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2009年11月1日日曜日

土地開発公社と土地区画整理事業

土地開発公社の所有している土地のうち面積では約2/3、金額では約80%が土地区画整理事業区域内の公共施設のための用地です。
土地開発公社と区画整理事業は深い関係にあるのです。

○区画整理事業とは?
 日野市のこちらのページ(区画整理課)を参照してください。
 区画整理区域内の公共施設とは、区画整理内の道路や公園のことです。
 区画整理事業では公共施設は従前の宅地を少しずつ削って生み出すということになっていますが、実際には生み出しきれないので、あらかじめ公共施設用地を市が買っておかなければならなくなっています。

○土地開発公社の土地と区画整理事業の進捗
 土地開発公社は公共施設として使う土地を先に買っておく公社でした。区画整理事業以外の土地、例えば小学校用地とか○○会館用地のようなものは、その施設に対する市の予算がつき次第取得できるものです。しかし、区画整理事業は、既にある住宅や道路を少しずつ動かしながら事業を進めていかなければならないものです。関係のある住民一人ひとりの同意のもとに進めていくため、一般に時間がかかります。
 つまり、区画整理事業に関する土地は事業が進まない限り、なかなか処分が進まないということになります。

○日野市の区画整理事業
 日野市では豊田駅の北口をはじめ、多くの場所で区画整理事業が行われています。
 現在市が施行している区画整理事業は豊田南地区、西平山地区、万願寺第二地区、東町地区の4箇所。
 次回以降これらの区画整理事業について、主に財政資料を元に紹介します。

2009年10月23日金曜日

土地開発公社について その制度

10月11日の公園についての記事で、土地開発公社から6.8億円分の土地を買ったという記事がありましたが、今日から何回かにわたり土地開発公社についての解説をしたいと思います。

土地開発公社については、平成18年度版の日野市の財政白書(第2編第1章)内容とも重なりますが、まずは土地開発公社そのものについて簡単に説明します。

土地開発公社は、昭和47年に公布された「公有地拡大の推進に関する法律」に基づき、市が出資して設立される法人です。
当時は土地の値段が上がり続けており、道路など公共施設を作ろうと思っても、土地が値上がりしてなかなか土地が確保できないという状況にありました。特に市が土地を取得するためには、原則として市がすぐに使うことが必要だったり、議会の議決が必要だったりするので、取得しようと時間をかけているうちにさらに土地が上がるなどということがあり、公共用地をどう確保するかが課題となっていました。
 そのような中、議会の議決を経ずに「機動的に」土地を買える土地開発公社が設立されていったとのことです。土地開発公社が買った土地は、後年市が開発公社が土地を買うために借入をした利子を含めた値段で買い上げるということになっていました。

 土地の値段が金利を超えて上昇しているときは問題が明らかにならなかったのですが、やがて地価は減少に転じました。地価が下がっているときは待てばよりやすく土地が取得できたのですが、地価の下支えや景気対策の意図があってか、「積極的に土地を買うように」との国からのお達しがあり、下がるとわかっている土地をあちこちの自治体で大量に抱え込むようになってしまったとのこと。
 これにより本来の目的をはずれた無計画な土地の先行取得が行われてしまったと指摘されています。
 (参考:自治体財政の会計学 新世社)

 結局土地はさらに下がり、無計画に取得した土地は何年も塩漬けになっています。2007年度末で60%(金額ベース)以上の土地が10年以上塩漬けになっています。(総務省資料)
 土地の取得は銀行からの借入で行っていますが、土地開発公社に対しては市が債務保証をしているため、市の隠れた借金になっています。また公共施設へ使うあてのない土地は民間売却することとになりますが、そうすると含み損が明らかになり、その分は市が補てんしなければならず、売るに売れなくなり、その間にさらに地価が下がるという悪循環に陥っています。

