2009年7月31日金曜日

日野市は今年も不交付団体

7/28 総務省から普通交付税(地方交付税)の算定結果が発表されました。
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000032112.pdf
日野市は不交付団体。

 こちらの記事でも紹介のように法人税市民税が25億円から約半分の13億円へと大幅な減少が見込まれるのに、なんでーという感じですが。(ちなみに予算では6千万円を計上:あまり期待はしていなかったようです。)
 地方交付税の原資は法人税収その他の税なので、そもそもそっちの方が減少しているということがあり、不足分は一部は国が借金して、残りは各自治体が借金(臨時財政対策債)してまかなわなければなりません。
 ちなみにその借金として12億円(前年度6.3億円)を日野市は予算計上しています。

 ちなみに臨時財政対策債や地方交付税についての解説コラムはこちら

PS 日野高校大健闘しました。もう少しで甲子園かというところだったのですが。
  少し前に巨人にスカウトされた選手もいましたし、結構強豪なのですね。

2009年7月30日木曜日

財政白書のキャラクター 千葉編

財政白書のキャラクター 第三弾をアップしました。
 懲りもせずすみません。
 こちらを参照。
  http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba
 次は埼玉編を予定しています。

2009年7月29日水曜日

東洋大講座資料をアップしました。

7/6の東洋大学大学院の経済学研究科公民連携専攻の演習(記事はこちら)で使った資料を一部修正のうえ、アップしています。
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba
 
 日野市の財政白書に関すること、財政白書を通じた市民参画についてまとめています。

2009年7月28日火曜日

地方財政+α 経常収支比率6

経常収支比率その6です。一応最終回
 今回は2つの経常収支比率。

 経常収支比率には実は2つ種類があります。
 一つは減税補てん債や臨時財政対策債を経常一般財源(つまり分母)に含めないもの
 もう一つは含めたもの。
 減税補てん債とは、景気対策のための特別減税により税収が減少したことを補てんする借金のこと。
 臨時財政対策債とは、地方交付税を交付するために不足する分の1/2をそれぞれの市が(残りの1/2は国が借金で補てん)借金してよいというもの。
 (その意味あいなど、詳しいことはこちらのコラム参照)

 現在は普通に「経常収支比率」というと臨時財政対策債などを分母に含めたものを指します。
 しかしややこしいことに、平成12年までは逆に分母に含めないものを普通の「経常収支比率」と呼んでいました。
 この2つの経常収支比率の意味合いと将来への経常収支比率への影響を調べてみましょう。

○そもそもどうして「経常一般財源」なのか?
 原則的な考え方からすれば、公債費は「経常」的なものではありませんが、
 減税補てん債が「本来であれば地方税収になっていたであろう部分」を補てんするものであること。
 臨時財政対策債が「本来であれば地方交付税になっていたであろう部分」を補てんするものであること。
 から、それぞれ「地方税」「地方交付税」と同じ性質を持つものと想定したからであろうと思われます。

○後々どうなるのだろう
 臨時財政対策債もやっぱり借金ですから返さなければなりません。
 臨時財政対策債の利子と元金は地方交付税を計算する際の基準財政需要額に入ります。

 具体的にこれによりどのようなことがおこるかというと、仮に基準財政需要額100億円、基準財政収入額80億円の市があったとします。仮に臨時財政対策債の返済が各年1億円あるとすると、基準財政需要額が101億円に増えますので、地方交付税も1億円増え、21億円になります。
 これを経常収支比率の目でみると、分母である経常一般財源も分子である経常経費充当一般財源も同じ額だけ増えるので、経常収支比率にはほとんど影響を及ぼしません。
 一方、基準財政需要額100億円、基準財政収入額120億円の市では、臨時財政対策債の返済により基準財政需要額が101億円に増えても地方交付税額は0のままなので、分子となる借金の返済額だけがカウントされることになり、経常収支は悪化することになります。

 ということで
  ~ 臨時財政対策債は、地方交付税の交付団体の経常収支比率にはほとんど影響を及ぼさない。
     不交付団体は比率が悪化する方向で働く
 というのが結論になります。とはいえ、地方交付税を減らそうという動きの中、現在交付団体であるものが将来とも交付団体である保証はないので、注意が必要かと思います。

 経常収支比率については本稿で一旦締めです。歳入はともかく歳出については具体的にどれが分子に関係するのか確定できなかったので、後半は歯切れが悪い内容になってしまったかもしれません。
 経常収支比率は少なくとも分母の方は法人市民税を含むため「経常」という言葉の印象とは違う実態があり、毎年の数値で一喜一憂すべきものではないとは思いますが、現在のところ財政の硬直化を見る指標としてはこれ以上のものはないのが現状なので、実態を理解したうえで、財政白書の方を見ていただければと思います。

今後は施策と経常収支比率との関係については、トピックスなどとの対応で適宜取り上げていこうと考えています。 

2009年7月27日月曜日

地方財政+α 経常収支比率5

地方財政プラスアルファ 経常収支比率 その5

前回に引き続き引き続き具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について

今回は、投資以外の行政サービスについて。なのですが、行政サービスのうちどの部分が経常的な支出と扱われているのかは、予算書・決算書を見てもわかりません。(財源は予算書をみれば大体わかる:日野市の場合)
 ここでは「経常的な支出として扱われる行政サービス」について、経常収支比率を下げる要因と上げる要因を列挙していきます。

○経常収支比率を上げる要因
 ・予算をつけてサービスを拡充・新規事業開始
  →国や都の補助があれば、あがる幅はその分低くなります。
 ・国や都の補助金が削減された
  →充当する一般財源が多くなります。
 ・補助金の一般財源化
  →個別の事業に対する補助金ではなく、その分を財政需要額に含めるものです。理論的には中立のはずですが、日野市のような不交付団体の場合には、財政需要額が増えても地方交付税が増えるわけではないので、マイナスに働きます。
 ・人件費が増えた
  →人件費はほとんどが経常経費充当一般財源にカウントされます。

