2009年6月30日火曜日

市民と税金 消費税について

今回は消費税についてです。

1 消費税の仕組み
 現在消費税は5%ですが、そのうち4%は国税である消費税、残りの1%は地方消費税です。
 地方消費税は、いったん全額国が集めて最終的に各都道府県と各市町村に配分されます。


 消費税は事業者が物品を仕入れたりやサービスを受ける際にもかかりますが、これらのものは、販売価格に上乗せされて最終的に消費者が負担することになっています。
 売上に合わせて受け取った消費税を全て国に払うのではなく、仕入れたときに支払った消費税分を差し引いた分のみを払うことで、消費税が二重三重にかからないような仕組みになったいます。
 この仕組みについ 詳しくは国税庁のこちらのページを参照。 http://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/syouhi/mokuji.htm
 
2.地方消費税の配分
 消費税を最終的に負担しているのは、一人ひとりの消費者ですので、本来は日野市民が支払った地方消費税分が日野市の歳入となるべきでしょうが、各市町村や都道府県の人がそれぞれ実際にいくら消費したかはわからないので、一定の基準を設けて、配分しています。
 ①まず、国に集まった地方消費税は「各都道府県ごとの消費に相当する額」で各県に配分されます。
  具体的には、地方消費税額の3/4を小売・サービス統計の数値で配分
                同じく1/8を人口で、残りの1/8を就業者数で配分します。
  これで各都道府県への配分が終わりました。
 ② 各都道府県に配分されたもののうち半分は都道府県が取ります。
 ③残りの半分を各市町村に配分します。
   半分のうちのさらに半分すなわち1/4を従業者数で配分。
                   残りの1/4を人口で配分します。


3.配分の考え方について
 ところで、消費税って最終的にすべて消費者が負担するものなのに、なぜ従業者で配分するの?
 という疑問があろうかと思います。これについては、すべて人口割りにすべしという考え方もあるようですが、そうすると千代田区とか配分が何十億円という単位で減るのでいまさら難しいのかもしれません。


4.さて日野市民はどれぐらい負担しているかという話
 日野市の地方消費税交付金は1,819,857千円。
  一人当たり10,540円/年(消費税総額ベースでは105,400円)
 これが日野市民が負担したものとイコールと想定すると
  都には同額の地方消費税すなわち約18.20億円
  国にはその8倍の約145.59億円を支払っていることになります。

5.別の計算
 ちなみに国の消費税の総額は10兆2719億円
http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
 単純に日本の人口で割ると80,393円負担していることになり、4.での計算より24%ぐらい少なくなっています。
 その理由として考えられるのは、小売サービス統計で都道府県間を配分しているので東京都への配分が多く、東京都に属している日野市は配分が多くなること。もともと全国平均より消費している(=消費税を払っている)のかもしれませんが。

2009年6月29日月曜日

市民と税金 たばこ関係の税金

タバコには税金がかかっています。一部の銘柄を除いて1000本あたり市税が3298円、都税が1074円、国税が4372円かかっています。
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/127.htm
 日野市の市たばこ税の平成19年度の税収は805,063千円です。
 この税は卸売業者から小売業者に卸すときに小売業者の所在の市町村に払うものなので、市に入っているタバコ税は、市民が払うタバコ税とは一致しません。(後者のほうの正確な数字はわかりません)
 が、仮に一致するとすると、日野市民は、
 都たばこ税を2.62億円
 たばこ税およびたばこ特別税を10.67億円 払っていることになります。

 ちなみにたばこ関係の国税は平成19年度 総額9,254億円。人口は12777万人から計算すると、一人当たりの税収は7242.7円つまり1656.6本分になります。
 日野市の人口平成20年1月1日現在 172,659人に換算すると
 日野市民は市たばこ税 9.43億円分、都たばこ税3.07億円分、国のたばこ税12.51億円分払っている計算になります。

 2つの計算が違っている理由として考えられることとしては
 ①日野市民の喫煙率が低い。あるいは吸う本数が少ない。
 ②喫煙率は同じだが、ほかの市で買う人が多い。
 の2つが考えられます。
 ①であれば将来の医療費も少なくよい傾向ですが、②であれば税収の流出でありよい傾向ではありません。

2009年6月28日日曜日

箕面市財政白書

箕面市
 Yahooで「財政白書」と検索すると20位以内に出てきます。
 http://www2.city.minoh.osaka.jp/ZAISEI/5_zaiseihakusho.html

 内容はいたってスタンダード
 一人当たりの税収など個別の要素を見ると財政がよさそうに思えるのですが、なんと経常収支比率が100%超だとか。
 ちょっと不思議な感じがします。
 実は高所得者が多く、税源移譲で1.7億円のマイナスの影響に加え、地方交付税も減少というダブルパンチをくらい、経常一般財源が減少したという面が大きいようです。
 あと経常収支比率で見ると、人件費率が40%と高いところが特徴かも。一人当たりの人件費は高くないのですが、人数が多いのかもしれません。

2009年6月27日土曜日

市民と税金 固定資産税編

久しぶりの市民と税金です。

 固定資産税及び都市計画税は市町村税なので、税収は原則として全て市に入ります。
 例外は償却資産の固定資産税。償却資産とは主に企業が所有する機械にかかる税金です。
 これも基本的には市に入るものなのですが、大企業の有り無しによって大きな差が出てしまうので、市の規模に応じてある程度以上の部分については、都道府県に直接入るようになっています。
 これは地方税法で決まっています。
 例えば日野市の場合は一社当たりの課税標準が(おおよそその会社がその市内に持っている機械の値段と考えていただければ)36億円を超えるとその超える部分に係る固定資産税は東京都に入るということ。

========以下記事に間違いがありましたので、10年5月30日に削除しました。===

 ちなみに平成19年度はその超える部分の金額が3,696,267千円。(日野市事務報告書)あるので、これに係る固定資産税は約51,748千円ということになります。

2009年6月26日金曜日

京都市財政のあらまし

京都市の「財政のあらまし」 平成14年から発行しています。

 平成19年度決算版はファイルを4つに分けて内容を充実させています。
 第一章「財政とは」は、スタンダードな構成。他の政令指定都市との比較がされています。
 (大阪市の飛びぬけた状況の悪さが目立ちます。)
  http://www.city.kyoto.jp/rizai/shukei/aramasi/index.html
 また第3章で「地方分権改革の動向」として、三位一体改革の内容などを詳しく説明しています。全国的に共通する内容なので、どの市も参考になると思われます。  P29 「国庫支出金を削減し,地方税への3兆円の税源移譲が実現しました。しかし,削減された国庫支出金の中身を詳しく見てみると,単に補助率を引下げたものが多くを占めています。これでは,国の地方への関与は残ったままで,地方の自由度が拡大した とは言えません。」とはまさにその通りで、今回の改革での問題点の一つです。
 ちなみに単なる補助率の削減ではない実質的なものは10%に過ぎないのだとか。

 また財政指標について政令指定都市(おおむね70万以上)と中核市(おおむね30万以上)、特例市(おおむね20万以上)
 と日野市の属する類似団体(Ⅳ-3類型)の平均値を比較すると
         政令指定    中核   特例  Ⅳ-3
財政力指数    0.72   0.82  0.90 1.02
経常収支比率  97.8   94.2  91.3  90.9
一人当たり地方債 79.5万 39.2万  33.8万 25.8万
 とどの指標を見ても、都市の規模が大きくなり、権限の移譲がなされるほど財政が苦しくなる傾向にあるようです。
 京都市の資料の中で、政令指定都市が府や国のやるべき事業を行うことによる負担が4217億円なのに対し、財政的な措置が1461億円というものがあり、そういったところが影響しているものと思われます。
 ちなみに京都市は京都府の人口の半分以上を抱えるのですが、道府県税はそのまま京都府に入るようになっているようです。

2009年6月25日木曜日

経済学と財政 小中学校で何を教えてる?