 90年代に唯一財政再建団体であった赤池町は土地開発公社の赤字を清算したことが、直接的な原因でした。

 いろいろと大変な土地開発公社。次回は日野市の決算から説明します。

2009年10月21日水曜日

地方自治体における政治主導

政権交代の前後から「政治主導」という言葉がよく使われています。このコラムでは地方自治体における政治主導のあり方について考えてみます。
○政治主導とは?
 ・官僚主導の対義語として使われているようです。政府の運営や政策の
  策定・決定において、霞ヶ関の各省庁の官僚が主導している状況を
  変えようという意味合いかと思われます。
○政治主導=政治家主導?
 ・国会は立法府ですが、現実には成立している法律のほとんどは、
  各省庁からあがってきたものが内閣提出法案として法律になっている
  ものです。その意味での国会の立法府の強化という用法もあるように
  思います。 しかし、現状を見てみると大臣や副大臣等が政策の
  基本を主導するという用法が多いようです。
 ・その意味では内閣主導という言い方が近いのかもしれません。
○アメリカを見てみると
 ・政治主導の典型としてどの国を目指しているのかわかりませんが、
  アメリカだと大統領が変わると各省庁のある程度以上の地位の人は
  全て変わることになります。その意味では大統領及びそれを支える
  多数のスタッフが主導ということになります。
  立法府の法案提案力もずいぶん違いますよね。
 ・政権交代の際に首になった人は民間で活躍することとなり、
  その意味で官民の人的な流動があるようです。
○政治の言葉のイメージって
 ・日本では政治というとどちらかというとネガティブな言葉として捉え
  られていたようなイメージがあります。
 ・一部の利害関係者で決めて、大騒ぎされないようにことを運ぶと
  いうのがうまい政治というような伝統的な価値観があったのでは?
 ・単に私が不勉強なだけかもしれませんが、八ツ場ダムの件を始め、
  政権交代がなければ知らないうちに粛々と進められていたものも
  多くありそうな気がします。
 ・ただ、今現在使われている政治主導の意味は上記の意味での
  政治主導ではなく、国民に開かれた議論の中での政治主導と
  感じます。 政治という言葉の使われ方、受け止められ方も今後
  変わっていくのでしょう。
○政治主導の意義とは
 ・行政の日常の仕事は官僚が行っています。政権が交代して何か
  変えようと思ったら、必然的に政治主導にならざるをえなくなります。
  ただ、それだけの理解では言葉遊びの範囲を出ません。
 ・国民に遠い・誰かわからない人でなく、国民の投票によって選んだ
  国会議員が。知らない間に決めていつの間にか実行するのではなく、
  開かれた中で議論したうえで実行すること。
  が政治主導といわれているところの根源なのではないかと思っています。
 ・その意味で、政治主導は国民主導であるともいえます。
 ・単に国民主導だからよくなったというのではなく、
  良い結果に結びつくためには高いリテラシーと
   一人ひとりの将来への責任感が求められるということでもあります。

地方自治体の話までいきませんでした・・・・。
次回は地方自治体における政治主導です。

2009年10月8日木曜日

決算書を読むシリーズ 固定資産税2

決算書では固定資産税は現年分と滞納分という区別しかありませんが、
予算書を見ると、土地、家屋、償却資産ごとに分類されています。
 平成21年予算書によるとその割合は土地45.6%、建物37.6%、償却資産16.8%となっています。

償却資産というのは、事業者が持っている構築物、機械・装置、車両・運搬具(自動車税などがかかるものを除く)、工具器具及び備品です。工場などがあるとこれらにも固定資産税がかかるので、市の財政に貢献することになります。
ただし、償却資産は減価償却とともに課税対象となる価格が年々減っていく(建物も減っていきますが、減り方は遅い)ため、新しい設備投資がないと、固定資産税は減っていくことになります。

例えば原子力発電所がある市である柏崎市を見ると、固定資産税は平成10年の162億円から平成19年の99億円まで60億円も減っています。推測ですが、原子力発電所の償却資産による固定資産税が、施設の経年に伴い減少していると思われます。(減ったとはいえ大変な金額なので、柏崎市は新潟県で一番財政力の高い自治体となっていますが。)ある程度予測できるとはいえ、税収がこれだけ変動すると財政運営にもいろいろ苦労があろうと思われます。

