2009年8月31日月曜日

市民財政白書を作る(動画版) 専門用語との橋渡し

民生費=福祉のための費用 とわかりやすく言い換えるのはよい。
でも、最初は「福祉のための費用」としておいても、だんだん民生費という単語を使うようにしていきたい。

なんだかんだいっても、予算書や決算書は財政用語で書かれている。
民生費はまだよいが、あまり簡単な置き換えをすると不正確になり、説明するのに一段落ぐらい必要なものもある。
そういうものは、まずきちんと説明した後は、なるべくその用語を使うようにしたい。(途中から見始める人がいるかもしれないのがややこしいが。)

まずは財政状況を噛み砕いて、わかりやすく説明することは必要。でも、ゆくゆくは市民が自分の興味がある部分だけでもいいから予算書や決算書を読めるようになってほしいと願うのです。
そのためには、やはり財政用語をそのまま読めるようになることが必要と思う。
いってみれば、財政白書が目指すのは吹き替え版ではなく字幕版。そのうち字幕なしで映画が見れるように、市民と財政用語の橋渡しの役割をできればと思っています。

2009年8月30日日曜日

NHKドラマ 再生の町

ちょうど昨日から始まったドラマです。
 テーマとしてはタイムリーといえばタイムリー。(夕張の破綻は3年前なのでいまさらという声もあるかもしれませんが)
 http://www.nhk.or.jp/dodra/saisei/index.html
 
テレビを見ない人なので、さっきまで知りませんでした・・・。TV局のサイトを見ると、豪華キャストですね!
  
このブログでも大阪方面は財政が大変な自治体が多いことを記事にしていましたが、このドラマも大阪が舞台のようです。
(その方が見る人が他のどこかではなく、身近なところと感じるからなのかも。あとは撮影の都合。)
※記事はこちら
  守口市 
  泉佐野市
  大阪市
  

市民財政白書を作る(動画版) 構成を考えてみる

動画版を作るにあたっては、映像素材をどうするかとか、編集をどうするかとかいう問題もあるのですが、その前にシナリオがないとお話になりません。
基本的には紙ベースの白書を基本として。
1.財政とはなにか
2.市の財政の概要(何をしているか)
3.市の財政の課題
 ・全般的な課題
 ・特に今後重要な課題
4.市民としてどうするか

紙版の白書では、まず「市の財政の課題」を先頭に持ってきたのだが、より広く見てもらうことを考えるとある程度基本的なところを先に持ってきた方がよいのかなということで、こうしようかと思っています。
あとはいいたいことをどれぐらい盛り込むか。
これまでの白書ではあまり取り上げなかった国と市の関係とか、財政健全化法の話題とか、いろいろと入れたいと思うものはあるのですが、むしろ動画版の方がいえることが少ないと思うので、絞込みが今後の課題です。

2009年8月29日土曜日

市民財政白書を作る(動画版) 公的サービスと行政サービス2

前回の続き。
 公的サービスと行政サービス、用語としてどっちを使っていくか。あるいは公共サービスというか。迷うところです。
 ”公的サービス”と言った場合には、実は必ずしも行政がやるものに限定されなくなります。
 ボランティアやNGOが行う活動、通常の企業が行う活動の中にも公的な活動があります。
 ということで「公的サービスをするために税金が必要」と説明してしまうと、税金によらずに公的サービスを供給している主体があることと合致しません。

 そういう意味では「行政サービス」といえば間違いがないと思われますが、行政が行うサービスはイコール行政サービスですから、なんとなくトートロジー(同意反復)っぽくあります。
 「行政サービスのために税金が必要」という説明を解きほぐすと、「行政が活動するのだから、みんなが行政にお金を払う必要がある」ということになり、どんな活動であれ(極論すればみんなのためにならない活動であれ)行政が行った活動は行政活動なので、「お上が使うんだから黙って払え」的な感じがして、なんとなく説明として違和感を感じる部分があります。

 そもそも何のために行政サービスを行うかといえば、みんなの役に立つために行うわけで、つまりその役立つ活動は公的サービスであるわけです。  つまり努めて正確に言おうとすると、「公的サービスのうち行政で行うもののために税金が必要」ということになります。「公的なサービスのうち行政が行うべきものは何か?」に対する絶対的な答えはなく、それは別の議論になります。
 行政がやるから行政サービスなんだな、ではなく、公的サービスで何を行政がやる必要があるのか、その負担を含めて常に考えていく必要があるのです。

 なお「公共サービス」という単語は「公共サービス基本法」という法律があってその中で「国や地方公共団体の事務又は事業で特定の者に対し行われる金銭その他の物の給付又は役務の提供、規制、監督、助成、公共施設の整備その他の公共の利益の増進に資する行為で、国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を満たすもの」と定義されています。
 この法でいわんとするところの「公共サービス」が上記で説明しようとしている「行政の行う公的なサービス」と一致するのかどうかよくわからないので、法に定める「公共サービス」と混同しないようにこのワードは避けた方がよいのかもしれません。
 

市民財政白書を作る(動画版) 公的サービスと行政サービス1

いまさらですが、このタイトルでは、財政白書の作成の上で考えたこと、考えていることを書きます。
 あまりまとまりないかもしれませんが。
 意外といろいろ考えているんだなと思っていただければ。また白書を作ったり、読んだりされる方の参考になればと思います。

財務省・国税庁をはじめいろいろなHPで、税はなぜ必要かの説明で、
「公的サービス」または「行政サービス」、「公共サービス」のために必要と説明がされています。
「行政サービスおよび公共施設」という説明をしている場合もあります。
たいした違いではないといえばたいした違いではないのですが、書き手としてはどの言葉を選ぼうか迷うところです。
まず、「公共施設」をサービスと並列で説明するのはやめようと考えています。
というのはまずひとつは文章が長くなるから、特に動画版だとフレーズが長くなってなおわかりにくくなるから。これは技術的な末節の話。もう少し根本的なところで「公共施設」を別立てにしたくないと考えています。
「公共施設」はハードなもの、「公的サービス」はソフトなものという区別と思うのですが、実は端的にいえば公共施設そのものは利用者としてはそれほど必要としていない。道路を使う場合、道路を構成するアスファルトとか白線とか、ブロックとかそのもの自体を欲しているのではなく、円滑に安全に目的地に行けるという機能を欲している。
建物もしかりで、建物を構成する鉄筋コンクリートや屋根材や床材を欲しているのではなく、それらによって構成される空間、より突き詰めればその空間が可能にする活動を欲している。
と思うのです。公共施設に光を当てると、そのものが存在することが重要なように思われ、そのものの機能の影が薄くなるのではないかと考えたので、ちょっとわかりにくい部分が生じるかもしれませんが、財政の役割や税の必要性の説明においては公共施設を含め、○○サービスに統一して使っていこうと考えています。
 ちょっと長くなったので、○○の部分に何が入るかはまた別の投稿とします。

2009年8月28日金曜日

泉佐野市 財政健全化団体へ

毎日新聞 8/26
 泉佐野市が早期健全化団体になることが確実になったという記事。
 記事はこちら。(時間がたつとリンク切れになることがありますので注意)
 
 泉佐野市といえば関空の対岸の町。空港建設と同時に国と大阪府は周辺開発に乗り出し、市はりんくうタウンの下水道整備などをおこない、その資金として借金に頼っていた。
 しかい大阪空港は閉鎖にならず、固定資産税は100億と見込まれたものが70億に、航空機事故を想定して作った病院は赤字。
 という具合。記事では元市長へのインタビューをメインにしています。

 泉佐野市の財政を見てみると、人口約10万人に対し、地方税収は190億円、一人当たりの税収は18.7万円で、日野市より多い。固定資産税が107.5億と人口当たり固定資産税は日野市の1.6倍ぐらいあることがその要因。
 (比較の対象がいつも日野市ですまん。日野市民なのでこの比較が一番よくわかるのです。私は。)
財政力指数も0.97で決して低くはありません。

