2010年4月26日月曜日

気になる本 経済学史講義

古本屋でしばらく前で買いました。
宮崎犀一、和田重司、上野格編 新評論 1985年発行

経済学を専攻したわけではないので、不思議に思っていたのですが、経済学では他の学問に比べてその学問自体の歴史が重要視されており、経済学史は経済学のカリキュラムに必ずあるものになっているようです。
 物理学の場合は新しい理論が発見されたからといって、地球や太陽が「あっ、そうだったのか。」と気づいてその運行を変えることはありませんが、経済学の場合は新しい理論が経済そのものを変えるように働くということがあるという違いがあるのではないかと。

 さて、経済学史の中から気になるところとして、ケインズ経済学の部分を。
 ケインズというと有効需要理論。最近は「公共事業がんがんやって需要を増やせば景気よくなる論者」のように言われています。
 が、その重要な前段として「現在の経済活動が不確実な将来に対する予想によって動かされる」という認識に立ち、「不安が増大すれば貨幣を保有し、設備投資や消費を抑制する。」と指摘しています。

 現状で借金を積み重ねることが国民の将来に対する予想を変えるものなのか?
 ケインズが見直されているらしいですが、単に公共支出を増やすネタにせず、もう一段踏み込んで考えてみることが重要かと思います。
 

動画版コメンタリー 歳出まとめ

日野市財政白書平成21年度版。
今日解説する動画は「お金の使い道」(動画へのリンクは
こちら)。
動画中のスライドはこちら(PDFです。)

私が話している部分を青。相方が話している部分を茶色。であらわし、コメントを黒文字で標記します。

「こうして改めてみると、本当にいろいろなことに、お金が使われているのですね。」
「そうですね。少しでも財政を身近なものと感じていただいて、市民生活を支えている財政の重要さを感じていただければと思います。」

以上が、市が何にお金を使っているかの説明の部分でした。
構想段階では、こういう分類ではなく
「市民にとって見れば、決算書の分類や一般会計と特別会計の区別はあまり関係ないのではないか?」
と思い、歳出が多いものベスト20をあげてみてはと思って作ってみました。
実際にはかえって後々説明しにくくなるので、ノーマルな説明にしましたが。
それに、どう分けるかで順番ってすぐ変わってしまいますからね。

ちなみにその際のベスト20(その時点では平成20年度決算が出ていなかったので平成19年度決算です。傾向としてはあまりかわらないかと。)は、

1位 医療費の給付(国民健康保険)101億円
2位 医療費の給付(老人保健)100億円→平成20年度はなくなる
3位 介護サービスの給付(介護保険)74億円
4位 借金の返済(特別会計・一般会計合計)63億円
5位 保育園関係(公立・私立合計)48億円
6位 小学校関係 39億円
7位 土地区画整理事業の施行 36億円
8位 市役所の一般管理費 36億円
9位 高齢者の福祉費 29億円
10位 生活保護費 28億円
11位 ごみの収集処理 28億円
12位 老人保健拠出(国民健康保険)25億円
13位 下水道の建設管理(借金除く)25億円
14位 障害者関係福祉 24億円
15位 児童手当・医療費支援 23億円
16位 消防費 21億円
17位 都市計画費(区画整理を除く) 18億円
18位 中学校関係 18億円
19位 基金の積立 16億円
20位 社会教育費 12億円

でした。こうい分け方をすると少し違ったイメージで見えたかもしれませんね。

※なお前日以前の部分を含めコメンタリーは、このページにまとめておいてあります。

気なる論文 日本政治再生を巡る権力闘争の謎

日本 権力構造の謎 などの政治の分析で有名なウォルフレンの論文を紹介します。

 ヤフーニュースで見つけた中央公論の記事ですが、ニュースサイトだといつ消えるかわからないので、なんとその全文をブログに移している方のページへリンクさせていただきます。

 菊と刀もそうですが、外から見るとよくわかる面があるとはいえ、このような大局的な視点に立った分析なりをするメディアが少ないのは残念なことです。
 この記事の最後の部分を少し長くなりますが、引用させていただきます。

「日本のメディアは自由な立場にある。しかし真の主権国家の中に、より健全な民主主義をはぐくもうとするなあば、日本のメディアは現在のようにスキャンダルを追いかけ、果てはそれを生み出すことに血道を上げるのを止め、国内と国際政治の良識ある観察者とならなければならない。
 そして自らの備わる力の正しい用い方を習得すべきである。
 さらに政治改革を求め、選挙で一票を投じた日本の市民は、一歩退いて、いま起こりつつあることは一体なんであるのかをよく理解し、メディアにも正しい認識に基づいた報道をするよう求めるべきでなのである。」