2010年4月15日木曜日
動画版コメンタリー 都や国との関係
2010年3月27日土曜日
気になる本 孟子
2010年3月21日日曜日
講演会に参加しました。
- 「公は『市民の公共』のみがあり、『官の公共』など存在してもらっては困る」
- 「公は市民だから、官が公を名乗ってはいけない。」
- 「市民と行政が対等であることをことさら強調する行政があるが、対等以前に市民が主人であることを忘れてはいけない。」
- 「市長が市民協働で決めることは義務であり、「広い心で市民の話を聞いてやろう」というものではない」
- 「補助金は既得権になりやすい。我孫子では補助金は3年で一回必ず廃止する。」
- 「市民が怒り狂っているところに正面から向き合うことが重要。」
- 「市民同士が話し合って合意を作ることが重要。市はそれをコーディネートする役割。」
- 「分権というのは国が市に権利を分けてやるのではなく、主権者たる市民が、配分の仕方をかえるもの」
2010年3月9日火曜日
中学校の再利用 階段の段差基準がネック
2010年2月3日水曜日
国土交通省の新しい予算の考え方
2010年1月31日日曜日
住民投票条例を自治体に義務付け?
2010年1月25日月曜日
総務省地域行財政検討会議
2009年12月24日木曜日
税制改正大綱が閣議決定されました。
リンクはこちら(PDF注意)。今年はなんと、113ページもあります。
昨年まではこんなになかったような。読んでみると税制のあり方の考え方から書いてあるので、ボリュームが増えていると思われます。
最初にこれまでの社会経済状況の変化を解説し、これまでの税制に対して、①社会の変化に対応していない、②既得権益の見直しがされていない。と評価しています。その上で、①セーフティネット②経済活性化③財政健全化の3つは一体の関係にあるとしています。
また地方主権が重要としています。
具体的に地方の財政に影響する項目としては、
個人住民税:各種控除の見直し。将来的には現年度課税化の検討も行われるようです。
法人住民税:財源の偏りが少ない方向への見直し(将来対応)
固定資産税:課税ベースを減らす特別措置の見直し。
また国との関係については、今後国の権限を減らし財源の移転を図るそうです。
まだ前半の部分しか見ていませんが、ここまで見ると歳入としてはプラスの方向のようですが、子ども手当が地方の負担が生じるという話もあり、最終的にどうなるかは見えない部分が多いです。
なお、最後の方のページは統計データとして参考になります。
法人の税負担はスウェーデンよりも高いらしい。もっとも社会福祉費用の負担を含めると、スウェーデンの方が負担が多いらしいですが。とはいえ、企業が進出先を考えるときに日本とスウェーデンを比較検討する会社はほとんどなくて、日本は法人税も社会福祉も安い中国と比較されるというところがつらいところですが。
今後、税制改正要綱、さらに具体的な法案となっていくのにあわせて、トピックとして取り上げる予定です。
2009年12月8日火曜日
地方分権改革推進委員会 第4次勧告
第97回では第三次勧告(案)だったのに、なんと11月9日の第98回では第四次勧告(案)!しかも最終報告とのこと。ちょっと唐突な感じもあるが、政権交代の影響?