○経常収支比率を下げる要因:基本的には上記と逆
 ・サービスを縮減
 ・事業の廃止
 ・経費削減を行った
 ・補助金が増えた
 ・人件費が減った

正直言って当たり前のことばかりですが、経常収支比率を上げるためには、結局は必要のある業務に絞込み、同じことをコストがかからずにできるように努力をするといった地道な取り組みをするより他ないといえます。

2009年7月26日日曜日

カリフォルニア州財政危機 関連補足

カリフォルニア州に関して以前の記事の補足記事です。

 カリフォルニア州では1994年に刑法が改正され、二回以上重罪(おおむね懲役1年以上の刑相当以上)を犯した人が3回目に有罪判決を受けたら、即終身刑になるという法律(三振法)となったとか。
 このため、カリフォルニア州では大学の予算を削って刑務所の予算を増やすことになったが、事実上この法律は高齢犯罪者の年金制度になっている。という指摘もあります。(レスター・C・サロー著 資本主義の未来P115参照 なおこの本についてはそのうちレビューの予定。)

 記事では15.8万人の受刑者ということでしたが、別報道では16.7万人とか。
 カリフォルニア州の刑務所での生活水準は隣のメキシコの村のそれよりも高いとのことなので、どうしようもなくなって犯罪を犯して(カリフォルニア州は死刑があるので死なない程度に)一生食ってはいけるようにすると考える人も、この中にはいるのでしょうねぇ。

2009年7月25日土曜日

ブックレビュー 日本の名著 二宮尊徳

今日のブックレビューは中央公論社(既に倒産) 日本の名著 二宮尊徳

 昭和45年初版発行 古本屋にて購入。市の図書館ではあるかも。大きな書店なら新しいシリーズで出ているかもしれない。

 二宮尊徳といえば、薪を背負って本を読んでいる子どもとして有名ですが、(交通安全教育上よくないというので、例の像は減っているらしいですが。)幕末に領主や農村の財政を立て直した実績とその手法が高く評価されています。
 二宮尊徳の財政再建の手法は「報徳仕法」と呼ばれ、「分度」と「推譲」が重要な柱となっています。
 分度というのは、財産相応の計画性をさし、「予算を立て、その中で生活すること」を分度を守るというようです。
 十石の収入があるところに、十一石で暮らせば貧賤が入り込み、九石で食らえば富貴が入り込むといった具合の非常に単純明快でわかりやすい。(やろうと思うとなかなかできない)。
 十石のところ九石で暮らしたらあまった一石はどうするか、それは将来や共同体のために譲る。これを推譲という、現在の感覚からすると将来への投資や公共への還元ともいえるかもしれません。
 これだけをみると「この程度のことか」と思うでしょうが、二宮尊徳はこれを徹底して行い、かつ労力と知恵を惜しまず注ぎ込み、多くの荒廃した村や武家を再生させてきたのです。

 この分度と推譲を国や市の財政に当てはめて考えるとどうでしょう。
 相馬藩の財政立て直しを図った際、その前180年間の収入をみて、分度を定めたそうです。インフレがあるので現代で同じことはできませんが、今の国や地方自治体が直近10年の収入を見た財政運営を行っているでしょうか。
  入ってくる以上に使い、将来に譲るどころか先食いをしてはいないでしょうか。

 二宮尊徳というと、戦前の修身の教科書に出てくるような古臭いイメージがありますが、尊徳の生涯を書いた「報徳記」の部分だけでも読むと、時代を超えた普遍的な考えもあり、興味深いと思います。

2009年7月24日金曜日

カリフォルニア州財政危機2

サーチナニュース 7/23
http://searchina.ne.jp/
 原田武夫氏執筆記事
 以前紹介した記事の続きです。

 前回記事の段階では、予算案が議会に否決された段階でした。その後
 「7/20、米国カリフォルニア州のシュワルツネッガー知事と州議会の共和・民主両党の幹部は、約260億ドルの財政赤字解消に筋道をつける予算案の成立で合意した。」とのこと。削減された歳出予算が認められたようです。
 また、「米国政府によるカリフォルニア州の救済による回避」という観測もあるようですが、この記事では「連邦政府も多額の借金があり、カリフォルニア州同様財政難に陥っている多数の州(46州がデフォルト状態という説も!)を救済することは無理」との見解。 46州とは・・・・・。
 
 ちなみに今回成立した150億ドルの予算の削減には刑務所予算の削減も含まれ、なんと2万7千人にも及ぶ囚人の判決を繰り上げて早期に自宅に戻らせるとか。やることが極端というかなんというか、ちょっと今の日本では考えられないですね。
 
 ちなみにアメリカは異常に受刑者が多い。日本は平成19年度で約7万人、アメリカは230万人!(約100人に一人。ちなみにカリフォルニア州は約15.8万人(人口約3500万人))。
 割合としてはちょっと前の日本の生活保護率より少し少ないぐらいです。

 アメリカの州の財政は資本的支出以外の経常的な支出については均衡予算のルールがあり、要は税収が足りないからといってその分借金をするということが難しいようになっています。また増税についてもカリフォルニア州では住民投票での承認が必要で、歳入も簡単に増やせないという事情があり、それが財政運営を厳しくしている面もあるようですが、一方で財政規律を形作っているともいえそうです。(この節 白川一郎著 自治体破産を参考にしました。)