経済や財政、市民参画に関連する教科としては社会科があります。
 
 学習指導要領(ネットで公開されているのですよ。)を見ると小学校では5年生の地理で産業関係のことを習うほか、6年生で政治の働きについて習う程度のようです。われわれの生活を支えている人が多くいるということは1~2年の生活科から習い始めますが、財政や経済という視点はあまりなさそうです。
 もっともこれは公開されている学習指導要綱から推測したのみで、実際の教育現場では教えているかもしれません。
 参照http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/index.htm


 中学校では公民分野が該当し以下のような学習内容が定められています。
 ○私たちと経済
  ①市場の働きと経済(身近な消費活動を中心に)
   ・市場経済の基本的な考え方
   ・現在の生産や金融などの仕組み
   ・企業の役割と責任(職業と雇用、労働法規などについて触れる)
  ②国民の生活と政府の役割(←ここが財政)
   ・国や地方団体が果たしている役割や財政の役割
   ・租税の意義と役割、納税の義務
 ○私たちと政治
  ①人間の尊重と日本国憲法の基本原則
  ②民主政治と政治参加
   ・地方自治の基本的な考え方
    ・地方公共団体の政治
    ・住民の権利義務 →住民としての自治意識の基礎
   ・国会を中心とする議会制民主主義
   ・裁判
   ・公正な世論の形成と国民の政治参加
 実際の教科書(清水書院の公民の教科書を参照しました)を見てみるとかなりいろいろなことが書かれています。思ったよりも高度な内容だったりします。
  以下では経済と政治に関して、学習する大項目とその中で出てくる用語を中心に紹介します。
  (内容まで書くときりがないので)
 ■経済分野
  ○くらしと経済(市場経済の仕組、価格)
   ・財とサービス(”財”は大学の教科書で出てくると思っていましたが、中学でこの用語が出てくるのですね。)
   ・分業の概念 ・流通について ・市場と市場経済 
   ・家計と企業と政府の間での財とサービスの流れ
   ・貨幣 ・需要曲線と供給曲線
   ・市場価格/独占価格/公共料金
   ・インフレとデフレ ・景気の変動/バブル経済
  ○資本主義経済のおける企業
   ・資本/利潤/私有財産制
   ・拡大再生産/自由競争/社会主義経済
   ・株式会社(株券、有限責任、配当、株主総会)
   ・金融/日本銀行/為替
   ・独占/カルテル/独占禁止法
   ・産業の情報化/産業構造の変化/リストラ
  ○暮らしと財政
   ・財政とは
   ・政府の3つの働き(公共財・サービス/所得再分配/経済安定)
   ・租税(地方税/国税、直接税/間接税)
   ・累進課税
   ・国の財政(一般会計/財政投融資)
   ・地方財政(地方税/地方交付税/国庫支出金/歳出)
   ・社会保障(社会保険/公的扶助/社会福祉/公衆衛生・医療)
   ・医療保険、年金保険、介護保険
   ・経済のグローバル化/産業の空洞化
   ・貿易収支/貿易摩擦/為替相場
   その他労働と雇用(非正社員とワークシェアリングも)、消費者保護、食糧問題、環境問題など幅広く取り上げています。
 ■政治分野(地方自治関係のところのみ)
  ○住民が築く地方自治
   ・地方自治とは?(地方自治法/地方議会/予算/条例)
   ・住民参加(直接請求権/住民投票/住民運動/NPO)
   ・地方分権(地方分権一括法)
   ・住民のワークショップで公園のプランを作った三鷹市の例が紹介されています。

 中学校のときにこんなに習っていたんですかね。ぜんぜん覚えていない・・・・。
 最近の教科書が進化しているのか、単に忘れているのか。
 新聞を読む上での基礎的なことはかなり押さえているほか、最近の話題も取り上げているので、大人でも一度中学の公民の教科書を読んでみると面白いのではと思います。
 とはいえ、「中学校の教科書を読もう」でこのプロジェクトが終わってもなんなので、
 中学校の教科書で紹介されていること+経済学の理論をつけるような形で展開しようかと、今思いました。
 
 高校の教科書も紹介できればよいのですが、手元にないのでまたいつか。

2009年6月24日水曜日

伊勢原市 財政白書発行

財政白書作りの動きがあった、伊勢原市で白書が完成したそうです。
 タイトルは「市民が見た伊勢原市のだいどころ事情」
編集は、市民グループ「伊勢原・まちの財政を学ぶ会」、伊勢原ネットのメンバーを含めた7名とのこと。市議会議員の方も加わっています。
 総論だけではなく、特別会計やごみ処理の一部事務組合も分析しているようです。
http://jhamada.kgnet.gr.jp/back/item/all/1244897418.html

写真を見た感じは国立市の市民の財政白書や札幌の市民の財政白書に近い感じです。

ちなみに伊勢原市では市政白書を作成しています。
http://www.city.isehara.kanagawa.jp/kakuka/kikaku/kikaku/hakusho.htm

 内容としては調布市の街づくりデータブックに近いものがあるかも。市政に関するいろいろな情報が載っています。

2009年6月23日火曜日

ブックレビュー 市民のための地方自治入門(新訂版)

今日は市民のための地方自治入門[改訂版] 行政主導型から住民参加型へ
 佐藤竺監修 今川晃馬場健 編 実務教育出版2009年2月発行
 2月22日の記事で紹介した本の改訂版。 改訂より新訂の方が新しいようです。まぎらわしい。
 新しいほうは図書館で借りました。
 改訂版との違いは、順番の入れ替えを除けば、財政健全化法が加わったことと、海外の事例が豊富になったこと。なんと22カ国も調べています。
 また「おわりに」が全面的に書き換えられていて、その内容が財政白書を作るものにとって非常に深い文章だったので、その要旨を少し長くなりますが、ここに紹介します。
 「(協働はわかりやすさがポイントだが)わかりやすさには二つの側面があると考えられる。まずは①伝達方法(表現)のわかりやすさであり、これに対して②内容のわかりやすさというものがある。本来この両者は密接不可分であり、伝達方法が難解なものは実は内容も難解なものが多い。しかし名前(伝達方法)が、わかりやすくなれば内容も簡単になったような錯覚に陥る。
 例えばごみの処理場の建設を考えると、関係法令、建設コスト、環境への影響など伝達方法も中身もわかりやすいことからかけ離れている。
 協働の際に、住民の側は行政に対して伝達内容のわかりやすさは求めるべきであろうが、容まで単純化して伝えることを要求すれば自らの判断を誤ることになるだろう。つまり伝達手段のわかりやすさは求めるべきだが、単純化した伝達内容は誤った判断を招くばかりではなく、両者の誤解や対立を招くことにもなる。
 したがって、内容が難解であることを忌避しない姿勢が今、住民と行政に求められている。」(P281~282抜粋)
 できれば書店で手にとってここだけでも読んでいただければと思います。(立ち読みを勧めているように思われてしまうかな・)

