市民向けの白書を作るときにまず説明しなければいけないと思うのが、財政とはなにか。
財務省のビデオだと「私たちが納めた税金を元にさまざまな行政活動を行うこと」を財政と説明しています。
経済産業省のページでは「政府は税金や国債等の収入手段を組み合わせて、企業や国民から資金を調達し、これを元に福祉や教育などのサービスや、道路・空港等の建設など国民の生活の基本となるものを整備するための活動を行っています。これを財政といいます」と、なんとこれがキッズページで説明してあります。ってちょっとむづかしすぎでない?
国税庁のビデオだとなぜ税金が必要かの説明として「公的サービスをするため」としており、税金の説明と財政の説明が一緒になっているようなところもあります。社会に参加する会費と説明しているところもあります。
むしろ財政とはなに?の説明の参考にはむしろ国税庁の方が参考になるのかも。
ところで、世の中には税金がない国もある(当然そういう国でも行政サービスはある)ので、行政サービスをするために税金が必要という説明では不十分なようにも思います。
税金のない国は、国でギャンブルの胴元をやっていたり、鉱山会社を運営していたりするようなところで、国の付加価値をその政府がほとんど生み出しているようなところといえるでしょう。仮に日本が税金なしにしようとしようと思えば、トヨタやソニーのようなところを国営にしてその利益で行政サービスをしようということになるのでしょうか。
実際に今から90年以上前にそのようなことを目指した国がありましたが、政府が必要なもの全てを生産して行政サービスをしようという壮大な実験は失敗したといってもよいでしょう。日本のような大きな国では付加価値は民間の創意で生み出し、その一部を税金として行政活動のために使い、将来的な成長を支えるようにするという仕組みであるべきということなのだと思います。
このようなところまで突っ込んで、財政とは何かという説明に加えるのかということは悩みどころで、紙幅と時間(動画の場合)が限られる中では、どうしてもある程度わかっている(説明を要さない)ものとしないと先に進めないところがあります。(どんどん突っ込んでいくと際限がなくなるし。)
実はそういう細かい話ってたくさんあり、都度白書作りではどこまで書くか悩むところです。
ちなみに日野市の財政白書では、行政サービスの事例を挙げて、これらのサービスを行うには費用が必要で、その費用の調達とやりくりをすることを財政の役割、と説明し、行政サービスそのものよりそれをお金の面で裏付けるという活動に焦点を当てるようにしています。(というか財務省の説明だと、行政活動と財政活動がごっちゃになってわからない。)
ただ実際動画でどのように説明するか(センテンスが長いと理解できなくなる)は工夫が必要かと思っています。
2009年8月25日火曜日
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