2009年7月23日木曜日

上越市財政読本

今日は新潟県上越市の紹介。
 上越市は10年ぐらい前に、行政分野別に6人の副市長(公募だったかな?)をおいたことで話題となったこともあります。
 
 財政については下記ページで紹介しています。
http://www.city.joetsu.niigata.jp/contents/city-info/zaisei/index.html
 タイトルは「上越市財政読本」 財政とは何か・財政の仕組みについてと予算を中心に説明しています。
 特に5ページまでの財政制度の解説は簡潔で要点をとらえており、非常にわかりやすい。
 財政規模は人口20万人に対して、一般会計で1034億円とかなり大きいことがわかります。
 (日野市は17万人で500億+αぐらい)
 一方市税は日野市と同じぐらいあります。(法人税は日野市より多い!)
 ちなみに財政運営のスケジュールなどもHPで発表されています。

2009年7月22日水曜日

自治体システム ネットでソフト共有

日経新聞 7/19

 現在市町村が別々にソフトをITメーカーに発注していますが、今後総務省はインターネット経由でソフトを共有する「クラウドコンピューティング」によりソフトの共有化と、導入経費の軽減を目指すとのこと。



 地方分権改革推進委員会の第4回でも、わずかな制度改革でもコンピューターのシステム変更が強いられ、多額の改修費用を強いられるという問題が指摘されています。

 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai04/04gijishidai.html

 (上記リンク、資料3露木委員資料参照)



 こうした取り組みが市の財政にプラスになるとよいですね。注目すべき取り組みと思います。

  

2009年7月21日火曜日

地方財政プラスアルファ 経常収支比率4

地方財政プラスアルファ 経常収支比率 その4
 前回に引き続き具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について


2.学校を建て替えました
 1)作る年の話
  建物などの投資的な費用は、臨時的なものですので、経常収支比率の分子にも分母にも影響を及ぼしません。

 2)その後の年の話(歳出面)
  ①維持管理費
   通常新しい建物になると修繕費などが減るはずですが、新しい設備が入っている場合(例えばクーラーが入るとか)は逆に水光熱費が増えるケースも考えられるので一概にはいえません。
  ②公債費
   市債の借入なしで作った場合には影響がありませんが、借入を起こした場合には後年の経常収支比率を上げる方向になります。

 3)その後の年の話(歳入面)
  ①地方交付税
  地方交付税の算定根拠となる基準財政需要額を構成する要素として、学校の児童・生徒数、教室数、学校数があります。
  建て替えても児童や生徒の数が増えるわけでもなく、学校の統廃合をするとむしろ減る方向になります。 (小学校が1校減ると800~900万円ぐらい基準財政需要額が減る)

 学校に限らず、建物(福祉施設や文化施設など)を作っても基準財政需要額は変わりません。(特別交付税で考慮される可能性はありますが、特別交付税は経常一般財源ではない。)

 4)道路との違い
  費用を支出した年とその年以後の歳出の面では、道路も学校その他の建物も同じ扱いですが、交付税措置や道路特定財源などのため、同じ投資をした場合は道路を作った方が経常収支比率の面では有利になります。実際の歳入の面でも同様です。
 交付税措置や特定財源、経常収支比率だけで財政運営をしている市はないとは思いますが、道路だけ特別扱いされていることによるインセンティブ(より道路に費用をかけようという)が働いてないとも断言できないように思います。

2009年7月20日月曜日

Yahoo、Google 「市 財政白書」ランキング

7/14現在の「市 財政白書」検索ランキングを当ブログ図書室に掲載しました。
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/ranking
 行の高さがそろわないのはご容赦ください。
 こちらの方は、半月に一回か月に一回ぐらいどれかを更新しようと考えています。
 ちなみに今回の検索ランキングでは八王子市が2冠を達成しました。当ブログと図書室もランクインしています。
 こういうランキングを載せているので、やや自作自演っぽいところもないではないですが

 ランキングについては当ブログにはよほど大きい動きがあるか、ネタ切れのときにのみ記事を出すこととします。

2009年7月19日日曜日

大阪市財政資料

先日ニュースで取り上げた大阪市です。
 大阪市の財政資料の中では「大阪市の財政の現状」をまず読むのがよいかと思います。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000041347.html
 この中では、大阪市の財政が苦しい理由として、昼間人口が多くその分行政需要が大きいこと。
 早くから都市基盤を整備してきた結果、施設の更新時期が来ていること。府や国からの還元が少ないこと。
 をあげています。

 一方ベッドタウンの市は「市民が外で稼いだ法人税収は入らず、住民であることによる需要は100%かかる」思っているでしょうし、また昭和40年代以降人口が急増したところは「多額の投資が後から必要になりそれが財政を圧迫した」(八王子市など)という見方をしているところもあり、「市外の人が稼ぐ法人税収が入り、既に都市基盤が整備されている」大阪市は財政的には有利なのではないか?とも思われます。
 上記の条件は横浜市と基本は似たようなものであり、その差がどうして生じたかをちゃんと分析することが必要ではないかと思われます。
 資料を見る限りの個人的な感じとしては、①大阪都市圏の活力の減退(市民税の税収が15年前より横浜は増えているが大阪は15%も減っている。)  ②他の政令市と比較して保護率が圧倒的に高いこと(横浜市の3倍) ③職員数が非常に多い状態を長年続けてきたこと(近年大幅に減らしてきているがなお圧倒的に多い。)
 が原因として大きいのではないかと思います。

2009年7月18日土曜日

地方財政プラスアルファ 経常収支比率3

地方財政プラスアルファ 経常収支比率 その3
 今回から具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について


1.道路を作りました
  道路を作る費用は、臨時的な費用であり、そのための補助金や借入金も臨時的なものですので、経常収支比率の分子にも分母にも影響を及ぼしません。 以上、ちゃんちゃん。
   ・・・・・・ではありません。それは道路を作った年の話。