2009年10月7日水曜日

決算書を読むシリーズ 固定資産税1

固定資産税は市税収入の柱の一つです。
また景気に左右されにくいという特徴があります。
ここ10年間で最も少なくても105億円、最も多くても110億円と非常に安定しています。
課税対象は土地や建物、償却資産(機械など)ですが、日野市の場合は8割以上が土地と建物に対するものです。
地価が下がったことがニュースになっていますが、バブル期に地価が急騰した際に、固定資産税の負担が急増しないように調整したため、地価が下がってもそれほど固定資産税は下がらないようになっています。
しかし、長期的には地価水準に徐々に連動するので、地価の下落は徐々に税収に響くことになります。

ちなみに、固定資産税の中には「国有資産等所在市町村交付金」が約2億円含まれています。
地方税法では国や都道府県など他の地方自治体に固定資産税をかけることはできませんが、一部の財産については、もしその資産を民間企業が持っていたら課されるであろう程度の固定資産税相当額を、上記の交付金として支払うこととなっています。

ちなみに自衛隊や米軍の施設がある市にはこれと似たもので「国有提供施設等所在市町村助成交付金」が交付されます。(福生市などが該当します。)

2009年10月5日月曜日

2008年の民間給与 10年前より35万円も減る

JCASTより
国税庁がこのほどまとめた実態調査結果によると、平均給与は10年前の1998年は、464万8000円から429万6000円に減少しているとのこと。
市の個人市民税は税源移譲(関連記事こちら)もありここ2年増えているのですが、課税のベースとなる給与は95年ごろから減り続けているようです。(アメリカでは1980年ごろから減っている(「資本主義の未来」より))
 国税庁調査資料はこちら
 長期的にいえば、平均の落ち込み(中国と同程度になるまで続くのでは)と働く人自体の減少(高齢者や女性の働く機会が増えれば別ですが)により今後とも市民税は増えないという前提で財政運営をしていかなければならない、という厳しい状況が続きそうです。

2009年10月4日日曜日

社会保障関係特別会計のまとめ

何回かにわたってまとめてきた特別会計の仕組みへのリンクをまとめました。

1.国民健康保険の仕組み (基本
2.  同上   (退職・前期高齢
3.  同上   (国保からの負担
4.介護保険の仕組み
5.後期高齢者医療保険の仕組み
6.老人保健の仕組み
7.(番外)健保組合の負担

決算を読むシリーズ 軽自動車税

市税の中でマイナーですが、軽自動車税というものがあります。
軽自動車以外の自動車の保有台数は10年前と比較すると約5万4千台から約5万2千台と減少していますが、一時期のガソリンの高騰などもあり、軽自動車はむしろ増えています。
 軽自動車税は平成20年度は9千7百万円と前年の9千4百万円から増加。10年前と比較すると3千万円近くも増えています。(細かく見ると原付が減って、軽自動車が増えているようです。)

 じゃあ、市にとっては軽自動車を買ったほうがいいんじゃないということになりますが。。
 自動車については自動車取得税(都税)の一部からそれぞれの市に道路の長さや面積に応じて配分される「自動車取得税交付金」というものがあります。
 こちらの方は平成20年度で約3.7億円と軽自動車税の3倍以上のお金になっています。
 ちなみに10年前は4.3億円ですから、軽自動車税とトータルすると減っていることになります。
 交付金の方は、自動車の台数ではなく道路の面積に比例するので、日野市の自動車が減っても交付金は減りませんが、同じことを全ての市がやると、結果的に交付金全体が減るのでみんなの収入が減るということになります。 

市民財政白書を作る(番外) 健保組合のお金

さて前回まで国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療とその前身である老人保健の特別会計に関わるお金の流れを紐解きました。
 そのたびに出てくる、健保等というサラリーマンや公務員が入る健康保険に関わるお金の流れを説明します。
 前回までは国民健康保険を主体としていたので、まとめて「健保等」となっていますが、大きくは3つのまとまりがあります。健康保険の適用事務所で働く社員が入る「健康保険組合」。社会保険庁が運営していた政府管掌健康保険から変わった「全国健康保険協会」(いわゆる協会けんぽ)、これは中小企業等の従業員や家族が入るもの。そして国家公務員や地方公務員、私学の教職員などの「各種共済」です。これらの対象者はあわせて約7650万人(家族を含めて)となります。
 下の図は全国レベルでのお金の出入り。単位は兆円(!)です。

