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2010年4月27日火曜日

動画版コメンタリー お金の調達

日野市財政白書平成21年度版の解説です。
今日解説する動画は「お金の調達」(動画へのリンクは
こちら)。
動画中のスライドはこちら(PDFです。)

私が話している部分を青。相方が話している部分を茶色。であらわし、コメントを黒文字で標記します。

3番目(はじめにをいれると4番目)のビデオは歳入についてです。
普通は歳入から説明するものなのかもしれませんが、まず市がどういう仕事をしているのかを実感いただくために、最初に歳出の話をしてその後歳入の話をするという流れにしました。

「日野市ではずいぶんといろいろなことにお金が使われていますね。
 このようないろいろ仕事をするためのお金はどうやってまかなっているのでしょうか。」

「はい、こちらをご覧ください。こちらは平成20年度の一般会計の歳入の内訳です。
 市税などが最も多く335億円と全体の約60%を占めています。
 市民一人当たりにすると約19.3万円という計算になります。
 また国や都からのお金は約140億円。
 それから市の借金である市債が約33億円、
 市の貯金である基金からの繰入金や前の年からの繰越金が約32億円となっています。
 簡単にいえば、この青い部分(市税など)が市内の住民や企業から調達している部分、
 緑の部分が国や都からもらっている部分、
 黄色の部分(市債)が未来の市民が負担する部分、
 赤の部分(基金からの繰入金、繰越金)は過去の市民が負担した部分ということになります。

 予算書や決算書の歳入項目には国や都からの交付金の項目がやたらと細かくあります。

 それを一つ一つ説明していくと、それだけで時間がかかる上に退屈、かつ金額的にはマイナーなので、国や都からのお金ということでまとめてしまいました。

 歳入を分類して説明する際には
 「自主財源 と 依存財源」 又は
 「一般財源 と 特定財源」
 に分けるのが、一般的ですが。ここでは負担元で4つに分けています。

 たぶんこういうわけ方をしているのは今のところわれわれだけかもしれません。
 (要はイレギュラーということ。)
 「市内の住民や企業が負担」+「過去の市民が負担」=自主財源
 「国や都から調達」+「未来の市民が負担」=依存財源
  となると思います。

 実は過去の市民、未来の市民と簡単に書いていますが、過去の分も「市民から」と「国や都から」が混在しており、未来についても同様なのですが、日野市の場合は自主財源が多いので単に市民からとしても大勢には影響なかろうということで、こういう表現としています。

※なお前日以前の部分を含めコメンタリーは、このページにまとめておいてあります。

2010年3月27日土曜日

予算書案を読む

決算書を読むシリーズも終わっていないのに! とお叱りを受けそうですが。
HPに公開された平成22年の予算案を元に、予算を読んでいきます。
 議会には予算説明書が配られるので、それをHPに公開すればよさそうですが、(公開している市もあり)残念ながらまだ実現していません。

 何回シリーズになるかわかりませんが、まずは市税から。
 ところで予算書案の歳入のページは、本年度~前年度と並んでいるのですが、前年度というのは当初予算。補正予算も可能な限り織り込んだほうが、比較としてはよいような気がしますが。

1.市民税
 平成22年度予算は、個人市民税120.98億円、法人市民税9.68億円。
 前年度から個人が7.86億円マイナス、法人は3.8億円マイナスです。
 特に法人は10億円を下回るのは昭和50年以来。
 
 私が注目したのは滞納処分に対する収入見込み額。
  調停額×24.5%が予算化されています。 あれ?と思って平成17年(5年前)の予算を見ると
  調停額×14%ぐらい。実際に平成20年度の決算を見ると24%近い徴収率となっています。
  5年ほど前に都の滞納徴収の専門家を招いて徴収率の向上を図るような取り組みをしているというような話を聞いていましたが、その効果でしょうか。

 法人市民税は均等割(儲けが出ても出なくても定額で払う金額)と法人税割(利益に対して払う金額)がありますが、均等割3.28億円。つまり全体の1/3が均等割。逆に言えば利益にかかる部分は6億円強に過ぎないということになります。