 財政も深く知れば知るほど難解な部分が増えてきます。それを市民に伝える際に「わかりやすさ」を目指すがゆえに「内容の単純化」を行って誤解を招いていないか、改めて振り返ってみる必要があろうかと思います。
 一方で、人間急に難解なものが理解できるようになるわけではありません。理解をしようという市民が次のステップに進みやすいように一段一段小さな作ることが必要なのではないかと思います。このブログがその小さな一段になれればと思っています。
 とはいえ、いかに段を低くしても上る意思がなければ上ることはできません。それがここでいう「難解であることを忌避しない姿勢なのではないか」と思っています。
 
 

2009年6月22日月曜日

夕張市財政再建計画など

夕張市の財政再建情報です。
 http://www.city.yubari.lg.jp/contents/municipal/rebuilding/index.html

 いろいろデータがありますが、一番下の「財政再建計画について」の古い日付のものから順に読むとよいでしょう。
 財政再建計画の変更計画書は一番最後のページでどこが変わったかを見ればよいと思います。

 財政再建計画の内容を見るとかなり恐ろしい。返すべき負債が360億円、これを標準財政規模45億円、市税10億円の市が返すために、最低の住民サービスを最高の住民負担で行い、借金を返している状況です。
 一方、850兆円ともいわれる借金を、88兆円の予算規模、税収44兆円である日本国の財政は夕張市と比べて格段によいとはいえない状況です。夕張市の状況が日本の未来の姿にならないよう一人ひとりが政治や財政をチェックする視線を持たないといけないと思います。
 
 そんな中 東京都から若い職員2名が夕張に派遣されています。
 http://www.soumu.metro.tokyo.jp/03jinji/yuubari/index.htm
 大変なこちらのほうが状況がよりリアルに伝わります。その中での若い職員の報告にはさわやかな感動すら覚えます。
 白書作りとは関係なくお勧めです。

2009年6月21日日曜日

ブックレビュー 地方分権と地方自治

地方分権と地方自治 佐々木信夫著 勁草書房 1999年発行
この本は筆者が研究してきた「地方分権と地方自治」についての成果を体系的にまとめたものとして、いろいろな角度から問題提起をし、改革指針を探った ものとのこと。(本書はしがきより)
地方分権一括法施行前の少し古い本ですが、内容は今でも通じる部分が多い。基本的には行政の立場で分権化の中で、政策を作る主体として自立する自治体としていかにあるべきかに重点が置かれているように思います。


特に面白いと思ったところを何点か。
1.機関委任事務について
 昨日のコラムで機関委任事務が法定受託事務になったことについて書きましたが、第3章の中で機関委任事務の問題点について、本来地方の代表であるべき市町村長が、国の地方機関としての役割を負わされ、なおかつ国の仕事なので、地方議会も異を唱えることができない状態になっていると問題点を指摘しています。
  ちなみにその機関委任事務が都道府県で8割(!)、市町村で4割もあったのだそうです。
 ・昨日のコラムでは「変化がよくわからない」と書きましたが、法定受託事務になることでこれからは市町村長の自前の仕事となることで5年、10年経つうちに自分の地域にとって必要な仕事は拡大し、そうでないものは縮小するという具合に、「権限行使のやり方しだいで自治体行政は大きく変わる」と評価しています。
 つまり、この改革を生かすかどうかはそれぞれの自治体に懸かっているというわけです。

2.自治体リストラ3つの側面
 リストラというと業務の効率化、スリム化をまず思い浮かべますが、それはリストラの中でも「事業体のリストラ」という一側面の過ぎず、その他「政策体としてのリストラ」(政策を考える能力の向上)、「政治体としてのリストラ」(住民自治の活性化、特に議会の改革)が必要と指摘しています。

3.官僚主義の表れ方
 アメリカの社会学者R・マートンが官僚制の問題として「あるべき官僚制像が職員に内面化されると期待とは逆の方向に過剰表出される」ことを指摘しています。つまり
 ①規律による原則を徹底 → 法規万能主義、手続きが細かく煩わしい
 ②公平無私を徹底 → 不親切で尊大横柄に
 ③明確な権限の原則 → たらいまわし、責任回避
 ④身分保障 → 仲間意識、特権意識
 最近では
 ⑤住民参画・民間委託 → 必要以上に丸投げ  を追加してもよいかもしれません。
 このような官僚主義の罠にはまらないよう、住民に対して開かれた自治体づくりに向けた改革が必要としています。
 官僚主義は民間企業にも当てはまる部分もあり、自らの問題として認識する必要がありそうです。

4.稟議制の理解の仕方
 稟議制(計画や決定が末端の職員によって起案された稟議書を関係者に順次回覧してその印を求め、さらに上位者に回送して最後に決裁者にいたる方式)があるため、誰が究極の責任の帰属者かわからないという問題が指摘されています。
 これに対して、この書では「上位者が印を押した時点で下位者の責任は消え、上位者の責任だけが残る」と考えるべきである。としている。「部長に代わってヒラが起案しているだけであって、ヒラがやりたいことを部長が追認しているというものではない。事件が起きたときに『俺は知らなかった』『俺ははんこを押しただけ』という言い訳は通用しない。」
 と厳しい。アカウンタビリティの明確化が求められる現代において稟議制が問題なのではなく、その理解の仕方が問題としている。

2009年6月20日土曜日

生活保護は国の仕事?

2月に中央公民館で財政講座(詳細はこちら)でお話をした後に、受講者から次のような質問が。
「生活保護は国の仕事と聞いていたのに、違うのかね。」
これに対して、国と地方でやっているようなお話をさせていただいたのですが、どうも納得は得られなかったようです。

ちょっと気になっていたので、調べてみました。
 結論から言うと「国の仕事」「市の仕事」と単純な結論ではないので、かえってわからなくなるのかもしれませんし、それが本当の姿なのだろうと思います。

1.制度の考え方として
 生活保護法の第一条は 「この法律は、日本国憲法第二十五条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い(後略)、・・・」とあり、国が一義的な責任を持つこととなっています。
 これでおしまい・・・・・だったら話が簡単なのですが、続きがあります。

2.実際の役割
 この法律に関して、国は
 「企画立案、基準の設定(どのような人にどれだけ保護を行うか)、実施要領(マニュアルですな)、監査」をすることになっており、
 市はその基準に基づいて保護を実施するということになっています。
 簡単にいうと、国が頭で市は手ということになるでしょうか。
 他のたとえを考えてみると・・・・
  生活保護=大阪城、国=秀吉、市=大工さん
  生活保護=野球、国=監督、市=選手     よいたとえかどうかわかりませんが。
 それでは、生活保護で何かあったときの責任の所在はどうなるかというと実際のところ「一概に言えない。」
 国はマニュアルを作りますが、個々のケースの判断はしないということなので、通常は窓口である市への風当たりが強くなることになります。(この項Wikipedia記事を参考に作成しました。)

