国債の歴史~金利に凝縮された過去と未来~ 富田俊基 東洋経済新報社
図書館で借りてきました。
イギリスの名誉革命のころから第二次世界大戦ごろまでの国債の歴史をについての本。目的としては
「国債の本質を明らかにし、各国国債の間の金利差が物語る過去を振り返って、わが国の未来に向かって投げかける光を見出そうとする」となっています。
金融に関する知識があったほうがよいですが、近代~現代の歴史に興味があれば読み物としても面白く読めると思います。
第二次大戦以後の国債の歴史もあれば非常によかったのですが、続編を希望。
わが国の未来への示唆については、序章に集約されています。序章を読むだけでも勝ちあり。
非常に読み応えのある、示唆するところが非常に深く広く、とてもここで書ききれるものではありませんが、へーと思ったことをいくつか。
○絶対主義より民主主義の方が資金調達力が高いということ。
王様の一言でなんでもできる絶対主義の方が、議会の承認を得ないといけない民主主義よりもお金を多く集められるように思いますが、実は。王様の債務は特に代替わりしたときによく踏み倒されたのだとか。果ては「それは借金ではなく税金だ」と後から主張し、王の裁判所で裁決する(要は踏み倒される)ので、王様に貸すのは非常にリスクが高かったとか。そのため、個人である王様より、永続性のある議会に貸すほうが金利も低くでき、かつ大量の資金調達が可能になったという話。
ちなみに議会が借金をする際には、新しい税が利払いの担保となっていたとのこと。そのため国債を発行するたびに新しい税ができ、窓税、ガラス税、四輪馬車税など、税制はかなり複雑怪奇なものになっていたとか。 国債の当初の考え方は、税の徴収の裏打ちがあっての国債であり、税収不足だから国債を出すのではないということのようです。
○イギリスの国債は永久債
国債というと満期があるものと思いますが、イギリスの国債の主力であるコンソルは元本の償還をせず利子のみをずっと支払っていくものなのだそうです。感覚としては、配当が保障されている株式に近いのかもしれない。
なんでこんなのが売れたのか?と思ったら、当時(18世紀ぐらい)には優良な投資先がなく、投資家も償還を望んでいなかったとか。 ただし、残高を減らさないと利払いがどんどん増えるのが問題だそうで、戦争のたびに増えた残高を終戦後に減らすという繰り返しだったようです。
○コンソルはコンソリデート(統合する)という意味。
一時期はいろいろな部局で勝手に税を作り、勝手に借り、勝手に使っていた時期もあったとか。これを議会の統制がなくなるということで、国の財政の一本化を図ったとのこと。
「特定の税収で特定の歳出をまかなうという部局ごとの基金により、財政の硬直化と不適切な会計処理が発生した。」
というあたりは現在の日本にも当てはまろうかと思います。
○日銀が政府からの独立性を気にする理由 明治政府において、政府ではなく銀行が紙幣を発行することになった際の答弁
「政府が自分で紙幣を発行するというと財政少し不如意なると動もすれば不換紙幣を出すということになりやすい。」
というあたりは財務省には耳のいたいところかも。
○日本の国債は大丈夫?
日本の国債はすごい残高にもかかわらず、金利が低くなっていますが、実はポンド建など国際的な場に出るとイギリス国債などよりも金利が高いとか。つまり、リスクがあると思われているとのこと。
序章の中で「外国人による保有が少ないから大丈夫」「貯蓄超過国だから大丈夫」という論に対して、「外国人による保有が少ないのは外国人から信用されていないから」「資本の移動が自由な中では大丈夫とはいえない」と否定的です。
○昔からある国際化
現代は国際化が進んでいると言われていますが、第一次大戦前も現状と同様に国際化が進み、各国の経済の相互依存が深まっていました。そのため、戦争が起こればみんな大変なことになるのだから、大きな戦争は起こらないと楽観していたのだとか。実際には複雑な同盟関係、つまり相互依存が原因でヨーロッパ中が戦争に巻き込まれることとなったのですが。
○資本課税というアイデア
第一次大戦後のフランスでは、国債の残高に対して1回限り高率の税をかけること(資本課税というらしい)で国債残高を減少させようというアイデアがあったようです。実際には行われなかったのですが、行われそうになったという情報だけで、資本が流出しハイパーインフレの寸前までいってしまったとか。 日本でも一部にはそのような議論があるようですが、こういう歴史を知っておくことも大事かと思います。
2009年5月29日金曜日
ブックレビュー 国債の歴史
日野市 焼却施設建て替え4年延期
5月27日 読売新聞より
「日野市は、市クリーンセンター(石田)内の焼却施設の建て替えを4年間延 期することにした。可燃ごみの減少などにより、焼却炉の耐用年数が延びたこ とが理由。」日野市長が26日の記者会見で明らかに。
記事によると従来は2015年度までに新施設を稼動させる計画だったが、19年度からの稼動を見込んでいるとのこと。
ごみ改革で可燃収集ごみが2000年度から2/3に減ったこともあるようです。
また立川とのごみ共同処理については「現時点では不可能」否定したとのこと。
なお本日小金井市からのごみを来年3月まで2250t以内で受け入れることとしたようです。
建替は延長されましたが、焼却場は環境アセスに3年、建設に2年はかかるものなので、その前段階の計画づくりは今からスタートしても早すぎることはありません。検討する時間が与えられたということで、今からしっかりと考えていくことが必要と思います。
2009年5月28日木曜日
お進め財政白書 その11
今回で最終回です。
といっても今後ともブログの中で東京都以外の財政白書や更新情報をお伝えしますので、そのお勧めはその都度紹介します。