 国から約6000億円の負担がありますが、これは健康保険協会に対するものです。

 さて、日野市民のうちこれらの制度の対象となっている人数は、国民健康保険の対象者を除いて約13万人となります。仮に全国の健保等の加入者数と単純に比例すると考えると、下記の緑色の数字が日野市民負担と計算される数字になります。単位は億円。
 日野市の個人市民税が約130億円ですが、その2.5倍の保険料を支払っている計算になります。確かに実感としても合っている気がします。
 そのうち、約53%が本人と家族の医療費。1/6弱が後期高齢者分の負担(日野市の高齢者ではなく、全国にある基準で分けられる)、1/8強が前期高齢者分の負担(これも全国へ)、後は介護保険料の分が支払基金を通じて介護保険の、退職医療の分が国民健康保険の(この2つは日野市の特別会計に?)ために負担されています。


この仕組みをどう評価するかは人それぞれと思いますが、まずこれを把握している人はあまりいないのではと思いました。知らなければ評価も何もできないので。
 自分で言うのはなんですが、なかなか画期的だと思うのですが。精度は悪いですが。

2009年10月3日土曜日

決算書を読むシリーズ 道路と街路

道路の費用は土木費に含まれます。
 土木費は決算書では
 1土木管理費
 2道路橋梁費
 3河川費
 4都市計画費
 5住宅費
 に分けられています。
 このうち道路橋梁費は4.6億円なのですが、実はここで終わりではありません。
 実は都市計画費の内訳は
  1都市計画総務費 2区画整理費 3街路事業費 4町名地番整理費 5下水道費
  6公園管理費 7公園整備費 8緑化費
 があり、街路事業費2.8億円も道路の関係の費用になります。

 じゃあ、道路と街路の違いって何か。ここからが今日の話のメインです。
 端的にいうと、道路事業は国土交通省の「道路局」の所管、街路事業は国土交通省の「都市・地域整備局」所管という違い。 原則としては既成市街地の都市計画道路を整備するのが街路事業となっていますが、具体的には「協議」のうえ決まるようです。
 (参考HP 香川県都市計画課
 こんなところまで、中央官庁の縦割りが下りてきている典型的な事例かと思います。
 ちなみに、どちらも道路に関わることなので、市の中での役割分担は基本的には両方とも「道路課」の管轄となっています。
 都市計画課は、”道路の計画そのもの”と”交通安全推進活動”が役割となっていますが、後者についてはややこしいことに、「道路橋梁費」に分類されています。
 
 ちなみに道路の維持費は年間約6千万円。
 延長は447.7km、面積は235万㎡なので単純計算すると、1mあたり年間134円、1平米あたり25円かかる計算になります。

2009年10月2日金曜日

環境首都コンテスト関東地域交流会に参加します。

5月に表彰を受けた環境首都コンテストの関東地域交流会が11/12に東松山市で行われます。
 日野市健全財政を考える会も参加予定です。
 プログラムはこちらのページ

 表彰についてはこちら
  ・ブログ記事5/17
  ・日野ケーブルテレビ
  ・環境首都コンテスト

 さて、財政がどうして環境なの?という疑問があろうかと思いますが、5月に表彰に来てくれた山田さんによると、サステナビリティのベースラインというのがあるそうで、それは
 ①環境面のサステナビリティ
 ②社会面のサステナビリティ
 ③経済面のサステナビリティ なのだそうだ。
  そのうちの経済面のサステナビリティに関するものということで、財政を考える会が表彰を受けたということのようです。

 よくわからない言葉がいろいろ出てきましたが。
 サステナビリティというのは最近よく使われる言葉ですが、持続可能性という意味。
  例えば、借金を返すために借金を重ねて残高が累増していくのは、長期間続けられるかもしれないけれどもいつかは破綻する。例えば資源を自然が再生するスピード以上に浪費すれば、いつかはなくなってしまう。 そういう、いつかは続けられなくなるときがきてしまうようなものは「サステナビリティでない」というような使い方をします。

