前回の続き。
公的サービスと行政サービス、用語としてどっちを使っていくか。あるいは公共サービスというか。迷うところです。
”公的サービス”と言った場合には、実は必ずしも行政がやるものに限定されなくなります。
ボランティアやNGOが行う活動、通常の企業が行う活動の中にも公的な活動があります。
ということで「公的サービスをするために税金が必要」と説明してしまうと、税金によらずに公的サービスを供給している主体があることと合致しません。
そういう意味では「行政サービス」といえば間違いがないと思われますが、行政が行うサービスはイコール行政サービスですから、なんとなくトートロジー(同意反復)っぽくあります。
「行政サービスのために税金が必要」という説明を解きほぐすと、「行政が活動するのだから、みんなが行政にお金を払う必要がある」ということになり、どんな活動であれ(極論すればみんなのためにならない活動であれ)行政が行った活動は行政活動なので、「お上が使うんだから黙って払え」的な感じがして、なんとなく説明として違和感を感じる部分があります。
そもそも何のために行政サービスを行うかといえば、みんなの役に立つために行うわけで、つまりその役立つ活動は公的サービスであるわけです。 つまり努めて正確に言おうとすると、「公的サービスのうち行政で行うもののために税金が必要」ということになります。「公的なサービスのうち行政が行うべきものは何か?」に対する絶対的な答えはなく、それは別の議論になります。
行政がやるから行政サービスなんだな、ではなく、公的サービスで何を行政がやる必要があるのか、その負担を含めて常に考えていく必要があるのです。
なお「公共サービス」という単語は「公共サービス基本法」という法律があってその中で「国や地方公共団体の事務又は事業で特定の者に対し行われる金銭その他の物の給付又は役務の提供、規制、監督、助成、公共施設の整備その他の公共の利益の増進に資する行為で、国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を満たすもの」と定義されています。
この法でいわんとするところの「公共サービス」が上記で説明しようとしている「行政の行う公的なサービス」と一致するのかどうかよくわからないので、法に定める「公共サービス」と混同しないようにこのワードは避けた方がよいのかもしれません。
2009年8月29日土曜日
市民財政白書を作る(動画版) 公的サービスと行政サービス2
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