勧告のページはこちら。今回は自治体の財政権を重点としていますが、勧告というよりも課題を提示しているようです。
2009年11月18日水曜日
まちづくり研究はちおうじ
「まちづくり研究はちおうじ」
八王子市が設置する自治体シンクタンクとのことで、大体年に1回ぐらい報告書を出しているようです。
第6回がHPに発表されています。
お勧めは首都大学東京の大杉教授の講演録(PDFファイル)。
1年以上前に行われた「八王子市民参加条例講演会」の内容です。
地方分権と市民参画の意義についてわかりやすく、なおかつ説得力がある説明がされています。
財政とは直接関係ありませんが、お勧めです。
その他にも、道州制の話題や公文書の在り方、地域分析の話もあり、充実しています。
相模原市も「さがみはら都市みらい研究所」を持っており、さすが50万人以上を擁する都市の力というものを感じさせます。
といいつつ、日野市は八王子市と合併すればよいかというと、例えば八王子と一緒になって70万都市になったら果たして今の行政との距離感で協働で財政白書が作れるのだろうか?と思うと、正直自信がありません。その意味では健全財政を考える会にとっては今の規模感と距離感がよいような気もします。
単なる慣れかもしれませんが、市民の財政白書ができているところが概ね20万人ぐらいまでの市であるのも偶然ではないのかもしれません。(もちろん札幌や町田のような例外もあります。)
2009年11月13日金曜日
財務省査定もネット公開へ 事業仕分けにならう
「藤井裕久財務相は10年度予算編成で、財務省による査定の状況をインターネット上で公開する考えを明らかにした。主要事業 を対象に、省庁が 予算を要求する理由や、要求を切り込む財務省の意見を文書で紹介。予算編成の過程を見えやすくし、無駄の削減につなげる狙いだ。」
一般公開で始まった「事業仕分け」にならい、これまで公表していなかった財務省とのやりとりを公開しようともの。
実は予算編成の公開は滋賀県の草津市で行われています。(記事はこちら)
このように地方自治体のほうが進んだ取組をしている事例もあるので、何でも国が決めるのではなく、これからは地域がそれぞれ知恵を出して国のほうが学ぶ時代になるのではないでしょうか。そのためにも是非地方分権を進めるとともに、住民も相応の覚悟を持つ必要があるのではないかと思います。
2009年11月3日火曜日
地方分権改革推進委員会 第三次勧告
10月7日ですが。。。
第三次勧告の重点は、地方立法権の拡大による「地方政府の実現」
特に義務付け枠付けの見直し及び条例制定権の拡充に力点が置かれています。
枠付けというのがいまいちわからない言葉なのですが、「義務付け枠付け」の具体的な見直しとして
1 施設などの設置・管理基準
2 国や上位団体の協議・同意・許可・認可
3 計画の策定や手続きの義務付け
があげられており、これで少しはイメージできるかも。
推進委員会の中で片山元鳥取県知事から「地方分権に対して、立法・司法がリテラシーがない」との発言をうけてか、法律策定の際に地方分権に抵触しないか手続きを確立すべしとの勧告がされています。
政権交代となりましたが、「内閣を挙げて速やかに取り組む」とのこと。
ところで、委員会の中の各省庁からの発言を見ると「基準を決めないとサービス低下になる」というような主旨が多いのですが、地方自治体を馬鹿にしているのかと思う。サービスを低下させたら一番最初に矢面に立つのはそれぞれの地方自治体。そう簡単にできるわけがない。
むしろ今までは「これが基準ですから」といって納得させてきた面もあるのではないか。これからはサービスの水準の根拠を他人に求められなくなるという意味で、それぞれの地方自治体にとっても大変なことといえるでしょう。
一方財源はいくらでもあるというわけではありません。どのサービスレベルがよいか市民と行政が一緒になって考えないといけない時代になったと思います。その中で出てくる解は全国一律ではないのは当然といえます。
もちろん自治体にそれだけの力があるのかとか、財政力によって差がつくのではないかという議論はあるのですが。
自治体に基準が決められるわけがないという根拠のために「介護保険の基準は200ページもある」という話が出たそうですが、はっきりいってそんなにこまごまとした基準が(しかも全国一律で)あること自体がおかしいと思わなければならないのだと思います。
2009年10月24日土曜日
地方自治体における政治主導2
今回は「地方自治体における」場合について考察してみました。
○政治主導=議会主導?
地方自治体は二元性で、議会は行政をチェックする役割であることを考えると議会主導で政策を決定し、行政を運営するというのは変。
○政治主導=市長指導?