  道路ができた後の年はどうなるかというと、その財源とその市が地方交付税の交付団体かどうかによって違いが出ます。
  借入金なしで作った場合
   ~ その年以後の道路の維持管理のお金は経常収支比率の分子の部分になりますので経常収支比率が増える方向に動かします。日野市の場合は道路の維持費は年間約6千万。道路延長は約450kmなので100mぐらい作っても維持修繕費という意味では大きな影響はありません。(1kmあたり13.3万円ぐらい)
  借入金で作った場合場合
   ~ その年以後の利払い及び元本の返還のための費用が、経常収支比率の分子の部分になりますので、上記より大きく経常収支比率を増加させることとなります。
  一方、道路特定財源に基づく国などからのお金があります。(平成19年度は自動車重量譲与税、地方道路譲与税、自動車取得税交付金)これらは道路面積及び道路延長により比例配分されるため、道路が増えればその分これらの金額も増えることになります。道路特定財源といいながら、実は経常収支比率の分母である「経常一般財源」を構成するため、経常収支比率が減少(つまり改善)する方向に働きます。
 ちなみにこれらの金額の合計額は平成19年度で約7.8億円。。。?
 ということは、道路を作ると、分母の方の増え方が大きい→経常収支比率がよくなる、ということですかね?(他の市も同じ割合で道路を増やしていれば増えませんが。)

 日野市のように地方交付税の不交付団体はここまでなのですが、多くの市町村は上記に加え地方交付税が交付されています。地方交付税の元となる基準財政需要額は、道路の面積や小学校の数などに応じて計算されますが、例えば平成20年度の基準財政需要額の計算では道路の延長1kmあたりの単位費用は26.2万円。つまり道路を1km作るとそれだけいろいろな費用がかかるので、26.2万円分、市に渡すお金を増やしましょうということ。
 地方交付税は経常一般財源なので、経常収支比率を改善する方向に動かすことになります。

まとめていうと。
 ○道路と作ると維持管理費及び公債費(借入金で作った場合)の分 経常収支比率が悪化します。
 ○一方道路特定財源と地方交付税(交付団体のみ)が増加する分 経常収支比率が改善します。
  トータルした場合、経常収支比率がよくなる場合も悪くなる場合も考えられます。
   直感としては公債費を入れた場合は悪化し、そうでない場合は±0かやや改善すると思われます。

 明確な結論がでなくてさえないコラムですねぇ。。。 

2009年7月17日金曜日

大阪市、2015年度にも「破産」見通し

読売新聞 7/16
「大阪市は16日、今後10年間の市の収支見通しを発表し、新たな収支改善を行わなければ、2015年度にも自治体の破産にあたる「財政再生団体」に転落する、との試算を明らかにした。  市内企業の業績悪化による法人市民税の落ち込みなどが理由で、このままでは、12年度以降、年210億~610億円の財源不足が発生。15年度には累積赤字が1860億円に達し、実質赤字比率が財政再生基準の20%を超えるという。  市は、職員給与の平均5%カットなど今後2年間で総額約650億円の歳出削減策に着手している。平松邦夫市長は「現行の改革を確実に達成するのは当然として、歳出の精査や歳入確保策の検討に早急に取り組む」としている。  財政再生団体になると、地方自治体財政健全化法に基づき、財政再生計画の策定が義務づけられ、国の管理下で財政再建を行うことになる。」
 
記事の元となった発表資料はこちら。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000045614.html

 大阪市は政令指定都市の中でも飛びぬけて経常収支比率が高く、職員数も多いのが特徴です。
 財政関係の資料はこちら。
 http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top/category/889-6-0-0-0.html

 大阪市の財政白書的なものとして「大阪市財政の現状」「財政のあらまし」を発表しています。
 実はまだ読んでいないので・・・・。大阪市の話題についてはまた記事をあげていきたいと思います。

2009年7月16日木曜日

財政用語プラスα 経常収支比率2

経常収支比率の第2回です。
 前回 経常収支比率= 経常経費充当一般財源/経常一般財源 となることをお話しました。

 分子も分母も「財源」となっているのがややこしいところですが、前回の話を表でまとめると下のようになります。

 分母については「経常経費」のうち「一般財源」から払われている部分とご理解いただければと。
 それではその分母である経常一般財源が何から構成されるか見ていきましょう。
 決算カードとつき合わせて、経常一般財源に含まれるものを列挙(一部推定)してみました。
 ①市税(都市計画税を除く)
 ②地方譲与税
 ③利子割・配当割・株式等譲渡所得割交付金
 ④地方消費税交付金
 ⑤自動車取得税交付金
 ⑥地方特例交付金
 ⑦地方交付税(特別交付税を除く)
 ⑧交通安全交付金
 ⑨使用料(道路・河川・公園のみ):推理
 ⑩財産収入(財産貸付収入):推理
 ⑪諸収入(預貯金の利子?):推理

○謎
 地方税には普通税と目的税があります。目的税は使途を特定している税のはずなのですが、どういうわけか、都市計画税以外の目的税(事業所税・入湯税)も経常「一般」財源なのだとか。
 ちなみに都市計画税は「臨時」一般財源に分類されるらしいです。経常特定財源ならばまだわかるのですが。
 また地方譲与税や自動車取得税交付金といった道路特定財源もなぜか「一般」財源とされています。
 ネット上ではなぜそうなっているか?に関する納得できる説明を見つけることはできませんでした。

○留意点
 経常というと、安定してある収入というイメージがあり、HPによっては「毎年固定的に収入される」というような説明があったりしますが、経常一般財源には法人市民税が含まれ、金額面では変動要素が多く含まれています。
 ですから「経常一般財源=基本給」ではなく、「=賞与や手当てを含む給与」に近いと思われます。
 (賞与は景気によりなくなったりするので)
 したがって分母が固定的ではないので、毎年の経常収支比率は仮に経常的な支出が一定だとしても変動するものといえます。端的に言えば平成19年度(法人税収絶好調)の経常収支比率と平成20年度(法人税収ぼろぼろ)の経常収支比率とは単純に比較できない。むしろ毎年固定的に入る「経常的」歳入と考えるのならば法人税割を除いた(逆に都市計画税は加算してもよい気がするが)経常収支比率の方が指標としてはよいのかもしれません。

