2009年10月22日木曜日

千葉市が財政危機宣言

10月22日 読売
「財政難に直面する千葉市の熊谷俊人市長は二十一日、二〇一〇年度予算の編成で約二百七十億円の財源不足が見込 まれると定例記者会見で明らかにした。財政健全化に取り組む「脱・財政危機宣言」を発し、事業や人件費の見直しをさらに進めるほか、無料施設の有料化など で市民にも協力を求める。」
実際には「脱・財政危機宣言」となっていますが、実質的には財政危機を宣言したものとなっています。

市のホームページはこちら

記事では、市債発行に依存し続けると、収入に対する借金返済の割合を示す「実質公債費比率」が一二年度には25%を超え、「早期健全化団体」となる可能性があるとし、このため、「宣言」を発して取り組みを強化することにした。とのこと。
 対策としては、事務事業を総点検し、一部の事業を凍結するほか、無料駐車場の有料化などで市民に負担を求める。既に退職した幹部職員に寄付も求めているという。
さらに熊谷市長は、市が独自に実施している職員給与の削減幅を拡大する考えも示した。これらにより、一二年度の実質公債費比率25%の回避を目指すとしている。

2009年10月21日水曜日

地方自治体における政治主導

政権交代の前後から「政治主導」という言葉がよく使われています。このコラムでは地方自治体における政治主導のあり方について考えてみます。
○政治主導とは?
 ・官僚主導の対義語として使われているようです。政府の運営や政策の
  策定・決定において、霞ヶ関の各省庁の官僚が主導している状況を
  変えようという意味合いかと思われます。
○政治主導=政治家主導?
 ・国会は立法府ですが、現実には成立している法律のほとんどは、
  各省庁からあがってきたものが内閣提出法案として法律になっている
  ものです。その意味での国会の立法府の強化という用法もあるように
  思います。 しかし、現状を見てみると大臣や副大臣等が政策の
  基本を主導するという用法が多いようです。
 ・その意味では内閣主導という言い方が近いのかもしれません。
○アメリカを見てみると
 ・政治主導の典型としてどの国を目指しているのかわかりませんが、
  アメリカだと大統領が変わると各省庁のある程度以上の地位の人は
  全て変わることになります。その意味では大統領及びそれを支える
  多数のスタッフが主導ということになります。
  立法府の法案提案力もずいぶん違いますよね。
 ・政権交代の際に首になった人は民間で活躍することとなり、
  その意味で官民の人的な流動があるようです。
○政治の言葉のイメージって
 ・日本では政治というとどちらかというとネガティブな言葉として捉え
  られていたようなイメージがあります。
 ・一部の利害関係者で決めて、大騒ぎされないようにことを運ぶと
  いうのがうまい政治というような伝統的な価値観があったのでは?
 ・単に私が不勉強なだけかもしれませんが、八ツ場ダムの件を始め、
  政権交代がなければ知らないうちに粛々と進められていたものも
  多くありそうな気がします。
 ・ただ、今現在使われている政治主導の意味は上記の意味での
  政治主導ではなく、国民に開かれた議論の中での政治主導と
  感じます。 政治という言葉の使われ方、受け止められ方も今後
  変わっていくのでしょう。
○政治主導の意義とは
 ・行政の日常の仕事は官僚が行っています。政権が交代して何か
  変えようと思ったら、必然的に政治主導にならざるをえなくなります。
  ただ、それだけの理解では言葉遊びの範囲を出ません。
 ・国民に遠い・誰かわからない人でなく、国民の投票によって選んだ
  国会議員が。知らない間に決めていつの間にか実行するのではなく、
  開かれた中で議論したうえで実行すること。
  が政治主導といわれているところの根源なのではないかと思っています。
 ・その意味で、政治主導は国民主導であるともいえます。
 ・単に国民主導だからよくなったというのではなく、
  良い結果に結びつくためには高いリテラシーと
   一人ひとりの将来への責任感が求められるということでもあります。