2.固定資産税
 110.38億円で前年比+2.58億円。土地建物の分が少し増えたようです。

3.軽自動車税
 近年徐々に伸びており、今年は1億円突破。普通自動車からの乗り換えが多いと思われます。
 ちなみに普通自動車の税金はいったん国に入り、道路面積や延長割合で各市町村に配分されます。
 (したがってその市民で自動車を買ったかどうかは関係ない。)
 その配分されたものが自動車取得税交付金ですが、これは前年比約半減の1.3億円。
 エコカー減税も関係あるのでしょうか。

4.市たばこ税
 2%減。たぶん吸う人が減っているからでしょう。

5.都市計画税
 21.71億円と+2.3%の増加。

6.入湯税
 多摩テックの温泉が閉鎖されたため、0に。
 王様の湯って、日野市じゃなかったんですね。

 
 

2009年12月24日木曜日

税制改正大綱が閣議決定されました。

内閣府から平成22年度の税制改正大綱が発表されました。
リンクはこちら(PDF注意)。今年はなんと、113ページもあります。
昨年まではこんなになかったような。読んでみると税制のあり方の考え方から書いてあるので、ボリュームが増えていると思われます。
最初にこれまでの社会経済状況の変化を解説し、これまでの税制に対して、①社会の変化に対応していない、②既得権益の見直しがされていない。と評価しています。その上で、①セーフティネット②経済活性化③財政健全化の3つは一体の関係にあるとしています。
 また地方主権が重要としています。


具体的に地方の財政に影響する項目としては、
 個人住民税:各種控除の見直し。将来的には現年度課税化の検討も行われるようです。
 法人住民税:財源の偏りが少ない方向への見直し(将来対応)
 固定資産税:課税ベースを減らす特別措置の見直し。
 また国との関係については、今後国の権限を減らし財源の移転を図るそうです。



 まだ前半の部分しか見ていませんが、ここまで見ると歳入としてはプラスの方向のようですが、子ども手当が地方の負担が生じるという話もあり、最終的にどうなるかは見えない部分が多いです。


 なお、最後の方のページは統計データとして参考になります。
  法人の税負担はスウェーデンよりも高いらしい。もっとも社会福祉費用の負担を含めると、スウェーデンの方が負担が多いらしいですが。とはいえ、企業が進出先を考えるときに日本とスウェーデンを比較検討する会社はほとんどなくて、日本は法人税も社会福祉も安い中国と比較されるというところがつらいところですが。



今後、税制改正要綱、さらに具体的な法案となっていくのにあわせて、トピックとして取り上げる予定です。

2009年12月20日日曜日

名古屋市、市民税10%減税へ 審議やり直し市長案可決

12月22朝日新聞


これまでも注目していた名古屋市の動き。このブログの記事(12月10日5月15日4月13日)でも取り上げていました。
「名古屋市の河村たかし市長の公約「市民税10%減税」を実施するための議案が22日の名古屋市議会臨時会で可決された。現行の税制下では恒久的な市民税減税の実現は、全国初になる。11月市議会では市議会側が独自の減税案を可決したため、河村市長は拒否権を発動、異例の審議やり直しとなっていた。」
なんと、減税は現行の税制下では初めてだそうです。

2009年12月2日水曜日

たばこ税:見直しで、おいしい話が… 焦点の自販機めぐり、行方見守る熱海市

毎日JP 12月1日
「政府税制調査会が検討を始めたたばこ税の見直し論議に、熱海市が警戒を強めている。焦点となっているのは、市にたばこ税4億4000万円を納めてきた1台のたばこ自動販売機。市は「うまい話もこれで終わりか」と税制改正論議の行方を見守っている。この自販機は、市の施設「熱海マリンスパ」(同市和田浜)内にある。たばこ流通業者が04年設置した。業者は、ここを「営業所」としてたばこを大量に仕 入れた形にして、パチンコ店など全国に販売してきた。この仕組みで、08年度実績で国や県と配分するたばこ税のうち約4億4000万円が市財政に繰り入れ られてきた。」
以前も似たような記事がありました。確か泉佐野市でしたね。(記事はこちら
ちなみに熱海市は以前財政危機宣言をしていました。(記事はこちら

