2009年2月7日土曜日

昭島市財政白書 市民版

昭島市では”あきしま財政研究会”が
 昭島市民手作りの「財政読本」 そこが知りたい
 を平成20年10月末に発行しています。 日野市の図書館で発見、借りてきました。

 東村山や国立ほど新聞などには取り上げられていないようですが、内容はすばらしいと思います。
 ポイントとしては、まず全体に文字が大きく読みやすいこと
 次に市が財政白書を出しているというのもあるのでしょうが、全般的なところは軽く触れておいて、
  疑問のところ・課題のところを深く掘り下げているところ。
 そしてそれらの項目について。他市との比較やサービス量との見合いなど多面的な分析がされているところ。
 
 深く掘り下げているのは
  職員給:市としては自らは書きにくそうなところ。今まで見た白書で一番深く突っ込んでいるように思います。
  福祉 : 保育園児の数が多いようです。(他の市はあきらめている人も多いのでは・・・)
  ごみ処理 :有料化が早い割にはあまり減っていないようにも。
  国民健康保険 : 市としては徴収以外はいかんともしがたい部分が多いので、市の白書でここまで分析しているものはなかなか見当たりません。
  水道事業:昭島は独自の水道事業を持っています。しかも優良経営なのです!

 定価千円とのことですが、どこで売ってるのでしょうねぇ。 内容の充実度からするとお得感が高いです。

ブックレビュー 自治体財政を分析・再建する

「自治体財政を分析・再建する」 出井信夫・池谷忍 大村書店 2002年11月発行

 この本は・・・ 自治体財政の基本を知りたい人、財政分析をしてみたい人にお勧め
 難易度 ・・・ 普通
 本の目的・趣旨 ・・・「自治体の財政は急激に悪化しているが住民には知らされていない。議員も言わないし、住民も関心がないし、自治体職員も把握していない。」という問題意識のもと
 「一般の住民、学生職員、議員に自治体財政がわかるようにする。」
 ことを目的としている。
 そのために、「住民一人ひとりが賢くなり、責任を持って役所や役場に物申すことにより地域づくりを進めることが重要」
 であることから、予算を知るための基礎的な事項及び財政分析について説明しています。

 内容・感想など
 本書では
  第一部で 「予算を知るための基礎講座」 として、財政について説明
  第二部で 「もっと知りたい人への専門講座」 として財政分析について説明しています。

 自分の市の財政分析をしてみたいという方は第二部から読み進めてもよいかもしれません。
 分析の手法は決算カードのうち10の指標を経年的に調べることによるもの。
 決算カードを実際に示してこの部分というガイドがあるとなおよかった。

 第二部の後半は行政評価やバランスシート、財政健全化計画の作り方などその当時の先進的な話題でかつ行政の専門の方向けの内容になってきていますが、財政分析の先にはそのような行政改革のようなものも見えてくるので、読んでおくと参考になろうかと思います。

・・・・・といいつつ、オンラインの書店を見るとすでに入手できないところが多いようです。
    アマゾンは中古で買えるようですが。
  というか大村書店は倒産したようです。

 内容としては 同じ著者(出井氏)の 基礎からわかる自治体の財政分析 (単行本)  学陽書房
  が近いのではないかと思いますが。
   うーむ、無責任なレビューになってしまったなぁ。