2009年5月12日火曜日

お勧め財政白書 その8

お勧め財政白書 その8

今回も前回に引き続き、分析で面白いと思ったものを。
○福祉関係
 福祉にかかる費用の比較として、扶助費や民生費を見たりしますが、
 八王子市 最新版P35では一般会計の老人福祉費と、介護給付費を足して分析しています。
 立川市 行財政白書 本編 P24(第一部を参照)では、扶助費+福祉関係の繰出金を分析しています。
   (リンク先PDFファイル注意)
 また昭島市 最新版 P12 では福祉にかかった費用とサービスを受ける人一人当たりのサービス額を示しています。


○債務負担行為
 債務負担行為の内容について分析しているのは八王子市(リンクは上と同じ)P44。一般会計以外のものを含めて分析。
 分類として下水等、道路、区画整理、学校その他に分けています。
 また公債費に準じるものとそうでないものに分けています。


○公共施設関連  
 八王子市平成17年度版(16年度決算) P26~29の公共施設ごとのコストと利用料金収入の分析がされています。  
 羽村市 の最新版 P14 施設ごとの収支の状況(ちなみに平成15年度版はグラフ化されている。)   
      P31では施設ごとの初期投資額と累計の償却費が開示されています。

○国庫補助金  
 羽村市のP8では、国庫補助金が何に対して出されているかが示されています。(生活保護が1/3ぐらいのようです。)  
 町田市P6では、目的別に補助金を分類。民生費に対するものがほとんどであることがわかります。

○物件費
 小平市 P33(2番目のファイル)では物件費の内容を分析。委託費が70%を占めていることがわかります。
  ただ、市民がこれを決算書を元に分析するのは難しいので、行政の方にこういったデータをお願いすることになるのかもしれません。

○補助費
 福生市 P20 福生市は特に一部事務組合(主に廃棄物処理関係と病院)への負担が大きいので、この部分を詳しく分析しています。 一部事務組合は一般会計と切り離されるので、市民の目が行き届かなくなりがち。 市によって一部事務組合との関わりの度合いは異なりますが、今後広域行政が進む方向とすると、一部事務組合のチェックがポイントとなるでしょう。  特に後期高齢者の広域連合が各市町村で共通する課題となるのではないでしょうか。

○市税
 市税の分析が詳しいのが、羽村市P5~と西東京P12。  羽村市は個人の所得層ごとの、西東京は法人の規模ごとの税収が示されていて興味深い。(決算書からここまで分析はできませんが。)

2009年5月11日月曜日

芽室町 台所白書

今日紹介するのは芽室町の財政資料です。
http://www.memuro.net/hakusyo/hakusyo.htm
台所白書の発行は2000年と2002年と古いですが、ひとつひとつの財政課題について簡潔にわかりやすく説明してあります。一つ一つ別ファイルになっているのがやや面倒ですが。
2003年以降は広報誌Smileで予算と決算の紹介をしています。
 http://www.memuro.net/smile/index.htm
Smileは毎月40ページ以上のボリュームで出しており、かつなんとも親しみのあるものとなっています。
 予算は平成21年度版は17ページ、決算は8ページにわたり説明しています。
経年的な分析や他市町村との比較がないので、白書然としたものではないですが、市の広報の試みとしては参考になると思います。

