JCASTより
国税庁がこのほどまとめた実態調査結果によると、平均給与は10年前の1998年は、464万8000円から429万6000円に減少しているとのこと。
市の個人市民税は税源移譲(関連記事こちら)もありここ2年増えているのですが、課税のベースとなる給与は95年ごろから減り続けているようです。(アメリカでは1980年ごろから減っている(「資本主義の未来」より))
国税庁調査資料はこちら。
長期的にいえば、平均の落ち込み(中国と同程度になるまで続くのでは)と働く人自体の減少(高齢者や女性の働く機会が増えれば別ですが)により今後とも市民税は増えないという前提で財政運営をしていかなければならない、という厳しい状況が続きそうです。
2009年10月5日月曜日
東京と大阪 全国との比較
前回は東京と大阪を比較しましたが、東京も特殊なところなので、大阪と全国平均を比較しました。
ただし、便宜上(というか手間の問題)で、全国平均(市のみ)からは政令指定都市を除いていません。
○基準財政需要額及び基準財政収入額の比較(なお金額は人口一人当たり)
大阪:需要14.3万円、収入12.0万円
全国:需要15.2万円、収入12.2万円
基準財政収入が、大阪は全国平均よりやや少ないがほぼ同じといえます。
前回の結果とあわせると、東京が全国より多いということになります。
○歳入
歳入全体:大阪30.5万円、全国37.5万円
市税:大阪15.2万円、全国15.6万円
地方交付税:大阪2.6万円、全国4.4万円
市債 :大阪2.2万円、全国3.0万円
国や県の支出金はほぼ同じ。
市税収入が全国平均よりもやや低いにも関わらず、基準財政需要が低いため交付税が少なくなっています。 なぜ需要額が少ないかは別途調べてみる必要がありそうです。
○歳出:目的別
全体:大阪31.4万円、全国36.7万円
総務費:大阪3.6万円、全国4.3万円
民生費:大阪11.3万円、全国10.8万円
うち生活保護費 大阪3.1万円、全国2.3万円
農水費:大阪0.1万円、全国0.8万円
土木費;大阪4.0万円、全国5.6万円
教育費:大阪3.1万円、全国4.0万円
公債費:大阪3.3万円、全国4.7万円
大阪は全国平均より5万円歳出が少ないですが、そのうち3割が公債費、3割が土木費です。
○歳出:性質別
人件費:大阪4.7万円、全国5.0万円
扶助費:大阪6.6万円、全国6.1万円
公債費:大阪3.3万円、全国4.7万円
義務的経費は全国の方が多い。
建設費:大阪2.3万円、全国4.9万円
~ 全国の方は市債でファイナンスしているのではないか。
○財政指標
経常収支比率 100を超えるのは全国で52市。
大阪14、奈良6、福岡・鹿児島4、新潟3、北海道・群馬・京都・和歌山各2、
青森・山形・茨城・東京・石川・兵庫・山口・徳島・高知・長崎・熊本・大分・宮崎各1
と圧倒的に大阪府の比率が高くなっています。(近畿地方で約半分を占める)
さて、東京と比較した際のコメントとしては、
①市税収入と都又は府からの支出金が少なく、交付金や国庫支出金である程度埋め合わせがされているが、なお収入は少ない。。
②人件費と公債費、扶助費のうち生活保護の割合が多いため、財政の硬直度の度合いが高い。
③児童福祉と教育費を減らすことで対応している。
と分析しましたが、全国とあわせてみると。。
①歳入面では東京がむしろ特殊。基準財政需要額が全国に比較して少なく、税収が(東京と比較して)少ない分を地方交付税で取り戻せていない。
(逆に全国は地方交付税により、税収+交付税では東京大阪を上回る。)
②硬直化の度合いは全国的に見ても高い。
(人件費と公債費は一人当たりで見ると東京が低い。)
③児童福祉費は全国並み(東京が充実)、教育費は全国以下。
ということがわかりました。
全国平均は、夕張から東京23区まで含んでいるので、読み方が難しい面もあります。
今後の調査課題として、大阪の苦しい市と東京の類似市を選び、細かに見てみる。
財政需要額がなぜ大阪で(東京も含めだが、東京は税収があるので問題があまり顕在化していない)カウントが低いかをあげて、本日はここまでとします。
ただし、便宜上(というか手間の問題)で、全国平均(市のみ)からは政令指定都市を除いていません。
○基準財政需要額及び基準財政収入額の比較(なお金額は人口一人当たり)
大阪:需要14.3万円、収入12.0万円
全国:需要15.2万円、収入12.2万円
基準財政収入が、大阪は全国平均よりやや少ないがほぼ同じといえます。
前回の結果とあわせると、東京が全国より多いということになります。
○歳入
歳入全体:大阪30.5万円、全国37.5万円
市税:大阪15.2万円、全国15.6万円
地方交付税:大阪2.6万円、全国4.4万円
市債 :大阪2.2万円、全国3.0万円
国や県の支出金はほぼ同じ。
市税収入が全国平均よりもやや低いにも関わらず、基準財政需要が低いため交付税が少なくなっています。 なぜ需要額が少ないかは別途調べてみる必要がありそうです。
