財政白書を勉強するその5
前回は新しい財政健全化法による評価指標を紹介しました。
今回はその指標の判断基準です。
評価指標は次の5つ
①実質赤字比率
②連結財政赤字比率
③実質公債費比率
④将来負担比率
α公益事業の資金不足比率
でした。
この①~④のうちひとつでも財政健全化基準(いわゆるイエローカードの基準)を超えると、自主的な改善努力による財政健全化を求められます。 このように早期に財政悪化状態を見つけ出し、是正を図ろうというのが新しい財政健全化法の一つのポイントです。
それでは、その指標はどれぐらいかということですが、市町村の財政規模によって幅があります。
①は11.25~15%
②は16.25~25%
③は25%
④は350%
αは20% となっています。
また①~③については財政再生基準を超えると国などの関与による確実な再生が行われる段階となります。
①は20%(旧財政再建法どおり)
②は30%
③は35%
④はありません。(この指標がいくら高くても財政再建団体にはならない)
αについても同様。
ところで、新しい財政再建法は夕張市の財政破綻を踏まえたものであるということですが、この指標があれば夕張の財政状況を見抜くことはできたのでしょうか?
財政破綻前の平成15年の夕張の決算カードを見ても、残念ながら普通会計以外の指標が不明なので、チェックできたかどうかは判断できません。この点のチェックが指標や基準などの作成の際に行われたか知りたいところです。
第6回はこちら。
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