 ボトムラインというのは、利益や損失を表す最終行が語源。
 語源からもわかるように企業の環境会計とか、CSRからの言葉で、トリプルボトムラインというのは企業活動の評価に経済面だけでなく、環境面、社会面も含もうという意味がこめられているようです。 

2009年9月28日月曜日

市民財政白書を作る(動画版) 介護保険の仕組み

国民健康保険に続き、介護保険です。


(クリックすると大きくなります。)
 数字は平成20年度決算による金額です。
 ①は1号保険者(65歳以上)の保険料です。
  決算書では「保険料」の項目になります。
 ②は2号保険者(40~64歳)の保険料です。一旦社会保険診療報酬支払基金(以下「基金」と省略)を経由します。
 ③は一般会計からの繰入金。決算書では「一般会計繰入金」の項目になります。
 ④は国や都からの補助、決算書では「国庫支出金」及び「都支出金」
 ⑤は保険給付費の支払です。介護事業者に直接ではなく、国民保険連合会の介護保険勘定を通して支払われます。
 ⑥は国民健康保険からの負担。これは「基金」に一回プールされて、全国の介護保険特別会計に分配されるので、日野市の負担は6.4億円ですが、その金額が回ってくるわけではありません。
 ⑦は各種健保からの負担? もしかしたら②と一緒なのかも。

 「基金」から支払われる金額は、一括して決算書では支払基金交付金の項目になっています。

 介護保険の仕組みとしては、①が1/6、②⑥が1/3、③が1/8、④が3/8(国1/4、都1/8)の割合で負担することになっているそうです。
 実際の割合が微妙に違う理由はよくわかりません。

2009年9月26日土曜日

市民財政白書を作る 人口予測をしてみる

将来の財政の課題を語るには将来の人口の見通しが欠かせません。
人口問題研究所や東京都が国勢調査を元に、市町村別の人口予測を5年ごとの予測を出しています。
 -人口問題研究所(http://www.ipss.go.jp/site-ad/index_Japanese/population.html)

これはこれで予測精度も高いと思うのですが、実際に使おうとすると物足りないところがあります。
①年齢階層の予測が5歳刻みであること。
 ~例えば小学生の人口や中学生の人口を予測したい場合にうまくいかない。
②予測間隔が5年ごとであること。
 ~国勢調査の間隔にあわせ、2010年、2015年、2020年という具合になっています。

一方でこれらの人口予測をするためにものすごく難しいことをしているかというと、基本的な原理は大変簡単です。要は今年1歳の人は来年2歳、再来年は3歳になるというところから出発し、今年の1歳の人口を元に来年の2歳の人口、5年後の6歳の人口、10年後の11歳の人口を求めていくものです。
 研究所が行っている予測では、この基本的な原理の精度を増すためにいろいろと難しい技術を加えていますが、市民レベルで予測するには基本的な考え方だけで十分かと思います。
 ちなみにこの方法はコーホート法というそうです。
(参考:秋田市の解説:http://www.city.akita.akita.jp/city/pl/mn/statistics/nobiyuku/2jinko/suikei/h18/cohort.pdf)

 日野市財政を考える会では、過去5年ぐらいの0~100歳までの各年齢の男女の人口を入力(理論的には過去2年でよいが、年による変動を緩和するため)して、1年ごとの各年齢の人口を予測しました。
 概ね40代以降については転居があまりないと見られ、1年ごとの誤差は1%以内(0.2~0.3%ぐらい)に収まっているようです。逆に若い世代、子どもの世代についてはマンション開発による転居の影響が大きく出るので2~3%程度、最大5%程度の誤差が出ることもあります。(研究所の推計でもここらへんの影響を予測できるところまでいっていないようですが。)

 エクセルにひたすら人口を入力すれば、かなり長い期間予測できるので、時間がある方はやってみると面白いかも。留意点としては
 ①1年ごとの予測なので、例えば誤差が1%でも20年経つと20%以上の誤差になるので、その数値に頼りすぎないこと。(できれば他のデータとの突合せをしてみるのがよいかと。)
 ②0歳人口の予測:私は保健所の各年齢層の出産数のデータ(市の事務報告書)を参考にしましたが、そのデータがない市もあるかも。
 ③後は根気。1年でも200のデータを入れないといけないので、気長にやりましょう。
  5年階級でも65歳以上人口や75歳以上人口を予測するには十分です。