 次回以降、具体的な財政的アクションと経常収支比率の関係を考察していきます。  

2009年7月15日水曜日

地方分権改革推進委員会

財政関係のお勧めHP
 地方分権改革推進委員会です。
  http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html
 2000年に地方分権一括法が施行されましたが、財源などまだまだ未完の地方分権。実はこれで終わったわけではなく、平成19年からさらにいろいろと議論がされているようです。
 今回の重点は国の出先機関や国による義務付け・枠付け、第二次勧告まで出されています。
 キーワードは(立法権、財政権を具備した地方政府としての)「完全自治体」、いろいろ抵抗はあるかと思いますが、是非実現してほしいところです。
 (意見・勧告はこちら

 これらのまとまった資料も参考になりますが、面白いのが各委員会での資料。
 既に89回開催されています。特に猪瀬委員などが提出している委員提出資料と議事録(議事要旨)が面白い。 とても全部目を通せるというものではありませんが、面白いものがありましたらまた紹介したいと思います。

 今回のお勧めは第2回 猪瀬委員資料:議事録をあわせて読むと面白い。
   資料  議事録(PDF)
 第4回 議論  機関委任事務がなくなって、法定受託事務と自治事務になったけれども、法律により縛りが多く「法定自治義務」になっているという話。井伊委員の資料説明と議論が興味深い。 
 

2009年7月14日火曜日

コラム 税金は誰が負担しているのか?

前回までのコラムで、日野市民がどれぐらい全体として税金を負担しているか見てみました。
 間接税については最終的に負担している人と税務署に支払っている人が違うので、実際に市民がどれだけ払っているか見えにくいという話をしましたが、間接税だけでなく、直接税でも実際の負担者を突き詰めて考えると実は簡単ありません。
 例えば、法人市民税を考えてみましょう。法人市民税は法人が払っているのですが、最終的にその負担は法人がしているのでしょうか。
 例えば、法人市民税を少し上げたとしましょう。法人の税引き後の利益が減り、自己資本に充てる金額や配当が減ったならば、その税金は法人(つまるところはその株主)が負担したといえます。
 しかし上場会社などの場合、配当が減るとその株の人気がなくなり株価に影響することとなります。それがいやなので、配当や自己資本のためのお金を維持しようと思った場合二つの方法があります。
 一つは自社が売る製品やサービスの値上げをすること、もう一つは生産のための調達を安くすること、より端的にいえば仕入を安くするか賃金を下げることとなります。
 前者のように製品の価格などに転嫁させることを経済学では「前転」、後者のように賃金などに転嫁させることを経済学では「後転」というようです。前転する場合は税の実質的な負担は消費者に、後転する場合は労働者にかかることになります。
 実際にはどちらか一方ではなく、両方起こることもありますし、一部株主が負担することもあります。
 実はここで終わりではなく、例えば前転させて価格を上げた場合、需要が減って売上の量が減ることが考えられます。その場合は利益が減少し、一部株主が(場合によっては労働者が)負担することとなります。
 実際に最終的な負担がどのようになるかは、かなり複雑で経済学の教科書の一章を割くほどのテーマです。
 一般論としていえば、独占的な市場(電力とか鉄道とか)では前転することが多く、競争が厳しい市場では後転することが多いことが予想されます。(その理由は考えてみてね。)
 また固定資産税は地主にかかるともいえますが、家賃に転嫁されれば賃借人が負担しているともいえます。賃借人が企業で営利活動を行っているのであれば、法人市民税と同様のまた長い説明がこの後に続くことになります。
 仮にある市が増税して(今の制度だと一つの市だけが突出して増税するのは難しいのですが、仮にできたとして)、税負担を嫌う市民が他に移住した場合には、得られるべき税金が0になるので、その分は残った市民が負担するといえるのではないでしょうか。
 ことほどさように、税の最終的な負担者を特定することは難しいものなのです。

古河市へ日野自動車新工場進出計画 茨城

MSNニュース 7/7
「トラック・バス製造販売の大手「日野自動車」(本社・東京都日野市)の茨城県古河市への新工場進出計画で、候補地の名崎通信所跡地(同市尾崎)の周辺道路に対し、市は9億5000万円の補正予算を盛り込み、拡幅化と延伸化に乗り出した。誘致に伴うアクセス道路の整備。市が具体的に動き出した格好だ。」

現在その跡地(64ha!)は県の開発公社が所有しているのだとか。現在の年間生産台数は約10万台で近い将来、20万台までの増産を計画していることから、新工場を進出させるとのこと。
 このまま10万台の生産であれば、どちらか一方でよいことになってしまうからだ。20万台!といっているのは日野市と古河市を安心させようという気持ちもあるのかもしれない。
 日野市民にとってはちょっと心配。今後とも動きに注目です。

2009年7月13日月曜日

市民と税金 税金関係のまとめ

市民と税金
 今回は税金関係のまとめです。平成19年度決算に基づくもの。

 前回までの結果をまとめたものです。
 一旦都に入った後に日野市に一定割合が交付されるものは、上記の図では全て東京都への流れにして、一部が日野市へ流れるフローとしています。一旦地方消費税分を含めて国が徴収するものも同じ扱いとしました。
 これを見てどう思うかは人それぞれかと思います。
 国が多いな・・・。と思ったでしょうか。
 これが多いか少ないかは、どう使われているかにもよろうかと思います。
 この連載はしばらく充電期間とし、次はどう使われているかを追ってみたいと思います。