2009年5月10日日曜日

ブックレビュー 税制改正五十年

税制改正五十年 ~回顧と展望 水野勝 著 大蔵財務協会 平成18年3月発行

 図書館で借りてきました。
 大蔵省の主税局で長年税制に関わってきた筆者が昭和30年代から平成15年ぐらいまでの税制改正について、自らがかかわったものを中心に紹介しています。読み物としても面白いし、意外なことがいろいろとあった。
その1
 所得税は昭和40年代まで毎年減税されてきた。所得税は超過累進課税で所得が増えるほど税率が高くなるため、高度成長時代にはどんどん税率が高くなっていったため、「減税を」という声が強かったらしい。ところが昭和50年代になると財源不足に。それならば所得税を上げればよいじゃないかと素人考えには思うのだが、減税圧力は歴史的に強くて増税は難しいという判断の中で、消費に対する課税への期待が強まっていったということのようです。
その2
 現在給与所得に対する所得税の負担割合は4%ぐらいで、国際的に見てもかなり低い水準らしいです。(逆のことを書いてある本もありますが。) アングロサクソン的小さな政府はもうだめだという人は多いのですが、税率をあげようという人はなかなかおりません。政治的に難しいのでしょう。本書の中の「税制は端的にいえば政治である」との一節に重みを感じます。
その3
 消費税の前身ともいえる売上税導入を考えていた時期にちょうど衆参同時選挙があり、中曽根元首相の選挙戦略として、「まず減税の話をして選挙、その後財源論で間接税の導入。」と考えていたらしい。野党の「大型間接税をやるつもりだろう」という声に「大型間接税はやらない」というキャンペーンを打ったことから、明らかな「公約違反」になってしまい、消費税はその誕生から後ろ暗い歴史を追ってしまうことになったこと。
その4
 意外なのは、消費税導入後の総選挙で自民党が負け、日本新党を中心とする連立政権ができましたが、その日本新党が提案したのが国民福祉税という7%の間接税だったということ。ニュースになった記憶はないのですが、意外でした。
 その後の橋本内閣のあたりから大蔵省(税制調査会)主導というよりは政治主導で、税制が決まるようになったと書かれています。
その5
 平成10年の特別減税あたりから、特別減税・恒久減税を行った結果、税収の歳入に占める割合が50%台になってしまい、残りは赤字公債を発行でまかなうという状況に対して「税としての機能を喪失している」「後世代への負担の先送り」と厳しく評価しています。今年度の税収よりも借金が多いという状況をみたらどう思うでしょうか。
 「100年に一度」云々いろいろ言われていますが、借金はいつかは必ず返すもの、「税としての機能を喪失している」という言葉は重く受け止めなければなりません。

 ところで所得税の負担水準は国際的にも非常に低いようですが、負担感が軽いわけではありません。
 本書のP695に気になる図がありました。平成15年度の平均的な給与所得者の収入は444万円。
 そのうち所得税は8万円弱で、負担率は2%を下回っているとのこと。
  一方社会保険料(健康保険や厚生年金など)は44.4万円と所得税の約5倍。一般のサラリーマンは所得税・住民税・保険と分けて考えるというよりも、給与-手取り=負担と考えがちなので、実際の税の負担よりも重く感じるのかなと思います。
 保険・年金については触れられていませんでしたが、これらを一体的に考えていくことが重要なのではないか。そしてそれは政治の役割ではないかと思うのですが。
もっとも税制が政治主導になったとたん財政悪化したことを思い起こすと、それがよいのか暗い気持ちになってしまいます。

あ、本日で100日連続更新達成しました。ふぅ。

2009年5月9日土曜日

わかりやすい藤沢市の財政

借金時計でおなじみ(?)の藤沢市が「わかりやすい藤沢市の財政」を4月25日にアップしました。
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/zaisei/page100103.shtml


イラストがほのぼのした感じで親しみやすい。
特に財政健全化法と健全化比率の説明がわかりやすい。コラムを書く前に読めばよかった。
指標の計算根拠を自らの市の数字を使ってきちんと示しているのがGoodですね。
ただ実質赤字比率と連結実質赤字比率の例えが「??」。
”赤字が10%=収入が10%減”ではないとは思うが。
構成は 市民生活を支える財政
     財政健全化法と健全化判断比率等
     他の財政指標
     平成21年度予算
     借入金
     バランスシート の順です。
 藤沢市の特徴としては、自主財源が多いこと。
 一人当たりの一般財源の歳出は日野市とほとんど同じです。

2009年5月8日金曜日

人吉市の財政

人吉市の財政です。

 平成15年度決算から平成19年度決算まで。予算のバージョンもあり。

 構成は、はじめに~家計にたとえると~一人当たりにおきかえると~決算状況~財務指標~主要成果の順。
http://www.city.hitoyoshi.kumamoto.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC010000&WIT_oid=icityv2::CommonGenre::1335&m=1&d=


 「はじめに」は各年度とも同じファイルを使うことで合理化を図っています。
 平成18年度はバランスシートと行政コスト計算書もあります。
http://www.city.hitoyoshi.kumamoto.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::2882
読み物としては平成16年決算版が一番面白いかも。


 日進市と対照的に非常に苦しい状況がうかがわれます。
 性質別の歳出の割合は日野市とあまり変わらないのですが(歳出規模は人口当たり1.2~3倍ありますが。)、地方交付税への依存度合いが高く、それが平成12年度 55億円(37%)→19年度43億円(28%) に減ったことが大きいと思われます。

