2010年3月27日土曜日
予算書案を読む
2009年7月14日火曜日
コラム 税金は誰が負担しているのか?
前回までのコラムで、日野市民がどれぐらい全体として税金を負担しているか見てみました。
間接税については最終的に負担している人と税務署に支払っている人が違うので、実際に市民がどれだけ払っているか見えにくいという話をしましたが、間接税だけでなく、直接税でも実際の負担者を突き詰めて考えると実は簡単ありません。
例えば、法人市民税を考えてみましょう。法人市民税は法人が払っているのですが、最終的にその負担は法人がしているのでしょうか。
例えば、法人市民税を少し上げたとしましょう。法人の税引き後の利益が減り、自己資本に充てる金額や配当が減ったならば、その税金は法人(つまるところはその株主)が負担したといえます。
しかし上場会社などの場合、配当が減るとその株の人気がなくなり株価に影響することとなります。それがいやなので、配当や自己資本のためのお金を維持しようと思った場合二つの方法があります。
一つは自社が売る製品やサービスの値上げをすること、もう一つは生産のための調達を安くすること、より端的にいえば仕入を安くするか賃金を下げることとなります。
前者のように製品の価格などに転嫁させることを経済学では「前転」、後者のように賃金などに転嫁させることを経済学では「後転」というようです。前転する場合は税の実質的な負担は消費者に、後転する場合は労働者にかかることになります。
実際にはどちらか一方ではなく、両方起こることもありますし、一部株主が負担することもあります。
実はここで終わりではなく、例えば前転させて価格を上げた場合、需要が減って売上の量が減ることが考えられます。その場合は利益が減少し、一部株主が(場合によっては労働者が)負担することとなります。
実際に最終的な負担がどのようになるかは、かなり複雑で経済学の教科書の一章を割くほどのテーマです。
一般論としていえば、独占的な市場(電力とか鉄道とか)では前転することが多く、競争が厳しい市場では後転することが多いことが予想されます。(その理由は考えてみてね。)
また固定資産税は地主にかかるともいえますが、家賃に転嫁されれば賃借人が負担しているともいえます。賃借人が企業で営利活動を行っているのであれば、法人市民税と同様のまた長い説明がこの後に続くことになります。
仮にある市が増税して(今の制度だと一つの市だけが突出して増税するのは難しいのですが、仮にできたとして)、税負担を嫌う市民が他に移住した場合には、得られるべき税金が0になるので、その分は残った市民が負担するといえるのではないでしょうか。
ことほどさように、税の最終的な負担者を特定することは難しいものなのです。
2009年7月8日水曜日
平成20年度地方税収入見込額
昨年度の地方税の収入見込みが速報版でまとまったようです。
市町村税は平成19年度に比べて0.3%の増。(総額21.3兆円)
主な税目では個人の市町村民税は+2.1%。(7.4兆円)
法人の市町村民税は-8.6%(2.4兆円)
固定資産税は+1.8%とのこと。(8.7兆円)
個人の市町村民税は平成19年度の所得にかかるのでプラスになっています。
法人の市町村民税がマイナス8.6%というのは、ものすごく減った市のことばかりニュースになるので、もっと減っている印象がありましたが。 なお、今年度の見込みとしては法人市町村民税は1.9兆円と昨年度に比べてさらに20%減となっています。
発表資料はこちら。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02zeimu02_000005.html
2009年6月13日土曜日
日野市民と税金 法人市民税
今回は第4回、法人住民税関係
法人市民税の税率は資本金額などにより、12.3%~14.7%と幅があるほか、均等割もあるので、市の予算や決算から都や国へ入る税金を正確に計算するのは難しいです。
が、おおよそということで仮に法人市民税と法人都民税+法人事業税、法人税の比率はおおよそ比例するものと想定します。
国税 平成19年度決算 法人税143,226億円 ① http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/gensen2007/gensen.htm
道府県税 平成19年度決算 法人2税(法人住民税+法人事業税) 総額67,709億円 ②
http://www.soumu.go.jp/iken/kessan_gaiyo_h19.html
市町村民税 平成19年度決算 法人市民税 総額30,151億円 ③
ここから日野市の法人が納めた税は
法人税 25.31億円×①/③= 120.23億円 法人都民税+法人事業税 = 56.84億円
と推計されます。
2009年6月7日日曜日
日野市と財政の10年
やっと財政の話に入れます。さて決算ベースでは平成19年度までしかありませんが、財政非常事態宣言をしたのは平成20年度も末であり、また平成19年度はまだ景気がよいという認識だったこともあり、平成10年度や11年度と直接比較してもどうかという感じがしました。
