2009年10月19日月曜日

東京と大阪 守口市と日野市

守口市は財政がかなり大変で、財政健全化団体になるのではないかということがいわれおり、(平成20年度決算では該当せず)ブログの記事でも紹介しています。

日野市との比較でいえば(左 守口市、右 日野市。以下同じ)
経常収支比率 106.5 : 94.0
実質収支比率 -13.6 : +4.0
 と大変苦しいことがわかります。
 一方で、経常一般財源(用語の解説はこちら)を見ると
 総額       282.8億 : 308.55億
 人口一人当たり19.4万円 :17.9万円
   と一人あたりでは守口市の方が多くなっています。
 経常収支比率の内容を見ると
      守口  : 日野
  人件費 41.7 : 31.8
  公債費 17.0 : 9.9
  扶助費 12.6 :10.5
  合計  71.2 :52.1 といわゆる義務的経費の比率が際立って多い。特に人件費が多いことがわかります。
 人件費を市民一人当たりで見ると
  9.4万円 : 6.7万円 と1.5倍弱になっています。
  これは人口一人当たりの千人あたりの職員数が
  7.82人と6.07人 と1.3倍多く、かつ一人当たりの月給も38.1万:35.2万と多いことによります。
  (決算カードより)
 守口市の人件費は全国の一人当たり7.3万円と比較しても多いことがわかります。
 このような状況に対し、財政健全化計画で民間委託等を進めるとしていますが、
  一人当たりの委託費は1.6万円で、日野市の3.1万円、全国の2.4万円と比較してもまだ低いものとなっています。

 また扶助費については、守口市は保護率が31.1‰と大阪府の中でも高く、日野市の3倍以上に達しています。守口市の平成19年の生活保護には81億円にも達しており(日野市は28億円)、市の負担は1/4だけとはいえ、無視できないレベルになっています。
 
 日野市と守口市の比較により、同じぐらい経常一般財源があるものの「人件費が多い」「生活保護が多い」ことが財政を苦しくしている要因とみられました。
 これは東京と大阪の比較でもある程度いえそうです。
 (人口一人当たり人件費:多摩63千円、政令都市以外の大阪72千円)
 (生活保護率 大阪25.1‰、東京都15.8‰)

 これまでの東京・大阪の比較及び地方交付税の算定根拠から、大阪の財政が苦しい理由は
 ①東京に比較して税収が少ない分は交付税でカバーされているが、人口密度が高く、人口が多いため、全国に比較すると交付税の額は大阪は少ない。
 ②人件費が多い。(東京に比べると職員数が多い。全国に比べると給与水準が高い)
 ③生活保護費が多い。保護率が高いことは地方交付税の額に反映されない。
 ④財政が苦しいための借金により、公債費が多い。
    又は、公債費が多いため、財政を圧迫している。
 と分析することができます。
 もう一段踏み込めればよいですが、個人のブログではここまで。

 なお、箕面市と国分寺市を比較するとしていたのですが、分析の結果上記以上の発見ができなかったので、東京と大阪のコラムについては、この記事で終了とさせていただきます。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2016年11月守口市民財政白書作りましたよ