政府税調が、「税の公平性を保つ上で改善が必要」と見直しに着手していることに警戒を強めている・・・って、税調の方がごく当たり前のことを言っているような気がするのですが、いかが。

 一方「『熱海温泉の情報発信基地を東京駅近くに開設してほしい』との業者の提案を受け、市は05年、この業者が紹介する別の会社に運営を委 託して施設を開いた。この施設は現在、東京・銀座にあるインフォメーションセンターになっており、市は年間委託費8700万円を支払っている。」 ・・・・怪しげな利益誘導のにおいがしますね。

2009年11月14日土曜日

市税概要を発見

日野市市税概要を図書館で発見。
 以前 事務報告書には、個人と法人別の固定資産税が載っていたのですが、5年ぐらい前からなくなり、残念に思っていたのですが、市税概要には記載されていました。中央図書館の資料コーナーと市政図書館にあったのですが、いままで気がつきませんでした。

 参考までに固定資産税の個人と法人別の推移
        個人  法人(単位億円)
 昭和55  14.2  18.5
 昭和60  22.8  27.6
 平成02  30.1  39.3
 平成07  44.9  51.7
 平成12  51.6  54.2
 平成17  56.2  49.4
 平成19  57.6  48.7
 
 2002年に個人が法人を逆転したようです。
 逆転の理由は、①機械にかかる固定資産税が減ったこと(機械への投資が減った)、
  ②法人の土地からの資産税が2001から減り始めた(企業が土地を手放した?)
  ことが考えられます。

2009年11月2日月曜日

たばこ税:販売実績大幅に上回る税収 大阪・泉佐野市

毎日新聞11/2

「大阪府泉佐野市が市内での販売実績を大幅に上回るたばこ税収を得ていることがわかった。府内のたばこ販売業者が市内に事業所と自動販売機1台を設 置した昨年10月以降、この業者が近畿のパチンコ店などに販売したたばこを泉佐野市内で販売したように報告したため。設置前の07年度は約7億6000万 円だった市のたばこ税収は、08年度は約14億6000万円、今年度は約23億5000万円になる見込み。1台の自動販売機がもたらした増収が約16億円 にもなる事態に。」

このブログでも何かと話題の泉佐野市です。
市では企業誘致条例を作り、市税を300万円以上納税した企業に超えた分の10%を払う奨励制度を設けたとか。法人市民税だけにしておけばよかったのに。
この業者はそこに目をつけ、全て泉佐野市で販売したように報告したようです。(事業の実体はないらしい。)
この業者には今年度、市から約1億5000万円の奨励金が支払われる見込みだとか。

考えてみれば、大阪全体で見れば、奨励金の分税収は減ることになるわけで、これは問題ですねぇ。

ちなみに市町村たばこ税は地方税法の第464条以下に規定されており、第465条第1項で
「たばこ税は、製造たばこの製造者、特定販売業者又は卸売販売業者(以下この節において「卸売販売業者等」という。)が製造たばこを小売販売業者に売り渡す 場合において、当該売渡しに係る 製造たばこに対し、当該小売販売業者の営業所所在の市町村において、当該売渡しを行う卸売販売業者等に課する。」とあります。営業所所在市町村というのがあいまいなところですが、上記の例でいうとどうなんでしょ。

2009年10月4日日曜日

市民財政白書を作る(番外) 健保組合のお金

さて前回まで国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療とその前身である老人保健の特別会計に関わるお金の流れを紐解きました。
 そのたびに出てくる、健保等というサラリーマンや公務員が入る健康保険に関わるお金の流れを説明します。
 前回までは国民健康保険を主体としていたので、まとめて「健保等」となっていますが、大きくは3つのまとまりがあります。健康保険の適用事務所で働く社員が入る「健康保険組合」。社会保険庁が運営していた政府管掌健康保険から変わった「全国健康保険協会」(いわゆる協会けんぽ)、これは中小企業等の従業員や家族が入るもの。そして国家公務員や地方公務員、私学の教職員などの「各種共済」です。これらの対象者はあわせて約7650万人(家族を含めて)となります。
 下の図は全国レベルでのお金の出入り。単位は兆円(!)です。