3.財政的な面
 生活保護法の第70条に、費用は「市が支弁すること」とあり、同75条でその3/4を「国が負担する」こととなっています。
 ここだけを見ると、市が主体で国が支援しているようにも見えます。
 ところが、この「国が負担する」の意味合いは意外な重さを持つもののようです。
 この「国が負担する」お金は「国庫負担金」 と呼ばれ、地方財政法第10条に
 「地方公共団体が法令に基づいて実施しなければならない事務(生活保護は国の法律でやらなければならない)であつて、国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務(市にも利害関係があるものとされているようである)のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある次に掲げるもの(生活保護もその一つ)については国が、その経費の全部又は一部を負担する。」とあり、
「国が進んで経費を負担するべきもの」として主体性を持ってくると読めます。

ちなみに三位一体改革の中で「国が3/4負担」となっているものを「国が1/2」にするという議論があったようですが、
「地方自治体に裁量の余地が少ないものの補助割合を減らすのは単なる負担の押し付けであり、地方分権に寄与しない」ということで反対にあい、頓挫したようです。
まったくその通りだし、国が進んで経費を負担すべきものという考えにも反すると思われます。

4.結局生活保護ってだれの仕事なの?
 地方自治法により、生活保護は「法定受託事務」とされています。
 「法定受託事務」とは何かというと「国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの」として市が受託するものです。
 
他のものにたとえるならば、
 生活保護=自動車、国=トヨタ(日産でもGMでもよいのだが)、市=販売店
 どうもうまい例えが思いつかない。

 ちなみに、地方分権一括法が施行(2000年)される前は「機関委任事務」と呼ばれており、そのときは「国の事務の執行機関としての市」としてその事務を行うものとされていたようです。
 (ここらへん細かいことを知りたい方はこのリンクへ)
 法定受託事務になったことで、「国の事務ではなくあくまで市の事務」になったということが大きいようですが、市民としてその違いを体感できるような変化はまだ起こっていないように思います。
 ということでまとめると
 「国が本来果たすべき役割」
 かつ
 「市としての事務」
 ということになります。 かえってわからなくなったって?

5.結局・・・
 結局よくわからなくなってしまったのですが。
 このような状況に対し、国の事務と、都道府県の事務と、市町村の事務と明確に切り分けるべきではないか(財源+人間付で)という提案もされています。
 アメリカはどちらかというとその方向に近くなっています。
 ただ、実際にそれを行うためには国や都の出先を多くする必要があり、また縦割りがさらにひどくなる懸念もあり、本当にどのような事務のあり方にすべきかということは今後十分に議論すべきだろうと思います。
 また「責任の所在」が結局よくわからないという問題もあります。
 市は国のマニュアルのせいにし、中央官庁は「やり方がまずいんだ」と市のせいにすることで、よほど一方の非が明確でない限り、結局責任の所在がよくわからなくことがしばしば起こっているものと思われます。
 これについては「責任の所在」「財源」「権限」含め総合的に考える必要があるでしょう。

今日の用語
 「国庫負担金」「法定受託事務」 

2009年6月19日金曜日

太田市が放置自転車撤去コスト試算 一台あたり3万7000円 群馬

MSNニュース 6/19 より
群馬県太田市が、放置自転車対策業務にかかったコストを試算したところ、放置自転車を1台撤去するのにかかった総費用は平成19年度で約4万円、20年度の推計値でも約3万7000円かかっていたことが分かった。市では「撤去には多額の市民の負担がかかることが分かってもらえると思う。放置はぜひともやめてほしい」としている。(高梨美穂子)

コストは2620万。処理台数は642台とのこと。
ちなみに日野市の場合は放置自転車にかかった費用は平成19年度で1338万で3111台。一台あたり4300円ということになります。もっとも太田市の場合は市職員のコスト相当分や自転車置き場の減価償却費、自転車置き場を他の用途に使った場合の機会費用を含んでいるので簡単に比較できないとは思いますが。
(日野市の場合は放置対策費は委託費で処理しているので、償却費などはかかっていないのかもしれません。)

ちなみの太田市は平成17~19年度に 市民にわかりやすい数値目標を110項目ぐらいあげて数値目標で行政評価をしています。

http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-004kikaku-gyoukei/gyoukaku/suutimokuhyou.html
平成20年度以降は太田市マネジメントシステムに統合されたそうですが、ちょっと難しくなってしまった感もあります。

羽生市と新座市

羽生市の「よさんってなあに」
  内容はスタンダードだが親しみやすい。
 羽生市はむじなもんという公式キャラクターとそのお友達がいるようです。
 http://www.city.hanyu.lg.jp/kurashi/madoguchi/zaisei/03_city/02_gyouzaisei/kakeibo/kakeibo.html

 お友達(家族と書いてあるが生物学的に血縁関係はなさそう)はこちら
http://www.city.hanyu.lg.jp/kurashi/madoguchi/kikaku/02_culture/01_bunka/mujinamon/toppage.htm

新座市 「新座の家計簿」
http://www.city.niiza.lg.jp/06policy/kakeibo/kakeibo_index.php
 わかりやすい!親しみやすく、お勧めです。
 平成19年度版から是非読んでほしいです。(話の続きになっている部分もあるので。)
 市長自ら出演しています。市のHPの本人の写真が異常にドットが粗いのでどのぐらい似ているのか不明ですが、丁寧に書き込んであります。それに比べて説明キャラクターのまちこ先生の絵がぞんざい。ですが、まあそれはご愛嬌。
 内容は今のところ埼玉県の中では一番のお勧めです。

2009年6月18日木曜日

7309 棟で倒壊の危険=公立小中、震度6強で

時事通信 6/16
「全国の公立小中学校の校舎や体育館12万4976棟のうち、震度6強程度の大規模地震で倒壊の危険性が高い建物は4月1日現在で推計7309棟あることが16日、文部科学省の調査で分かった。全体の耐震化率は67.0%で前年度から4.7ポイント改善したが、未改修などで耐震性が担保されていない建物は依然、4万1206棟(33.0%)に上る。」

日野市は学校の耐震化が進んでいますが(体育館はまだのものが多かったかな?)、全国的にはまだまだのようです。
特に小学校は人口が急増した昭和40~50年代に新築されたものが多く、どの市も今後の対応が悩ましいところだと思います。日本はどこでも大地震が来る可能性がありますが、可能性の高さと他の施策とのバランスで考えないといけないでしょう。

 ところで「耐震化、エコ化(太陽電池など)、ICT化」の3つを称してスクール・ニューディール構想というらしいです。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/newdeal/index.htm
 ややハードに偏りすぎ+大人のための施策っぽい(雇用創出や経済波及効果・地域活性化・国際競争力の向上が主な効果らしい)のが気になりますが、ソフトについては別な施策があるということなのでしょう。
 いずれにせよ、「国の施策だからOK」「補助がつくからOK」ではなく、その中身を十分見ていく必要があろうかと思います。

2009年6月17日水曜日

ブックレビュー 地方財政データブック

地方財政データブック 出井信夫 参議院総務委員会調査室編 学陽書房
 最新版は平成20年度版 、私が持っているのは平成17年度版。
 平成20年度版は地方財政健全化法ができたこともあり、構成が違うようです。

この本は「地方財政の役割とその仕組み、地方財政をめぐる議論、地方財政のあゆみなどの要点を簡潔・平易に説明することを目標としている」とのこと。

 時系列データが充実していること、歴史的な経緯の説明が詳しいこと、制度の内容が詳しく説明してあることがポイント。このコラムの作成においても参考にさせていただいております。
 後半、特に地方交付税や国庫補助金はかなり歯ごたえがあるので、初心者向けとはいえません。逆にそこまで読み解くことができれば相当理解が深まると思います。(私も正直まだ理解しきってはいません。)
 財政白書など、ものを書く際には手許にあると何かと便利かと思います。

