、復活見積。
さすがにここまで必要としている市民はなかなかいないでしょうが、過去の経緯をたどる上では参考になりそうです。
そのほか
大津市の家計簿:内容は広報レベルですが、各種情報へのリンクあり。
彦根市 財政事情(PDF注意):主に平成21年度予算。平成9年来のグラフあり。
守山市の財政状況:平成19年度決算に基づくもの。身近な事業の費用を一人当たりに置き換えているのが特徴。
グラフは平成9年から。
が市民向けの財政の説明でくわしそうなもの。
なおリンクをクリックするとそれぞれの市の財政のHPに飛びます。
ブックレビュー Eデモクラシーへの挑戦
ブックレビュー eデモクラシーへの挑戦 藤沢市市民電子会議室の歩み
金子郁容・藤沢市市民電子会議室運営委員会 岩波書店 2004年4月発行
1997年にオープンした藤沢市の市民電子会議室についての本。
今でも電子会議室はあります。(こちら)
97年といえば、Windows95の時代でまだ会社でも一人一台になっていなかったころではと思います。
ちなみにこの本によると2002年12月現在733もの自治体で市民電子会議室が開かれているのだとか。
意外というか知りませんでした。その中でも藤沢市は成功している”稀な”事例といわれているのだとか。
○電子会議室設立のきっかけ
1981年から16年間にわたり「地区市民集会」というのを開き、提案や要望を受けていたとのこと。
これでも当時としては先進的だったと思うのですが、
・提案に対するフォロー体制がない
・若い人の参加が少ない(30代以下が6~7%)
・一方的になりがち
という課題の中から生まれたようです。
○当初は
・市民からの要望・質問に対して、市の職員が応えるというようなものが多かったようですが、だんだん市民同士の対話になっていったようです。
○難しい点
・市の職員が発言することはいろいろと難しいようです。責任が生じるとか、市としての公式見解であれば上の決裁が必要だとか。
・確かに例えば会社のHPに外部の人が見れる掲示板があったら、社員としては書きにくいですよね。
・また議会に話す前に情報提供するのはどうか というような意見もあったようです。
・別項でも紹介しましたが(自治を担う議会改革のブックレビュー)、先進的な自治体であるような「行政と議会と市民の危ない関係」が生じてきたとか。
○荒れない?
・いろいろな自治体から質問があるらしいですが、「問題発言があった場合はどうするの?」という質問が多いとか。
・本書では、荒れない雰囲気を作るノウハウ。お互いに注意し助け合う風土。をあげています。
簡単に書いてますが、それが難しいんでしょうねぇ。
○市政への反映
・電子会議室での内容を運営委員が提案としてまとめているとか。実際に市政に反映されることが多く、これがやる気を高める要因にもなっているようです。
・私の経験からすると、実際にまとめるというのは大変で、まとめられるというところがすごいところだと思います。
○直接民主主義
・ネットがあれば直接民主主義ができるというニュースをアップしましたが、(こちら)39万人のうち会議室に登録している人は2500人。
100人に一人以下のようです。とはいえ、「○○策定市民委員」とかで集められる市民の数よりははるかに多い人数が参加できると思います。
・参加している年齢層は20代と30代で半分以上となっており、市民会議に参加できない市民への新しい市民参加のルートとなっているようです。
・電子会議室のよいところは、単に賛否を問う式の多数決による民主主義ではなく、また質問と回答でもなく、議論を通じてより高いレベルの政策決定につながることなのではないかと思います。
・その意味で、議会も議員が質問書を読み上げて市長が回答を読み上げるというだけではなく、議員同士が議論をしそれを市民に開いていくことが求められているのではないかと思います。(議員同士の議論を認めている市議会もありますが。)
2009年11月3日火曜日
地方分権改革推進委員会 第三次勧告
10月7日ですが。。。
第三次勧告の重点は、地方立法権の拡大による「地方政府の実現」
特に義務付け枠付けの見直し及び条例制定権の拡充に力点が置かれています。
枠付けというのがいまいちわからない言葉なのですが、「義務付け枠付け」の具体的な見直しとして
1 施設などの設置・管理基準
2 国や上位団体の協議・同意・許可・認可
3 計画の策定や手続きの義務付け
があげられており、これで少しはイメージできるかも。
推進委員会の中で片山元鳥取県知事から「地方分権に対して、立法・司法がリテラシーがない」との発言をうけてか、法律策定の際に地方分権に抵触しないか手続きを確立すべしとの勧告がされています。
政権交代となりましたが、「内閣を挙げて速やかに取り組む」とのこと。
ところで、委員会の中の各省庁からの発言を見ると「基準を決めないとサービス低下になる」というような主旨が多いのですが、地方自治体を馬鹿にしているのかと思う。サービスを低下させたら一番最初に矢面に立つのはそれぞれの地方自治体。そう簡単にできるわけがない。
むしろ今までは「これが基準ですから」といって納得させてきた面もあるのではないか。これからはサービスの水準の根拠を他人に求められなくなるという意味で、それぞれの地方自治体にとっても大変なことといえるでしょう。
一方財源はいくらでもあるというわけではありません。どのサービスレベルがよいか市民と行政が一緒になって考えないといけない時代になったと思います。その中で出てくる解は全国一律ではないのは当然といえます。