2009年9月11日金曜日

市民財政白書を作る 物件費とは

おそらく性質別歳出の分類で最もわかりにくいのが物件費でしょう。
消費的経費で人件費、扶助費、維持修繕費、補助費ではないものとされてお
り、要はその他もろもろという面があるためいまいち実態がつかめないという
ことがあると思います。

あえて企業会計にたとえるならば、
 工業簿記でいうところの直接経費(減価償却費除く)と間接費(人件費除く)
 商業簿記でいうところの一般管理費(減価償却費、人件費除く)
 となり、
 家計に例えると
 家庭用の物品と水光熱費となります。

 たとえてみてもやっぱりわかりにくい。

物件費の中身を見ると
 ①賃金! アルバイトや短期雇用者の賃金:人件費ではないのです。
 ②旅費 ちなみに通勤手当は人件費
 ③交際費 公債費ではありません。
 ④需用費 消耗品(⑥とどう違う?)水光熱費、印刷製本費、食糧費など
 ⑤役務費 通信・運搬費、手数料、保険料、広告量など。
 ⑥備品購入費
 ⑦委託料 物件費のかなりの割合を占めています。
 などとなっています。
 あえて何かに例えるより、具体的なものを並べた方がイメージが湧きそうな
気がします。

2009年9月8日火曜日

市民財政白書を作る(動画版) 扶助費について考える

扶助費は福祉の費用と理解されていることが多いですが、より正確には
「生活保護法、児童福祉法などの法令に基づいた生活保護費や児童手当などの支給や、市が単独で行う各種扶助のための現金・物品を問わず、被扶助者に対して支給ものにかかる経費」ということになります。
かえってわかりにくかったか。

つまり、現金や現物を直接給付している部分の金額になるので、児童手当や民間保育園の運営経費に充てるものが扶助費になります。扶助費は直接人にお金を給付するものなので、民生費以外はほとんど発生しません。
逆に民生費でも扶助費以外の部分は多くあります。例えば同じ保育園でも市営の保育園は人件費と物件費(委託料とか備品とか水光熱費とか)が主になります。
また介護保険ができる前は介護サービスは扶助費でしたが、介護保険特別会計へ出すお金は「繰出金」という名前になりました。また介護保険を一部事務組合でやっているところは「補助費」という分類(性質別)になります。

ということで、福祉の費用が多いと扶助費も増えることは間違いないですが、扶助費の多さと福祉の充実は別の問題ということになります。(特に他市町村との比較をする場合)

ちなみに扶助費は人件費、公債費と合わせて義務的経費と呼ばれます。
義務的経費は「支出することが制度的に義務づけられている経費」と説明されることが多いですが、例えば市独自の施策により給付している金銭なども扶助費に入るため、法的に義務付けられているものばかりではありません。
制度的には扶助費の全てが歳出が義務付けられている経費ではないといえると思います。
一方、扶助費の特徴は「効率化ができない」ということにあろうと思います。一定の成果を出すために他のものであれば、やり方の工夫や発注の工夫で効率化、コストダウンができるものの、扶助費について歳出を減らそうとすると給付を減らすしかなく、(それが経済的にどういう効果があるかは別として)給付を受ける側にすれば即サービス減になってしまう。
そのために政治的にも扶助費は法的に義務付けられているものであれ、そうでないものであれ減らしにくいという意味で義務「的」であるのかもしれません。
 

2009年8月29日土曜日

市民財政白書を作る(動画版) 公的サービスと行政サービス1

いまさらですが、このタイトルでは、財政白書の作成の上で考えたこと、考えていることを書きます。
 あまりまとまりないかもしれませんが。
 意外といろいろ考えているんだなと思っていただければ。また白書を作ったり、読んだりされる方の参考になればと思います。

