2009年10月8日木曜日

決算書を読むシリーズ 固定資産税2

決算書では固定資産税は現年分と滞納分という区別しかありませんが、
予算書を見ると、土地、家屋、償却資産ごとに分類されています。
 平成21年予算書によるとその割合は土地45.6%、建物37.6%、償却資産16.8%となっています。

償却資産というのは、事業者が持っている構築物、機械・装置、車両・運搬具(自動車税などがかかるものを除く)、工具器具及び備品です。工場などがあるとこれらにも固定資産税がかかるので、市の財政に貢献することになります。
ただし、償却資産は減価償却とともに課税対象となる価格が年々減っていく(建物も減っていきますが、減り方は遅い)ため、新しい設備投資がないと、固定資産税は減っていくことになります。

例えば原子力発電所がある市である柏崎市を見ると、固定資産税は平成10年の162億円から平成19年の99億円まで60億円も減っています。推測ですが、原子力発電所の償却資産による固定資産税が、施設の経年に伴い減少していると思われます。(減ったとはいえ大変な金額なので、柏崎市は新潟県で一番財政力の高い自治体となっていますが。)ある程度予測できるとはいえ、税収がこれだけ変動すると財政運営にもいろいろ苦労があろうと思われます。