2009年2月11日水曜日

財政白書の一般的な構成

これまで主に各市が出している財政白書を紹介してきましたが、だんだん構成は共通してきているように思われます。
ということで、下記に一般的な構成を紹介し、
「この財政白書の構成はスタンダード」といったらおおよそ下のことが書かれているのかな。
 と思っていただければと思います。

財政の概要
 ・決算規模(一般会計と特別会計。または普通会計のみ)
歳入
 ・歳入の構成
 ・市税 市税の内訳(税目ごと) 滞納についてコメントする市が多い。
 ・地方交付税
   ~ 三位一体改革と臨時財政対策債 = これに触れるのはいまやスタンダード。
 ・国や都の補助金
歳出
 ・性質別歳出 ~ この中で義務的経費を説明し、それを詳しく説明するパターンが多い。
 以下義務的経費
 ・人件費 職員給や職員数、退職金についてコメントする市も
 ・扶助費 内訳(社会福祉費、児童福祉費、生活保護費)を示す市も多い
 ・公債費 
 ・建設費
 ・目的別歳出
残高
 ・市債  特に近年赤字公債が増えている市が多い
 ・基金
各種指標 財政の概要の直後に置かれることも
 ・実質収支比率
 ・経常収支比率 ~ その内容を説明している市も多い。
 ・財政健全化指標 ~ 平成19年度決算から総務省に公表が義務付けられているもの
財務諸表
 ・バランスシート  連結バランスシートを示す市も
 ・行政コスト計算書

ブックレビュー よくわかる自治体財政のしくみ

”図解 よくわかる自治体財政のしくみ 肥沼位昌著 学陽書房 2002年2月発行”
 この本は・・・自治体の財政について基礎から知りたい人。
        財政資料のわからない言葉が気になる人 にお勧め
 著者は・・・初心者の方にも興味を持ちながら読み進んで、自治体財政の大枠がつかめるように考慮してかいてます。
  著者のHPがこちら  http://homepage1.nifty.com/hisui/tizai01.htm 
  本人としてはやや難しくなってしまったと思っているようです。

 おそらく、歳入歳出の項目についてもらさず紹介しようとしたため、マイナーなものや元々説明が難しいものを含めて説明しようと試みているためかと思います。そういう意味で、一応初心者向けとなっていますが、一部難しい部分もあり、その部分は気にしないで読み進めるのがよいかと思います。
またほとんどの項目について網羅しているので、財政資料のわからない言葉が出てきたときの参考にしてもよいでしょう。

狛江市財政白書

狛江市の財政白書です。
 http://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/36,0,136,1059,html
 タイトルは「財政のあらまし」
 平成16年度決算から毎年出しており、最新は平成19年度決算(平成20年12月発行)

 説明している項目はスタンダードだが、説明を工夫している点、細かく説明している点として
 ・市債や基金との出入りを意識した財布への出入りの表現
 ・国民健康保険の歳入歳出の解説
 ・公債費の中身(元利を分けて説明)
 ぐらいがあげられる。

 実質収支のここ10年ぐらいの累計収支が赤字であり、財政の厳しさをうかがわせます。

 ちなみに平成18年に ”狛江手づくり財政白書をつくる会”が公民館との共催事業で
 「狛江市公民館共催事業 市民がつくった こまえの財政白書」を作成発表しています。
 ネット上にはあまり情報がないので残念。

大阪市事業仕分け

2月10日 毎日新聞より
”大阪市:事業仕分け、20事業中「現行通り」はゼロ 「不要」1件”

「公共サービスを民間に委ねる可能性を探るため、大阪市は8日、政策シンクタンク「構想日本」の協力を得て「事業仕分け」を試行実施した。検討対象になった20事業のうち1件が「不要」と判断されたほか「現行通り」は1件もないなど、厳しい判断を受けた。ただ市は、仕分け結果は「参考」にとどめる。」

こういうのがあるのですねぇ。ニュースで初めてしりました。
事業仕分けとは「国や自治体の行政サービスについて、予算事業一つひとつについて、そもそもその事業が必要かどうかを議論」「必要だとすると、その事業をどこがやるか(官か民か、国か地方か)を議論」するもののようです。
(詳しくは構想日本のHPhttp://www.kosonippon.org/project/list.php?m_category_cd=16を参照)
 都下では町田市が2008年7月に行いました。
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/torikumi/gyousei/jigyoushiwake/080726jigyousiwake_gaiyou/index.html