日野市財政白書平成21年度版の解説です。
今日解説する動画は「お金の調達」(動画へのリンクはこちら)。
私が話している部分を青。相方が話している部分を茶色。であらわし、コメントを黒文字で標記します。
大まかな歳入の内訳説明後の説明です。
「市民や市内の企業が支払っている部分が多いということですね。」
「そうです。そのうちのほとんどを占める302億円が市税です。」
「市税うち最も多いのが個人が払っている市民税で約132億円、次が固定資産税で110億円。
そして三番目が企業からの市民税で29億円、次が都市計画税の21億円となっています。」
「大企業が多いわりに法人からの税収が少ないのですね。」
「そうですね。その理由は法人の利益にかかる税金のうち80%以上が都や国の収入になるためです。
法人の利益に係る税金には「法人税」「住民税」「事業税」があります。
法人税の税率は法人の課税所得(≒利益)の30%、事業税は課税所得の10.08%(その他いろいろ条件があるがここでは省略)、住民税は法人税の20.7% うち 市が14.7%、都が6%。
つまり、課税所得が1億円あると、国(法人税)に2700万円ぐらい、都に(事業税と都民税)で1160万円ぐらい、市に400万円ぐらいが入る計算になります。
個人の市民税の方が法人の市民税より多いばかりでなく、固定資産税や都市計画税も、個人の方が企業よりも多く税金を納めています。
このように、日野市に入る税金の大半は日野市の住民が払っているのです。
つまり日野市の財政は他の誰かではない、私たち一人ひとりが支えているのです。」
このパートで言いたいことのメインは「財政は私たち一人ひとりが支えている」ということ。
今回は日野市の財政ということで、「私たち一人ひとりが支えている」と説明できましたが、そのように説明できる自治体ばかりではないのも事実です。
たとえば人口一万人に満たない町村は平均すると地方交付税が40%以上を占め、地方税は2割もありません。そういうところではどう説明したらよいのか。
あるいは企業からの税収がほとんどを占める場合にはどう説明したらよいのか。
自分のまちの財政は自分以外の誰かが支えている。と思ったとたんに、財政運営が甘くなってしまうものなのかもしれません。国や都からのお金といっても、結局は原資はわれわれの税金なのです。
市民以外が行政費用を負担してくれるというのは、一見するとよいことのように思います。
でも、そうなったときに本当に市民を向いた行政ができるのかどうか。お金をくれる国のほうを向いたり、特定の企業を向いた政策を行わざるを得ないのではないか。また市民も他の誰かが負担するのだから、と行政の無駄に対する見方が甘くなってしまうかもしれません。
※なお前日以前の部分を含めコメンタリーは、このページにまとめておいてあります