 特徴は借金が多いこと、一般会計で745.7億円、特別会計が596.6億円、3セクへの債務保証84億円あわせて約1400億円・・・・。一人当たり140万円。
 日野市は合計で約55万円、これでも多摩地域では多いほうなのだから、いかに泉佐野市の借金が多いか伺われます。
 そのため、公債費が非常に多く、経常収支比率として約26%を占める状況になっています。
おそらく借金払い以外の財政を圧迫しているものと思われます。

 なんと!平成20年度の決算カードがアップされています。
 http://www.city.izumisano.osaka.jp/section/gyouzai/zaisei/zaisei15/kessankankei.htm

 

市民財政白書をつくる(動画版) 特別会計

どこの市にもある特別会計が国民健康保険と介護保険、あと平成20年の3月までの老人保健と同4月以降の後期高齢者医療特別会計。
特に国民健康保険がややこしい!
 歳入:国民健康保険税、国庫支出金、都支出金、繰入金、繰越金 ここまではわかる。
  療養給付等交付金、前期高齢者交付金、共同事業交付金となるとわからない。
  決算書の説明を見てもやっぱりわからない。前の財政白書は「全国的な何かの組織からのお金」としていたのですが、、。
 歳出も総務費、保険給付費はわかるにしても
  後期高齢者支援金等、前期高齢者納付金、介護納付金、共同事業拠出金となると、
  いったいどこの誰に納付するのやら。(以前の白書では「全国的な組織ということにしている」)
 しかも、介護保険やら後期高齢者やら他のものともつながりがあるよう。
いろいろな制度の説明を見ても、それぞれの負担割合は書いてあっても決算書の歳出割合と一致しないし、断片的にわかっても全体像が見えないという気持ち悪さがあります。

作る方が理解できないのに、ましてや時間が限られた動画編の中でどう説明したものか・・・・・。
国立市の市民が白書の第二弾として特別会計版を作ったようですが、分析内容が気になるところです。

2009年8月27日木曜日

市民財政白書を作る(動画版) 一般会計と特別会計

動画版でも紙版でも最初の方に説明しなければならないのが、一般会計と特別会計。
日野市の財政白書では「いわゆる市の会計」という説明、Wikipediaでは「特別会計に属さない会計」と説明しています。
本来は市の会計は、歳入と歳出を全て一元化して考えるという単一予算主義なのだそうで、特別会計はその例外として(といいつつこの例外は例外なく全ての市にある)定められているということらしい。

さて、ややこしいのが特別会計がどこまで含まれるか。
日野市の予算書や決算書では病院会計が含まれていないものの、総務省の財政状況等一覧表では特別会計の仲間として扱われており、書かれているものによって、病院会計が特別会計の仲間になったりならなかったりします。
財政白書を作成したときは、特別会計もその他のものも含めて、市の借金は全部合算しようということで、病院会計の他に土地開発公社も含めました。
平成17年度からは、総務省が公社や第三セクターまで含めた財政状況等一覧表をHP上に上げているので調べやすくなりましたが、昔は自分の市はともかく、隣の市を調べるのは非常に大変だったという記憶があります。
借金が白書のテーマとなりそうな市の場合には、上記総務省へのリンクを参考にするとよいでしょう。

2009年8月26日水曜日

市民財政白書をつくる(動画編) 世の中例外が多い

仕事上の書類であれば、例外を含めてきっちり説明するところですが、市民向けにわかりやすくということを考えると、それをいちいち説明してはかえってわかりにくくなることがあります。
紙ベースの白書の場合は註をつけるとか、括弧書きにするとかありますが、動画版だと流れを乱さないように説明しないといけないところが難しいところ。
ひどいのは地方財政法で原則は「地方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。」(要は借金はしない)としながら、「ただし」として借金ができる場合の例外事項をあげています。ところが、さらにその例外としてそれ以外の場合でも借金ができることが別の法律で定められています。
実際には原則どおりという市町村はほぼ0で、ほぼ全てが例外の対象となっているうえに、おそらく9割方例外のさらに例外の規定も受けている(日野市もそう)ということで、実はその例外の方が逆にスタンダードになっているという状況にあります。

原則を理解いただいたうえで、実態をつかんでもらい、かつわかりやすくしたいところなのですが。。。。

2009年8月25日火曜日

市民財政白書を作る(動画編) 財政ってなあに。

市民向けの白書を作るときにまず説明しなければいけないと思うのが、財政とはなにか。
財務省のビデオだと「私たちが納めた税金を元にさまざまな行政活動を行うこと」を財政と説明しています。
経済産業省のページでは「政府は税金や国債等の収入手段を組み合わせて、企業や国民から資金を調達し、これを元に福祉や教育などのサービスや、道路・空港等の建設など国民の生活の基本となるものを整備するための活動を行っています。これを財政といいます」と、なんとこれがキッズページで説明してあります。ってちょっとむづかしすぎでない?

国税庁のビデオだとなぜ税金が必要かの説明として「公的サービスをするため」としており、税金の説明と財政の説明が一緒になっているようなところもあります。社会に参加する会費と説明しているところもあります。

むしろ財政とはなに?の説明の参考にはむしろ国税庁の方が参考になるのかも。
ところで、世の中には税金がない国もある(当然そういう国でも行政サービスはある)ので、行政サービスをするために税金が必要という説明では不十分なようにも思います。
 税金のない国は、国でギャンブルの胴元をやっていたり、鉱山会社を運営していたりするようなところで、国の付加価値をその政府がほとんど生み出しているようなところといえるでしょう。仮に日本が税金なしにしようとしようと思えば、トヨタやソニーのようなところを国営にしてその利益で行政サービスをしようということになるのでしょうか。
 実際に今から90年以上前にそのようなことを目指した国がありましたが、政府が必要なもの全てを生産して行政サービスをしようという壮大な実験は失敗したといってもよいでしょう。日本のような大きな国では付加価値は民間の創意で生み出し、その一部を税金として行政活動のために使い、将来的な成長を支えるようにするという仕組みであるべきということなのだと思います。
 このようなところまで突っ込んで、財政とは何かという説明に加えるのかということは悩みどころで、紙幅と時間(動画の場合)が限られる中では、どうしてもある程度わかっている(説明を要さない)ものとしないと先に進めないところがあります。(どんどん突っ込んでいくと際限がなくなるし。)

 実はそういう細かい話ってたくさんあり、都度白書作りではどこまで書くか悩むところです。

 ちなみに日野市の財政白書では、行政サービスの事例を挙げて、これらのサービスを行うには費用が必要で、その費用の調達とやりくりをすることを財政の役割、と説明し、行政サービスそのものよりそれをお金の面で裏付けるという活動に焦点を当てるようにしています。(というか財務省の説明だと、行政活動と財政活動がごっちゃになってわからない。)
 ただ実際動画でどのように説明するか(センテンスが長いと理解できなくなる)は工夫が必要かと思っています。
 

2009年8月24日月曜日

財政白書 動画版(映像コンテンツ)を作ります。

日野市健全財政を考える会の今年度の目標である映像コンテンツ作りに着手しています。
 このブログでは作りながら思ったこと、考えたこと、悩んだことなどを紹介します。
 動画版ではなく通常の白書を作る方にも参考になればと思います。