2009年6月16日火曜日

財政白書のキャラクター 東京編

財政白書の中には、白書の中身を解説したりするキャラクターが登場することがあります。
ちょっと気になったので、集めてみました。
 こちらのページからダウンロード
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba

 特に意味はないのですが、面白そうなので集めてみました。お遊びということで息抜きに見ていただければと思います。
 

さいたま市&戸田市

今日はさいたま市と戸田市を紹介

さいたま市では下記ページで「健全財政維持プラン」を紹介しています。
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1147391506736/index.html

「健全財政維持」といっているということは財政は健全であるということで、なかなか強気なタイトルです。
 といいつつ、平成22年までに財源不足額が845億に達すると予想されるなど、厳しい実態もあります。これに対し、方策を比較的わかりやすく説明しているところが特徴かと思います。

 政令指定都市というと大都市で財政が豊かという印象がありますが、統計的に見ると総じて財政的には苦しいのでは?と思います。(ちゃんと検証していませんが。)
さいたま市は政令指定都市の中では借り入れも少なく、健全な方と思いますが、単に政令指定都市になってから日が浅いだけなのかもしれません。

 また平成19年度の決算に基づく財政状況はこちら。 http://www.city.saitama.jp/www/contents/1239241637240/index.html

 戸田市は自前で政策研究所を持っています。
 http://www.city.toda.saitama.jp/441/440430.html 
 これについては「政策開発の手法と実践―自治体シンクタンク『戸田市政策研究所』の可能性」という本がでています。

2009年6月15日月曜日

日野と財政の10年終わりにあたり

前回最終回といったのに、といわれそうですが。番外編で。

日野市に係る統計や主な財政データの10年の変化を10回にわたり、紹介しました。
あえて分析・評価をしなかったので、あまりまとまりがないコラムになってしまったかもしれません。
今から10年前といえば1999年。恐怖の大王は降りてきませんでしたが、いろいろありました。

 このころこれからの「働くスタイル」はどうなっていくのか?を調べるために、あるオフィス器具メーカーの方にお話をうかがう機会があったのですが、その方が「山一證券の廃業で、このままでよいのか。という『きづき』がサラリーマンの中に起こった。」という話が記憶に残っています。
会社の言うことを信じて従っていても、いざとなったら会社がつぶれてしまう。そのときには会社は救ってはくれない。そのときに青春を返せと言ったところで返ってはこない。


今考えると国と地方の関係にもいえるのかも知れません。補助金がつくとか、自分で負担した分も後から出してくれるとか、国のいうことを信じてどんどん箱物を作った自治体もあったでしょう。でも本当に困ったときに国が助けてくれるかどうかはわかりません。国の財政もひどい状態ですから。


そのときに「信じていたのにひどいよ」といっても、どうにもなりません。
10年前の記事をまとめてこんなことを思ったのでした。

こだいら市民提言の会の方とお話をしました

こだいら市民提言の会の会長を務められている方と同じ会社ということがわかりました。

しかも5年ほど前に一緒のプロジェクトで仕事をしていました。世の中狭いですねぇ。

 

先日情報交換をさせていただきました。

小平市も日野市と同様第三次総合計画策定の際市民を集めて、4分科会に分かれて議論をしたとのこと。

その後財政白書を作ろうという動きがあったものの、PCができるメンバーの一人が産休に入るなど紆余曲折を経ながらなんとか、出せたとのこと。

 1000部印刷したときの費用は40万円台、大和田先生が知っている障害者を使って安くできる印刷所があるらしく、支払い条件もゆるいのでこういった市民の白書を作るときは助かるのだとか。
 定価千円ですが、5部以上だと800円にしてしまったため、結局800円で売った数が相当多いらしいです。

本日の広報ひのに紹介されました。

先日の環境首都コンテストの表彰式が本日付の広報ひの 4面 まちの話題に掲載されました。

「全国自治体の中から環境にやさしい都市・環境首都を決定するNPO法人環境首都コンテスト全国ネットワーク主催・環境首都コンテストで、日野市ならびに日野市健全財政を考える会が表彰されました。 これは日野市の「市民が市民のために作った日野市財政白書」が先進事例として認められたものです。」

とのこと。写真付です!

 リンクはこちら。

 http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,58367,60,html

2009年6月14日日曜日

財政を考える会 Begins

故あって昔のファイルを見ていたら、6年前に作ったファイルが出てきました。
これは2003年の財政を考える会の集まりで説明したものです。
 別館図書室に「今後の活動私案030111.pdf」ということでアップしました。
  http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/fairu-no-okiba
もともと「日野市健全財政を考える会」は、日野いいプラン2010(第4次日野市基本構想・基本計画)の中の施策の中で市民協働で進めるものとして、7つ作られた(後に8つになったように思う)うちの「2010市民行動計画プロジェクト」の一つでした。

このプロジェクトは日野市の基本計画の中でいうと
大きな柱「参画と協働の街づくり」
       ↓
まちづくりの方向「市民本位の行政運営を進めよう」
       ↓
施策の展開「健全財政の推進」
       ↓
基本的施策「市民一人ひとりが財政に関心を持ち参画しよう」
       ↓
個別の施策「市民にわかりやすい財政資料の作成」
       「市民参加のもとに財政を考える会の開催」
 という位置づけであり、もともとは
 「市民にわかりやすい財政資料の作成」が目的だったのでした。

2001年9月に財政を考える会の第一回があり、市民にわかりやすい資料作成を目的に活動し
2002年5月には広報に市民による財政分析を掲載
 7月には7つのプロジェクトの発表会があり、当時の副代表?が日韓W杯になぞらえて
 『カーン(ドイツのGK)のように守り、ロナウドのように攻める』といったのが記憶に残っています。
同8月にはA3両面の市民財政レポートにもまとめました。

 一応「市民にわかりやすい財政資料」の作成はしたという状況の中で、これからどうするのだろうということを私なりに考えてみたのがアップした資料です。

 いろいろ書きましたが、結局「財政白書を作る」という明確な目標ができるまでは、方向性としてはふらふらしていたようにも思います。

 ひどく風呂敷を広げていますが、今読んでも私なりにずいぶん考えているなと思っています。
 あつかましくも公開してみました。

2009年6月13日土曜日

日野市民と税金 法人市民税

今回は第4回、法人住民税関係
 法人市民税の税率は資本金額などにより、12.3%~14.7%と幅があるほか、均等割もあるので、市の予算や決算から都や国へ入る税金を正確に計算するのは難しいです。
 が、おおよそということで仮に法人市民税と法人都民税+法人事業税、法人税の比率はおおよそ比例するものと想定します。
 国税 平成19年度決算  法人税143,226億円 ①  http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/gensen2007/gensen.htm
 道府県税 平成19年度決算   法人2税(法人住民税+法人事業税) 総額67,709億円 ②
 http://www.soumu.go.jp/iken/kessan_gaiyo_h19.html
 市町村民税 平成19年度決算   法人市民税 総額30,151億円 ③
 ここから日野市の法人が納めた税は
 法人税 25.31億円×①/③= 120.23億円  法人都民税+法人事業税 = 56.84億円
 と推計されます。
  

