読売新聞 3月3日
「職員「地域手当」上乗せ問題 多摩地区07年度」
「 都市部の自治体職員らに支払われる「地域手当」を、国の基準に上乗せしたとして全国の市町村の一部が総務省から特別地方交付税を減額されていた問題で、多摩地区では2007年度に、8市で計約1億3000万円が減らされていたことが分かった。国は、地域手当の支給率を国の基準に合わせるよう要請しており、減額措置を受けたうち6市は、今年から引き下げを決めた。一方、東久留米市は「都の基準を採用している」として引き上げ、小平市は据え置いた。」
とのこと、日野市は国の基準に今回そろえたらしい。東大和市は基本給も地域手当も引き下げることで妥結した。とか。
他紙では「職員の手当てを上乗せして住民サービスが削減」という厳しい見方も。
でもこのニュースだけではなんのことやら。「地域手当」とは?「特別交付税」って? ということで調べてみました。
○地域手当は国の公務員の制度らしい。
人事院規則参照→http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18F22009049.html
「地域手当は、当該地域における民間賃金水準を基礎とし、当該地域における物価水準等を考慮して一定の地域に在勤する職員に支給する。」 ということで要は都市部はそれ以外のところに比べて物価(家賃を含め)が高いこと、民間の給与も高いことからその調整らしい。
居住地ではなくて、在勤地で決まるんですね・・・。市町村レベルで率に差があることを考えると不思議。
ちなみに日野市は13.5%(日野市広報11/15号より)、これが基本給に加算されるというわけ。
一人当たり年額約51.7万円らしい。 今回これを12.0%にするということ。
地方公務員の給与水準の適正化は是非とも取り組んでいかなければならないが、このニュースを見ていまいちしっくりこないのは、総務省が特別交付税を盾に迫っているというところですかね。
本来は住民との関係において決まるべきで、総務省が口を出すことなのか? と思うわけですが、おそらく口を出す理由は。
1.そもそも住民にあまり知られていない。 → 確かに広報にも載っていますが、調べるまでよく知りませんでした。
2.国がかなり負担している。 → 人口10万人未満の市では一般財源の約半分は地方交付税(地方財政白書より)
つまり、おおよそ職員給の半分は国が負担しているということ。
というところなのだろうと思いますが、それにしても何か釈然としないものが残ります。
○特別交付税とは・・・・・。 また別の機会に調べてアップします。
2009年3月4日水曜日
2009年3月3日火曜日
連載 財政白書の未来 第10回(最終回)
今回は第10回まとめです。(前回はこちら) (目次はこちら)
財政白書の未来 第十回 まとめ
これまで1~9回にわたって財政白書(行政のそして市民の)の将来について考察してきました。大体5回ぐらいのシリーズを想定していたのですが、書いているうちに長くなってしまい分割したものや、後からテーマを思いついたものもあり、全体で10回になってしまいました。
内容は現在に近いもの、かなり将来のこと、確実に起こりそうなこと、ほとんど願望に近いこと、いろいろあります。書いている本人も具体像が見えないものも多くあります。
最後に、今後の注目課題・検討研究課題をいくつか挙げて本稿を終わりとしたいと思います。
これらについて後から思いつくことがあれば、後日まとめてコラムにできればと思っています。
・ これから総論編はどう広がっていくのか。
~ 全国的に見れば財政白書作成の動きはまだこれからです。これからどのような展開を見せて広がるのか。広がるためには何がポイントなのか。
・ 各論編の発展方向 ~ 市民側及び行政側双方において
・ モジュール化とネットワーク化の担い手
・ 市民側の財政白書を通じた行政とのコミュニケーションの形態
・ 上記を通じた市民参画の新しい形
日野市財政を考える会では、各論編や動画編の作成を通じて新しい展開に挑戦するとともに、個人的には財政白書を作りたい、市の財政に興味がある人たちのために、有用な情報・ツールを今後少しずつでも提供していきたいと考えております。
財政白書の未来 第十回 まとめ