今回はデータとして参考になるもの
立川市 第2部 類似都市との比較に見る行財政の水準
P100あたりから多摩の他の市との公共施設の水準の比較を載せているので、他の市の人にも参考になる。
また第3部のバランスシートと行政コストについては、他市との比較情報もあるほか、事業ごとの行政コストを算出している。特に保育園やごみ処理の内容は注目。ただし評価については「市民がおこなうもの」として行政としてはあえてコメントしていない。
町田市 P13 各福祉費用の財源 市民で決算データからここまで分析するのは大変です。
東村山市 財政情報について26市との比較が充実しています。
青梅市 P10 年齢別職員構成 ~ どの市もそう変わらないので参考になるかも。
2009年5月27日水曜日
お勧め財政白書 その10
今回は財政白書の表現方法として参考になるもの
○構成
稲城市:構成は標準的ですが、各テーマで統一したページとしてあり、作成の効率化を図っています。
昭島市:表紙にその年の状況を一言ずつ書いてある
小平市平成14年版:最初に財政運営の課題を説明し、その後関連するデータを出している
○市の財政全般
狛江市 :H19 P3 一人当たりの歳入及び歳出、繰入や繰り出しなどの全体の流れの表現がひとつにまとまっています。
東久留米市特集:No5の予算編成の考え方 羽村市:H13年版P14 実質収支などの説明(豚君が説明してます。)
同じくP31 大型事業の財政への影響の表現方法
○他市との比較
国立市 : 中央線沿線の都市との比較という視点も入れています。確かに住民にとってはイメージしやすいかも。
2009年5月26日火曜日
財政危機宣言を行った自治体
こちらの方はずいぶん少ないです。最初に東京や大阪が「財政非常事態宣言」という名称を使ったので、その名前を使っている事例が多いのかなと思います。
東久留米市(東京) 2003年8/1
徳島市 2005年2/16
熱海市 2006年12/5
市長が宣言したことで「イメージが悪くなる」など大騒ぎになり、わざわざ撤回して「財政再建スタート宣言」と言い直しました。 うがった見方をすれば、それだけ真に迫ったいたからなのかもしれません。
岡山県 2008年6/2
三木市 2008年9/29
愛知県 2008年12/15 (事実上の宣言)
番外 カリフォルニア州 2008年12/1
2009年5月25日月曜日
財政非常事態宣言をした自治体
ここではGoogleにより財政非常事態宣言をした市をリストアップしてみました。
2000年以前
津山市 1983年
ネットで調べた範囲では最古。5年で元に戻した(具体的にどうなったかは不明)とか。
新宿区 1995年10月
大阪府 1998年9月
府知事が変わった2008年2/6にも再度宣言。
神奈川県 1998年9/14
東京都 1998年10月
愛知県 1998年11月
このころは法人税の急激な減少により大都市部が非常事態を宣言していたようです。
日野市 1999年2/15 今年の2/1にも。
北海道 1999年4
豊中市(大阪府) 1999年10/27
富津市(千葉県) 1999年11
2001~2005年
京都市 2001年11/2
脇町(徳島県) 2002年6/15
相馬市(福島県) 2003年9/10
広島市 2003年10/30
平良市 2004年3/18 現在の宮古島市(沖縄)
泉佐野市(大阪府) 2004年3/18
鹿児島県 2004年10月
和歌山市2004年12月
雲南市(島根県) 2005年3
2004年に6町村が合併してできた市です。
長期財政推計を見るとものすごく厳しいことがわかります。
王滝村(長野県) 2005年5/30
長野県中部地震で大きな被害を受けた村。
小松島市(徳島県) 2005年6/5
志木市(埼玉県) 2005年8/25 2年後に脱却を宣言
山陽小野田市(山口県) 2005年12ごろ
2006年~
せたな町(北海道) 2006年7/31
香美町(兵庫県) 2006年10月ごろ「かみ」と読みます。
川西町(奈良県) 2006年11/2
御所市(奈良県) 2008年11月 「ごせ」と読みます。
鴻巣市(埼玉県) 2008年12/17
意外と少ない? 把握していないだけかもしれませんが。
ちなみに夕張は非常事態宣言をするまもなく、財政再建団体となりました。
2009年5月24日日曜日
日野市の財政の10年
1999年の前半は。。。。
○政治
日本は小渕総理大臣。その後森、小泉、安倍、福田、麻生(敬称略)と5回変わっています。
アメリカはクリントン大統領、その後ブッシュJr.→オバマ大統領。
イギリスはブレア首相でした。
ロシアはプーチン大統領でした。
東京は前年度から石原知事でした。
○経済
ユーロが誕生しました。
ネットバブルもあり、ダウ平均1万ドル越えしました。ちなみにその何年か前7500ドルぐらいのときに「根拠なき熱狂」といわれていました。
日経平均もそれにつれて1.3万円から1.9万円ぐらいまで上がっていきました。
その後2002年に7000円台まで下がった後また2007年に18000円台まで上がり、現状の状況です。
円相場は円安でこの年の10月には140円台を記録していました。
公定歩合 1995年の9月から0.5%となり、現在0.3%です。
国債残高 平成10年度末で437兆円(国債以外の借入金含む。)、 この当時ですら、赤字の累積が懸念にされていましたが、現在はその倍以上。
○流行
宇多田ヒカル人気
ユニクロブーム
○スポーツ
松坂プロデビュー
○話題
ノストラダムス、2000年問題
ずいぶん昔の話と思ったでしょうか。それとも最近の話と思ったでしょうか。