(参考)これまでの連載
 ①所得税・都民税
 ②利子関係
 ③株式関係(配当・譲渡益)
 ④法人税・法人都民税・事業税
 ⑤固定資産税
 ⑥たばこ関係の税
 ⑦消費税・地方消費税
 ⑧自動車関係の税
 ⑨その他都税
 ⑩相続税・贈与税
 ⑪酒税
 ⑫エネルギー関係の国税
 ⑬その他国税

2009年7月12日日曜日

市民と税金 その他国税

市民と税金 その他国税として今日は関税、印紙税、登録免許税を取り上げます。
 いずれも間接税です。
 関税は消費税に比例、印紙税と登録免許税は人口に比例すると仮定しました。
 印紙税はほとんどが法人が払っていると思われますが、最終的に消費者に転嫁されると想定しました。
 登録免許税は土地建物に係るものが多いので、実際には不動産取得税額の比例に近いのでしょうが、不動産取得税自体想定で日野市分の負担を想定しているような状況なので、人口割にしてみました。(実際にはこれより日野市民の負担額は多かろうと思われます。)
 関税の総額は9,410億円
http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
 消費税は全国で10兆2719億円、日野市分の推計が145.59億円より(記事はこちら参照)
 ゆえに9,410×(145.59/102719)=13.34億円
 印紙税の総額は2,144億円
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 2,144億円×(17.2659万人/12,777万人)=2.90億円
 登録免許税の総額は6,359億円
  http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001032538
 6,359億円×(17.2659万人/12,777万人)=8.59億円
 となります。

 以上、一通り紹介したはずです。
 かなり雑駁ですが。
 次回はこれまでのものをいったんまとめてみます。

2009年7月11日土曜日

自治体財務書類を簡単検索 総務省がHPに新コーナー

共同通信 7/11

 「総務省は11日、全国の地方自治体の資産や債務の状況が分かる貸借対照表(バランスシート)などの財務書類を、インターネットで簡単に検索できるコーナーを、同省のホームページ(HP)に近く新設することを決めた。 」
 一般にも無料で利用できるものだとか。総務省の考えとしては、各市町村に連結財務諸表を作ってほしいので他の自治体の財務書類を参考にしやすくすること、自治体財政への住民の関心が高まっていること、他の自治体の財務状況を知りたいという行政側のニーズがあること。 に対応するものとのこと。
 決算カードなどの資料は総務省のページに今でもあるのですが、今度は各市へのリンクになるということでしょうか。
 確かに私も各市の財務資料の行脚はそれなりに時間がかかるなぁとは感じていましたが。ぜひとも早く設置されるとよいですね。

市民と税金 エネルギー関係の国税

今日は一気に揮発油税+地方道路税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発促進税を紹介します。
まずは税の概要から
 揮発油税+地方道路税はいわゆるガソリン税。昨年話題になりました。ガソリンにかかる税金です。直接払うのはガソリンスタンドですが、実質的にはガソリンを使う人が払うことになります。
 石油ガス税は、天然ガスのタクシーの液化天然ガスにかかる税金。直接支払うのはスタンドですが、実質的にはタクシー会社さらにはタクシーの利用者に転嫁されているものと思われます。
 航空機燃料税は、航空機の所有者・使用者が積み込まれた燃料の量に応じ負担するもの。国内線のみにかかるもののようです。これも間接的に乗客が負担していると思われます。
 石油石炭税は原油・輸入石油・LNG・石炭の輸入者(採掘者も)にかかるもので、実質的に消費者に転嫁されていきます。ちなみに、ガソリンにはまずこの石油石炭税がかかり、上記のガソリン税がかかり、最後に消費税がかかります。
 電源開発促進税は電気代にかかっている税金。意外と知らせていませんが、1,000kwhにつき375円かかっています。
 間接税なので、日野市民がどれだけ負担しているかはかなり大胆な想定を置かないとわかりません。ここでは可能な限り簡単な方法ということで、
 ガソリン税は自動車の保有台数。その他は人口に比例するものとしました。
 まずそれぞれの税の税収は、
 揮発油税+地方道路税3兆1209億円
 航空機燃料税 1,046億円
 石油ガス税   274億円
 石油石炭税  5,779億円
 電源開発促進税 3,522億円
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 自動車保有台数は日野市平成19年度末 52,119台
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0510u.htm
  全国では7,908万台
 したがって日野市の占める割合は 0.0659%①
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
 人口は日野市172,659人 全国12,777万人
 したがって日野市の占める割合は 0.1351%②
 ガソリン税は①をその他は②を掛けると
揮発油税+地方道路税20.57億円  航空機燃料税 1.41億円  石油ガス税   0.37億円  石油石炭税   7.81億円  電源開発促進税 4.76億円
 となります。  これらは目的税なので使途が限られています。
 それがどのように使われているかは後日(いつになることやら)。  

2009年7月10日金曜日

市民と税金 酒税

今日は酒税です。
 酒税は間接税のひとつ。国税です。
 間接税は直接税を納入する人と、実質的に負担する人が違うので日野市民がどれぐらい負担したかを知ることは困難です。
 仮に人口一人当たりの納税額が同じとして計算することにしました。
 東北地方は一人当たりの酒量が多いとか、東京の方が高級酒が多いとかいろいろな変動要素はあろうと思いますが、考え始めるときりがないので。
 平成19年の酒税収入は1兆5,244億円。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sake2007/shuzei.htm
 ゆえに
 15,244億円×(17.2659万人/12,777万人)=20.6億円
 結構飲んでるもんですね。

2009年7月9日木曜日

宇都宮市財政白書

宇都宮市の財政白書
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/johokokai/zaisei/008197.html
平成16年度分からあり平成19年度が最新版。
 構成はスタンダードですが、最後の中核市ランキングが注目。
 こんなに中核市ってあったんですね・・・。