 国から約6000億円の負担がありますが、これは健康保険協会に対するものです。

 さて、日野市民のうちこれらの制度の対象となっている人数は、国民健康保険の対象者を除いて約13万人となります。仮に全国の健保等の加入者数と単純に比例すると考えると、下記の緑色の数字が日野市民負担と計算される数字になります。単位は億円。
 日野市の個人市民税が約130億円ですが、その2.5倍の保険料を支払っている計算になります。確かに実感としても合っている気がします。
 そのうち、約53%が本人と家族の医療費。1/6弱が後期高齢者分の負担(日野市の高齢者ではなく、全国にある基準で分けられる)、1/8強が前期高齢者分の負担(これも全国へ)、後は介護保険料の分が支払基金を通じて介護保険の、退職医療の分が国民健康保険の(この2つは日野市の特別会計に?)ために負担されています。


この仕組みをどう評価するかは人それぞれと思いますが、まずこれを把握している人はあまりいないのではと思いました。知らなければ評価も何もできないので。
 自分で言うのはなんですが、なかなか画期的だと思うのですが。精度は悪いですが。

2009年10月2日金曜日

決算を読むシリーズ 個人住民税

市の歳入の大きな柱が市税です。
平成20年度の歳入540億円のうち、約302億円を占めています。
そのうち最も多いのが個人の市民税で132.1億円。これは前年度の130.1億円よりやや増えています。
昨年度は後半から景気の落ち込みが激しかったのですが、住民税は1年課税が遅れるため、その影響は出ていません。

つまり平成19年度の所得に基づく所得税(国の税金)は翌年の3月15日(平成19年度中)までに支払いますが、住民税はその申告書に基づき平成20年度に徴収されるため、平成20年度の景気の落ち込みは平成20年度の個人の住民税の税収には影響しないということになります。
それが影響するのは今年度(平成21年度)なので、今年度の決算が心配です。

ちなみに平成20年度の課税標準(つまり住民税の課税の対象となる所得)は約2270億円とのこと(事務報告書より)。
人口一人当たりに直すと、130万円ぐらいということになります。

2009年8月17日月曜日

東京都へ払った税金の使い道を図にしてみた

先日のコラムの内容を図にしてみました。




  ※クリックすると大きくなります。
 あくまで現時点ではネット上で取れる限定された情報に基づくものなので、あまり厳密ではありません。
 なお参考にしたHPを紹介。
 総務省 http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/card.html
   → 平成19年度都道府県決算カード
 東京都統計年鑑 http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0520f.htm
   → 区市町村普通会計決算額から区市町村への歳出を算定。
 東京都財務局財政情報http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/syukei1/index.html
   → いろいろ資料あり。都として発信したい情報は豊富だが、基礎的な情報が必ずしも十分でない。
      (決算書や予算書をそのままあげてくれると助かったのだが。)

2009年8月15日土曜日

東京都へ払った税金の使い道

久しぶりです。


 前回のまとめで市民が国や都にどれぐらい税金を払っているか推計してみました。

 東京都への190億円がどのように使われているかを推計しました。
 ただし、細かいところはネット上にほとんど出ていないので、今回は暫定版。

○日野市民の払った税金の行方
 ・東京都には直接支払う税金190億円と国を経由して入る地方消費税36.4億円の合計約226億円が入ります。
 ・そのうち各種交付金として27.7億円が交付金として日野市に返ってきます。
  (上記図では23.8億円ですが、自動車取得税交付金約4億円も加算しました。)
 ・従って226億円から27.7億円を引いた約198.7億円が都の一般財源として残ります。
 ・仮にこの一般財源が交付金以外の使途として、比例按分的に使われるものと想定します。
 ◇目的別に見ると
    ※金額は日野市民推計負担額、カッコ内は都支出総額
  ・都議会 約2300万円(総額53億円)
  ・総務費 約35.9億円(総額約8660億円)
  ・民生費 約27.2億円(総額約7550億円)
  ・衛生費 約8.7億円(総額2260億円)
  ・商工費 約2.3億円(総額2360億円)
  ・土木費 約28億円 (総額9490億円)
  ・警察費 約23.8億円(総額6100億円)
  ・消防費 約7.3億円(総額2170億円)
  ・教育費 約32.2億円(総額9200億円)
  ・公債費 約29.8億円(総額7550億円)
 