というので悩んだ末に、平成19年度までは決算ベースで、平成20年度は最終の補正予算を含んだ予算ベース、平成21年度は予算ベースでまとめてみました。
まずは歳入。
2009年4月28日火曜日
日野自、国内販社人員2割減 前期の最終損益618億円
日経産業新聞 4/28より
「日野自動車は27日、2015年までに8700人(08年7月末時点)いる販売会社の人員を2割削減する方針を明らかにした。自然減のほか整備部門などへの配置転換で販売人員を減らす。国内に42社、250拠点ある販社についても1割前後を減
らす方向だ。国内トラック需要の低迷が続くとみてリストラ策を急ぐ。
同日発表した09年3月期(2008年度のこと筆者注)の連結業績は、売上高が1兆694億円(前の期比21.9%減)、最終損益が618億円の赤字となった。今期についても国内、海外、トヨタ自動車からの受託生産とも販売台数が減少するとみており、売上高は9000億円に減少。最終損益は240億円の赤字となる見通し。 」
決算短信によれば、単独決算は税引き前で424億円の赤字とのこと。法人税法では赤字は最大7年間繰り越すことができることになっているので、仮に来年度(2010年度)以降黒字になったとしても、2~3年は日野自動車からの法人住民税は、均等割の300万円以外は入らないことになります。(ちなみに2007年度は約120、2006年度は約250億円の黒字(税引き前)でした。)
2009年3月23日月曜日
地方税「払い戻し」倍増
「地方税「払い戻し」倍増 自治体、企業に4600億円」
「急速な景気後退を受け自治体が企業などの納めた地方税を払い戻す「還付金」が急増している。47都道府県が2009年度予算案に計上した還付金総額は4634億円で、08年度の2.1倍に達した。愛知県は7倍、大阪府は2.8倍と大都市圏で増加が目立つ。09年度の都道府県の法人関係税収総額も08年度に比べ約3兆円減る見通しで、還付金急増は厳しい自治体財政にダブルパンチとなりそうだ。
還付金の大半は企業が自治体に払う法人関係税(法人事業税、法人住民税)。3月決算企業の場合、前の年度の税額の半分を「中間納付」として11月ごろにいったん納め、通期決算の大幅減益などで最終的な税額が中間納付額を下回ると還付を受けられる仕組みだ。」 以上引用
自治体のうち都道府県の集計のようです。(市町村はこのほかにさらにある。)
もう少し解説すると、例えばある年に100億円の利益を上げたとして税率が10%だとすると、10億円の税金を年分の法人住民税として支払うこととなります。 (その市にだけ事業所があると仮定します。)
次の年はどうなるかというと、実は中間申告というものがあって半年分を11月ごろ(3月決算の場合)納めますが、その金額は今年も同程度の所得があることを前提に前年度分の半分を支払います。
つまり前例で言うと、10億円の半分で5億円です。
さてここで、実際にその年の決算が120億円の利益があった場合、その年度分の税金は12億円ですから、決算が終了してから2ヶ月以内に12億円から既に支払った5億円を差し引いた7億円を納税することとなります。
逆に80億円の利益だった場合は、8億-5億円=3億円だけ納税すればよいことになります。
さて問題は、利益が40億円だった、あるいは0だった場合です。
40億円だった場合にはその年度に納税すべき金額は4億円、0だった場合は0になります。
しかしもう5億円既に払ってしまっています。こういうときにはどうなるかというと、還付といって払いすぎた分を市が企業に返すことになるわけです!この例でいくと利益40億の場合は1億円、利益0の場合は5億円を還付するということになるわけですね。
2009年3月6日金曜日
自治体財政も不況でピンチ 基金取り崩し、市債でしのぐ
2009年3月6日 読売新聞
2月5日に 多摩地域の法人市民税が軒並み半分という記事をあげましたが、その続編のようなもの
「急速な景気低迷で、多摩地区の市町村の財政が悪化している。特に大手企業を抱える自治体の市税への影響は大きく、新年度予算案の編成では、基金の取り崩しや市債発行で何とか帳尻を合わせている状態だ。各財政担当者は「このまま景気悪化が続くと厳しい」と危機感を募らせている。」
として各市の状況を紹介
立川市(法人市民税の割合が約10%と多摩地区で最も比率が高い):前年度比約17%(約9億8000万円)減
→ 「景気悪化が続くと、事業の縮小や先送りの検討も必要になるかもしれない」
羽村市(大手自動車会社の工場などが集積。製造品出荷額は多摩地区で4番目)
法人市民税は前年比45・2%(約6億7900万円)減。財政調整基金(いわゆる貯金)を9.5億円取り崩し
→ 「事業の見直しが必要。対象は全事業だ」
青梅市(東芝やカシオ、住友金属鉱山といった大企業あり):前年比46・4%(約13億9000万円)の大幅減
市債を前年約2・7倍の約39億7600万円を発行、貯金も約5億円を取り崩してしのぐ
日野市(日野自動車本社を抱える):前年比46・8%減
98年度以来の「財政非常事態」を宣言した。
減少幅は日野市が一番大きいんですね.....