これまで1~9回にわたって財政白書(行政のそして市民の)の将来について考察してきました。大体5回ぐらいのシリーズを想定していたのですが、書いているうちに長くなってしまい分割したものや、後からテーマを思いついたものもあり、全体で10回になってしまいました。
内容は現在に近いもの、かなり将来のこと、確実に起こりそうなこと、ほとんど願望に近いこと、いろいろあります。書いている本人も具体像が見えないものも多くあります。
最後に、今後の注目課題・検討研究課題をいくつか挙げて本稿を終わりとしたいと思います。
これらについて後から思いつくことがあれば、後日まとめてコラムにできればと思っています。
・ これから総論編はどう広がっていくのか。
~ 全国的に見れば財政白書作成の動きはまだこれからです。これからどのような展開を見せて広がるのか。広がるためには何がポイントなのか。
・ 各論編の発展方向 ~ 市民側及び行政側双方において
・ モジュール化とネットワーク化の担い手
・ 市民側の財政白書を通じた行政とのコミュニケーションの形態
・ 上記を通じた市民参画の新しい形
日野市財政を考える会では、各論編や動画編の作成を通じて新しい展開に挑戦するとともに、個人的には財政白書を作りたい、市の財政に興味がある人たちのために、有用な情報・ツールを今後少しずつでも提供していきたいと考えております。
2009年3月2日月曜日
“リユース庁舎”続々
2009年03月01日(日) 山梨日日新聞より
「閉鎖した工場、SC…再生 “リユース庁舎”続々県内自治体財政難、出費抑える」
「工場、ショッピングセンター(SC)、高校-。山梨県内で、役目を終えた施設を自治体の庁舎とする動きが広がっている。厳しい財政を背景に、空き施設を活用して出費を抑えるのが狙い。一方、県、甲府市はそれぞれ100億円を超える新庁舎建設事業を推進。南アルプス市は建設見送りを決めるなど、地方自治の拠点をめぐり対応が分かれている。 」
ということで、 山梨市は、「電子機器工場」、甲州市は店を閉めたSC を市役所として転用しているとのこと。
また北杜市は廃校となった旧須玉商高校舎を改修して使うとのこと。
甲州市によると「改修なら半分の出費で済む」とか。工場やSCが出て行ってしまうのは憂慮すべきことですが、市内にある資源を何とかして活用しようという思いが表れています。
日野市(日野市に限らず)も老朽化した建物を抱えているので、費用をかけない方法として参考になるかもしれません。
「閉鎖した工場、SC…再生 “リユース庁舎”続々県内自治体財政難、出費抑える」
「工場、ショッピングセンター(SC)、高校-。山梨県内で、役目を終えた施設を自治体の庁舎とする動きが広がっている。厳しい財政を背景に、空き施設を活用して出費を抑えるのが狙い。一方、県、甲府市はそれぞれ100億円を超える新庁舎建設事業を推進。南アルプス市は建設見送りを決めるなど、地方自治の拠点をめぐり対応が分かれている。 」
ということで、 山梨市は、「電子機器工場」、甲州市は店を閉めたSC を市役所として転用しているとのこと。
また北杜市は廃校となった旧須玉商高校舎を改修して使うとのこと。
甲州市によると「改修なら半分の出費で済む」とか。工場やSCが出て行ってしまうのは憂慮すべきことですが、市内にある資源を何とかして活用しようという思いが表れています。
日野市(日野市に限らず)も老朽化した建物を抱えているので、費用をかけない方法として参考になるかもしれません。
連載 財政白書の未来 第9回
今回は第9回 財政白書とコミュニケーションをお送りします。(前回はこちら) (目次はこちら)
第九回 財政白書とコミュニケーション
行政が作成する場合でも、市民が作成する場合でも、市の財政状況全般に関する白書(総論編)の目的は主に「多くの市民に市の財政状況を知ってもらう」ということにあり、受け手を強く意識するにせよ、情報の発信というところに重きが置かれることになります。
一方、各論について分析され、白書が作られるようになると、単に市民に知ってほしいということに加えて、
行政側としては「施策に理解を示してほしい(施行がスムーズにいくようにしたい)」
市民側としては「行政にわれわれの考えを反映してほしい」 という方向に向かっていくものと思われます。
つまり発信するだけではなく、その結果を求めるようになってきます。