2009年5月7日木曜日

お勧め財政白書 その7

お勧め財政白書 その7です。

前回までは財政用語等の説明でしたが、今回からは分析の方法や視点で面白いと思ったものを取り上げます。
○昭島市H18年度版 P8
  基金の繰入と赤字公債を同時に示してあります。 簡単にいえば一方は貯金の取り崩し、もうひとつは借金なので、単年度で見た場合の資金不足を表す考え方として面白いと思いました。

○小平市H19年度版 P55~ (PDFファイル)
  小平市は平成19年度版の前には平成14年度版を出していますが、55ページ以下で5年前の財政白書で示した小平市の課題について、その5年間にどうなったかをまとめています。PDCAサイクル的考え方として参考になります。また5年後を期待します。

○西東京市平成19年度版 P33~
  26市の平均や都内類似団体とと比べたレーダーチャート。総務省のレーダーチャートとも違います。
  ちなみに、財政力指数、経常収支比率、公債費比率、一人当たり市債残高、一人当たり基金残高、人件費比率。
  総務省バージョンは公債費比率の代わり実質公債費比率。人件費率に代わりラスパイレス指数。基金残高がなく、1000人当たり職員数と、一人当たり人件費・物件費等決算額が加わっています。

  またP41には「債務償還可能年限」という指数が紹介されています。その市が債務を何年間で返済できるかという指標で、これが市債の償還年限を下回っているかどうかで中長期的な継続可能性を判断するのだそうです。
面白い指標と思いますが、市民が独自に算出するのは難しそう。

 同じく西東京市 平成17年版 P26~
  総合計画の実現にいくらかかるかを試算しています。大変なお金がかかることが示されていますが、これは総合計画を作成する際に試算すべきものでは。 と思いました。いろいろ不確定要素があって難しいでしょうが、日野市もまた新しい総合計画を立てる時期ですが、是非考慮していただきたいものです。

  ○青梅市 平成19年度版 P7~
 一般会計から特別会計への繰入と収益事業からの繰入が並べてあります。
  収益事業から特別会計へ資金を支援していたものが、収益の減少に伴い、一般会計から出さざるを得なくなった事情が見えます。同じことが他の市に当てはまるかどうかは不明ですが、大規模に収益事業をやっている市の分析としては参考になるかと思います。

2009年5月6日水曜日

日野市と財政10年の歩み その2

日野市と財政の10年の歩み その2として産業を取り上げます。

○事業所
  平成11年7月1日
  数4713 
  従業者54996   
  平成18年10月1日 
  数4692  
  従業者58,706

○農業   
  平成12年2月1日
  耕地面積 田3543a、畑 9262a 、樹園2919a
  平成17年2月1日
  耕地面積 田2034a、畑 6228a、樹園 2767a  
 ~田んぼや畑から住宅地などに変わったことがわかります。

○工場 (従業員4人以上)
  平成10年12月31日
   事業所数151
   従業者数17885人
   製品出荷7425億円
  平成18年12月31日
   事業所数111
   従業者数15,643人
   製品出荷額 10343億円
 ~従業者数は減っていますが、輸送機(主に自動車)関係が伸びた(約2500億円)ため出荷額は増えています。
  平成20年度21年度はまったく違った数字が出ると思われますが。

○商業
  平成11年7月1日
   商店数卸売 206、小売933
   従業者卸売 1406人 小売6981人 
   販売額卸売1029億円 小売993億円
   売り場面積74556㎡
  平成16年6月1日
   商店数卸売 173、小売826
   従業者卸売 1127人 小売6659人 
   販売額卸売1063億円 小売923億円
   売り場面積87,716㎡

  売り場面積は増えているが、従業員、店舗数、売上は減少。
  実はこれは東京都内全般の傾向です。

○昼間人口
  平成12年144,265 → 平成17年147,936
 流入人口
  平成12年41,113 → 平成17年40,377
 流出人口
  平成12年64,781 → 平成17年62,790
  昼間人口は増えていますが、流入人口・流出人口とも減っています。
  16歳~60歳ぐらいの年齢層が減ったことにより、市内外の移動が減ったためと推察されます。

 なお資料 東京都HPからいただきました。
  日野市は財政の資料は充実しているのですが、全般的な統計情報はちょっと残念です。