財務省・国税庁をはじめいろいろなHPで、税はなぜ必要かの説明で、
「公的サービス」または「行政サービス」、「公共サービス」のために必要と説明がされています。
「行政サービスおよび公共施設」という説明をしている場合もあります。
たいした違いではないといえばたいした違いではないのですが、書き手としてはどの言葉を選ぼうか迷うところです。
まず、「公共施設」をサービスと並列で説明するのはやめようと考えています。
というのはまずひとつは文章が長くなるから、特に動画版だとフレーズが長くなってなおわかりにくくなるから。これは技術的な末節の話。もう少し根本的なところで「公共施設」を別立てにしたくないと考えています。
「公共施設」はハードなもの、「公的サービス」はソフトなものという区別と思うのですが、実は端的にいえば公共施設そのものは利用者としてはそれほど必要としていない。道路を使う場合、道路を構成するアスファルトとか白線とか、ブロックとかそのもの自体を欲しているのではなく、円滑に安全に目的地に行けるという機能を欲している。
建物もしかりで、建物を構成する鉄筋コンクリートや屋根材や床材を欲しているのではなく、それらによって構成される空間、より突き詰めればその空間が可能にする活動を欲している。
と思うのです。公共施設に光を当てると、そのものが存在することが重要なように思われ、そのものの機能の影が薄くなるのではないかと考えたので、ちょっとわかりにくい部分が生じるかもしれませんが、財政の役割や税の必要性の説明においては公共施設を含め、○○サービスに統一して使っていこうと考えています。
 ちょっと長くなったので、○○の部分に何が入るかはまた別の投稿とします。

2009年8月18日火曜日

形式収支が赤字の市

大阪府下の市の財政白書紹介の記事で形式収支(市の決算書の歳入から歳出を引いた金額)が赤字になっている市があるということで、疑問だったのですが、市の財政課の方に伺いました。

○基本的には形式収支は赤字にならない。
 ・歳入には貯金の引き出しにあたる「繰入金」、前年からの手持ちである「繰越金」、借金である「市債」も入るので、本来は赤字にならない。

○それでも赤字になる場合
 ・それでもどうしても足りない場合(市債を発行する許可が下りないとか、貯金もないとか)は、次年度の財源を使うことができる。その場合次年度の財源は歳入にはカウントされないので、形式収支はマイナスになる。
 とのこと。

○次年度の財源といっても、現金が手元にあるとは限らないので、どうやって歳出しているのかはよくわかりません。

○ちなみに使った次年度分の財源は、次年度の歳出としてカウントされる。
  例えば、平成19年度の形式収支がマイナス1億円の場合、翌年分から1億円持ってくるので、
  翌年分の歳出が1億円増えるのだそうだ。ここらへんがちょっと理解しづらいが。
  ちなみに決算カードでは目的別歳出の項の「前年度繰上充用金」というものになるらしいです。

○通常、前年度充用金は「-」ですが、ここに数字が書いてあるようだとかなり財政が厳しいということになります。

2009年8月5日水曜日

地方分権改革推進委員会がスゴイ

以前も紹介した(記事はこちら)地方分権推進委員会

 委員会で配布されている資料などがすごい。
○すごいその1 制度の概要がわかる資料
  委員向けの説明は一回20分程度、その中で要点がわかるように整理されています。
  なぜ国が関与すべきかの言い訳的な資料も多いのでその点は割り引くとしても非常に参考になります。
 特に
  地方税制→第72回
  地方財政→第11回
  道路特定財源→第45回
  生活保護 →第42回
  国の出先機関 → 第33回
  社会保障 → 第12回  はお勧め。

○すごいその2 豪華なゲスト陣
 地方分権や税制、財政、公共経済の権威が続々登場し、資料を提出・説明・議論に加わっています。
 このブログの中でのブックレビューで紹介した著者も多数。
 有名どころでは、片山元島根県知事、経団連中村副会長、大田政策大学院大学教授、富田中央大教授(国債の歴史の著者)、小西関西学院大学教授、神野東大教授、土井慶応大学教授、元佐賀市長木下氏、橋本大阪府知事などなど。

