2009年10月19日月曜日

地方交付税の根拠4

今日は補正係数について
以前の回で、基準財政需要額=Σ(単位費用×測定単位×補正係数)と説明した補正係数です。
補正係数とは例えば同じ道路の管理費用でも、積雪が多い地域では管理費が高くなるとか、そういったことを補正するための係数です。
係数そのものは余りにも複雑なので、紹介しません(できません。)が、どういう補正があってどういう考え方なのかを簡単に説明します。

○種別補正
 ・道路や港湾の種別により補正。なぜか国道や県道は増加方向で補正。
○段階補正
 ・一般に人口が多くなるほど、スケールメリットがでることから、人口が多くなるほど単位費用が少なくなるように補正するもの。
○密度補正
 ・人口密度が低いほど、費用がかかることを補正するもの。
 ・保育園の入所人員が多いほど、基準需要額が増えるような補正係数もここに組み入れられているようです。
○態様補正
 ・生活費が高い地域(東京は都心に近いほど高い)が高くなるように補正(給与を高くしなければならない)
 ・都市化の度合い(ごみ処理などは高く補正。農林関係は低く補正)
 ・中核市や特例市、保健所設置市は高くなるよう補正(業務が県から移譲されている)
 ・投資的経費の必要度合い(道路の未整備延長などを考慮するらしいが・・・・)
○寒冷地補正
 ・寒かったり雪が積もった入りするところを増やす
○数値急増(急減)補正
 ・人口などが急増又は急減しているところを増やす
○合併補正
 ・合併したところを増やす
○財政力補正
 ・地方債の元利償還金の割合が多いところを増やす

それぞれについては、確かにそれなりに理屈があるのですが、具体的な数値は毎年変わり、計算式も複雑なので、市の財政担当者にとっては予見可能性が低くなっています。

例えば平成21年度日野市は予算の段階では交付税が6千万円もらえる予定でしたが、結局ふたを開けてみればもらえないということになっています。

この稿はこれで終了です。

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