市長がリーダーシップをとることが政治主導なのでしょうか?市長は(副市長を外部から呼ぶことがあるかもしれないが)基本的に一人であり、内閣のような形での政治主導とするにはかなり無理がありそうな気がします。
○国と地方自治体の違い
国政と比べて地方自治体は、一人ひとりの国民・市民と行政との距離が近い。
国政の場合は直接的に国民の声を聞くというのは無理があるので、国民が直接選んだ議員から選ばれた内閣を主導とすることで、国民の声を政策に反映させるという考え方があったのではないか。
市政で考えると、直接的な市民の声を聞くルートはいろいろ開発されつつあり、単に市民から選ばれた市長がトップダウンで方針を示していくということのほかに、直接市民の声や知恵を取り込む方法を考えていくことが、地方において政治主導が目指す実質を実現することになると思われます。
もっともこれは市町村の規模によって具体的なあり方はそれぞれ異なると思いますが。
○国と地方との関係
地方で政治主導という言葉があまり使われないのは、つまるところ国主導だったからではないか。
市長は市民から選べているが、行政として何をやるか、どうやるか、お金はどうするかということについて、市民の声を反映しようにも国や都道府県にほとんどを決められてしまい、市として裁量を発揮する余地は限られていたように思われます。
市民にとっては、政治家が決めたものであれ、中央官庁の完了が決めたものであれ、国の基準として上からドーンとくるのでは、どちらでも対して変わらない(悪さ加減という意味で)と思います。
政治主導が国民・市民の声の反映を目指しているものであれば、地方分権というのは必然の流れになってくるのではないでしょうか。
2009年9月8日火曜日
地方分権改革推進委員会第三次勧告
政権交代を控え、報じ方としては
①勧告の内容を官庁の抵抗を超えて実行できるか問われている
②自民党政権下でできた委員会の立場は微妙、さらなる分権を
の2つぐらいの方向があるようです。
分権委員会の各回の議事を見ると、各省庁がひたすら権限を手放すまいと抵抗する様子がこれでもかと見えるので、「さらなる分権」の前にまずこの勧告(第一次と第二次を含めて)をしっかり実行できるかというところではないかと思います。
2009年8月21日金曜日
地方分権改革推進委員会がすごい その2
第18回委員会での片山元鳥取県知事のお話が大変面白いので改めて取り上げます。話が率直でわかりやすく、鋭いところが(遠慮のないところ)がすばらしい。
資料はこちら(PDF)お話(議事録)はこちら(PDF)。
興味深いところをかいつまんで。
・機関委任事務が廃止され、通達行政が廃止されたはずだが、国と地方の意識が変わっていないので「助言」という名前の通達行政だらけ。「助言」といいつつ従わなかったらとんでもないことになる、というような内容を含んでいる。
中でも一番行儀が悪いのが総務省。平成17年に集中改革プランを作れという指示をだした。行政改革は国から言われてやるものではない。国から向こう5年間で○%職員を削れとか小突き回されてやることではない。
・地方自治体は自分の責任で借金できない。成年後見制度と同じ。貸してもくれない、担保を出すわけでもない、保証人になるわけでもない相手(国のことです)のところに頭を下げて了解をとらなければならない。しかも総務省と財務省に同じことを説明しないといけない。
・三位一体改革でますます悪くなった。義務教育国庫負担金という自治体でコントロールできないお金を一般財源化した。スリム化のしようのないものを一般財源にしただけで貧富の差が拡大した。
・財政健全化法は憲法違反。破綻しデフォルトしたら困る人がチェックできる仕組みにすればよいだけの話。夕張にあれだけ無造作に銀行が貸し込んだのはリスクがないから。財政健全化法は住民に公表しなさいというが実際は蚊帳の外。金融機関に対しては総務省が再生計画の中で全額返すように案配してあげるから安心して貸しなさいという法律。
これではリスク感覚を持てず、こんなのはだめ。
・立法、司法の地方分権に対するリテラシーが低く、とんでもない法律・判例が出ている。
・説明責任は国に対してあると思っているところが多い。集中改革プランを作って議会に説明もせず、執行部がさっさと国に持っていって、ほめてもらって喜んでいる。ましてや住民に対してパブコメしたところはなほとんどない。
・ほとんどの自治会の議会では「八百長と学芸会」をやっている。
・歳出と税制が分離している。本来は仕事の量に応じて税率が決まるのが国際標準だが、日本は仕事を多くしても税率は国が決めているので変わらない。破綻するまで仕事をしてしまうということになりかねない。
等々、是非議事録の方をお読みになってください。
2009年8月9日日曜日
国に翻弄される財政構造 地総債や交付税削減
毎日新聞 2009年8月4日 地方版より
総選挙特集の中の記事
「借金の原因はお前だ」「何であんな大きいものを造ったんだ」--。黒石市ぐみの木3のスポーツを主体とした多目的施設「スポカルイン黒石」館長の吉田安宏さん(65)は、約10年前に市関係者から言われたことを思い出す。