○どのぐらいわかりやすくするか?
 「市民がだれでも理解しやすいものを作ろう!」というのは誰しも異論がないところなのですが、実際に作っていくと、どの程度をターゲットとすべきかというのはいろいろと悩みどころです。
 例えば小学校5年生程度でもわかるものとか(昔日テレでやっていた某科学番組は5年生でもわかるようにということだったようです。)、家庭の主婦でもわかるようにとか、サラリーマンがわかるようにとか。
 ターゲットによって一番影響を受けるのが、「どういうものに例えていくか。」、サラリーマンであれば企業会計、主婦であれば家計簿、子どもであれば小遣い帳など。公共サービスの事例についてもターゲットがイメージしやすい例を取り上げる必要があります。
 過去に作ったときもここら辺について議論をしたのですが、結論は良く覚えていない・・・・。結果として子どもではない(高校生以上程度)の一般市民向けで、企業会計などを知らなくても読める程度のものとなったのではないかと思っています。

 さて、映像とする場合はどうするか。おそらくこれまで紙ベースのものを見たことがない人を含めより広く見られることを意識する必要がありそうと考えています。
 あとはどれだけ噛み砕いて説明するかですね。短すぎればわからず、長すぎれば退屈する。おそらく退屈する前に戻るボタンで戻られて、見てもらえなくなってしまう。
 正直結構なやみどころです。

2009年8月23日日曜日

プロジェクト見直し

5月31日の記事で今後のプロジェクトについて書いたのですが、取り組み状況にいろいろとばらつきがあったりするので、3ヶ月ぐらい経ったので見直し。

1)財政白書全国行脚 ペースがすっかり落ちていますが、ぼちぼち続けます。

2)ニュース 今までどおり。財政と関係ない記事が増えているかもしれませんが。

3)日野を取り巻く公的なお金の流れ なかなか進まないですが、続けます。。

4)財政リテラシー向上プロジェクト 
 ①地方財政プラスアルファ ②経済学と財政 
 頭の中にある程度ネタはあるのですが。6)を優先。
 頭の中にあるネタはまとまればアップするかも。

5)モジュールづくり
 6)を優先してとりあえず休止。そのうち再開の予定。

6)動画版白書づくり
 財政を考える会の今年の目標。なのでこのブログだけの話ではないですが、制作上の過程上考えたことなどを書いていこうかと思っています。

2009年8月22日土曜日

e都市ランキング 2009で日野市が16位に。

日経BPのサイトにて発表。
 全国1361団体を比較しています。サイトはこちら
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090728/334643/?ST=govtech&P=2

 都内では荒川、三鷹、足立についで第4位。
 TOP50のほかの都市と比較すると情報化政策とセキュリティで点数が高く、アクセシビリティでやや低いようです。

 ちなみにアクセシビリティは
・アクセシビリティ確保のための体制(ガイドラインの作成/対策の主管部署の設置/CMSの導入/JIS X8341-3・みんなの公共サイト運用モデル・WCAG 2.0の理解 など)
・アクセシビリティ対策(適切なタイトルを記載/画像に代替テキストを用意/ユーザーテストの実施/色覚障害者への配慮/フレームの使用禁止/サイト内検索機能/音声読み上げソフトでの確認/外国語対応 など30項目以上)

 により評価されているようです。
 詳しくはこちら。
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090728/334643/?ST=govtech&P=3
 

2009年8月21日金曜日

地方分権改革推進委員会がすごい その2

先日紹介した(こちら)地方分権改革推進委員会

 第18回委員会での片山元鳥取県知事のお話が大変面白いので改めて取り上げます。話が率直でわかりやすく、鋭いところが(遠慮のないところ)がすばらしい。
 資料はこちら(PDF)お話(議事録)はこちら(PDF)。
 興味深いところをかいつまんで。
・機関委任事務が廃止され、通達行政が廃止されたはずだが、国と地方の意識が変わっていないので「助言」という名前の通達行政だらけ。「助言」といいつつ従わなかったらとんでもないことになる、というような内容を含んでいる。
 中でも一番行儀が悪いのが総務省。平成17年に集中改革プランを作れという指示をだした。行政改革は国から言われてやるものではない。国から向こう5年間で○%職員を削れとか小突き回されてやることではない。

・地方自治体は自分の責任で借金できない。成年後見制度と同じ。貸してもくれない、担保を出すわけでもない、保証人になるわけでもない相手(国のことです)のところに頭を下げて了解をとらなければならない。しかも総務省と財務省に同じことを説明しないといけない。

・三位一体改革でますます悪くなった。義務教育国庫負担金という自治体でコントロールできないお金を一般財源化した。スリム化のしようのないものを一般財源にしただけで貧富の差が拡大した。

・財政健全化法は憲法違反。破綻しデフォルトしたら困る人がチェックできる仕組みにすればよいだけの話。夕張にあれだけ無造作に銀行が貸し込んだのはリスクがないから。財政健全化法は住民に公表しなさいというが実際は蚊帳の外。金融機関に対しては総務省が再生計画の中で全額返すように案配してあげるから安心して貸しなさいという法律。
 これではリスク感覚を持てず、こんなのはだめ。

・立法、司法の地方分権に対するリテラシーが低く、とんでもない法律・判例が出ている。

・説明責任は国に対してあると思っているところが多い。集中改革プランを作って議会に説明もせず、執行部がさっさと国に持っていって、ほめてもらって喜んでいる。ましてや住民に対してパブコメしたところはなほとんどない。

・ほとんどの自治会の議会では「八百長と学芸会」をやっている。

・歳出と税制が分離している。本来は仕事の量に応じて税率が決まるのが国際標準だが、日本は仕事を多くしても税率は国が決めているので変わらない。破綻するまで仕事をしてしまうということになりかねない。

等々、是非議事録の方をお読みになってください。

2009年8月20日木曜日

学校跡地活用で見直し案 多摩市

読売新聞 8月20日
「多摩市は、2004年に策定した市立小中学校跡地施設の恒久活用方針の見直し案をまとめた。児童生徒の減少に伴う統廃合などで新たに廃校対象となった4校の活用方針が盛り込まれた。跡地施設を速やかに活用できるよう、方針を一部変更し、市民開放などの暫定利用はしないとしている。24日から市民の意見を募集し、9月にも改定したい考え。

 見直し案によると、対象は竜ヶ峰小(3月閉校)、青陵中仮校舎(10年3月移転)、北貝取小(11年3月閉校)、南豊ヶ丘小(同)。竜ヶ峰小は「教育施設」、北貝取小は「市民活動の拠点、文化財の展示室・保管室」として活用を図り、ほかの2校は「将来の街づくりのための担保用地」として確保する。」

 ニュータウンで公共施設が多い多摩市、人口の変化により空きが出ている施設や老朽化している施設を今後どうしていくかが課題です。平成19年には施設白書( http://www.city.tama.lg.jp/plan/943/003857.html)で整理を行っていました。

 記事の中で含意が深いのが、「跡地を速やかに利用できるよう市民開放などの暫定利用はしない」という部分。本来であれば何もしないより市民開放などで活用した方がよいのでしょうが、「暫定」といいながら時間が経つといつの間にか既得権になり、次の利用ができなくなるといったことがあったのではないかと思われます。(単なる推測)
 暫定利用から次に移るときにスムーズに行くように市民が協力することが、長期的に見れば自らが使える資源を増やすことになるのだと思います。

