2009年4月27日月曜日

ブックレビュー 自治体財政健全化法のしくみ

ブックレビュー スラスラわかる! 自治体財政健全化法のしくみ 月刊「地方財務」編集局編 ぎょうせい
 2007年12月発行
 図書館で借りてきました。 コラムを書くにはやっぱり本を参照するのがよいかなということで、借りたものです。

 基本は自治体の職員(財政関係以外)向けと思われます。

 健全化法ができた経緯がわかりやすく書いてありますので、「財政健全化法ってなんだろう?」と思っている人にお勧め。
 中盤以降は、各指標の具体的な計算や健全化計画などの手続きの説明になっていくので、行政職員や財政をある程度知っている人でないと読みにくいかも。

 この本の初版の出版段階では、財政健全化の4つの指標は示されているものの、どこまでいったらイエローカードでどこまでいったらレッドカードかの具体的な数値が決まっていませんでした。それだけに、その数値がどのへんに設定されるのかという推察がされており、非常に興味深い。
 イエローカード状態になると「各自治体が策定した財政健全化計画を監視」する必要が生じるため、あまりに多くの市町村がこれに該当すると監視するのは大変になるため、ある程度の数に収まるように設定されるであろうことが書かれています。
 ということなので、財政健全化の基準というのは絶対的なものではなく、あくまで相対的なものであり、総務省や県が監視しできる範囲で財政の悪いほうからある程度の自治体が指定される。 というような性質を持つものであることが推察されます。
 つまり財政健全化の指標が基準を超えないということは、必ずしも財政が健全であることを意味しないということであり、(超えると健全ではないとはいえる。)それについては市民が常に注視していなければならないということだと思います。

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