2010年3月6日土曜日

財政白書の未来の今 2

昨年連載した財政白書の未来。その1年後の今を検証します。
前回のつづきです。
 
ちなみに、連載の第2回はこちら。目次はこちら。まとめてみたい方はこちら(上から4番目のPDFをダウンロード)。
青文字が1年前の記述又はそのサマリー、 黒文字が現状のコメントです。

第2回 財政白書の未来形(その1) ~ 財政白書は各論指向へ~
○なぜ各論指向になるのか
 今後財政白書は市民が作るものも、行政が作るものも各論指向が進むものと考えられます。
 まず、市民が作る財政白書についていえば、総論編のみを継続して出していくのは実際のところ難しく、各論に移っていかざるを得ないという面があります。
 その理由としては
  • 初回は財政資料の分析そのものが新しいものの発見につながる部分があるが、二回目以降は新しい発見はあまりなく、仮にあっても初回ほどではない。
  • 第二回目以降はデータの更新のみであるとはいえ、相当なマンパワーを必要とするが、発表しても初回ほどの話題性およびインパクトはなく、作るモチベーションが下がりがち。
  • 市民が財政白書を作るきっかけとして、特定の事業の実施又は廃止に疑問を感じた市民が動き出した、というようなこともあり、そもそも興味は各論にある。

 があげられます

 二回以上財政白書を出しているところは少ないですが、例えば国立市は2回目では特別会計を取り上げているほか、小平市は次のバージョンはコミュニティバスを取り上げようとするなど、やはりテーマを変えてくるというのが傾向として見えるようです。

 また東村山も二回目を出していますが、ここはもともと各論志向が強く、第1回目は再開発ビル、2回目はゴミ処理をメインではありませんが詳しく取り上げています。

 行政の作る財政白書についても、

 1:行政側の意図としてやろうとする施策又はやめようとする施策、市民に負担を求めることに関して、市民の理解を求めるという動きが出る可能性があること。

 2:市民の理解や興味が高まった後には、「財政状況を十分に理解した市民の参画の下」「市の計画、施策や事業について議論を交わす」という流れになり、そのような段階になれば、そこで行われる議論はそれぞれの計画・施策・事業といった各論になること。

 により各論化が進むと書いています。
 が、実際には財政白書の中で、各論色を強く出しているところはまだないようです。
 現状は健全財政化法や財務諸表作成などに忙しく、市民にわかりやすく説明するところまで手が届いていないようにも思われます。

 また各論があるとすると、財政課以外のページで取り上げられている可能性もあり、単に把握していないだけかもしれません。
 財政面での各論としては、受益者負担の考え方がいくつかの市で、HPでその考え方が公表されています。


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