2009年8月19日水曜日

ブックレビュー 資本主義の未来 その4

資本主義の未来 第4回です。
 今日はグローバル経済と覇権なき世界 第6~7章。
■グローバル経済
 ○人類史上初めて、どこでもものが作れ売れるようになった。そうなることで、最もコストが安いところでつくり、もっとも利益が上げられるところで売るようになる。
 ○グローバル経済の発展の背景には共産主義の間接的な脅威があった。
  ・植民地支配を宗主国が手放したのは共産主義と戦う理念に反するというアメリカの圧力による。
  ・一つの世界を目指す共産主義のイデオロギーを封じ込めるために、同盟国の経済成長を重視。
  ・終戦後唯一豊かな市場を持っていたアメリカへのアクセスを許すことで資本主義陣営への引止めを図った。
  ・例えば60年代日本の輸出の35%がアメリカ向け、80年代NIESの輸出の48%がアメリカ向け。
   90年代の中国の輸出の半分以上がアメリカ向け。
 ○現在グローバル化を促進してきた脅威はなくなったが、グローバル化をとめることはできない。
 ○地理経済が国の政策を動かしている時代であり、政府ができることは少ない。
  ・規制をすれば取引が逃げるだけ。(例:日経先物取引を日本が規制→シンガポールに移転)
  ・解雇のコストを高くするとコストが低い地域に事業が移る(ヨーロッパで雇用が増えない理由)
  ・国民の消費を直接に支える制度の財源を企業からの税金でまかなうのは難しくなっている。
  ・グローバル市場では規制も税金も少ない方に合わせるように圧力がかかる。
 ○ビジネスに関する規制の大半は「悪徳資本家の時代」と「大恐慌の時代」に作られたもの。
  その当時は世の中に規制しなければならないものがあると人々は考えた。規制がなくなれば
  世の中には規制しなければならないものがあると考えるようになるだろう。
   (この本から12年経った今がその状況になっているといえよう。)
 ○先進国に追いつくときに最初にやらなければならないことはコピー
  ・アメリカも最初はイギリスの繊維工業をコピーをして発展した。
  ・一方新しいアイデアの開発にインセンティブを与える制度も必要。
  ・コピーを無料にし知識を広めることも必要。
  ・しかし全ての国が知識のコピーに頼ろうとすれば新しい産業は育たない。
■覇権なき世界
 ○世界の資本主義は昔ほどアメリカを必要としていない。アメリカに対してノーといいやすくなっている。
 ○世界の警察官になろうというブッシュ(最初に大統領になった方)のビジョンはテレビの力によって不可能になった。
   自国の戦士が血を流すのは一切見たくない
    →そのうち有権者が使用しない軍事力を維持するために税金を払っていることに気づく。
   (実際イラク戦争のときは、かなりメディアのコントロールが行われた。ただこれもネットの世界になると限界はある。)
 ○アメリカの貿易赤字はアメリカがやりたいと思うことを何も制約しない(ドルを発行すればよいので)ように思うが、
  長い間何の手も打たなかったので、リーダーシップがかなり失われた。
  ・ドルが安くなってもアメリカ人の生活水準に大きな影響はない
  ・海外で政治力や軍事力を行使しようとするとコストが高くなる。 → 影響力を発揮しにくくなる。
 ○他にリーダーはいない。ヨーロッパは域内の統合で精一杯。日本は外国人が理解できて参入しやすい経済や社会がない。
 ○民主主義も資本主義も重点は個人にあり人々を結束させるイデオロギーにはならない。
   (共産主義や全体主義のような外部の脅威がないとまとまらない。)
 ○社会にもリーダーがいない
  ・リーダーが登場するのは何かをやらなければならないと思い、その何かがだいたいわかっている後続の者が大勢いるとき
   そのだいたいがまったくわからない時代になっている。

2009年8月18日火曜日

形式収支が赤字の市

大阪府下の市の財政白書紹介の記事で形式収支(市の決算書の歳入から歳出を引いた金額)が赤字になっている市があるということで、疑問だったのですが、市の財政課の方に伺いました。

○基本的には形式収支は赤字にならない。
 ・歳入には貯金の引き出しにあたる「繰入金」、前年からの手持ちである「繰越金」、借金である「市債」も入るので、本来は赤字にならない。

○それでも赤字になる場合
 ・それでもどうしても足りない場合(市債を発行する許可が下りないとか、貯金もないとか)は、次年度の財源を使うことができる。その場合次年度の財源は歳入にはカウントされないので、形式収支はマイナスになる。
 とのこと。

○次年度の財源といっても、現金が手元にあるとは限らないので、どうやって歳出しているのかはよくわかりません。

○ちなみに使った次年度分の財源は、次年度の歳出としてカウントされる。
  例えば、平成19年度の形式収支がマイナス1億円の場合、翌年分から1億円持ってくるので、
  翌年分の歳出が1億円増えるのだそうだ。ここらへんがちょっと理解しづらいが。
  ちなみに決算カードでは目的別歳出の項の「前年度繰上充用金」というものになるらしいです。

○通常、前年度充用金は「-」ですが、ここに数字が書いてあるようだとかなり財政が厳しいということになります。

2009年8月17日月曜日

東京都へ払った税金の使い道を図にしてみた

先日のコラムの内容を図にしてみました。




  ※クリックすると大きくなります。
 あくまで現時点ではネット上で取れる限定された情報に基づくものなので、あまり厳密ではありません。
 なお参考にしたHPを紹介。
 総務省 http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/card.html
   → 平成19年度都道府県決算カード
 東京都統計年鑑 http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0520f.htm
   → 区市町村普通会計決算額から区市町村への歳出を算定。
 東京都財務局財政情報http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/syukei1/index.html
   → いろいろ資料あり。都として発信したい情報は豊富だが、基礎的な情報が必ずしも十分でない。
      (決算書や予算書をそのままあげてくれると助かったのだが。)

2009年8月16日日曜日

夕張市、「自治体クラウド」挑戦 IT先進役に

Nikkei 8/16記事

「財政再建中の夕張市が、道内自治体のIT(情報技術)先進モデルになりつつある。システム改革を今年度から矢継ぎ早に打ち出し、最近脚光を浴びる「自治体クラウドコンピューティング」を実践しつつある。より少ないシステム経費で職員不足を補い、行政事務を効率化するための苦肉の策だが、同様の悩みを抱える他の自治体から注目が集まる。 」

 通常のシステムだとソフトとデータが市役所にあるコンピュータに収まっていて、制度が変わるたびにソフトの改良をしなくてはならないのですが、クラウドになると日本の(世界の?)どこかにあるコンピュータ(特定のものとは限らない)上のソフトとデータを通信回線を通じて利用できるようになります。そうすれば、それぞれの市でシステムを改良しなくても外部のデータセンターでソフトを入れ替えれば対応できるようになります。

 このブログやGoogleマップのように、パソコン上に編集ソフトや地図データはなくてもネットを通じて使えるというのと基本的には同じ考え方。ちなみにクラウドとは「雲」のこと。 データやソフトがどこにあるか意識しなくてもよい。というところからきているようです。以前の関連記事はこちら(記事)参照。

 クラウドにするには慣れ親しんだ専用ソフトから操作が変わるため職員が改めて習得しなければならない操作があり、やや不便な面もあるようですが、夕張市の場合はそうもいっていられないのでしょう。危機的な状態にならないとなかなか変われないという面があるのでしょうが、将来的にコストが安くなるものでしたら是非取り入れていった方がよいものと思います。

 夕張はものすごく大変な状況ですが、逆にそうだからこそいろいろ先進的な動きが出てくるのかもしれません。
 ちなみに夕張市は視察の際に一団体1万5千円の料金を取るとのこと(7~8月限り)。
 一団体1.5万円ではペイしないと思いますので、一人1.5万円を取れるような「先進的な取り組みでお金が取れる市」を目指すというのも一つの方向かもしれません。