「みんな承知の上でやったのに」と、変わり身の早さにショックを受けた。
スポカルインは5000人規模を収容するアリーナを擁し、96年4月に開館。
旧自治省(現総務省)の地域総合整備事業債(地総債)を活用し、総事業費38億9000万円をかけた。市はほかに、地総債を使って「津軽伝承工芸館」(総事業費約32億円、99年完成)を建設。
スポカルインは全体の75%まで起債が認められ、うち30~55%が原則交付税措置がなされ、伝承工芸舘は90%まで起債が可能だった。市は両施設とも指定管理者制度を取り入れ、管理運営費がともに単年度で約5500万円で、昨年度は約400万円の黒字となった。
スポカルインの建設当時、黒石市教委にいて計画に携わった吉田さんは「『市は少ない持ち出しだけで建物を建てられる』という甘いわなが仕掛けられていた」と振り返る。 (中略)
国の政策に踊らされ、苦い経験をした黒石市。(中略)鳴海市長は「財政的な苦しみを抱えていながら国が『(起債を)許可します』というと、自治体はぱっと飛びつく。この構造を変えないといけない」
この記事で気になったのが、地方総合整備事業債。ちょっと聞いたことがなかったので調べてみる。
地方財政情報館財政用語小事典(http://www.zaiseijoho.com/deco/deco_t-14.html)によると、
(おそらくは景気対策のために)大型の単独事業に対して許可された地方債で、その元利償還金に対して交付税措置されるのが特徴。まずは建設した年度の事業費の一定割合(例えば15%)が基準財政需要額に加算され、後年の元利償還金に対しても財政力に応じて30%~50%が基準財政需要額に加算されるとのこと。
通常記事であるようなスポーツ施設や文化施設を単独事業で作った場合、経常収支的にみると
①作った年はプラスマイナス0(臨時的な歳出なので)
②それ以降の年は維持管理費及び公債費の分、悪化の方向 となります。
(基準財政需要額は±0なので、よくなることはありません。)
となりますが、この制度を使うと、
①作った年は±0又はプラス(!)
(交付税措置が普通交付税の場合はプラス。特別交付税の場合は±0)
②それ以降の年は悪化の方向だが、交付税が増えるので通常よりは影響が少ない。
ということになります。
よくよく考えれば、例え「お金を借りていいよ」といわれても返すのは自分自身。交付税措置をしてくれるといっても、そもそもの交付税が年々減らされる方向にあるので、思ったほどは措置されないというのが実態ではないでしょうか。
その上に維持管理費もかかることを考えると、まさに「甘いわな」といえるでしょう。
日野市がこの制度を使ったかどうかは不明ですが、この制度を使うメリットがそもそもない(交付税措置されても不交付団体なので入るお金はぜんぜん増えない)ので使っていないのではと推測しています。
2009年8月5日水曜日
地方分権改革推進委員会がスゴイ
委員会で配布されている資料などがすごい。
○すごいその1 制度の概要がわかる資料
委員向けの説明は一回20分程度、その中で要点がわかるように整理されています。
なぜ国が関与すべきかの言い訳的な資料も多いのでその点は割り引くとしても非常に参考になります。
特に
地方税制→第72回
地方財政→第11回
道路特定財源→第45回
生活保護 →第42回
国の出先機関 → 第33回
社会保障 → 第12回 はお勧め。
○すごいその2 豪華なゲスト陣
地方分権や税制、財政、公共経済の権威が続々登場し、資料を提出・説明・議論に加わっています。
このブログの中でのブックレビューで紹介した著者も多数。
有名どころでは、片山元島根県知事、経団連中村副会長、大田政策大学院大学教授、富田中央大教授(国債の歴史の著者)、小西関西学院大学教授、神野東大教授、土井慶応大学教授、元佐賀市長木下氏、橋本大阪府知事などなど。
○すごいその3 地方からの切実な声
地方懇談会の議事録とか、各知事や市長からの声(第15~17回)あたりは制度の実態が見えて面白い。
○すごいその4 猪瀬委員のするどい突っ込み他、充実した議論。
まだ議事録はあまり読んでいないのですが、提出資料をみるだけでも鋭さを感じます。
議事録でみる議論もものすごく中身が濃い。
地方行政・財政・地方分権に興味ある方はお勧めです。
各回の資料などはこちらのページで。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/kaisai-index.html
2009年7月22日水曜日
自治体システム ネットでソフト共有
現在市町村が別々にソフトをITメーカーに発注していますが、今後総務省はインターネット経由でソフトを共有する「クラウドコンピューティング」によりソフトの共有化と、導入経費の軽減を目指すとのこと。
地方分権改革推進委員会の第4回でも、わずかな制度改革でもコンピューターのシステム変更が強いられ、多額の改修費用を強いられるという問題が指摘されています。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai04/04gijishidai.html
