2009年9月16日水曜日

ブックレビュー資本主義の未来 その5

資本主義の未来です。 前回から時間が経ちました。

 前回までは経済の地殻変動のプレートの5つを紹介しました。
 ここから先の各章は軽めに概要を紹介します。第12章まで、次回を最終回とする予定。

第8章 経済の地殻変動
 第3章から7章までのまとめ 賃金格差の広がりの要因を分析。

第9章 インフレ-死火山
 インフレは実質賃金が下がり、生産性があがっているので起こりようがない。しかしFRBなどはインフレの亡霊に取り付かれ、それと戦っているために賃金が抑えられている。
1990年代は生産性向上の多くを値下げで還元しなければならなくなり、賃上げにはまわせなくなった。
 不景気になっても財政と金融の両面から積極的な刺激策を取る政府は出てこないだろう。
(一昨年の原油の高騰や最近の日米中の経済政策などをみると必ずしも当てはまらない部分もありそうですが。)

第10章 日本-世界貿易と環太平洋の活断層
 日本の黒字とアメリカの貿易赤字がいつまでも続かない。いずれ破綻する。
 アジアは対日貿易赤字を対米黒字で補てんしている。
 終わりの日は必ず訪れ、そのときは日本の輸出産業が大打撃を受ける。
 日本の市場は開かれなければならないが、だからとしって日本の習慣や文化を変える必要はない。
 民間の債務が多すぎるため民間セクターの経済のエンジンがかからない。
 (90年代後半の状況。今後はむしろ政府の債務が問題かも)
 政治が麻痺して必要な決定を何一つ下せない。(ここは変わっていない、とりあえず今ところ。)

第11章 経済の不安定
 金融ショックが起こりやすい状況になっている。世界の金融システムは90年代の日本の株価暴落に匹敵する惨事に見舞われるだろう。世界はおそらく世界の金融システムにもなんらかの管理が必要だと思い知るだろう。
 → まさにそのような状況になっている。

第12章 社会の火山-原理主義と民族分離主義
 経済的な敗者が増えること、先行きが不確実になることから原理主義に救いを求める人が多くなる。