  より具体的にどういうことに使われているかは資料がないので、後日加筆ということで。

○東京都のお金の調達
 東京都の平成19年度の歳入は普通会計で7兆1436億円。
  都民一人当たりに直すと57.5万円です。
 内訳は
  ・地方税 5兆4973億円
    一人当たり44.2万円。
  ・国からの一般財源(地方譲与税特別交付金など659億円)
    一人当たり5300円。
  ・負担金・使用料・手数料 2285億円
    一人当たり18400円。
    日野市民も一人当たり同じぐらい負担したとすると31.7億円。
  ・国からの特定税源 3486億円
    一人当たり28000円
    これに日野市の人口をかけると48.4億円
  ・借金の借入 1573億円
    一人当たり12700円
  ・貯金からの取り崩し 593億円
    一人当たり4800円
  ・昨年からの繰越 3113億円
    一人当たり25000円。
   

○日野市民の受益の試算
 東京都の歳出のうち、各市町村に直接交付されるもの(総額2913億円)と交付金(総額2535億円)、特別区に配分される
交付金(約1兆円)と借金の返済に充てられる費用を除いたものが、都民全体のための費用と想定すると。
 その金額は4兆2562億円。
  単純に人口割をすると日野市民は約591億円分のサービスを受けていることになります。

 ただし、その中には都営地下鉄への助成や羽田空港の拡張事業、東京港の整備、都の区画整理事業など日野市民への受益が少ないものも含まれています。がここでは仮に、都民に均等に利益があるものとしてます。
 これ以上の分析はまた後日ということで。

○まとめ
 一人当たりの税収が東京都の平均より少ないので、計算上市民が都に負担しているよりも多くの受益を受けていることになります。その分は主に他の区や市の税金でまかなわれている計算です。
  (もちろん日野市民が区内の会社に勤めてその利益に貢献している分は考慮に入りません。)

2009年7月14日火曜日

コラム 税金は誰が負担しているのか?

前回までのコラムで、日野市民がどれぐらい全体として税金を負担しているか見てみました。
 間接税については最終的に負担している人と税務署に支払っている人が違うので、実際に市民がどれだけ払っているか見えにくいという話をしましたが、間接税だけでなく、直接税でも実際の負担者を突き詰めて考えると実は簡単ありません。
 例えば、法人市民税を考えてみましょう。法人市民税は法人が払っているのですが、最終的にその負担は法人がしているのでしょうか。
 例えば、法人市民税を少し上げたとしましょう。法人の税引き後の利益が減り、自己資本に充てる金額や配当が減ったならば、その税金は法人(つまるところはその株主)が負担したといえます。
 しかし上場会社などの場合、配当が減るとその株の人気がなくなり株価に影響することとなります。それがいやなので、配当や自己資本のためのお金を維持しようと思った場合二つの方法があります。
 一つは自社が売る製品やサービスの値上げをすること、もう一つは生産のための調達を安くすること、より端的にいえば仕入を安くするか賃金を下げることとなります。
 前者のように製品の価格などに転嫁させることを経済学では「前転」、後者のように賃金などに転嫁させることを経済学では「後転」というようです。前転する場合は税の実質的な負担は消費者に、後転する場合は労働者にかかることになります。
 実際にはどちらか一方ではなく、両方起こることもありますし、一部株主が負担することもあります。
 実はここで終わりではなく、例えば前転させて価格を上げた場合、需要が減って売上の量が減ることが考えられます。その場合は利益が減少し、一部株主が(場合によっては労働者が)負担することとなります。
 実際に最終的な負担がどのようになるかは、かなり複雑で経済学の教科書の一章を割くほどのテーマです。
 一般論としていえば、独占的な市場(電力とか鉄道とか)では前転することが多く、競争が厳しい市場では後転することが多いことが予想されます。(その理由は考えてみてね。)
 また固定資産税は地主にかかるともいえますが、家賃に転嫁されれば賃借人が負担しているともいえます。賃借人が企業で営利活動を行っているのであれば、法人市民税と同様のまた長い説明がこの後に続くことになります。
 仮にある市が増税して(今の制度だと一つの市だけが突出して増税するのは難しいのですが、仮にできたとして)、税負担を嫌う市民が他に移住した場合には、得られるべき税金が0になるので、その分は残った市民が負担するといえるのではないでしょうか。
 ことほどさように、税の最終的な負担者を特定することは難しいものなのです。