○すごいその3 地方からの切実な声
 地方懇談会の議事録とか、各知事や市長からの声(第15~17回)あたりは制度の実態が見えて面白い。

○すごいその4 猪瀬委員のするどい突っ込み他、充実した議論。
 まだ議事録はあまり読んでいないのですが、提出資料をみるだけでも鋭さを感じます。
 議事録でみる議論もものすごく中身が濃い。
 
 地方行政・財政・地方分権に興味ある方はお勧めです。
 各回の資料などはこちらのページで。
 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/kaisai-index.html
 

2009年7月11日土曜日

市民と税金 エネルギー関係の国税

今日は一気に揮発油税+地方道路税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発促進税を紹介します。
まずは税の概要から
 揮発油税+地方道路税はいわゆるガソリン税。昨年話題になりました。ガソリンにかかる税金です。直接払うのはガソリンスタンドですが、実質的にはガソリンを使う人が払うことになります。
 石油ガス税は、天然ガスのタクシーの液化天然ガスにかかる税金。直接支払うのはスタンドですが、実質的にはタクシー会社さらにはタクシーの利用者に転嫁されているものと思われます。
 航空機燃料税は、航空機の所有者・使用者が積み込まれた燃料の量に応じ負担するもの。国内線のみにかかるもののようです。これも間接的に乗客が負担していると思われます。
 石油石炭税は原油・輸入石油・LNG・石炭の輸入者(採掘者も)にかかるもので、実質的に消費者に転嫁されていきます。ちなみに、ガソリンにはまずこの石油石炭税がかかり、上記のガソリン税がかかり、最後に消費税がかかります。
 電源開発促進税は電気代にかかっている税金。意外と知らせていませんが、1,000kwhにつき375円かかっています。
 間接税なので、日野市民がどれだけ負担しているかはかなり大胆な想定を置かないとわかりません。ここでは可能な限り簡単な方法ということで、
 ガソリン税は自動車の保有台数。その他は人口に比例するものとしました。
 まずそれぞれの税の税収は、
 揮発油税+地方道路税3兆1209億円
 航空機燃料税 1,046億円
 石油ガス税   274億円
 石油石炭税  5,779億円
 電源開発促進税 3,522億円
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 自動車保有台数は日野市平成19年度末 52,119台
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0510u.htm
  全国では7,908万台
 したがって日野市の占める割合は 0.0659%①
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
 人口は日野市172,659人 全国12,777万人
 したがって日野市の占める割合は 0.1351%②
 ガソリン税は①をその他は②を掛けると
揮発油税+地方道路税20.57億円  航空機燃料税 1.41億円  石油ガス税   0.37億円  石油石炭税   7.81億円  電源開発促進税 4.76億円
 となります。  これらは目的税なので使途が限られています。
 それがどのように使われているかは後日(いつになることやら)。  

2009年7月2日木曜日

市民と税金 自動車関係の税

自動車関係の税はいろいろあります。
 自動車を買うときにかかる税としては、自動車取得税(都道府県税)
 所有しているときにかかる税として、自動車税(都道府県税)、自動車重量税(国税)があります。
 都税事務所は立川と八王子にしかなく、しかも自動車関係の都税は自動車税事務所が別にあるので、そのため日野市民が納めた税金を直接に知ることはできません。
 平成19年度の自動車税の東京都全体の納税額は1211億円①、自動車取得税は456億円②。
 東京都の人口は平成20年1月1日で12,433,235人③、自動車保有台数はH19年度末現在3,417,158台④。
 一方日野市の人口は同日付けで人口172,659人⑤、保有台数は52,119台⑥。
 仮に納税額が人口に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑤/③=16.82億円
   自動車取得税は②×⑤/③=6.33億円
 納税額が自動車保有台数に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑥/④=18.47億円
   自動車取得税は②×⑥/④=6.95億円
 となります。
 参考HPhttp://www.tax.metro.tokyo.jp/tokei/kessan_h19.htm都税統計情報
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/tn-index.htm東京都統計年鑑

 自動車重量税の総額は7398.57億円(総額)平成19年度
  http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
  日本の自動車保有台数は平成19年度で5016万台。
   http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
  人口に比例するとすると10.00億円
  保有台数に比例するとすると7.69億円 支払っていることになります。