財政状況を市民に広く知ってもらう究極の目的としては、市民参画による「市の施策策定力の向上」「よりよいガバナンスの実現」があると考えられます。しかしながら、その実際を考えると簡単ではありません。
財政白書の未来形において、共通のデータに基づき分析し、それに基づいて議論をするということになっていますが、その議論はどのようになされ、どう反映されていくのでしょうか。
例えば市民が財政白書を発行していますが、行政はその声をどう受け止めればよいのでしょうか。
~行政や市民が財政白書を発行することによる効果はいまのところまだ明らかになっていません。
例えばごみ処理場など市民の間で議論を巻き起こす問題についていくつもの市民グループや個人が白書を作って、ネット上に上げたりしている場合はどうすればよいのでしょうか。
行政としてはこのようなものについて、無視を決め込むこともできるのです。個人のブログや街角での雑談と同様に片付けてしまうことは簡単です。
近年は市民参画やパブリックコメントなど市民の声を取り入れる取り組みが行われていますが、「そういうものが無しで済ませられるものなら済ませたい」と本音で本気で思っていたら、いかなる仕組みがあっても意味はないでしょう。市民参画、市民参画と唱えても、その声が反映されていないとわかれば参画する市民はいなくなります。最悪の場合には、一部の有力な議員や圧力団体のコネを通して見えない形で、一部の市民の声のみが反映されるということにもなりかねません。
地域のニーズをより知っているのが、中央官庁ではなく、市町村であるように、生活に密着した知恵は最前線の市民生活の中に眠っていると思います。 市民の意見は当然玉石混交でしょうが、しっかりとしたデータに基づいた財政分析をベースとした提案には玉の割合が高いと思われます。
このような地域の知恵を施策に生かせるかどうかが、今後の市町村の行政運営能力を左右するようになることでしょう。
とはいえ、行政職員がネットサーフィンで市民の声を集めるというのもあまり実際的ではないように思われます。
そのような中で市民の声を拾い上げる議員の役割というのは重要になってくるのではないでしょうか。
議員を通してというとどうしても裏口からなにかしようというような印象を持たれる向きもあるかと思いますが、それがオープンに行われる限り、市民の声を反映させるひとつのチャンネルとして有効であると思います。
現状市民参画といっても、実際に参画している人、できる人は前回のコラムでも言及した通り、偏りが生じています。裾野の広い、実効性のある市民参画の仕組みをいかに作り上げるかが今後非常に重要になるでしょう。
その中で、行政側も市民側も「自分の考えを変える勇気」をもつべきだと思います。最初から自分の考えを変えるつもりがなければ、いくら参画をしても実のある議論は生じないでしょう。他人に無理に合わせる必要はありませんが、データと事実に謙虚向き合い、自分の考えや思いにとらわれ過ぎないようにしなければなりません。特に組織をバックに係わる人は組織の思いが重視され、事実の捉え方に無理が生じてしまう場合があるので注意が必要でしょう。
いつのまにか財政白書の話ではなく、市民参画の話になってしまいました。この分野については正直筆者の力量を超えてしまっている部分があります。 この点については長期的な検討課題としていきたいと考えています。
これで第0回から始まり今回まで10回の連載となりました。
次回は最終回として、まとめと課題とさせていただきたいと思います。
第九回 財政白書とコミュニケーション
行政が作成する場合でも、市民が作成する場合でも、市の財政状況全般に関する白書(総論編)の目的は主に「多くの市民に市の財政状況を知ってもらう」ということにあり、受け手を強く意識するにせよ、情報の発信というところに重きが置かれることになります。
一方、各論について分析され、白書が作られるようになると、単に市民に知ってほしいということに加えて、
行政側としては「施策に理解を示してほしい(施行がスムーズにいくようにしたい)」
市民側としては「行政にわれわれの考えを反映してほしい」 という方向に向かっていくものと思われます。
つまり発信するだけではなく、その結果を求めるようになってきます。
財政状況を市民に広く知ってもらう究極の目的としては、市民参画による「市の施策策定力の向上」「よりよいガバナンスの実現」があると考えられます。しかしながら、その実際を考えると簡単ではありません。