2009年7月13日月曜日

市民と税金 税金関係のまとめ

市民と税金
 今回は税金関係のまとめです。平成19年度決算に基づくもの。

 前回までの結果をまとめたものです。
 一旦都に入った後に日野市に一定割合が交付されるものは、上記の図では全て東京都への流れにして、一部が日野市へ流れるフローとしています。一旦地方消費税分を含めて国が徴収するものも同じ扱いとしました。
 これを見てどう思うかは人それぞれかと思います。
 国が多いな・・・。と思ったでしょうか。
 これが多いか少ないかは、どう使われているかにもよろうかと思います。
 この連載はしばらく充電期間とし、次はどう使われているかを追ってみたいと思います。

(参考)これまでの連載
 ①所得税・都民税
 ②利子関係
 ③株式関係(配当・譲渡益)
 ④法人税・法人都民税・事業税
 ⑤固定資産税
 ⑥たばこ関係の税
 ⑦消費税・地方消費税
 ⑧自動車関係の税
 ⑨その他都税
 ⑩相続税・贈与税
 ⑪酒税
 ⑫エネルギー関係の国税
 ⑬その他国税

2009年7月12日日曜日

市民と税金 その他国税

市民と税金 その他国税として今日は関税、印紙税、登録免許税を取り上げます。
 いずれも間接税です。
 関税は消費税に比例、印紙税と登録免許税は人口に比例すると仮定しました。
 印紙税はほとんどが法人が払っていると思われますが、最終的に消費者に転嫁されると想定しました。
 登録免許税は土地建物に係るものが多いので、実際には不動産取得税額の比例に近いのでしょうが、不動産取得税自体想定で日野市分の負担を想定しているような状況なので、人口割にしてみました。(実際にはこれより日野市民の負担額は多かろうと思われます。)
 関税の総額は9,410億円
http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
 消費税は全国で10兆2719億円、日野市分の推計が145.59億円より(記事はこちら参照)
 ゆえに9,410×(145.59/102719)=13.34億円
 印紙税の総額は2,144億円
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 2,144億円×(17.2659万人/12,777万人)=2.90億円
 登録免許税の総額は6,359億円
  http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001032538
 6,359億円×(17.2659万人/12,777万人)=8.59億円
 となります。

 以上、一通り紹介したはずです。
 かなり雑駁ですが。
 次回はこれまでのものをいったんまとめてみます。

2009年7月11日土曜日

市民と税金 エネルギー関係の国税

今日は一気に揮発油税+地方道路税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発促進税を紹介します。
まずは税の概要から
 揮発油税+地方道路税はいわゆるガソリン税。昨年話題になりました。ガソリンにかかる税金です。直接払うのはガソリンスタンドですが、実質的にはガソリンを使う人が払うことになります。
 石油ガス税は、天然ガスのタクシーの液化天然ガスにかかる税金。直接支払うのはスタンドですが、実質的にはタクシー会社さらにはタクシーの利用者に転嫁されているものと思われます。
 航空機燃料税は、航空機の所有者・使用者が積み込まれた燃料の量に応じ負担するもの。国内線のみにかかるもののようです。これも間接的に乗客が負担していると思われます。
 石油石炭税は原油・輸入石油・LNG・石炭の輸入者(採掘者も)にかかるもので、実質的に消費者に転嫁されていきます。ちなみに、ガソリンにはまずこの石油石炭税がかかり、上記のガソリン税がかかり、最後に消費税がかかります。
 電源開発促進税は電気代にかかっている税金。意外と知らせていませんが、1,000kwhにつき375円かかっています。
 間接税なので、日野市民がどれだけ負担しているかはかなり大胆な想定を置かないとわかりません。ここでは可能な限り簡単な方法ということで、
 ガソリン税は自動車の保有台数。その他は人口に比例するものとしました。
 まずそれぞれの税の税収は、
 揮発油税+地方道路税3兆1209億円
 航空機燃料税 1,046億円
 石油ガス税   274億円
 石油石炭税  5,779億円
 電源開発促進税 3,522億円
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 自動車保有台数は日野市平成19年度末 52,119台
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0510u.htm
  全国では7,908万台
 したがって日野市の占める割合は 0.0659%①
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
 人口は日野市172,659人 全国12,777万人
 したがって日野市の占める割合は 0.1351%②
 ガソリン税は①をその他は②を掛けると
揮発油税+地方道路税20.57億円  航空機燃料税 1.41億円  石油ガス税   0.37億円  石油石炭税   7.81億円  電源開発促進税 4.76億円
 となります。  これらは目的税なので使途が限られています。
 それがどのように使われているかは後日(いつになることやら)。  

