2009年4月5日日曜日

ブックレビュー ファウスト

ファウスト(第一部 第二部) ゲーテ作 岩波文庫 1958年発行

 財政とあまり関係ないといわれるかもしれませんが、第二部第一幕で面白いと思った部分があったので、
  ファウスト自体のあらすじはこちらでね。
 それは、警察も軍隊も大蔵省も宮廷もみんなお金がないと言っているところに悪魔のメフィストフェレスが現れて、あの大洪水の際に地中深くうずもれた財産を担保にして(昔のドイツでは地中深く埋まっているものは皇帝のものとされたらしい。)紙幣を発行することで財政難を救い、王に取り入るという場面。

 ファウストが完成したのは1832年ですから、そのころから実体のないものに信用を与えてマネーを増やすという発想があったのかと非常に興味をそそられます。
 もっともドルが金という実物を信用のバックにしなくなったのは1971年のニクソンショックになってからですから、ファウストにおいても実体がないとはいえ地下にある財宝を担保とするという設定にはなっていますが。

 物語は王に取り入ったところから別な方向へと展開していくので、その後国の財政がどうなったか記されていないのが気になるところです。国が豊かになりました、めでたしめでたしなのか、ハイパーインフレになったのか。。。

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