もちろん自治体にそれだけの力があるのかとか、財政力によって差がつくのではないかという議論はあるのですが。
自治体に基準が決められるわけがないという根拠のために「介護保険の基準は200ページもある」という話が出たそうですが、はっきりいってそんなにこまごまとした基準が(しかも全国一律で)あること自体がおかしいと思わなければならないのだと思います。
2009年11月2日月曜日
名古屋市随意契約を減らす手引書
「名古屋市は2日、競争入札をせずに特定業者と契約する「随意契約」を減らすための手引書を作成した。河村たかし市長が進める入札改革の一環だ。外郭団体と市との契約では、ほぼ100%となっている随意契約を2~3割程度にまで削減できるという。」
基本的に公共が発注する場合は入札が原則です。公的な補助(特に国が関与するもの)が民間に入った場合にも、その民間からの発注は入札になることが多くなっています。そのような中でも外郭団体へは随意契約で契約することが多いようです。
外郭団体から民間へは随意契約でできるというので、民間へ随意契約するために外郭団体を通すということが行われていました。
(10年ぐらい前の話なので、今はどうかわかりませんが。)外郭団体ではマージンをとるので、民間に直接発注するよりもさらに高くなっているというようなこともあるようです。
記事では「河村市長は2日の定例会見で「外郭団体への随意契約が競争入札になれば、税金の節約になる」と話した。」とあり、上記のような背景があるのかもしれません。
たばこ税:販売実績大幅に上回る税収 大阪・泉佐野市
毎日新聞11/2
「大阪府泉佐野市が市内での販売実績を大幅に上回るたばこ税収を得ていることがわかった。府内のたばこ販売業者が市内に事業所と自動販売機1台を設 置した昨年10月以降、この業者が近畿のパチンコ店などに販売したたばこを泉佐野市内で販売したように報告したため。設置前の07年度は約7億6000万 円だった市のたばこ税収は、08年度は約14億6000万円、今年度は約23億5000万円になる見込み。1台の自動販売機がもたらした増収が約16億円 にもなる事態に。」
このブログでも何かと話題の泉佐野市です。
市では企業誘致条例を作り、市税を300万円以上納税した企業に超えた分の10%を払う奨励制度を設けたとか。法人市民税だけにしておけばよかったのに。
この業者はそこに目をつけ、全て泉佐野市で販売したように報告したようです。(事業の実体はないらしい。)
この業者には今年度、市から約1億5000万円の奨励金が支払われる見込みだとか。
考えてみれば、大阪全体で見れば、奨励金の分税収は減ることになるわけで、これは問題ですねぇ。
ちなみに市町村たばこ税は地方税法の第464条以下に規定されており、第465条第1項で
「たばこ税は、製造たばこの製造者、特定販売業者又は卸売販売業者(以下この節において「卸売販売業者等」という。)が製造たばこを小売販売業者に売り渡す 場合において、当該売渡しに係る 製造たばこに対し、当該小売販売業者の営業所所在の市町村において、当該売渡しを行う卸売販売業者等に課する。」とあります。営業所所在市町村というのがあいまいなところですが、上記の例でいうとどうなんでしょ。
2009年11月1日日曜日
日野市の財務諸表が発表されました。
(HPはこちら)
財務諸表の作り方には総務省基準モデルと総務省改訂モデルがあるようなのですが、複式簿記に基づいて行われるものが基準モデルで、改訂モデルは既存の決算情報から導出する簡易なモデルとのこと。
名前のイメージからすると改訂モデルの方が新しくて詳しいのかと思いきや、むしろ総務省簡易モデルとした方がよいのかも。
ちなみに多摩地域ではほとんど改訂モデルが使われているようです。
日野市のHP上では平成16・17年度のものが公表されていますが、連結になっているほか、分類の仕方が少し変わっているようです。
今後さらに詳しい資料が公表されることを期待しています。
土地開発公社と土地区画整理事業
土地開発公社と区画整理事業は深い関係にあるのです。
○区画整理事業とは?
日野市のこちらのページ(区画整理課)を参照してください。
区画整理区域内の公共施設とは、区画整理内の道路や公園のことです。
区画整理事業では公共施設は従前の宅地を少しずつ削って生み出すということになっていますが、実際には生み出しきれないので、あらかじめ公共施設用地を市が買っておかなければならなくなっています。
○土地開発公社の土地と区画整理事業の進捗
土地開発公社は公共施設として使う土地を先に買っておく公社でした。区画整理事業以外の土地、例えば小学校用地とか○○会館用地のようなものは、その施設に対する市の予算がつき次第取得できるものです。しかし、区画整理事業は、既にある住宅や道路を少しずつ動かしながら事業を進めていかなければならないものです。関係のある住民一人ひとりの同意のもとに進めていくため、一般に時間がかかります。
つまり、区画整理事業に関する土地は事業が進まない限り、なかなか処分が進まないということになります。
○日野市の区画整理事業
日野市では豊田駅の北口をはじめ、多くの場所で区画整理事業が行われています。
現在市が施行している区画整理事業は豊田南地区、西平山地区、万願寺第二地区、東町地区の4箇所。
次回以降これらの区画整理事業について、主に財政資料を元に紹介します。