2009年8月15日土曜日

東京都へ払った税金の使い道

久しぶりです。


 前回のまとめで市民が国や都にどれぐらい税金を払っているか推計してみました。

 東京都への190億円がどのように使われているかを推計しました。
 ただし、細かいところはネット上にほとんど出ていないので、今回は暫定版。

○日野市民の払った税金の行方
 ・東京都には直接支払う税金190億円と国を経由して入る地方消費税36.4億円の合計約226億円が入ります。
 ・そのうち各種交付金として27.7億円が交付金として日野市に返ってきます。
  (上記図では23.8億円ですが、自動車取得税交付金約4億円も加算しました。)
 ・従って226億円から27.7億円を引いた約198.7億円が都の一般財源として残ります。
 ・仮にこの一般財源が交付金以外の使途として、比例按分的に使われるものと想定します。
 ◇目的別に見ると
    ※金額は日野市民推計負担額、カッコ内は都支出総額
  ・都議会 約2300万円(総額53億円)
  ・総務費 約35.9億円(総額約8660億円)
  ・民生費 約27.2億円(総額約7550億円)
  ・衛生費 約8.7億円(総額2260億円)
  ・商工費 約2.3億円(総額2360億円)
  ・土木費 約28億円 (総額9490億円)
  ・警察費 約23.8億円(総額6100億円)
  ・消防費 約7.3億円(総額2170億円)
  ・教育費 約32.2億円(総額9200億円)
  ・公債費 約29.8億円(総額7550億円)
 
  より具体的にどういうことに使われているかは資料がないので、後日加筆ということで。

○東京都のお金の調達
 東京都の平成19年度の歳入は普通会計で7兆1436億円。
  都民一人当たりに直すと57.5万円です。
 内訳は
  ・地方税 5兆4973億円
    一人当たり44.2万円。
  ・国からの一般財源(地方譲与税特別交付金など659億円)
    一人当たり5300円。
  ・負担金・使用料・手数料 2285億円
    一人当たり18400円。
    日野市民も一人当たり同じぐらい負担したとすると31.7億円。
  ・国からの特定税源 3486億円
    一人当たり28000円
    これに日野市の人口をかけると48.4億円
  ・借金の借入 1573億円
    一人当たり12700円
  ・貯金からの取り崩し 593億円
    一人当たり4800円
  ・昨年からの繰越 3113億円
    一人当たり25000円。
   

○日野市民の受益の試算
 東京都の歳出のうち、各市町村に直接交付されるもの(総額2913億円)と交付金(総額2535億円)、特別区に配分される
交付金(約1兆円)と借金の返済に充てられる費用を除いたものが、都民全体のための費用と想定すると。
 その金額は4兆2562億円。
  単純に人口割をすると日野市民は約591億円分のサービスを受けていることになります。

 ただし、その中には都営地下鉄への助成や羽田空港の拡張事業、東京港の整備、都の区画整理事業など日野市民への受益が少ないものも含まれています。がここでは仮に、都民に均等に利益があるものとしてます。
 これ以上の分析はまた後日ということで。

○まとめ
 一人当たりの税収が東京都の平均より少ないので、計算上市民が都に負担しているよりも多くの受益を受けていることになります。その分は主に他の区や市の税金でまかなわれている計算です。
  (もちろん日野市民が区内の会社に勤めてその利益に貢献している分は考慮に入りません。)

2009年8月14日金曜日

杉並区減税自治体構想

杉並区減税自治体構想を紹介します。

 これは毎年1割を積立て、1.5%で運用することで将来減税しようというもの。
 7月には弘兼憲史氏によるパンフレットもでています。(お金がかかってますね~)
 http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=110&n2=950&n3=100

 ちなみにこのパンフレットでは、このブログでも紹介した二宮尊徳の分限、推譲の考え方が紹介されています。

 杉並区では過去10年間、平均して予算の1割以上を借金(区債)の返済と貯金(基金)の積立に充てる一方で、サービスの充実を図ってきたとか。経常収支比率75%の杉並区だからできるのかも。
 ちなみに市債と繰入金、繰越金を除く歳入は杉並区は一人当たり268千円/年。日野市は288千円/年。
 なので、日野市でもやろうと思えばできないことはないのでしょうか。
 特別区なので区としての歳出は少なくてすむ部分もあるのかも。

2009年8月13日木曜日

ブックレビュー 資本主義の未来 その3

資本主義の未来 3回目です。(前回はこちら)
 大きな動きとして人口の増加・移動・高齢化について
○人口爆発
 ・世界の人口は現在(1996年当時)の57億人から2030年には85億人と28億人増加。(ちなみに現在は約 億人)そのうち20億人が一日当たり平均所得2ドル以下の国で生まれる。
 ・当面の問題は食料ではなく水。
 ・人口抑制をする国とそうでない国の間で所得格差が拡大する。
○人口移動
 ・将来第三世界から大量に人口が移動することははっきりしている。
  1995年現在アメリカ人の9%が外国出身者。カリフォルニアでは25が外国で生まれた人。
 ・人口移動の圧力が高くなっている。
  ・テレビを通じもっとも豊かな生活水準をどこでも目にすることができる。
  ・カリフォルニアはメキシコの20倍所得が高く、歩いて国境を越えられる。つかまっても失うものはない。カリフォルニア州の刑務所の生活水準はメキシコの村よりも高い。
 ・移民が経済的に自立するためには教育が必要だが、そのコストを払おうとする人はない。
  しかし誰も払わなければ、社会の内部に第三世界の社会を築くことを決心したと同じになる。
○高齢化
 ・所得の多くを政府に依存し、豊かで投票権を持つ高齢者を大量に抱えることになる。
 ・2030年にはアメリカでも一人の高齢者をわずか1.7人で支えることになる。
 ・アメリカの高齢者は平均して所得の40%強を政府に依存し、40%の人たちは所得の80%を政府に依存している。
 ・この膨大な所得移転があるため、高齢者は選挙のとき唯一つの問題しか考えなくなっている。
 ・高齢者の必要と要求によって福祉国家は土台を揺さぶられ実質上解体に追い込まれている。   今のペースで給付が増えれば財政は間違いなく破綻する。
 ・高齢者の支出に食われてインフラ、教育、研究開発への投資が削られている。
 ・1970年代は年齢別に見た貧困者の比率は高齢者が一番高かったが、現在は逆。
  アメリカでは引退すると実質的な生活水準は上がる人が多い。
  アメリカの高齢者の一人当たり所得は国民全体の平均より67%も多い。
 ・貧困層の年齢別構成を見ると一番比率が高いのは18歳未満の選挙権のない子ども。   それに対して政府は子どもの9倍ものお金を選挙権がある高齢者のために使っている。   子どもたちが十分な収入を得られるだけの技能を身につけられなければどうやって高齢者を支える税金を払うことができるのか。
 ・1990年当時で政府の債務残高は日本はGDPの79%(現在160%ぐらい)年金未積立債務は218%!
 ・民主主義社会で高齢者向け福祉予算の伸びをどう抑えられるか誰にもわからない。普通選挙になって100年に満たない歴史の中で、高齢者の経済的要求への対応を迫られるときに、民主主義は最終試験を受けることになる。
 高齢者向け福祉を抑制しない限り民主主義に長期的な未来はない。
 ・引退年齢を引き上げ早期引退をなくす必要。かつては65歳で引退していたが、現在は62歳になっている。
  (上記はアメリカの話。日本ではおそらく逆になっている。)寿命が延び引退が早くなれば財源が不足するのは当然。
 ・低所得者のわかもとが払う税金を、高所得者の高齢者の生活に使うような福祉制度はおかしい。   年齢に関わらず同一所得には同一の税を課すべし。
 ・給与から引かれる社会保障税を高齢者への給付に充てていると「タックスウェッジ」という現象が生ずる。
  ・経営者からみると雇用コストは高いように思われる。
  ・勤労者から見ると安くこき使われるように思われる。
   →双方ともこの制度から逃れようとしてしまう。
    →海外への生産拠点の移転。 アングラ経済。
  ・残った人のコストはさらに高くなり、さらに逃れようとする人が増える。
   →長期的には給与から天引きして福祉コストに充てる制度は崩壊する。
 ・「第二世代問題」
  ・福祉制度が最初に作られたときはできる限りそれに頼らないようにしようという気風があるが(万が一のときに使うもの)、長い間経つうちに、使った方が楽なときにはいつでも使える権利になること。
  ・経済的に存続可能な特権が、存続不可能な権利になってしまった。
 ・めったにない大規模な災害のリスクは政府に負わせようとするばかりではなく、簡単に払えるはずの日常的な経費さえ政府や企業に負担させようとしており、所得再配分の要求とそのために必要な税金を負担しようとする意思の間に埋めようのないギャップが生まれている。