(上記リンク、資料3露木委員資料参照)
こうした取り組みが市の財政にプラスになるとよいですね。注目すべき取り組みと思います。
2009年7月15日水曜日
地方分権改革推進委員会
地方分権改革推進委員会です。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html
2000年に地方分権一括法が施行されましたが、財源などまだまだ未完の地方分権。実はこれで終わったわけではなく、平成19年からさらにいろいろと議論がされているようです。
今回の重点は国の出先機関や国による義務付け・枠付け、第二次勧告まで出されています。
キーワードは(立法権、財政権を具備した地方政府としての)「完全自治体」、いろいろ抵抗はあるかと思いますが、是非実現してほしいところです。
(意見・勧告はこちら)
これらのまとまった資料も参考になりますが、面白いのが各委員会での資料。
既に89回開催されています。特に猪瀬委員などが提出している委員提出資料と議事録(議事要旨)が面白い。 とても全部目を通せるというものではありませんが、面白いものがありましたらまた紹介したいと思います。
今回のお勧めは第2回 猪瀬委員資料:議事録をあわせて読むと面白い。
資料 議事録(PDF)
第4回 議論 機関委任事務がなくなって、法定受託事務と自治事務になったけれども、法律により縛りが多く「法定自治義務」になっているという話。井伊委員の資料説明と議論が興味深い。
2009年6月21日日曜日
ブックレビュー 地方分権と地方自治
地方分権と地方自治 佐々木信夫著 勁草書房 1999年発行
この本は筆者が研究してきた「地方分権と地方自治」についての成果を体系的にまとめたものとして、いろいろな角度から問題提起をし、改革指針を探った ものとのこと。(本書はしがきより)
地方分権一括法施行前の少し古い本ですが、内容は今でも通じる部分が多い。基本的には行政の立場で分権化の中で、政策を作る主体として自立する自治体としていかにあるべきかに重点が置かれているように思います。
特に面白いと思ったところを何点か。
1.機関委任事務について
昨日のコラムで機関委任事務が法定受託事務になったことについて書きましたが、第3章の中で機関委任事務の問題点について、本来地方の代表であるべき市町村長が、国の地方機関としての役割を負わされ、なおかつ国の仕事なので、地方議会も異を唱えることができない状態になっていると問題点を指摘しています。
ちなみにその機関委任事務が都道府県で8割(!)、市町村で4割もあったのだそうです。
・昨日のコラムでは「変化がよくわからない」と書きましたが、法定受託事務になることでこれからは市町村長の自前の仕事となることで5年、10年経つうちに自分の地域にとって必要な仕事は拡大し、そうでないものは縮小するという具合に、「権限行使のやり方しだいで自治体行政は大きく変わる」と評価しています。
つまり、この改革を生かすかどうかはそれぞれの自治体に懸かっているというわけです。
2.自治体リストラ3つの側面
リストラというと業務の効率化、スリム化をまず思い浮かべますが、それはリストラの中でも「事業体のリストラ」という一側面の過ぎず、その他「政策体としてのリストラ」(政策を考える能力の向上)、「政治体としてのリストラ」(住民自治の活性化、特に議会の改革)が必要と指摘しています。
3.官僚主義の表れ方
アメリカの社会学者R・マートンが官僚制の問題として「あるべき官僚制像が職員に内面化されると期待とは逆の方向に過剰表出される」ことを指摘しています。つまり
①規律による原則を徹底 → 法規万能主義、手続きが細かく煩わしい
②公平無私を徹底 → 不親切で尊大横柄に
③明確な権限の原則 → たらいまわし、責任回避
④身分保障 → 仲間意識、特権意識
最近では
⑤住民参画・民間委託 → 必要以上に丸投げ を追加してもよいかもしれません。
このような官僚主義の罠にはまらないよう、住民に対して開かれた自治体づくりに向けた改革が必要としています。
官僚主義は民間企業にも当てはまる部分もあり、自らの問題として認識する必要がありそうです。
4.稟議制の理解の仕方
稟議制(計画や決定が末端の職員によって起案された稟議書を関係者に順次回覧してその印を求め、さらに上位者に回送して最後に決裁者にいたる方式)があるため、誰が究極の責任の帰属者かわからないという問題が指摘されています。
これに対して、この書では「上位者が印を押した時点で下位者の責任は消え、上位者の責任だけが残る」と考えるべきである。としている。「部長に代わってヒラが起案しているだけであって、ヒラがやりたいことを部長が追認しているというものではない。事件が起きたときに『俺は知らなかった』『俺ははんこを押しただけ』という言い訳は通用しない。」
と厳しい。アカウンタビリティの明確化が求められる現代において稟議制が問題なのではなく、その理解の仕方が問題としている。