地方自治体の話までいきませんでした・・・・。
次回は地方自治体における政治主導です。

2009年10月20日火曜日

益子町 市民(町民?)が作った財政白書

下野新聞 10/17より

「町民グループの「町財政分析研究会」は、町民の視点で町の財政を検証した「市民がつくる、益子町財政白書」を発行した。白書は「町の財政は本当に住民と直結している」と総括した上で、「単独の大型工事事業の連続があり、その財源を借金に頼っている」と問題点を指摘している。」

作成したのは、大沢の陶芸家ら3人、2006年11月に会を立ち上げ、月2回のペースで勉強会を続けてきた。とのこと。

 分析は1977年度から2006年度までの30年間の収支や推移をグラフや表を使って分かりやすく説明!20年を分析しているものはありますが、30年となるとかなり力作。

 45ページで500円とのことです。連絡先は「益子町財政白書」で検索しましょう。

決算書を読むシリーズ 地区センター

地区センターや交流センターの費用も自治会の補助と同じく民生費の社会福祉費のコミュニティ費に分類されています。

地区センターは63箇所、延べ298137人が利用しています。
 人口2700〜2800人に一つぐらい。面積的には半径350mに一箇所ぐらい。
 管理料が約2,200万円、整備費が540万円。

 交流センターは8箇所。延べ270,371人が利用しています。
 人口2万人に一つぐらい。ほぼ中学校区に一つぐらいのイメージでしょう。
 管理費用は3788万円。そのうち委託料が2961万円。整備費が693万円。

ところで、地区センターと交流センターの違いはなんでしょう。
○条例が別々に定めてある。
○条例を見ると事業内容が違う
 地区センター: 社会福祉活動の推進に関すること。文化、教養の向上等に関すること。その他
 交流センター:コミュニティの形成に関すること。 文化、スポーツ及びレクリエーションの振興に関すること。 生涯学習の情報の収集及び提供並びに相談に関すること。その他
○交流センターについては、「講座室等を設け、一般の使用に供する。」と定めてある。
○交流センターは利用団体登録が必要。
○実態として、地区センターは自治体や近隣の方でスペースのみ。交流センターは機材がある場合がある。

ぐらいでしょうか。
区分としてはあまり厳密ではなく、名前が入れ替わっていてもわからないものもありそうな気がしますが。

2009年10月19日月曜日

東京と大阪 守口市と日野市

守口市は財政がかなり大変で、財政健全化団体になるのではないかということがいわれおり、(平成20年度決算では該当せず)ブログの記事でも紹介しています。

日野市との比較でいえば(左 守口市、右 日野市。以下同じ)
経常収支比率 106.5 : 94.0
実質収支比率 -13.6 : +4.0
 と大変苦しいことがわかります。
 一方で、経常一般財源(用語の解説はこちら)を見ると
 総額       282.8億 : 308.55億
 人口一人当たり19.4万円 :17.9万円
   と一人あたりでは守口市の方が多くなっています。
 経常収支比率の内容を見ると
      守口  : 日野
  人件費 41.7 : 31.8
  公債費 17.0 : 9.9
  扶助費 12.6 :10.5
  合計  71.2 :52.1 といわゆる義務的経費の比率が際立って多い。特に人件費が多いことがわかります。
 人件費を市民一人当たりで見ると
  9.4万円 : 6.7万円 と1.5倍弱になっています。
  これは人口一人当たりの千人あたりの職員数が
  7.82人と6.07人 と1.3倍多く、かつ一人当たりの月給も38.1万:35.2万と多いことによります。
  (決算カードより)
 守口市の人件費は全国の一人当たり7.3万円と比較しても多いことがわかります。
 このような状況に対し、財政健全化計画で民間委託等を進めるとしていますが、
  一人当たりの委託費は1.6万円で、日野市の3.1万円、全国の2.4万円と比較してもまだ低いものとなっています。

 また扶助費については、守口市は保護率が31.1‰と大阪府の中でも高く、日野市の3倍以上に達しています。守口市の平成19年の生活保護には81億円にも達しており(日野市は28億円)、市の負担は1/4だけとはいえ、無視できないレベルになっています。
 