次回は第6章第7章を取り上げます。

2009年8月12日水曜日

大阪の市の財政白書リスト更新

財政白書全国行脚
 大阪府の各市の財政白書(家計簿、財政事情などタイトルはいろいろ)や財政のまとめがある行政改革プランなどへのリンクを別館図書室に作成しました。
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/links/cities
 (近畿地方の項参照)

 大阪の各市の財政状況は、経常収支比率が100%を超える市が散見されるほか、形式収支が赤字の市があるなど、全般的に東京都下の市よりもかなり悪いように思えます。
 今後理由などを(いつになるかわかりませんが)分析してみたいと思います。

 それにしても形式収支が赤字になることがあるとは思っていませんでした。歳入には前年からの繰越や基金の取り崩し、借金も入るので、期末に現金がある限りは赤字にならないと思うのですが。どういうケースで赤字になりえるか、教えていただければ幸いです。

2009年8月11日火曜日

ブックレビュー 資本主義の未来その2

今回は前回の続き、資本主義の未来に大きな影響を及ぼしつつある大きな底流を紹介していきます。
本書でいうと第3章と第4章の内容を紹介します。
 きっちりまとめたものではなく、気になったところ。ポイントを要約抜き出しているのでご容赦。

1 共産主義の崩壊
 ・共産主義の崩壊で19億人が資本主義の世界に流れ込み、ものすごい供給が生じた。
  ・160万トンのアルミ地金が旧ソ連から流れ、いたるところでアルミ精錬所が閉鎖された。
  ・羊毛の輸出量が900万トンから18600万トンに増え、羊毛価格が1/4に。
 ・東ヨーロッパの製品が西ヨーロッパに流れ込んで工場が閉鎖されるか、さもなければ何百万人が西ヨーロッパに移民してくる。
 ・共産主義では学校制度は優れていた。旧共産圏でアメリカの平均的な高校生以上の学力を持つ人数はほぼ無限。
 ・教育程度の高い中国人を月35ドルで雇えるときにアメリカの高卒者に年2万ドルを払えるか。
  →資本主義社会の賃金水準に大きな影響を与える。

 なお中国についてはかなりページを割いている
 ・最近20年の成長はこれまでの非効率の反動。共産主義で無料に抑えられていた住宅価格が市場価格になれば、中国の労働力は現在ほど安くなくなる。
 ・農村への投資が社会の安定に欠かせないが、それは経済成長鈍化の要因となる。
 ・中国が成長している理由として4つあげている
  ①貯蓄率が高い(通貨危機のようなものが起こりにくい)
  ②しっかりした政府がある。
    東ヨーロッパでは政府が崩壊。無秩序の民営化(旧共産党幹部による公共財産の略奪)が起こった。
  ③資本主義の中で育った華僑とのつながりがある。
  ④国営企業の割合が少ない(全体の18%、ソ連は93%)
   小規模経営の人民公社の割合が多い。

 旧共産圏のほか、今後輸出ゲームに加わろうとしている第三世界の人口が30億人になる。

2 頭脳産業の時代
 ・日本の旧通産省が21世紀にかけて成長する産業のリストが紹介されている。
  →マイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー、新素材、通信、民間航空機、工作機械・ロボット、コンピュータ
 ・これらは人間主体の頭脳産業であり、「地球上のどこにでも立地可能」
 ・生産コストが一番低い国に生産拠点は移動。新しい技術は発明されたところで使われるとは限らない。
  (アメリカが発明したビデオやファックスは日本で作られていると書いている。)
 ・発明からサービスまでのプロセスを組織できるか。これからは高度な技能や新しい技能が必要であり、さらにそれが組織化される必要がある。
 ・技能と知識に関する国の投資が必要。教育や研修は時間がかかる。頭脳産業の立地に大きな影響を与えるのは多国籍企業の意向。教育や研修への投資により頭脳産業の進化の過程に参加しなければ発展への道は閉ざされる。
 ・第三世界の技能しか持たないものは、先進国に住んでいても第三世界の賃金しかもらえなくなる。
 
 ・経済はダイナミックな不均衡の中にあり、経済全体はプラスであっても、部分的には損する人がかなり多く出る。勝者の利益をどのように分配するかは以前より厄介な問題になっている。

 ・一方でテレビが社会の価値観と規範の決定に大きな影響を及ぼすようになっている。
 ・テレビを見る場合には学ぶ必要はない。ボキャブラリーが貧困になってしまった。
  (リンカーンのゲティスバークでの演説など今日では考えられないとしているが、オバマ大統領の存在を考えるとまだ捨てたものではないのかもしれない。アメリカの方は。)
 ・テレビ文化では現実と思ったことの方が現実そのものよりも重みを持つ。殺人事件が頻繁に報道されるため、ほとんどの人は殺人が恐ろしいほど増えていると思い込んでいる。(今の日本もそういえる)
 ・カリフォルニア州では1994年に三回重罪を犯したら終身刑という法律ができ、大学の予算を減らして刑務所の予算を増やした。95年には州の刑務所予算は大学予算の2倍となり、刑務所一人当たりの支出が大学一人当たりの4倍になった。
 ・テレビでは消費が人生の唯一の目的となり、個人的な充足感だけが目指すべき目標となっている。
 ・テレビドラマの家族はアメリカの平均的家庭より4倍豊か。(日本のトレンディドラマ~死語だが~でも都心のやたら立派な住まいにすんでいるような想定になっているのと似ているかも)
 ・資本主義文化とテレビ文化はともに金儲けに熱心な点では一致するが、一方は将来のことを少しは考えなければいけないが、もう一方はそのようなものに価値を認めない。

次回は人口の変動について。

2009年8月10日月曜日

三鷹市+稲城市 白書

既に紹介している三鷹市の自治体経営白書の平成19年度版がでました。
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/c_service/014/014113.html
財政状況は第5章です。内容は前年とほぼ同じ。

稲城市も7月に平成19年度決算による財政白書をHPに更新しました。
 http://www.city.inagi.tokyo.jp/shisei/zaisei/zaisei_hakusho/19kessan/zaiseihakusyo19pdf/index.html
内容はほぼ同じ。
 健全財政か指標と財務諸表の純資産変動計算書と資金収支計算書が加わっております。
  財務諸表の説明はやや難しいですが参考になると思います。

2009年8月9日日曜日

国に翻弄される財政構造 地総債や交付税削減

毎日新聞 2009年8月4日 地方版より
 総選挙特集の中の記事

「借金の原因はお前だ」「何であんな大きいものを造ったんだ」--。黒石市ぐみの木3のスポーツを主体とした多目的施設「スポカルイン黒石」館長の吉田安宏さん(65)は、約10年前に市関係者から言われたことを思い出す。
「みんな承知の上でやったのに」と、変わり身の早さにショックを受けた。
 スポカルインは5000人規模を収容するアリーナを擁し、96年4月に開館。
旧自治省(現総務省)の地域総合整備事業債(地総債)を活用し、総事業費38億9000万円をかけた。市はほかに、地総債を使って「津軽伝承工芸館」(総事業費約32億円、99年完成)を建設。
 スポカルインは全体の75%まで起債が認められ、うち30~55%が原則交付税措置がなされ、伝承工芸舘は90%まで起債が可能だった。市は両施設とも指定管理者制度を取り入れ、管理運営費がともに単年度で約5500万円で、昨年度は約400万円の黒字となった。
 スポカルインの建設当時、黒石市教委にいて計画に携わった吉田さんは「『市は少ない持ち出しだけで建物を建てられる』という甘いわなが仕掛けられていた」と振り返る。 (中略)
 国の政策に踊らされ、苦い経験をした黒石市。(中略)鳴海市長は「財政的な苦しみを抱えていながら国が『(起債を)許可します』というと、自治体はぱっと飛びつく。この構造を変えないといけない」

