昨年連載した財政白書の未来。その1年後の今を検証します。前回のつづきです。
第八回 財政分析の担い手 ~組織化と担い手の課題~
財政分析を担う市民とは誰なのか。
担い手となる市民の条件は
財政分析を担う市民とは誰なのか。
担い手となる市民の条件は
①市の財政に興味を持っていること
②データを収集し、分析し、評価する気力があること
③時間がある程度自由になること の3つ。そして実際に財政分析に携わるのは、上の条件に当てはまる人の中で他のことに優先して取り組むだけの動機付けと始めるきっかけがあった場合。
上記の条件を満たす市民の存在密度は低く、人口の0.01%~0.1%程度。したがって、単に個々人が興味を持っている・能力も時間もあるというところを超えて、市民が集まって実際に白書をまとめるというようなアクションに至るまでには、これらの人の組織化ということが必要。
上記の条件を満たす市民の存在密度は低く、人口の0.01%~0.1%程度。したがって、単に個々人が興味を持っている・能力も時間もあるというところを超えて、市民が集まって実際に白書をまとめるというようなアクションに至るまでには、これらの人の組織化ということが必要。
②の条件を除けば、おそらく0.01%よりは0.1%に近いと思う。
総合計画の市民参画メンバーが一同に会して(50人!)一人一言話したときに、意外と財政に興味があるといった人が多かった。確かに応募してくる人を母集団としているのでサンプルは偏っているが
、それでも財政への関心は、考える会が結成された2001年よりはかなり高まっていると思う。
組織化のためのそのきっかけとしては下記のパターンがあるようです。
1.公民館などの財政講座の受講生が自主的に組織を作った場合
・多摩の多くの市がこのパターンを取っていることが多いようです。特に何回か連続した講座の場合に効果が大きいようです。単発の講座の場合には、議員さんなどが興味を示す例が多いですが、なかなかその後が続かないことも多いようです。
組織化のためのそのきっかけとしては下記のパターンがあるようです。
1.公民館などの財政講座の受講生が自主的に組織を作った場合
・多摩の多くの市がこのパターンを取っていることが多いようです。特に何回か連続した講座の場合に効果が大きいようです。単発の講座の場合には、議員さんなどが興味を示す例が多いですが、なかなかその後が続かないことも多いようです。
日野市でも毎年財政講座が開催されており(講師はだいたい大和田先生。ゲストでわれわれがお話することはありますが、そのときは先生はいらっしゃいません。)、講座の最後のほうで「作ってみたいですか?」と先生がいうと「うんうん」とうなづくのだが、実際にその後何らかの形になったのは1回ぐらいではないか。(その際は印刷物にはならなかったようだ。)
2.行政が総合計画策定などのため市民を集めた中から、組織化された場合
・日野市の健全財政を考える会はこのパターンでできた会を源流に持ちます
・日野市の健全財政を考える会はこのパターンでできた会を源流に持ちます
小平市は2のパターン+1という感じのようです。
3.特定の団体の後押しにより白書が作られた場合
4.一定の事業に反対するあるいは疑問を持つ市民によるもの
5.もともとの地縁・人のつながりをベースとしたもの
その他、最近は大学の講座で白書を作成している例があります。(奈良市、宮崎県)
今後出てくる可能性のあるパターンとしては
6.議員や政党の支援によるもの
小松島市、伊勢原市はこのパターン。市民が作成したものでも政党の支援を受けているとうわさされるものもありますが、真偽のほどは確認できません。
7.ネット上での呼びかけによるもの
いまのところないようです。
財政白書の担い手の面での大きな課題は、現状では担い手がどうしても高齢者に偏りがちという点ではないでしょうか。時間があるという面では、学生もその中に入るのでしょうが私が知る限り他に事例はないようです。鎌ヶ谷が大きく取り上げられているのはそれだけレアなケースであることもまた確かだからでしょう。
最近は学生が作ったものや、40代ぐらいの方が中心となったものもあり、必ずしもそうはいえないようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