○歳出:目的別
全体:大阪31.4万円、全国36.7万円
総務費:大阪3.6万円、全国4.3万円
民生費:大阪11.3万円、全国10.8万円
うち生活保護費 大阪3.1万円、全国2.3万円
農水費:大阪0.1万円、全国0.8万円
土木費;大阪4.0万円、全国5.6万円
教育費:大阪3.1万円、全国4.0万円
公債費:大阪3.3万円、全国4.7万円
大阪は全国平均より5万円歳出が少ないですが、そのうち3割が公債費、3割が土木費です。
○歳出:性質別
人件費:大阪4.7万円、全国5.0万円
扶助費:大阪6.6万円、全国6.1万円
公債費:大阪3.3万円、全国4.7万円
義務的経費は全国の方が多い。
建設費:大阪2.3万円、全国4.9万円
~ 全国の方は市債でファイナンスしているのではないか。
○財政指標
経常収支比率 100を超えるのは全国で52市。
大阪14、奈良6、福岡・鹿児島4、新潟3、北海道・群馬・京都・和歌山各2、
青森・山形・茨城・東京・石川・兵庫・山口・徳島・高知・長崎・熊本・大分・宮崎各1
と圧倒的に大阪府の比率が高くなっています。(近畿地方で約半分を占める)
さて、東京と比較した際のコメントとしては、
①市税収入と都又は府からの支出金が少なく、交付金や国庫支出金である程度埋め合わせがされているが、なお収入は少ない。。
②人件費と公債費、扶助費のうち生活保護の割合が多いため、財政の硬直度の度合いが高い。
③児童福祉と教育費を減らすことで対応している。
と分析しましたが、全国とあわせてみると。。
①歳入面では東京がむしろ特殊。基準財政需要額が全国に比較して少なく、税収が(東京と比較して)少ない分を地方交付税で取り戻せていない。
(逆に全国は地方交付税により、税収+交付税では東京大阪を上回る。)
②硬直化の度合いは全国的に見ても高い。
(人件費と公債費は一人当たりで見ると東京が低い。)
③児童福祉費は全国並み(東京が充実)、教育費は全国以下。
ということがわかりました。
全国平均は、夕張から東京23区まで含んでいるので、読み方が難しい面もあります。
今後の調査課題として、大阪の苦しい市と東京の類似市を選び、細かに見てみる。
財政需要額がなぜ大阪で(東京も含めだが、東京は税収があるので問題があまり顕在化していない)カウントが低いかをあげて、本日はここまでとします。
決算書を読むシリーズ この施設は何費
ちょっとクイズ的に。
次のものは決算書では何費に分類されているでしょう。
選択肢 総務費、民生費、土木費、衛生費、労働費、商工費、教育費
①浅川スポーツ公園
②学童クラブ
③火葬場
④勤労青年会館
⑤市営住宅
⑥児童館
⑦市民会館
⑧東部会館
⑨市民病院
⑩新選組のふるさと歴史館
⑪大成荘
⑫多摩平の森ふれあい館
⑬乗鞍高原日野山荘
⑭南平体育館
⑮生活保健センター
答えはこちら(カーソルを当ててドラッグしてみてね)
①土木費:公園だから
②教育費:平成17年までは民生費でした。
③衛生費
④労働費
⑤土木費 ~ 民生費ではないのですね・・・
⑥民生費:市役所の業務上は児童館の管轄に学童クラブが入っています。
⑦教育費
⑧民生費:⑦とどうして違うかは不明。
⑨衛生費
⑩商工費:ちなみに郷土博物館は教育費
⑪教育費:林間学校費に分類されています。
⑫総務費:ふれあい館の中での保育サービスは民生費
⑬民生費:余暇活動費に分類されています。
⑭教育費:体育費に分類
⑮民生費:保健とありますが、衛生費ではない。
いかがでしたでしょうか。合っていても自慢になりませんし、間違っていても落ち込むことはないですが、「なんでこうなっているの?」という感じを持っていただければと思います。
次のものは決算書では何費に分類されているでしょう。
選択肢 総務費、民生費、土木費、衛生費、労働費、商工費、教育費
①浅川スポーツ公園
②学童クラブ
③火葬場
④勤労青年会館
⑤市営住宅
⑥児童館
⑦市民会館
⑧東部会館
⑨市民病院
⑩新選組のふるさと歴史館
⑪大成荘
⑫多摩平の森ふれあい館
⑬乗鞍高原日野山荘
⑭南平体育館
⑮生活保健センター
答えはこちら(カーソルを当ててドラッグしてみてね)
①土木費:公園だから
②教育費:平成17年までは民生費でした。
③衛生費
④労働費
⑤土木費 ~ 民生費ではないのですね・・・
⑥民生費:市役所の業務上は児童館の管轄に学童クラブが入っています。
⑦教育費
⑧民生費:⑦とどうして違うかは不明。
⑨衛生費
⑩商工費:ちなみに郷土博物館は教育費
⑪教育費:林間学校費に分類されています。
⑫総務費:ふれあい館の中での保育サービスは民生費
⑬民生費:余暇活動費に分類されています。
⑭教育費:体育費に分類
⑮民生費:保健とありますが、衛生費ではない。
いかがでしたでしょうか。合っていても自慢になりませんし、間違っていても落ち込むことはないですが、「なんでこうなっているの?」という感じを持っていただければと思います。
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