2010年4月21日水曜日

インドネシアでの水道事業の話を聞く

このブログでも何回か紹介している水事業のお話。
会社の関係でインドネシアでODAの水道の普及に携わった方の話を聞いて感動したのでアップします。

以前は日本からのODAで水道を作るとハイテク機器を入れて、「どうだ!」というのが多かったそうですが、そうすると確かに完成当初は立派なものができるのですが、壊れたときに直せる人がおらず、スペアも高いのでそのうちに修理されなくなり、3年ぐらいたって行ってみると放置されて使われなくなるようなケースも多かったようです。

このようなことを背景に、水道のハードだけではなく、ソフトをつけることを条件とした入札に参加し、落札したとのこと。
その水事業を行った地域はインドネシアでも貧しい地域。排泄物やごみもそこら辺にたれながし、投げっぱなしで、汚い水が原因となった病気もかなり多かったようです。

水道事業がカバーするエリアの人口は約7万人。
水道を使うという文化のない地域なので、住民を教育するツール(紙芝居)を作ったり、その紙芝居を説明する人を指導したり、地元の人を組織して水道の管理運営や集金ができるようにしたり(地元に水道局を作ってあげるようなもの)、管理運営のマニュアルを作ったり、、、、、。
話を聞くだけでも大変そうなのですが、それを話を伺った方ともう一名の2人の日本人が現地に乗り込んでやり遂げたのでした。

ちなみに技術的には地下水を井戸からくみ上げタンクにためて重力で供給するという仕組みとしては単純なもの。地元の人が自分で直せるような設計としたそうです。

水道ができてから1年ぐらいして、その方が地元に行ってみると格段に生活レベルが上がっていたとのこと。子どもの病気も減り、村人の性格まで明るく変わったように思ったそうです。

日本の水に関するノウハウを世界に大々的に売り込んでいくと取り組みはすばらしい取り組みと思いますが、このような小さくても光る取り組みにこそ光が当たってほしいと思いました。