財政白書の未来形において、共通のデータに基づき分析し、それに基づいて議論をするということになっていますが、その議論はどのようになされ、どう反映されていくのでしょうか。
例えば市民が財政白書を発行していますが、行政はその声をどう受け止めればよいのでしょうか。
~行政や市民が財政白書を発行することによる効果はいまのところまだ明らかになっていません。
例えばごみ処理場など市民の間で議論を巻き起こす問題についていくつもの市民グループや個人が白書を作って、ネット上に上げたりしている場合はどうすればよいのでしょうか。
行政としてはこのようなものについて、無視を決め込むこともできるのです。個人のブログや街角での雑談と同様に片付けてしまうことは簡単です。
近年は市民参画やパブリックコメントなど市民の声を取り入れる取り組みが行われていますが、「そういうものが無しで済ませられるものなら済ませたい」と本音で本気で思っていたら、いかなる仕組みがあっても意味はないでしょう。市民参画、市民参画と唱えても、その声が反映されていないとわかれば参画する市民はいなくなります。最悪の場合には、一部の有力な議員や圧力団体のコネを通して見えない形で、一部の市民の声のみが反映されるということにもなりかねません。
地域のニーズをより知っているのが、中央官庁ではなく、市町村であるように、生活に密着した知恵は最前線の市民生活の中に眠っていると思います。 市民の意見は当然玉石混交でしょうが、しっかりとしたデータに基づいた財政分析をベースとした提案には玉の割合が高いと思われます。
このような地域の知恵を施策に生かせるかどうかが、今後の市町村の行政運営能力を左右するようになることでしょう。
とはいえ、行政職員がネットサーフィンで市民の声を集めるというのもあまり実際的ではないように思われます。
そのような中で市民の声を拾い上げる議員の役割というのは重要になってくるのではないでしょうか。
議員を通してというとどうしても裏口からなにかしようというような印象を持たれる向きもあるかと思いますが、それがオープンに行われる限り、市民の声を反映させるひとつのチャンネルとして有効であると思います。
現状市民参画といっても、実際に参画している人、できる人は前回のコラムでも言及した通り、偏りが生じています。裾野の広い、実効性のある市民参画の仕組みをいかに作り上げるかが今後非常に重要になるでしょう。
その中で、行政側も市民側も「自分の考えを変える勇気」をもつべきだと思います。最初から自分の考えを変えるつもりがなければ、いくら参画をしても実のある議論は生じないでしょう。他人に無理に合わせる必要はありませんが、データと事実に謙虚向き合い、自分の考えや思いにとらわれ過ぎないようにしなければなりません。特に組織をバックに係わる人は組織の思いが重視され、事実の捉え方に無理が生じてしまう場合があるので注意が必要でしょう。
いつのまにか財政白書の話ではなく、市民参画の話になってしまいました。この分野については正直筆者の力量を超えてしまっている部分があります。 この点については長期的な検討課題としていきたいと考えています。
これで第0回から始まり今回まで10回の連載となりました。
次回は最終回として、まとめと課題とさせていただきたいと思います。
2009年3月1日日曜日
日野市中央公民館 財政講座 2回目
昨日財政講座の2回目をやってきました。
前回の続きで、今日は日野市の財政運営について議論 ということだったのですが・・・・。
参加者4人(T_T)。 これはへこみましたねぇ。 それでもこちらの期待以上のことをやっていただいた方もいらっしゃいました。講座の趣旨が伝わっていなかったこともあったようです。
ちょっと課題のハードルが2回の講座の中でやるには高すぎたようです。
日本でもはじめてぐらいの試みなので、あまり気にせず、もし次があるようであればこの経験を生かしていきたいと思います。
今後資料が財政を考える会のホームページからアップされる予定ですので、アップされたらまたお知らせします。
前回の続きで、今日は日野市の財政運営について議論 ということだったのですが・・・・。
参加者4人(T_T)。 これはへこみましたねぇ。 それでもこちらの期待以上のことをやっていただいた方もいらっしゃいました。講座の趣旨が伝わっていなかったこともあったようです。