 この記事で気になったのが、地方総合整備事業債。ちょっと聞いたことがなかったので調べてみる。
 地方財政情報館財政用語小事典(http://www.zaiseijoho.com/deco/deco_t-14.html)によると、
 (おそらくは景気対策のために)大型の単独事業に対して許可された地方債で、その元利償還金に対して交付税措置されるのが特徴。まずは建設した年度の事業費の一定割合(例えば15%)が基準財政需要額に加算され、後年の元利償還金に対しても財政力に応じて30%~50%が基準財政需要額に加算されるとのこと。

 通常記事であるようなスポーツ施設や文化施設を単独事業で作った場合、経常収支的にみると
  ①作った年はプラスマイナス0(臨時的な歳出なので)
  ②それ以降の年は維持管理費及び公債費の分、悪化の方向 となります。
   (基準財政需要額は±0なので、よくなることはありません。)
 となりますが、この制度を使うと、
  ①作った年は±0又はプラス(!)
   (交付税措置が普通交付税の場合はプラス。特別交付税の場合は±0)
  ②それ以降の年は悪化の方向だが、交付税が増えるので通常よりは影響が少ない。
   ということになります。

  よくよく考えれば、例え「お金を借りていいよ」といわれても返すのは自分自身。交付税措置をしてくれるといっても、そもそもの交付税が年々減らされる方向にあるので、思ったほどは措置されないというのが実態ではないでしょうか。
 その上に維持管理費もかかることを考えると、まさに「甘いわな」といえるでしょう。
 日野市がこの制度を使ったかどうかは不明ですが、この制度を使うメリットがそもそもない(交付税措置されても不交付団体なので入るお金はぜんぜん増えない)ので使っていないのではと推測しています。

2009年8月8日土曜日

国税局 税の学習コーナー

今日紹介するのは国税税の学習コーナー
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/gakushu/kyousitu.htm
 いろいろコンテンツがあります。
 ゲーム : 忍たまワールドはプレイ時間がちょっと長い。カニ博士の方がてきぱきしていて好き(ゲームというよりクイズだが)。
  ちなみに「税金で作られた施設」を選ぶゲームがあったのだが、最初に出てきたのが観覧車・・・。
  そういえば夕張で作ってたなと思いながら選んだら「×」、税金で作ってはいけないものだったのでしょうか。
 学習や教育用教材は大人が見ても参考になる。
 ビデオライブラリーや紙芝居もある。ビデオは出演者が豪華、だけど内容としては紙芝居の方がお勧め。
 ちなみに各国税局でも学習用教材を作っています。
  名古屋国税局
  熊本国税局
 熊本国税局では各県が納めている国税と県のお金の使い道についても書いています。
 ところで。  税金の大切さを訴えるとなぜか公共サービスの大切さ、に話が変わってしまっているように思われます
 実際には税金がない国もあったり、いわゆる官が供給するのではない公共サービスというのもあるので、小学生まではともかく、高校生以上についてはもう一段踏み込んだ説明が必要なのではないかなと感じたりします。
 その点では上記のページの中では教育用教材(中学生以上)と紙芝居がビデオ教材よりもお勧め。
 ところで財務省でも同じようなページがあります。
 http://www.mof.go.jp/kids.htm
  キッズコーナーは一つはゲームコーナー、一つは税金の大切さ・・・って国税庁とかぶってるんですが。
  ゲームコーナーは解説が小学生にはちょっと難しい。 というか国税庁のキッズコーナーへのリンクを張ればよいのでは?という感じ。
 むしろ大人向けの映像資料の方がお勧め。財務省が作っているので、財政赤字や財政危機が後半強調されていますが、財政全般についてもわかりやすく説明してあります。
  http://www.mof.go.jp/zaisei/con_08.html

 今後財政を考える会として取り組む財政白書の動画化の参考にしていきたいと思います。

2009年8月7日金曜日

東京・日野市、資源ごみ回収に奨励金

東京・日野市、資源ごみ回収に奨励金 スーパーなど対象
 日経新聞 7/27

「東京都日野市は2010年度から、ペットボトルや発泡トレーなど家庭から出る資源ごみの回収やごみ減量に積極的なスーパーなどに奨励金を払う。市による収集の頻度を半減させるのに伴い、民間での回収を促す形だ。資源ごみを購入した小売店などに持ち込むよう住民に求め、市の処理費用を削減する。専門家は「事業者に奨励金を払うのは全国的に珍しい」と注目している。  日野市は10年度から月に2回だったペットボトルやトレーの収集回数を1回に減らす方針だ。一方で、資源ごみの回収に協力的でレジ袋の無料配布を取りやめたスーパーに資源ごみの回収量1キログラムあたり数円の奨励金を支給する計画だ。」

当初、レジ袋の無償化を検討していたのですが、市内スーパーで離脱するところが出たため頓挫。この方向になったようです。
 http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,35040,170,1643,html
 「レジ袋無料配布中止に向けた共同会議」の内容はこちら。議事録は臨場感がありなかなかすごいです。

 ちなみに、平成19年度の資源物回収委託費は約3.24億円。
 2週に5回ある資源物の回収のうち1回がプラとすると、単純計算では3.24億/5=約6480万円がプラ収集の費用となります。プラスチックの市の収集量は約555t。従って1tあたり収集費用は1kgあたり116円!
 回収1kgあたり数円払っても(委託費が減らせれば)はるかにお得ということになります。
 逆にスーパーにとってお得なのか?は不明。ただ現在お金を払って処理しているようであれば、お得なのかもしれません。

 

2009年8月6日木曜日

ブックレビュー 資本主義の未来

リーマンショック以来 「アメリカ型資本主義の終わり」をセンセーショナルに書いている資本主義本がいろいろと出ていますが、今日紹介するのは1996年、今から12年以上前に出版された
 レスター・C・サロー著 資本主義の未来(The future of Capitalism)

 たぶん絶版していると思いますが、大きな書店ならあるかも(アマゾンなら中古で買える)。図書館で借りても読む価値あり。
 10年以上前に書かれたものですが、内容は古さを感じさせず、むしろ10年経ったいまだからこそリアリティが感じられます。表層的なところをセンセーショナルに書き綴っている書も多い中で、変化の底流をしっかりと見据えています。
とても一回では紹介しきれないので何回かに分けて紹介します。
 今日は第1章から第2章にかけて紹介。内容で気になったところを抜き出しました。