2009年7月10日金曜日

市民と税金 酒税

今日は酒税です。
 酒税は間接税のひとつ。国税です。
 間接税は直接税を納入する人と、実質的に負担する人が違うので日野市民がどれぐらい負担したかを知ることは困難です。
 仮に人口一人当たりの納税額が同じとして計算することにしました。
 東北地方は一人当たりの酒量が多いとか、東京の方が高級酒が多いとかいろいろな変動要素はあろうと思いますが、考え始めるときりがないので。
 平成19年の酒税収入は1兆5,244億円。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sake2007/shuzei.htm
 ゆえに
 15,244億円×(17.2659万人/12,777万人)=20.6億円
 結構飲んでるもんですね。

2009年7月7日火曜日

日野市民と税金 相続税・贈与税

日野市民と税金 今回は相続税と贈与税です。

 ちなみに相続税と贈与税は両方とも相続税法により定められています。

 両方とも国税です。市税とリンクしない国税を調べるのは結構大変です。
 一つは市町村単位ではなく税務署単位で集計されているので、日野市の部分だけを取り出せないこと。もう一つは税務署単位の情報が出るのが遅いこと(最新は平成18年度)、もう一つは国税庁の統計数字と財務省の統計数字が違っていたりすること。

 ということで、正確な計算は困難ですが、割り切って計算してみましょう。

平成19年度
 東京国税局内の相続税の納税額は 5,946億円。贈与税の納税額は464億円。
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sozoku2007/sozoku.htm
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/zoyo2007/zoyo.htm

平成18年度
 東京国税局内の相続税の納税額は5,645億円。
 日野税務署管内の相続税の納税額は58.1億円。贈与税の納税額はわかりません。
 http://www.nta.go.jp/tokyo/kohyo/tokei/sozoku.htm

 日野税務署管内の納税額の東京国税局内に占める割合は一定、及び日野税務署管内の市の納税額は人口に比例すると想定して計算します。
 ちなみに東京国税局の管轄は東京都、千葉県、神奈川県、山梨県。
 日野税務署の管轄は、日野市、多摩市、稲城市。人口397,144人

 上記より
 日野市民が支払った相続税は
 5,946×(58.1/5,645)×(172,659/397,144)=26.61億円
 贈与税は
 464×(58.1/5,645)×(172,659/397,144)=2.08億円
 と推定されます。
 

2009年7月4日土曜日

市民と税金 その他都税

その他の都税として、個人の事業税、不動産取得税、軽油引取税があります。
個人の事業税、不動産取得税は日野市分は八王子都税事務所に集まります。
 八王子都税事務所の管轄は南多摩と西多摩です。
 残念ながらまだ平成18年度までの情報までしかありませんが、
不動産取得税は53.27億円①、個人事業税40.14億円②
 この地域の人口は1,745,824人③。日野市の人口は172,659人④。
 なので、人口当たり同じとすると日野市分は
 不動産取得税5.27億円(①×④/③)、個人事業税3.97億円(②×④/③)、と推定されます。

 軽油引取税は同じ都税でも多摩の分はほぼ全て立川都税事務所に集められます。
  八王子+立川と税事務所で37.99億円⑤ 多摩地域の人口は4,016,835人⑥
  人口当たり同じと想定すると日野市分は1.63億円(⑤×④/⑥)と推定されます。
 
 
 