ちょっと課題のハードルが2回の講座の中でやるには高すぎたようです。
日本でもはじめてぐらいの試みなので、あまり気にせず、もし次があるようであればこの経験を生かしていきたいと思います。
今後資料が財政を考える会のホームページからアップされる予定ですので、アップされたらまたお知らせします。
2009年2月28日土曜日
長野県下條村
日経ビジネスオンラインより
『長野県下條村、出生率「2.04」の必然』
日経ビジネスオンラインで非常に興味深い記事があったので、概要を紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/
登録制なのですが、無料です。別に宣伝ではないですが、興味がわきましたら登録して読まれるとよいと思います。
○概要:長野県南部の下條村は出生率を向上させたことで全国的に知られる村。合計特殊出生率が2.04(全国1.34)
その村の20年を紹介した記事。面白いと思った部分を取り上げてみます。
「子供の声を聞くと、年寄りの背中がピシっと伸びる。子供を増やすのが最大の高齢化対策だな」。下條村の村長、伊藤喜平氏はそう言って相好を崩した。 」 ~ 少子化対策は高齢化対策
「村民増」の第一歩は行財政改革。として、国や県が推進する農業集落排水処理施設の建設をあえてしなかった。
試算するとコストは約45億円、補助金が出るし地方債も発行できる、その元利払いは交付税で面倒をみてもらえる。だけどもその後30年間、借金の返済と運営で1.7億円必要になる。人件費も1.6億円かかる。
→全戸に合併処理浄化槽を設置すれば約6億3000万円しかかからない。村の負担金は2億2000万円で済み、単年度で処理できる。
~ 国や県のいうことを無批判に聞かず、よく検討した結果3億円もの資金が。
「生活道路は住民が作る!簡単に言うと、砂利やコンクリートなどの材料費は村で負担するから自分たちで道路を造ってくれ、という制度。この事業で造られた道路や水路は今や1000カ所以上。下條村を車で走ると、手書きの「年月日」が刻印された白い道が至る所で目に入る。 この道路造りは別の効果をもたらした。地域のコミュニティーが活性化したのだ。「共同でやる作業はだんだんと減っていたが、皆が共通の目標を持つことで、集落の活動が盛んになったね」
「既に子供を持つ、もしくは今後、子供をつくる気がある若い夫婦に定住してもらおうと、村が賃貸マンションを建てた。が最初に国の補助金を入れたら大失敗。いろいろな縛りがあって入居者を抽選で決めたが、抽選で入居したある家族は地域活動に一切参加せず、住民と摩擦を起こした。さらに、家賃まで滞納するようになった。2棟目以降、すべて村の自主財源で建てることに決めた。カネはかかるが、村が望む人々を選ぶことができると考えた。
~ 国の制度のゆえによいものができないという事例。
地方自立政策研究所役割分担明確化研究会が著した『地方自治 自立へのシナリオ』(東洋経済新報社)には興味深い例が出ている。「特殊教育設備整備費補助金」という国の補助金。実際の補助金額は13万6000円だが、事務コストを試算してみると、15万9000円がかかっていた。実際の補助金よりも事務コストの方が高いとはどういうことなのか。これは極端としても、補助金のかなりの部分が事務コストに消えているのは間違いない。
霞が関の政策よりも、人口4000人の村が財布をやりくりして打った政策の方が出生率の向上に寄与している。
地域のニーズを知っているのは住民に身近な市町村だ。出生率を上げた下條村を見ても分かるように、住民の生活に直結したサービスに関して言えば、少なくとも市町村の方がカネをうまく使う。これは子育てだけの話ではない。
~ 下條村が国の制度に縛られずできたのも、合理的な投資で財政がよくなったから。そういう意味でも健全財政の重要さを感じた記事でした。
『長野県下條村、出生率「2.04」の必然』
日経ビジネスオンラインで非常に興味深い記事があったので、概要を紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/
登録制なのですが、無料です。別に宣伝ではないですが、興味がわきましたら登録して読まれるとよいと思います。