 日野市と守口市の比較により、同じぐらい経常一般財源があるものの「人件費が多い」「生活保護が多い」ことが財政を苦しくしている要因とみられました。
 これは東京と大阪の比較でもある程度いえそうです。
 (人口一人当たり人件費:多摩63千円、政令都市以外の大阪72千円)
 (生活保護率 大阪25.1‰、東京都15.8‰)

 これまでの東京・大阪の比較及び地方交付税の算定根拠から、大阪の財政が苦しい理由は
 ①東京に比較して税収が少ない分は交付税でカバーされているが、人口密度が高く、人口が多いため、全国に比較すると交付税の額は大阪は少ない。
 ②人件費が多い。(東京に比べると職員数が多い。全国に比べると給与水準が高い)
 ③生活保護費が多い。保護率が高いことは地方交付税の額に反映されない。
 ④財政が苦しいための借金により、公債費が多い。
    又は、公債費が多いため、財政を圧迫している。
 と分析することができます。
 もう一段踏み込めればよいですが、個人のブログではここまで。

 なお、箕面市と国分寺市を比較するとしていたのですが、分析の結果上記以上の発見ができなかったので、東京と大阪のコラムについては、この記事で終了とさせていただきます。

決算書を読むシリーズ 自治会への補助

自治体への補助は企画部地域協働課の管轄のようです。
決算書では民生費の社会福祉費のコミュニティ費に分類されています。
市によっては総務費に位置づけられているところもありそうです。

日野市には249自治会の自治会があって、41,588世帯が加入、54%程度の加入率のようです。
 補助は1世帯あたり年間240円だとか。自治会の区域があるところはその区域内で未加入の人がいても240円支払われるようです。その理由は不明ですが、市からお金をもらっているゆえに、未加入の人を無視できず、自治会の仕事が増えたり話がややこしくなったりすることもあるようで、
「いっそのこともらわなければいいのに」なんて話がでることもあったりします。
 ちなみに全体で年間1744万円が支払われています。計算すると72660世帯ぐらいなので95%の世帯が補助金の対象になっていることになります。

地方交付税の根拠4

今日は補正係数について
以前の回で、基準財政需要額=Σ(単位費用×測定単位×補正係数)と説明した補正係数です。
補正係数とは例えば同じ道路の管理費用でも、積雪が多い地域では管理費が高くなるとか、そういったことを補正するための係数です。
係数そのものは余りにも複雑なので、紹介しません(できません。)が、どういう補正があってどういう考え方なのかを簡単に説明します。

○種別補正
 ・道路や港湾の種別により補正。なぜか国道や県道は増加方向で補正。
○段階補正
 ・一般に人口が多くなるほど、スケールメリットがでることから、人口が多くなるほど単位費用が少なくなるように補正するもの。
○密度補正
 ・人口密度が低いほど、費用がかかることを補正するもの。
 ・保育園の入所人員が多いほど、基準需要額が増えるような補正係数もここに組み入れられているようです。
○態様補正
 ・生活費が高い地域(東京は都心に近いほど高い)が高くなるように補正(給与を高くしなければならない)
 ・都市化の度合い(ごみ処理などは高く補正。農林関係は低く補正)
 ・中核市や特例市、保健所設置市は高くなるよう補正(業務が県から移譲されている)
 ・投資的経費の必要度合い(道路の未整備延長などを考慮するらしいが・・・・)
○寒冷地補正
 ・寒かったり雪が積もった入りするところを増やす
○数値急増(急減)補正
 ・人口などが急増又は急減しているところを増やす
○合併補正
 ・合併したところを増やす
○財政力補正
 ・地方債の元利償還金の割合が多いところを増やす

それぞれについては、確かにそれなりに理屈があるのですが、具体的な数値は毎年変わり、計算式も複雑なので、市の財政担当者にとっては予見可能性が低くなっています。

例えば平成21年度日野市は予算の段階では交付税が6千万円もらえる予定でしたが、結局ふたを開けてみればもらえないということになっています。

この稿はこれで終了です。