2010年4月22日木曜日

動画版コメンタリー 人件費

日野市財政白書平成21年度版の解説。
今日解説する動画は「お金の使い道」(動画へのリンクは
こちら)。
動画中のスライドはこちら(PDFです。)

総務費から人件費に話題が移ります。

(総務費の)「主なものとしては、職員の給与の23.7億円、基金への積立金の20.4億円、それから税金を徴収するための徴税費の6.8億円などがあります。」
「職員の人件費ってこれぐらいだったんですね。」
「実は民生費や教育費に関係する職員の給与はここに含まれていません。人件費全体についてはこちらをご覧ください。」

ここで人件費が出てきてしまったので、ついでに人件費を紹介することにしました。

 今回の財政白書では目的別歳出しか基本的に説明していません。
 時間の問題と、一度に性質別と目的別歳出を説明したときに混乱するかもしれないと思ったためです。
 ただし、人件費については市民の関心が高いと思われたことと、全体で23億円だと思われると誤解を招くと思ったので別途紹介しました。

「普通会計の人件費の総額は105.6億円です。このうち職員給与は約73億円です。日野市の職員数は994名ですので、退職金を含めた(除いた)一人当たりの職員給与は約734万円になります。」

ここで突然普通会計というワードが出ました。
さらっと動画で流れていると気がつかないかもしれませんが、なぜいままで一般会計だったのにここで急に普通会計になったのか。

職員給に関する話題はかなり微妙な話題です。特に市との協働でやっていると。

最初のバージョンでは一般会計と病院以外の特別会計を合計した人件費として111.3億円、職員数1088名となり、職員一人当たり1000万円超という計算に。

これに対して、人件費には職員以外の人件費(議員や教育委員の報酬など)や退職金も含まれており、必要以上に高額に見えてしまうという話がありました。

それでは職員給のみを取り出そうとすると、特別会計は経年的にわかる資料が取り出せず、今度はそれに対応する職員数がわからないというややこしいことに。

どうしても一人当たりの職員給というのは出したかったので、それが間違いなくわかるというのは決算カード、つまり普通会計を使うのがよかったということなのです。

決算カードには職員給と職員数が明記されているので、経年的な分析を含めて容易にできます。

ちなみに職員給に入っているものと入っていないものを「市町村決算調」からリストアップしてみると下記のようになります。

入るもの
・基本給
・各種手当(ボーナス含む)
・臨時職員給与

入らないもの
・議員報酬・手当
・各種委員の報酬
市町村長などの給与
共済費
退職金
災害補償費

普通会計という言葉がここで初めて出てくるので説明すべきでは。という話もあったのですが、ここで説明すると話の流れが切れてしまうので、スライド中に簡単に説明を入れることとしました。

ちなみに普通会計とは、
「地方公共団体の会計のうち公営事業会計を除く会計」をいう。
とされています。全国の市町村を比較可能とするために総務省が定めている基準で、日野市の場合は一般会計と土地区画整理事業特別会計、受託水道事業特別会計、下水道事業特別会計のうち都市下水路部分が普通会計とされています。

文中、退職金を含めた(除いた)とあるのは、映像の台詞では含めたとなっているものの、実際は除いたものであるから。
最終チェックで市のほうから退職金を含めたものという指摘があったのですが、撮り終わった後、2ヶ月ほど経って公表された総務省の資料を調べたら退職金以外のものであることが判明したため、除いたとしてあります。
 ので、除いたというのが正しいです。

「下のグラフの説明もお願いします。」
「こちらは最近20年間の人件費の推移です。」
「最近は減少傾向ですね。」
「そうですね。それは給与を引き下げたり、職員の採用を抑えることで、人件費を抑えているためです。また、平成20年度は前の年より大幅に退職者が少なかったことも一つの要因となっています。」

地方自治体のここ10年ぐらいの財政の変動を見ると、減少しているのは投資的経費と人件費、増加しているのが繰出金と扶助費というのが全国的な傾向となっています。

人件費抑制としてほぼ必ず行われるのが退職者の不補充。

結果として職員の年齢高齢の歪みを生じており必ずしもよい政策とはいえないと思っています。とはいえ、民間企業のようなリストラができないから止むを得ないのかもしれませんが、結果として世代間の不公平が生じているように思います。

※なお前日以前の部分を含めコメンタリーは、このページにまとめておいてあります。