○概要:長野県南部の下條村は出生率を向上させたことで全国的に知られる村。合計特殊出生率が2.04(全国1.34)
その村の20年を紹介した記事。面白いと思った部分を取り上げてみます。
「子供の声を聞くと、年寄りの背中がピシっと伸びる。子供を増やすのが最大の高齢化対策だな」。下條村の村長、伊藤喜平氏はそう言って相好を崩した。 」 ~ 少子化対策は高齢化対策
「村民増」の第一歩は行財政改革。として、国や県が推進する農業集落排水処理施設の建設をあえてしなかった。
試算するとコストは約45億円、補助金が出るし地方債も発行できる、その元利払いは交付税で面倒をみてもらえる。だけどもその後30年間、借金の返済と運営で1.7億円必要になる。人件費も1.6億円かかる。
→全戸に合併処理浄化槽を設置すれば約6億3000万円しかかからない。村の負担金は2億2000万円で済み、単年度で処理できる。
~ 国や県のいうことを無批判に聞かず、よく検討した結果3億円もの資金が。
「生活道路は住民が作る!簡単に言うと、砂利やコンクリートなどの材料費は村で負担するから自分たちで道路を造ってくれ、という制度。この事業で造られた道路や水路は今や1000カ所以上。下條村を車で走ると、手書きの「年月日」が刻印された白い道が至る所で目に入る。 この道路造りは別の効果をもたらした。地域のコミュニティーが活性化したのだ。「共同でやる作業はだんだんと減っていたが、皆が共通の目標を持つことで、集落の活動が盛んになったね」
「既に子供を持つ、もしくは今後、子供をつくる気がある若い夫婦に定住してもらおうと、村が賃貸マンションを建てた。が最初に国の補助金を入れたら大失敗。いろいろな縛りがあって入居者を抽選で決めたが、抽選で入居したある家族は地域活動に一切参加せず、住民と摩擦を起こした。さらに、家賃まで滞納するようになった。2棟目以降、すべて村の自主財源で建てることに決めた。カネはかかるが、村が望む人々を選ぶことができると考えた。
~ 国の制度のゆえによいものができないという事例。
地方自立政策研究所役割分担明確化研究会が著した『地方自治 自立へのシナリオ』(東洋経済新報社)には興味深い例が出ている。「特殊教育設備整備費補助金」という国の補助金。実際の補助金額は13万6000円だが、事務コストを試算してみると、15万9000円がかかっていた。実際の補助金よりも事務コストの方が高いとはどういうことなのか。これは極端としても、補助金のかなりの部分が事務コストに消えているのは間違いない。
霞が関の政策よりも、人口4000人の村が財布をやりくりして打った政策の方が出生率の向上に寄与している。
地域のニーズを知っているのは住民に身近な市町村だ。出生率を上げた下條村を見ても分かるように、住民の生活に直結したサービスに関して言えば、少なくとも市町村の方がカネをうまく使う。これは子育てだけの話ではない。
~ 下條村が国の制度に縛られずできたのも、合理的な投資で財政がよくなったから。そういう意味でも健全財政の重要さを感じた記事でした。
2009年2月27日金曜日
町田市レンタル方式で保育園整備
読売新聞 2/23日
「町田市レンタル方式で保育園整備」
町田市は新年度から、保育所に入れない待機児童を減らすため、土地所有者に保育所を建ててもらい、運営は社会福祉法人に委託するというユニークな事業を実施する。原則的に契約は20年間とし、終了後は所有者に返還する。この方式は介護施設の建設促進策として採用されているが、「保育所建設では、全国初のケース」(石阪丈一市長)という。
市によると、土地所有者に建設費の一部として3000万円を助成するとともに、法人に年間1100万円(上限)の土地・建物賃料を20年間補助する。これで、土地所有者は市の補助金と賃料で建設費をまかなう一方、少子化社会の中で法人は低リスクで保育所を運営できることになる。
昨年4月現在、市内に待機児童は234人いる。既存の国庫補助制度では開設までに時間がかかるため、レンタル方式とした。新年度に定員100人の保育所3棟の建設を予定し、2010年4月の開所を目指す。
参考になるケースですが、いままでなかったというのが逆に驚きですね。
このケースだと国庫補助がないからでしょうか。
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