○世界各地で広がる不平等(下記は主にアメリカでの話だが、現在と今後の日本を思わせる)
 ・アメリカの一人当たりのGDPは73年から95年まで36%増えたが、一般労働者の時間当たり賃金は14%減っている。
 ・80年代に所得の上位20%だけが勤労所得が増え、増えた所得の64%が上位1%に集中。
 ・勤労所得以外で見ると所得増の90%が上位1%に集中。
 ・1973年から実質賃金の減少が始まり、90年代にはあらゆる職業、学歴、年齢層で減少。
 ・若年層の実質賃金は最近20年で25%減。
  →自分の親の代より、よくなる見込みがない。
 ・国は金持ちのために運営されていると答えた人が92年には80%。
 ・ダウンサイジングにより非正規労働者が増加(250万人が80年代後半から90年代初めにかけて解雇)。
 ・アメリカでは賃金の減少、ヨーロッパでは失業の増加(解雇が難しい)
  →ヨーロッパは若年層が失業。学校を出た60%が職に就けない国も。
    失業保険に多額の税金を費やす形で所得を分け合っている。
 ・日本は大量の社内失業者が発生している(とこの時点では評価されているが、現在はアメリカに近づいているのでは)
  →収益性がないので、これはいつまでも続けられない。
 ・中間層をターゲットにした企業は経営が苦しくなり、高級店や安売り店が業績が好調。
 ・ただし所得の低い層の所得はさらに落ちていくので安売りもうかうかしていられない。
 ・経済的に勝利をつかんだのは高齢者。経済システムを動かしていくのは高齢者になると予言。
 ・不均衡がさらに拡大していけば、システムは崩壊する。
○資本主義の競争相手
 ・資本主義の敵(共産主義やファシズム)が消えると同時に資本主義の優位性が消えてしまったように見える。
  資本主義は競争の重要さを訴えているが、資本主義自体に競争相手がいない
○変化を引き起こす底流
 ・われわれは地震や噴火などの目に見える異変が現れるまで地下での動きには気がつかないが、それらは着実に動いている。
 ・5つの誰にも止められない底流
  ①共産主義の終わり ②頭脳産業の時代 ③人口移動と高齢化 ④グローバル経済 ⑤覇権国家がない
 ・これらがさまざまな目に見える変化をおこしている。

 次回から5つの大きな動きを紹介していきます。興味が沸いた方は図書館かアマゾンで探そう。

2009年8月5日水曜日

地方分権改革推進委員会がスゴイ

以前も紹介した(記事はこちら)地方分権推進委員会

 委員会で配布されている資料などがすごい。
○すごいその1 制度の概要がわかる資料
  委員向けの説明は一回20分程度、その中で要点がわかるように整理されています。
  なぜ国が関与すべきかの言い訳的な資料も多いのでその点は割り引くとしても非常に参考になります。
 特に
  地方税制→第72回
  地方財政→第11回
  道路特定財源→第45回
  生活保護 →第42回
  国の出先機関 → 第33回
  社会保障 → 第12回  はお勧め。

○すごいその2 豪華なゲスト陣
 地方分権や税制、財政、公共経済の権威が続々登場し、資料を提出・説明・議論に加わっています。
 このブログの中でのブックレビューで紹介した著者も多数。
 有名どころでは、片山元島根県知事、経団連中村副会長、大田政策大学院大学教授、富田中央大教授(国債の歴史の著者)、小西関西学院大学教授、神野東大教授、土井慶応大学教授、元佐賀市長木下氏、橋本大阪府知事などなど。

○すごいその3 地方からの切実な声
 地方懇談会の議事録とか、各知事や市長からの声(第15~17回)あたりは制度の実態が見えて面白い。

○すごいその4 猪瀬委員のするどい突っ込み他、充実した議論。
 まだ議事録はあまり読んでいないのですが、提出資料をみるだけでも鋭さを感じます。
 議事録でみる議論もものすごく中身が濃い。
 
 地方行政・財政・地方分権に興味ある方はお勧めです。
 各回の資料などはこちらのページで。
 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/kaisai-index.html
 

2009年8月4日火曜日

和歌山市: 「イエローカード」状態脱出

毎日jp 7/24付記事
「一般財源の規模に対する全会計の赤字割合を示す連結実質赤字比率が、07年度決算で国の基準を上回っていた和歌山市は23日、08年度決算で比率が黒字化し、「イエローカード」状態を脱する見通しを明らかにした。
各会計のうち、累積赤字約109億円を抱える下水道事業は資金不足比率が20・3%と、前年度より238・6ポイント改善したが、経営健全化基準(20%)を上回った。
 連結実質赤字比率は、07年度には県庁所在地で唯一、早期健全化基準(16・25%)を上回る17・6%だったが、08年度決算に基づく財政指標の速報値では18・94ポイント改善し1・34%の黒字となった。  職員給与カットや事業見直しに加えて、都市計画税の税率引き上げによって税収が伸び、一般会計の実質黒字が前年度比約13億円増。加えて、赤字割合から将来解消が可能な分を控除し、全会計で約10億円の黒字となった。  累積赤字がある各事業のうち、下水道事業は、使用料値上げによる収益増で初めて黒字化。07年度に資金不足比率が経営健全化基準を超えた食肉処理場(同市出島)は一般会計から繰り入れて累積赤字を解消した。一方、土地造成事業は資金不足比率が6・7%で、一般会計がテニスコート用地などを買い取り前年度から5・2ポイント改善したものの、市債の元利償還金が年間約20億円の状態が続くと見込んでいる。  大橋建一市長は「連結実質赤字比率のイエローカードを解消する課題を果たせた。今後も甘い気持ちにならず、規律ある財政運営が必要だ」と話した。」

財政健全化法による財政状況のチェックで早期健全化基準(イエローカード)を上回った和歌山市が昨年度は解消していそうという記事。
 関連する市のHPは下記
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/menu_1/gyousei/shihou/20_shihou/tokubetu12/page/2008tokubetu_1.htm
 記事にもあるように、①給与カット②事業見直し③都市計画税の引き上げ④使用料値上げ⑤一般会計からの繰り入れ を行ったようです。
 ①~④はなかなか手がつけにくい話だろうと思いますが、イエローカードを上回ったことが後押ししたのかもしれません。
 財政健全化法の効果といえば効果ですし、そういうきっかけがなければ改革にはなかなか乗り出せないということなのかもしれません。

 ちなみにイエローカード基準を超えた市町村の一覧も和歌山市のHPに載っています。
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/menu_1/gyousei/shihou/20_shihou/tokubetu12/page/2008tokubetu_2.htm

2009年8月3日月曜日

コラム「財政健全化法を勉強する」を図書室にアップしました。

4月から5月にかけて連載していた同名のコラムを一つのファイルにしたものを別館図書室の方にアップしました。

 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba

ファイルが多くなってきたので整理が必要とは思いますが、階層を深くすると使い勝手が悪くなり、かつ過去のコラムのリンク切れが生じたりするので、結構悩ましいところです。

2009年8月2日日曜日

米地方自治体、財政危機で破たん申請増える可能性

これまでもお伝えしてきたカリフォルニア州関係の記事関連

7/23ロイター通信
「景気後退により、米国の州・地方自治体や学校区は深刻な財政危機に見舞われているが、今後、これらの地方債発行体はこれまであまり通ったことがない道をたどり、債務不履行(デフォルト)に加え、裁判所への財政破たん申請にさえ追い込まれる可能性がある。」として今後地方自治体の財政破綻と地方債のデフォルトが大恐慌以来最大の事態になると予測されています。

今年は既に最初の半年でほぼ570億ドル(5.7兆円!)もデフォルトしているとか。
 既に何回か紹介しているカリフォルニア州では州内の自治体や学校向けの予算が数十億ドル削減され、既にバレホ市が連邦破産法の第9条を申請しているそうです。

 アメリカの特徴として、地方自治体にも破産を認めていることがあります。州や連邦政府は自治体の債務を保証していないようです。それでデフォルトも発生しているのにそれでも市場として成立しているのですね。(よく考えたら日本の社債市場も政府の保証がなくデフォルトもあるのだが。)
 夕張なんかはデフォルトしてしまった方がよいようにも思いますが、それは政府が暗黙に保証していると思われていた地方債市場が崩れるのでできないのでしょうか?もしデフォルトの可能性があれば金融機関もあれほど貸し込まず、これほど傷が深くならなかったかもしれません。

2009年8月1日土曜日

財政白書のキャラクター 埼玉編

第4弾として埼玉編をアップしました。
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba

  今回でこのシリーズは一応の締めとします。