2009年6月12日金曜日

日野市と財政の10年

今回がこのコラムの最終回です。
 今回は市制についてということで、主な計画の策定状況や施設の開業状況、国の重要な法律の施行についても取り上げました。
1999年
 日野市HP開設
 財政非常事態宣言
 石原都知事当選
2000年
 多摩都市モノレール全線開通
 リサイクル推進センター開設
 健康福祉計画改定
 介護保険法施行
 地方分権一括法施行
 ごみ改革
2001年
 第四次基本構想(ひのいいプラン2010)策定
 中央省庁再編
 東部子ども家庭支援センター、ファミリーサポートセンター開設
 学校選択制導入
 小泉首相就任
 よさこい祭り第1回
 この年から臨時財政対策債
 同時多発テロ
2002年
 夢が丘小学校開校
 日野市立病院 新病院開業
 教育施設整備計画策定
 給食の民間委託開始
2003年
 石田大橋開通
 高幡区画整理事業完了
 まちづくりマスタープラン策定
 改正地方自治法(指定管理者制度創設)施行
2004年
 大河ドラマ新撰組放映(新選組フェスタ開催)
 多摩平の森ふれあい館開設
 万願寺区画整理事業完了
2005年
 農業振興計画策定
 郷土資料館オープン
 ひのっこすくすくプラン策定
 障害者計画策定
 スポーツ振興計画策定
 高齢者保健福祉計画策定
 地域福祉総合計画策定
 環境基本計画策定
 郵政民営化法制定
2006年
 夕張市財政破綻
 平山小学校(建替)開設
 日野まちづくり条例施行
2007年
 日野バイパス全線開通
 高幡不動駅自由通路開設
 ひのっちスタート
 第三次日野市行財政改革大綱実施計画策定
 財政健全化法公布(2009施行)
 所得税→住民税 税源移譲
2008年
 平山季重ふれあい館開設
 平山小学校新校舎完成
 後期高齢者医療制度開始
 リーマンショック
2009年
 財政非常事態宣言
 
 いろいろありましたねぇ。まだまだあるかと思いますが、とりあえずはこれぐらいで。

2009年6月11日木曜日

日野市民と税金 株式関係

日野市にかかわる公的なお金の流れに関する記事の第三回です。

今日は株式の配当にかかる税と、株式の譲渡益にかかる税について。
株式の配当のうち、上場株式の配当については住民税も源泉徴収され、都道府県に入ります。その後利子にかかる住民税と同様にその60%を個人の都民税の割合で配分して各市町村に配られます。税率は所得税が7%、住民税が3%。
 ちなみに株式の配当には、投資信託(公社債の信託の利子は除く)の配当も含まれます。
 予算書・決算書では、「配当割交付金」という名前になっています。

同じく、上場株式のうち源泉徴収する口座に預けている株の売買で得た利益は取引のたびに自動的に源泉徴収されます。これも配当と同様所得税が7%、住民税が3%。住民税は都道府県に入り、同様に60%が個人の都民税の割合で隠しに配分されます。
 予算書・決算書では、「株式等譲渡所得割交付金」という名前になっています。

前回紹介した利子所得と同様、もともと市民が払った市に入るべき住民税ともいえるため、一般財源とされています。

日野市の場合
 配当割交付金1.50億円。株式譲渡割1.03億円なので、
 都に入っているのは
  配当=1.50×(40%60%)=1.0億円
  譲渡=1.03×(40%60%)=0.69億円
 国に入っているのは
  配当=1.50÷60%×(7%/3%)=5.83億円
  譲渡=1.03÷60%×(7%/3%)=4.01億円
 と試算されます。

2009年6月10日水曜日

日野市と財政の10年

今回は財政編の第3回 借金と特別会計について。


   縦軸の単位は億円です。
 市債とは市の借金のこと。平成13年ごろまでは250億円強で推移していましたが、平成20年ごろまでに350億円まで膨らみました。この大きな原因は臨時財政対策債などの赤字公債の増加です。
 赤字公債などについて詳しい説明はこちら(第3回、4回、7回ぐらいを読んでいただけば)。


 一般会計以外の特別会計です。国民健康保険の伸びが著しいです。平成21年が減少している理由は不明。
 老人保健は後期高齢者医療制度に移行したため、平成20年度で急減しています。後期高齢者の予算規模は20億円代ですが、これはお金の流れのほとんどが広域連合に移ったためであり、市の負担が減ったことを意味しません。
 整備が進んできている下水道を除けば全般に増加の傾向にあります。


 一般会計以外の主な市の借金も合わせて表示したものです。
 病院が急増したのは平成13年に新しい病院が開業したため。一般会計は最初に解説のとおり、土地開発公社は健全化策により市が土地の買取を進めています。
 これらの特別会計がどういうものかについては平成18年度の日野市の財政白書(第二編第一章)に詳しいです。

 一応財政の概要については今回まで。
 次回ここ10年の市政の動きをまとめることで、このコラムの締めとしたいと思います。

日野市民と税金 利子編

日野市にかかわる公的なお金の流れに関する記事の第二回です。

前回紹介した所得税の他に、市民が払っている所得税・住民税が3種類あります。

ひとつは銀行などの預貯金の利子にかかる税。もうひとつは株式の配当にかかる税。最後は株式の譲渡益(源泉徴収することを選択した口座のみが対象)にかかる税です。今日は預貯金の利子にかかる税について。

 低金利の中、銀行に預けておいても利子はすずめの涙ほどですが、実はその中からも所得税と住民税が徴収されています。
 銀行の利子も所得になりますので、本来であれば所得の多い人と少ない人で税率が違うべきなのですが、一人でいくつもの口座を持っている人も多く、徴税上の手間などの問題から、利子については一律の税率での源泉徴収だけでそれ以上の手続はないことになっています。
 税率は所得税と住民税を合わせて20%。
 つまり100円の利子がついたら、20円の税金が銀行側で徴収されて口座に振り込まれるのは80円です。
 20円のうち15円が国への所得税、5円が都民税になります。
 5円分は銀行から預金者の住所に応じて各都道府県に納付されます。
 その5円のうち3円が各市町村に配分されます。
 ちなみに各市町村へはどうやってわけるか?というと個人の都民税に対して比例配分します。
 本来は利子にかかる税金を払った人の住所に応じて配分すべきなのでしょうが、それでは面倒ということで、「個人の都民税が多い=その分預金が多い」という仮定の元に配分しているようです。(一部筆者推測)
 
 決算書・予算書を見ると、利子割交付金とあるものがそれです。徴税の手間の問題などから一旦都が受け取って市に配分していますが、これは実質的には日野市が受取るべき税金ともいえるでしょう。
 そのためかこれは使途が定められていない、いわゆる一般財源となっています。
 日野市の平成19年分の利子割交付金は3.05億円ですので、日野市民が都に支払っている税金としては
 A×(2%/3%)=2.03億円
 国に払っている税金としては
 A×(15%/3%)=15.25億円
 と計算されます。

2009年6月9日火曜日

茅ヶ崎市 包括財務報告書

茅ヶ崎市の包括財務報告書です。
 http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/newsection/zaisei/index.html

 財政のページの中段にあります。今年の4月21日公表とのこと。バランスシートは平成15年から作っているようですが、今回はかなり詳しくなっています。詳しさでは武蔵野市と並ぶぐらいです。