2009年2月15日日曜日
豊田市の法人市民税96%減!
「愛知県豊田市は13日、09年度の当初予算案を発表し、08年度の当初予算で442億円あった法人市民税収入が16億円に落ち込むことを明らかにした。市内に本社を置くトヨタ自動車の業績悪化に直撃された形で、減収幅は96%。歳入の中核を占める法人市民税が1年で426億円も減るのは、石油ショックやバブル崩壊の時にも経験しなかった、同市では未曽有の事態となる。
一般会計も1645億円と、前年度の当初予算より67億円(3.9%)も減った。一般会計の歳出には、業績が悪化した企業に取りすぎた市民税を返還する「還付金」が190億円分含まれる。これを除いた実質的な予算規模は1455億円となり、前年度当初比で15%もの減になる。また、16億円という法人市民税収入は、69年度当初の約15億円とほぼ同額で、税収規模が一気に40年前の水準にまで落ち込んだ格好だ。」
426億とは。。。。日野市の財政規模が520億ぐらいなのでいかに莫大かわかります。
ところで豊田市は人口42万ですが、似たような人口規模の市は富山市、横須賀市、町田市、岐阜市
これらの市の予算規模は富山市が1700億と多いもののほかは1200~1400億ぐらい。トヨタなしの豊田市以下のお金でやりくりしていたわけですから、大丈夫なのでは?と思うのですが。
むしろそれだけ多かった分を去年まで何に使っていたかが気になるところです。
2009年2月10日火曜日
企業城下町、自治体まとめ買い支援
2009年2月8日朝日新聞より
”企業城下町、自治体まとめ買い支援「税の無駄」批判も”
「苦境に立つ企業を支援しようと、自治体が地元企業の製品を「まとめ買い」するケースが目立っている。地域経済の担い手だけに、県や市は失職や工場の閉鎖を防ごうと知恵を絞るが、住民やライバル企業からは「税金の無駄遣い」「特別扱いは不公平」との声も。不況風が吹き荒れるなか、自治体の役割は――。」
として、倉敷市(三菱自動車の軽自動車)、 鳥取市(三洋電機のTV、パナソニック製品)、広島県(マツダの車)をまとめ買いするという話が紹介されています。ここではありませんが、多賀城市がソニーの電化製品を買うことも紹介されていましたね。
気持ちとしてはわかるのですが、本当に効果があるのか?市民の納得と検証が必要なところだと思います。最近は企業誘致のために補助金をつけたり、税制優遇したりするのですが、苦しくなったらまた支援するのでは本当に収支が合うのか心配になってしまいます。(伝統的にあるところはよいのでしょうけれども)
2009年2月5日木曜日
2009年2月1日日曜日
日野市財政非常事態
日野市は平成11年に財政非常事態宣言をしましたが、それから10年。
昨年ぐらいまでは、企業業績もよく一息ついたような感じもあったのですが、来年度は法人市民税がピークに比べ20億円以上も減少する見込で、再び財政非常事態を宣言するにいたりました。
20億円といえば市営の12の保育園全体の費用に匹敵する金額です。
10年前に比べて人員などの面でかなり効率化されているので、今後の取り組みとしては10年前よりさらに厳しく難しい取り組みになるのではないでしょうか。
http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,54131,60,html
財政を考える会としても、市と協働で危機を乗り切るべく活動していきたいと思います。