2009年7月2日木曜日

市民と税金 自動車関係の税

自動車関係の税はいろいろあります。
 自動車を買うときにかかる税としては、自動車取得税(都道府県税)
 所有しているときにかかる税として、自動車税(都道府県税)、自動車重量税(国税)があります。
 都税事務所は立川と八王子にしかなく、しかも自動車関係の都税は自動車税事務所が別にあるので、そのため日野市民が納めた税金を直接に知ることはできません。
 平成19年度の自動車税の東京都全体の納税額は1211億円①、自動車取得税は456億円②。
 東京都の人口は平成20年1月1日で12,433,235人③、自動車保有台数はH19年度末現在3,417,158台④。
 一方日野市の人口は同日付けで人口172,659人⑤、保有台数は52,119台⑥。
 仮に納税額が人口に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑤/③=16.82億円
   自動車取得税は②×⑤/③=6.33億円
 納税額が自動車保有台数に比例すると仮定すると
   自動車税は①×⑥/④=18.47億円
   自動車取得税は②×⑥/④=6.95億円
 となります。
 参考HPhttp://www.tax.metro.tokyo.jp/tokei/kessan_h19.htm都税統計情報
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/tn-index.htm東京都統計年鑑

 自動車重量税の総額は7398.57億円(総額)平成19年度
  http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
  日本の自動車保有台数は平成19年度で5016万台。
   http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
  人口に比例するとすると10.00億円
  保有台数に比例するとすると7.69億円 支払っていることになります。
  

2009年6月30日火曜日

市民と税金 消費税について

今回は消費税についてです。

1 消費税の仕組み
 現在消費税は5%ですが、そのうち4%は国税である消費税、残りの1%は地方消費税です。
 地方消費税は、いったん全額国が集めて最終的に各都道府県と各市町村に配分されます。


 消費税は事業者が物品を仕入れたりやサービスを受ける際にもかかりますが、これらのものは、販売価格に上乗せされて最終的に消費者が負担することになっています。
 売上に合わせて受け取った消費税を全て国に払うのではなく、仕入れたときに支払った消費税分を差し引いた分のみを払うことで、消費税が二重三重にかからないような仕組みになったいます。
 この仕組みについ 詳しくは国税庁のこちらのページを参照。 http://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/syouhi/mokuji.htm
 
2.地方消費税の配分
 消費税を最終的に負担しているのは、一人ひとりの消費者ですので、本来は日野市民が支払った地方消費税分が日野市の歳入となるべきでしょうが、各市町村や都道府県の人がそれぞれ実際にいくら消費したかはわからないので、一定の基準を設けて、配分しています。
 ①まず、国に集まった地方消費税は「各都道府県ごとの消費に相当する額」で各県に配分されます。
  具体的には、地方消費税額の3/4を小売・サービス統計の数値で配分
                同じく1/8を人口で、残りの1/8を就業者数で配分します。
  これで各都道府県への配分が終わりました。
 ② 各都道府県に配分されたもののうち半分は都道府県が取ります。
 ③残りの半分を各市町村に配分します。
   半分のうちのさらに半分すなわち1/4を従業者数で配分。
                   残りの1/4を人口で配分します。


3.配分の考え方について
 ところで、消費税って最終的にすべて消費者が負担するものなのに、なぜ従業者で配分するの?
 という疑問があろうかと思います。これについては、すべて人口割りにすべしという考え方もあるようですが、そうすると千代田区とか配分が何十億円という単位で減るのでいまさら難しいのかもしれません。


4.さて日野市民はどれぐらい負担しているかという話
 日野市の地方消費税交付金は1,819,857千円。
  一人当たり10,540円/年(消費税総額ベースでは105,400円)
 これが日野市民が負担したものとイコールと想定すると
  都には同額の地方消費税すなわち約18.20億円
  国にはその8倍の約145.59億円を支払っていることになります。

5.別の計算
 ちなみに国の消費税の総額は10兆2719億円
http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
 単純に日本の人口で割ると80,393円負担していることになり、4.での計算より24%ぐらい少なくなっています。
 その理由として考えられるのは、小売サービス統計で都道府県間を配分しているので東京都への配分が多く、東京都に属している日野市は配分が多くなること。もともと全国平均より消費している(=消費税を払っている)のかもしれませんが。