 かなり丁寧に説明していますが、そもそも難しい話題なのでやや上級者向けかと思います。

2009年6月8日月曜日

日野市と財政の10年

今回は歳出編です。
 まずは目的別から
クリックすると大きくなります。
平成12年に介護保険が導入され、特別会計に切り離されたため民生費はいったん減りましたが、平成17年まで伸びその後横ばいです。
教育費は学校の耐震化や建替で平成18~19と多くなりましたが、税収の悪化に伴い投資を手控える形になっています。
総務費は基金への繰入が含まれるため、景気がよいとされていた平成18~19は増えていますが、その後は教育費と同様に減少しています。
公債費は平成16年に減税補填債の借り換えがあったため瞬間的に増加しています。

性質別の経費


人件費は徐々に減っています。平成19年がやや多いのは退職者が多かったためと考えられます。
物件費の多くは委託料で徐々に増えてきましたが、平成20~21年度は絞り込もうという意思が現れているように思います。
扶助費や繰出金、補助費は徐々に増えています。繰出金の2/3(平成20予算ベース)は福祉関係の特別予算へのものであり、扶助費とともに一定基準で出されるものなので減らしにくいものです。
普通建設事業費は、平成18~19年は学校関係の投資により増えていましたが、先ほど解説した理由により減少しています。

2009年6月7日日曜日

木更津市 官民連携手法指針

財政白書というわけではないのですが、木更津市の官民連携手法指針のページ
  http://www.city.kisarazu.lg.jp/about/plan/ppp.html

 Public Private Partnership の略でPPPなどと言ったりもします。最近風当たりが厳しい民営化というワードですが、一口に民営化・官民協働といってもいろいろあることがわかります。具体的な内容は行政職員やより詳しく興味のある人向け。

 特にお勧めは元日本開発銀行におられた東洋大学根本教授のスライド。
 http://www.city.kisarazu.lg.jp/about/plan/ppp/toyo-h20.html
 の下のほうに木更津版PPPの可能性のリンクあり。

 特に一枚目の心構えのところは多くの人に読んでほしいと思いました。
 (一枚目から抜粋)
  「PPPは単なる官と民の“仲良しクラブ”や“民への丸投げ”ではありません」
  「官も大きな責任を果たす(=誤解しがち)」

日野市と財政の10年

しばらく更新していなかった日野市と財政の10年。
やっと財政の話に入れます。さて決算ベースでは平成19年度までしかありませんが、財政非常事態宣言をしたのは平成20年度も末であり、また平成19年度はまだ景気がよいという認識だったこともあり、平成10年度や11年度と直接比較してもどうかという感じがしました。
 というので悩んだ末に、平成19年度までは決算ベースで、平成20年度は最終の補正予算を含んだ予算ベース、平成21年度は予算ベースでまとめてみました。

まずは歳入。





  











市税は10年前からほぼ横ばい。歳入は全体的に漸増している感じです。
平成16年は市債の借り換えが多額にあったため、平成18~19年度は学校建設費などに対する国や都の補助、基金の取り崩し(自治体の場合にはこれも歳入になるので。)が増加要因のようです。
10年前と直接比較すると市税はほぼ同じ(275億円と282億円)、歳入もほぼ同じであるものの平成21年度の場合はいったん増えた後落ち込む形になっています。

市税を詳しく見てみると。
個人の市民税は定率減税の廃止と税源移譲により平成19年度にかけて伸びたものの頭打ちと予想。
固定資産税と都市計画税は横ばい。
法人市民税は平成14年に15億円を割り込みましたが平成18年には32億円弱に回復。しかし今年度は一気に13億円台に。

2009年6月6日土曜日

日野市民と税金等

日野市にかかわる公的なお金の流れに関する記事の第一回です。

 日野市民としては市税だけではなくて、国税も都税も払っていますが、なかなかそこらへんを把握するのは難しいことです。実際にはこれらの制度は難しくて一気に解き明かせるものではありません。ということで、本日から徐々に掲載していくことにしました。 しばらく更新されないこともありますがご容赦ください。

まず本日は個人の所得にかかる税金、所得税と都民税(東京都以外は道府県民税)をどれぐらい払っているかの試算です。

 試算はいろいろな方法があると思いますが、他の市の方も簡単に計算できる方法をなるべく採用しました。また元の情報にさかのぼりやすいよう参考のリンク先も表示します。
 所得税といっても預貯金の利子にかかるものなど一部のものは後日紹介します。会社員の方は概ね給料にかかる所得税を対称にしているとイメージしていただければと。
 個人の所得にかかる税金には、国に払う所得税、都に払う都民税(道府県民税)、市に払う市民税(市町村民税)があります。所得に対する割合は、都民税は4%、市民税は6%。所得税は所得の金額により異なります。(所得が高いほど税率が高くなる)
 平成19年度決算で日野市の個人市民税の総額は130.16億円です。

○都民税
日野市民が支払う都民税は次のように推計できます。
 130.16×4%/6%=86.77億円

○所得税
所得税は税率が一定ではないので、正確には所得階層別の税収がわからないと計算ができません。また所得税と住民税は時期のずれが生じます。たとえば平成19年分の所得は平成19年度中に所得税として納められますが、住民税は所得税の金額を元に平成20年度中に納められます。ということで、平成19年度の住民税は平成18年度の所得税に対応することとなりますが、この間税制改正などがあり、正確な推計をするのはかなり困難です。

そこでここでは、平成19年度の所得税は平成19年度の市町村税に比例すると想定することとしました。
つまり、所得階層の分布は全国平均とだいたい同じであり、平成18年度所得が多かった人は平成19年も所得が多いと想定したということです。


このような想定を元に計算すると
 国税 平成19年度決算 所得税16.1兆円①
  http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm
   うち源泉利子 6,324億円②
   うち源泉配当(上場株式等) 5,584億円③
   うち株式譲渡源泉 2,104億円④
  http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/gensen2007/gensen.htm
 個人住民税総額 平成19年度 72,939億円 ⑤
  http://www.soumu.go.jp/iken/kessan_gaiyo_h19.html
 上記ページから市町村普通会計決算の概要のファイル
 所得税=個人市民税×(①-②-③-④)/⑤=130.16×146,988/72,939
      =262.30億円
 となります。

訂正 6/9
 最初に投稿した際には、源泉配当全部を③で控除していましたが、住民税の源泉徴収(特別徴収)があるのは上場株式等のみのため、源泉配当のうち上場株式等のみを控除する計算式に改めました。

2009年6月5日金曜日

経済学と財政 なぜ経済学か?