また平成17年から毎年中期(5年)の財政計画を出しています。
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/johokokai/zaisei/008199.html
 経済成長率が毎年1.02~1.35%あるという設定に疑問がないことはないですが、
 不確実性が高い中でも計画を立てていくことが重要かと思います。

2009年7月8日水曜日

平成20年度地方税収入見込額

総務省7/8発表資料より
 昨年度の地方税の収入見込みが速報版でまとまったようです。
 市町村税は平成19年度に比べて0.3%の増。(総額21.3兆円)
 主な税目では個人の市町村民税は+2.1%。(7.4兆円)
          法人の市町村民税は-8.6%(2.4兆円)
          固定資産税は+1.8%とのこと。(8.7兆円)

 個人の市町村民税は平成19年度の所得にかかるのでプラスになっています。
 法人の市町村民税がマイナス8.6%というのは、ものすごく減った市のことばかりニュースになるので、もっと減っている印象がありましたが。 なお、今年度の見込みとしては法人市町村民税は1.9兆円と昨年度に比べてさらに20%減となっています。

 発表資料はこちら。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02zeimu02_000005.html
 

2009年7月7日火曜日

日野市民と税金 相続税・贈与税

日野市民と税金 今回は相続税と贈与税です。

 ちなみに相続税と贈与税は両方とも相続税法により定められています。

 両方とも国税です。市税とリンクしない国税を調べるのは結構大変です。
 一つは市町村単位ではなく税務署単位で集計されているので、日野市の部分だけを取り出せないこと。もう一つは税務署単位の情報が出るのが遅いこと(最新は平成18年度)、もう一つは国税庁の統計数字と財務省の統計数字が違っていたりすること。

 ということで、正確な計算は困難ですが、割り切って計算してみましょう。

平成19年度
 東京国税局内の相続税の納税額は 5,946億円。贈与税の納税額は464億円。
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sozoku2007/sozoku.htm
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/zoyo2007/zoyo.htm

平成18年度
 東京国税局内の相続税の納税額は5,645億円。
 日野税務署管内の相続税の納税額は58.1億円。贈与税の納税額はわかりません。
 http://www.nta.go.jp/tokyo/kohyo/tokei/sozoku.htm

 日野税務署管内の納税額の東京国税局内に占める割合は一定、及び日野税務署管内の市の納税額は人口に比例すると想定して計算します。
 ちなみに東京国税局の管轄は東京都、千葉県、神奈川県、山梨県。
 日野税務署の管轄は、日野市、多摩市、稲城市。人口397,144人

 上記より
 日野市民が支払った相続税は
 5,946×(58.1/5,645)×(172,659/397,144)=26.61億円
 贈与税は
 464×(58.1/5,645)×(172,659/397,144)=2.08億円
 と推定されます。
 

2009年7月6日月曜日

東洋大学公民連携演習

今日は東洋大学大学院の経済学研究科公民連携専攻の演習の時間を割いていただき、日野財政を考える会の活動と官民協働について、ゲストの講師ということでお話をさせていただきました。
 院生はみなさん社会人で通常の仕事の後、参加されているのだとか。今日も午後6:30~9:40まで演習+授業。なかなかハードです。
 今日は私と菊地代表でそのうち6:30~8:00までの一こまを頂き、約40分弱財政を考える会の説明をさせていただき、その後、行政と市民との協働をテーマにディスカッションをしました。議員と市民参画について、声にならない市民の声を反映するにはどうするか? サラリーマンや学生の参画などなど、議論の時間は50分ほどあったのですが、あっというまでした。
 院生の方は議員の方、シンクタンクの方、CSR関係の方などさまざまな形で公民連携に関わっている方が参加されており、今回は主にこちらが質問を受ける形だったのですが、時間があれば逆にこちらからいろいろとお話をお聞きしたいところでした。
 このような機会を頂き、財政を考えるか意図しても大変ありがたく光栄なことと思っております。改めて担当教授及び院生の方々に御礼申し上げます。

 なお、本日の使用したスライドについては、後日別館図書室の方にアップを予定しております。

2009年7月5日日曜日

財政用語+α 経常収支比率1

久しぶりの財政用語
 今回は経常収支比率です。
 経常収支比率は、財政の弾力性を知る指数として非常に重要かつ有用な指標です。

 経常集比率は
  経常経費充当一般財源等/経常一般財源等
 で計算されます。これではよくわからないですね。
 まずは分母のほうからみていきましょう。
 経常一般財源=「経常」「一般財源」 で、「一般財源」というのは自治体の意思で使い道を決められる財源をいいます。
 反対語は「特定財源」で例えば特定の事業のための国からの補助金などがこれにあたります。
 家計でいえば、給料が一般財源、会社から支給されている定期代が特定財源にあたるものです。
 「経常」というのは臨時的でないものという意味です。例えば家計でいえば給料が経常的なもの、家などを売ったときの収入が経常的でないものといえるでしょう。
 分子の方は、経常経費充当一般財源=「経常経費」「充当」「一般財源」でもう少し噛み砕くと
 「経常経費」のうち「一般財源」が「充当」されている部分の金額 ということになります。
 「経常経費」とは毎年かかる経費。例えば、市役所の職員の人件費や生活保護費などがこれに当たります。
 例えば生活保護費の場合は国の負担する部分が3/4あるので、その部分を除いた部分が「経常経費充当一般財源」に該当する部分となります。
 家計でいえば、家賃が「経常経費」にあたるもの、会社から家賃補助が出ている場合は家賃補助を引いた部分が「経常経費充当一般財源」になります。

