財政の疑問に答えるの第3回 第2回はこちらです。
前回はバブル崩壊と個人住民税が減らなかった理由でしたが、今回は固定資産税がなぜ下がらなかったか?という話題です。
益子町でも日野市でも平成14年度まで伸び続けています。
一方地価は平成4年(1992年)からを平成18年(2006年)まで毎年下がり続けています。
なぜ地価が下がり続けたのに、固定資産税が下がらなかったのか。
まずは次のグラフを見てください。
青色の線は、日野市の土地の固定資産税の評価額。右のメモリを見てください。単位は百万円。
赤色の線は、日野市の土地に係る固定資産税の調停額(簡単にいうと滞納がない場合の固定資産税の額)
左のメモリを参照、単位は同じく百万円。
固定資産税の評価額は原則3年ごとに見直されます。平成6年に突然あがっているのは平成6年に地価が突然上がったのではなく(実際には下がっている)、これまで公示地価(国が標準的と認めた地価水準)の3割程度であった固定資産税の評価額を、公示地価の7割にすることを定めたことが原因。
このような税制の改正(運用の改正?)が行われた理由は、「土地を持っている法人や地主は資産価値が上がっているのに、それに見合った負担をしていない」という批判が強まったためと思われます。(正確な経緯は不明。)
これにより、固定資産税の評価額は一気に5倍以上になりました。とはいえ、固定資産税を急に5倍にするというのはあまりにも負担の増加が急激過ぎるというので、一定水準に達するまでは前年度+15%というように、少しずつあげていくことにしました。
というような経緯があったため、土地は下がる一方で固定資産税は少しずつあがり続けるということが起こっているのです。
平成15年ごろから頭打ちになっていますが、このころになってやっと地価の下落の影響が出始める水準になってきたといえます。
ということは地価水準が固定資産税額に影響するのはこれからということになります。
ところで、1,250,000百万円に70%と税率の1.4%を掛けると12,250百万円となり、赤色の線の5,000百万円とはかなり乖離があります。 原因はよくわかりませんが、考えられることとしては、
・住宅地については1/3、小規模なものについては1/6の評価になること
があげられます。つまり、工場を売却してマンションになると、何もしなくても土地の固定資産税は1/6になるということになります。
(次回はこちら)
2009年11月26日木曜日
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