前回は平成20年度の決算について説明しましたが、今日は平成の動き。
平成が始まったばかりの平成元年の3月末(昭和63年度末)は56.1億円分の土地を持っていました。
平成に入ってから土地開発公社は
元年 23,634㎡
2年 21,679㎡
3年 43,422㎡
4年 30,371㎡
と大量に土地を取得する一方
平成2年には15,854㎡、3年は17,998㎡
と処分も進んだのですが、平成4年から地価が下落に転じたのに合わせるように
平成4年は851㎡のみの処分となっています。
大量取得により平成4年度末には土地開発公社の土地の残高は258億円とわずか4年で4.6倍、
200億円も増えました。
所有土地のピークはおそらく平成7年度末ごろで、119,070㎡、このころになると取得土地面積は5000㎡前後となり、処分する土地の方が徐々に増えていきます。
また土地の残高に利子が加わっていたのですが、平成10年に切り離されています。
地価が上がっていたころは、利子を含んでも土地を先に買った方が得だったため、土地開発公社が買った土地を市が買うときは利子の他経費も上乗せして買ってもよかったのですが、土地が下がってくると利子を上乗せした金額では現在の地価との乖離がひどくなってしまうためと思われます。
それでは利子の分はどうするか?というと結局のところ「経費」として市から利子分の補てんを受けることとなります。
これにより土地の残高は平成9年度末の307億円から翌年には242億円に減っています。土地売却分もありますが、そのほとんどは今まで支払った金利と思われます。
平成11年度からは取得はさらにへり、処分が徐々にすすんだので、平成15年には85,333㎡、残高176億円まで減ります。
平成13年度からは民間への売却もされています。
平成13年度を見ると、市に対しては2.82億円で買った土地を2.84億円で売却、4.34億円で買った土地を4.38億円で売却となってなり、損が出ていないですが、民間に対しては6.67億円で買った土地を3.98億円で売却しています。 おそらく市に売却した土地も民間に売った場合はかなりの損が出ていたと見られ、結果として市が高い土地を買ってしまっているといえるかと思います。
また平成9年度までは個別の土地の契約年月日がリスト化されていたのですが、平成10年度から「○○区画整理事業用地」とまとめられてしまったため、詳細がわからなくなっています。
ちなみに平成9年度を見ると、一番古い土地として昭和49年度に取得した日野第21小学校用地があり、実はこれは平成20年度になっても市に取得されずに残っています。取得後5年以上経つ土地を全国オンブズマンは「塩漬け土地」と命名していますが、その問題を明らかにするためにも、土地取得時期がわかる明細を決算書にはつけてほしいものです。
さて、土地の処分はさらに進み、平成16年度には7.2万㎡、平成17年度には5.7万㎡、平成20年度には4.7万㎡まで減少。残高も約100億円程度までに減っています。