 まとめると、経常収支比率は毎年入ってくるお金のうち、毎年でるお金がどれぐらい占めているかを示す割合ということになります。この割合が高いと毎年の収入のほとんどが決まったことに消費されていることになります。このような状態を「財政が硬直化している」といいます。
 経常収支比率は80%以下が望ましいとされていますが、その理由としては将来への投資的費用を確保するためといわれており、基盤が整備されつつある都市ではそれほど投資的な費用を確保する必要がないこと、市民サービスをよくすれば経常収支比率は高まるので、あえて80%以下を目指す必要があるのかという議論もあるようです。
 投資的な費用の確保というよりも、経済的な変動への備えを持つことや独自の施策の実現のための余力を持つという意味のほうが大きいと思われます。
 
 実は日野市のこれまでの財政白書では経常収支比率をあまり紹介してきませんでした。一つは筆者自身がよく理解していなかったこと、もう一つはある施策が経常収支比率とどういう関係になるか見えないことです。
 経常収支比率は非常に便利な指標なのですが、いろいろな情報が総合され加工された指標なので、予算書・決算書とのつながりが見えず、なにかベールの向こうにあるような感じがするのです。

 とはいえ、わかりにくいから取り上げないという態度はいかがなものかとも思いますので、具体的な事業や施策と経常収支比率の関係が見えるようになることを目標に、経常収支比率の中身を明らかにしていきたいと思います。
 いろいろとわき道にそれるかも知れません+更新がおぼつかないかも知れませんがよろしくお願いします。

2009年7月4日土曜日

カリフォルニア州 財政危機宣言

FBPBB Newsより
 7/1 カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は財政非常事態を宣言。
  英語では「財政非常事態を宣言」は「declare a fiscal emergency」というらしいです。
 現在28億ドル(2700億円!)の現金不足に陥っており、2日から借用書を発行の予定とか。これが払えなくなると行政サービスがストップしてしまう恐れがあるのだとか。カリフォルニア州の面積は日本より広く、人口3500万人を抱えるアメリカ最大の州ということで、FRBでは借用書の乱発が金融システムに悪影響を与えるのではないかと懸念しているようです。
 経費削減のため第1,2,3金曜日を閉庁として給与を減らすとか大変なことになっているようです。日本ではなかなか考えにくいですね。日本では夕張ぐらいひどいことになっても、資金ショートすることが話題になることはなかったのですが。
 

市民と税金 その他都税

その他の都税として、個人の事業税、不動産取得税、軽油引取税があります。
個人の事業税、不動産取得税は日野市分は八王子都税事務所に集まります。
 八王子都税事務所の管轄は南多摩と西多摩です。
 残念ながらまだ平成18年度までの情報までしかありませんが、
不動産取得税は53.27億円①、個人事業税40.14億円②
 この地域の人口は1,745,824人③。日野市の人口は172,659人④。
 なので、人口当たり同じとすると日野市分は
 不動産取得税5.27億円(①×④/③)、個人事業税3.97億円(②×④/③)、と推定されます。

 軽油引取税は同じ都税でも多摩の分はほぼ全て立川都税事務所に集められます。
  八王子+立川と税事務所で37.99億円⑤ 多摩地域の人口は4,016,835人⑥
  人口当たり同じと想定すると日野市分は1.63億円(⑤×④/⑥)と推定されます。
 
 
 

2009年7月3日金曜日

財政白書のキャラクター 神奈川編

財政白書のキャラクター 東京編に引き続き、神奈川編。
 横浜市、川崎市、藤沢市だけですが
http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba
 まあ息抜きに。

 川崎市の財政読本、前回記事後平成21年度版が出ました。
 http://www.city.kawasaki.jp/23/23syomu/home/tokuhonn21/index.html

2009年7月2日木曜日

市民と税金 自動車関係の税

自動車関係の税はいろいろあります。
 自動車を買うときにかかる税としては、自動車取得税(都道府県税)
 所有しているときにかかる税として、自動車税(都道府県税)、自動車重量税(国税)があります。
 都税事務所は立川と八王子にしかなく、しかも自動車関係の都税は自動車税事務所が別にあるので、そのため日野市民が納めた税金を直接に知ることはできません。
 平成19年度の自動車税の東京都全体の納税額は1211億円①、自動車取得税は456億円②。
 東京都の人口は平成20年1月1日で12,433,235人③、自動車保有台数はH19年度末現在3,417,158台④。
 一方日野市の人口は同日付けで人口172,659人⑤、保有台数は52,119台⑥。
 仮に納税額が人口に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑤/③=16.82億円
   自動車取得税は②×⑤/③=6.33億円
 納税額が自動車保有台数に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑥/④=18.47億円
   自動車取得税は②×⑥/④=6.95億円
 となります。
 参考HPhttp://www.tax.metro.tokyo.jp/tokei/kessan_h19.htm都税統計情報
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/tn-index.htm東京都統計年鑑

 自動車重量税の総額は7398.57億円(総額)平成19年度
  http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
  日本の自動車保有台数は平成19年度で5016万台。
   http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
  人口に比例するとすると10.00億円
  保有台数に比例するとすると7.69億円 支払っていることになります。
  

2009年7月1日水曜日

名古屋市の財政白書

住民税を10%下げるで話題の名古屋市です。
 「名古屋市の財政」というタイトル
http://www.city.nagoya.jp/shisei/zei/zaisei/jyokyo/zaisei/
 平成16年版からあります。

 おそらく特徴と思われるのが平成10年度以降歳入・歳出とも減る傾向にあるということ。
 徐々に増えていくか、横ばいの傾向の市が多かったような気がする中、ここ10年で1100億円減少しています。
 主に土木費が減少している模様。また国民健康保険への繰出を100億円減らしているのが特徴、いったいどうしているのでしょう?

 構成はスタンダードですが、42ページ以下「税財政制度の拡充」「名古屋市の実態」が特徴。
 特に国税と地方税の割合や公共施設の他市比較は参考になるかも。