新プロジェクト財政と経済学立ち上げに当たって、なぜ経済学か?についてちょっと思っていることを。

○基本が大切

  • 財政学(最近は公共経済学といったりしますが)は応用的かつ学際的分野です。財政学の基礎としてはミクロ経済学やマクロ経済学があり、金融論や経済学以外の行政学や法学との関連もあります。
  • 基礎となる領域の知識がなくても、財政用語を理解すれば市の財政状況を理解することは可能です。それではなぜ経済学なのでしょうか?
  • 財政について考える基盤をしっかりするためと考えています。
  • 財政についてはいろいろな言説がなされています。国や地方自治体、マスコミ、政党、いろいろなところが財政について論じています。これらの言説は一定の意図を持っていたり、よく聞くと論理的な整合が取れないものもあります。
  • 世の中に流れているいろいろな情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えていくことが必要です。(私は財政リテラシーと呼んでいます。)
  • 本格的に経済学を学ばないと財政はわからない、というわけではありません。いろいろな言説を幅広く読み、ロジカルに考え、世の中の状況と照らし合わせて考えていけば、経済学を知らなくても問題ありません。
  • しかしながら中学校の公民の教科書レベルでも知っておけば、すべて自分の頭で考えるよりはずっと楽です。
  • 荀子の中に「吾嘗終日而思矣 ,不如須臾之所學也(我、かつて終日思うも、しゅゆの学ぶ所にしかざるなり)」とあります。「かつてわたしは、一日中考えにふけったことがあったが、ほんのしばらくの学習のほうがすぐれていることがわかった。」ということ。荀子といえば性悪説ばかりが有名ですが、学習することの大切さを唱えた人でもあります。
  • それはともかく、世の中教科書通りにいかないものですが、まずは基本あっての応用。一度基本的なことを学ぶことはまったく無駄ではないと思うのです、一度基本的なことを学ぶというのもよいことではないかと思っています。

○基本は難しい

  • 経済学は応用的なものよりもむしろ基礎的なものの方がとっつきにくいようにも思います。
  • 自然科学や工学は簡単なものから複雑なものに組み上げていきますが、経済は身近なものから入ってそれを分析していくという方向にあるので、基礎的なものが必ずしも理解が簡単なものとは限りません。
  • 特に基礎的なところは数式が頻出することもあり、応用的分野の方がとっつきやすいということがあります。

○編集方針

  • 経済学は広く深い学問なので、①ニュースに関連した話題の解説、②それに関連する基礎知識 ~解説しきれない場合はHPや本の紹介 ぐらいを考えています。
  • ネタはまだ考えていないので、めったに更新されないかもしれませんがご容赦です。

2009年6月4日木曜日

藤沢市 公共施設 マネジメント白書

藤沢市の公共施設マネジメント白書です。
 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kikaku/page100157.shtml

 どこの市でも高度成長期に作った施設が老朽化しています。この財政難の中、これらの施設を全部一気に建替えるわけにもいかないという中、八王子市や多摩市、中央区、千代田区などいくつかの市や区で、施設白書など、市全体で施設をどうやってマネジメントしていったらよいかという計画が作られつつあります。

 紹介する藤沢市の資料は、市の概要が簡単にまとめられていること。いきなり個別の施設の話に深く入りすぎず、全般的な考え方の説明が充実しています。

2009年6月3日水曜日

講座:家計どげんなっとると? 久留米市の財政を説明

毎日JP 筑後版 5/30 より
「講座:家計どげんなっとると? 久留米市の財政を説明--11日から5カ所で」
 ニュースによると久留米青年会議所が、市内五か所で市民向け講座「久留米市の家計はどげんなっとると?」を開くとのこと。サラリーマンも参加できるよう午後7時~同8時40分の予定で開催のようです。
 第一部は市の財政状況を家計に置き換えて説明。第二部では市民とワークショップとのこと。
青年会議所のHPはこちら http://kurumejc.or.jp/2009/

 これまで報道で見た限りでは、青年会議所主体というのは初耳。今後ともこのような動きが広がっていくといいですね。

2009年6月2日火曜日

地方財政+α 公的資金補償金免除繰上償還

新しいプロジェクト 地方財政+α です。

 もっと基礎的な財政用語からはじめようと思ったのですが、たまたま気がついた記事があったので、あまりなじみのない用語だと思いますが、公的資金補償金免除繰上償還 (うわー漢字ばっかり)について紹介します。
東京都、神奈川県、千葉県と各市の財政資料を見ているうちに、千葉県の市の財政関係のホームページに「公的資金補償金免除繰上償還」という項目が多いのに気づいたのがきっかけ。
 よく見ると千葉県のかなりの割合の市が発表しているようです。気になったので、いろいろ調べてみました。
 鴨川市のHPによると、「地方公共団体の厳しい財政状況を踏まえ、国の地方財政対策の一環として、過去に年利5%以上の高金利で借入した地方債の繰上償還(返済)が認められること」となったということ。平成19年度から平成21年度までの3年間の期限付きで認められるようです。知らなかった。
 国立市の財政白書(P29参照)で指摘されていたように、国や公庫から借りたものは高い金利のものを低い金利のものに借り替えようとすると、将来の分の金利まで補償しないといけないという「民間からの借り入れでは考えられない条件」がついていました。そのため、金利の高い債務がいつまでも残り、地方の財政を圧迫しているという面がありました。
 ところでこれらの借入金は、もともと郵貯や簡保とかで高い金利で運用することを約束したものが原資となっているので、財務省としても預金者に支払う金利を減らせない限りは市から受け取る金利も安くできない。とはいえ、三位一体改革で地方財政が苦しいのも(たぶん)わかっている。
 そういう中で、財務省と総務省との話し合いの中で、「行政改革をきちんと進めることを条件に認めましょう」ということになったものと思われます。財務省の資料によると、
 ・抜本的な行政改革が行われること。
 ・財政健全化に向けた新規の計画が策定されること。 などが条件とされたようです。
 ということで、繰上償還をしたい市は財政健全化計画(総務省の8ページほどのフォーマット)を提出し、財務省と総務省に認められれば繰上げ(借り換え)ができるとのこと。
 で、平成19年度は1600を超える自治体(下水道会計など特別会計のみ適用を受けた自治体を含む)の繰上げ償還が認められたとか。
 1800の自治体のうち1600の自治体で「抜本的な改革」が本当に行われればすごいことですが、各市の健全化計画を斜め読みする範囲では、集中改革プラン+α程度の内容であり、抜本的というには大げさかも。
 財務省としても、資金の出し手の利益代表として「抜本的な改革をした」ということにしておかないといけないのでしょう。
 
 ところで、この規定は財政力指数が1.0以上だと適用されないのだそうです。
 どおりで、東京をめぐっていたときは気がつかなかったはずだね。でも日野市民としてはちょっと損したような気分。

追記 6/9 平成20年度の下水道特別会計の補正予算で6%以上の公債の借り換えについて議題にあがっていたようです。これに関して上記の計画の提出があったかどうかはHPにないので不明です。

2009年6月1日月曜日

横浜市 予算のミカタ

横浜市の予算のミカタ
 平成14年度から発表しています。キャラクターはハマサイ君(横浜の市債のキャラクター)
  http://www.city.yokohama.jp/me/gyousei/zaisei/mikata/21mikata/
 構成は、市長へのインタビュー → 予算とは?
  → 収入・支出(歳入・歳出なのですがあえて収入と支出という言葉を使っています。)
   → 財政状況 →寄附と市債のアピール
 となっています。
 財政指標をあえて(?)は使わずやさしく説明しています。
 より詳しくはこちら
 http://www.city.yokohama.jp/me/gyousei/zaisei/zaiseijoukyou/
 人口350万人の政令指定都市だけあって、予算規模とか半端じゃない。
 一般会計で1.4兆円とか特別会計含めて借金5兆円とか。市民レベルで白書を作るのはかなり大変なのではと思われます。
 健全化指標ではさすがに早期健全化基準には達していませんが、実質公債費比率が20%を超えており、借金とその利払いが重い構造になっているものと思われます。