先日ニュースで取り上げた大阪市です。
大阪市の財政資料の中では「大阪市の財政の現状」をまず読むのがよいかと思います。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000041347.html
この中では、大阪市の財政が苦しい理由として、昼間人口が多くその分行政需要が大きいこと。
早くから都市基盤を整備してきた結果、施設の更新時期が来ていること。府や国からの還元が少ないこと。
をあげています。
一方ベッドタウンの市は「市民が外で稼いだ法人税収は入らず、住民であることによる需要は100%かかる」思っているでしょうし、また昭和40年代以降人口が急増したところは「多額の投資が後から必要になりそれが財政を圧迫した」(八王子市など)という見方をしているところもあり、「市外の人が稼ぐ法人税収が入り、既に都市基盤が整備されている」大阪市は財政的には有利なのではないか?とも思われます。
上記の条件は横浜市と基本は似たようなものであり、その差がどうして生じたかをちゃんと分析することが必要ではないかと思われます。
資料を見る限りの個人的な感じとしては、①大阪都市圏の活力の減退(市民税の税収が15年前より横浜は増えているが大阪は15%も減っている。) ②他の政令市と比較して保護率が圧倒的に高いこと(横浜市の3倍) ③職員数が非常に多い状態を長年続けてきたこと(近年大幅に減らしてきているがなお圧倒的に多い。)
が原因として大きいのではないかと思います。
2009年7月19日日曜日
大阪市財政資料
2009年7月18日土曜日
地方財政プラスアルファ 経常収支比率3
今回から具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について
1.道路を作りました
道路を作る費用は、臨時的な費用であり、そのための補助金や借入金も臨時的なものですので、経常収支比率の分子にも分母にも影響を及ぼしません。 以上、ちゃんちゃん。
・・・・・・ではありません。それは道路を作った年の話。
道路ができた後の年はどうなるかというと、その財源とその市が地方交付税の交付団体かどうかによって違いが出ます。
借入金なしで作った場合
~ その年以後の道路の維持管理のお金は経常収支比率の分子の部分になりますので経常収支比率が増える方向に動かします。日野市の場合は道路の維持費は年間約6千万。道路延長は約450kmなので100mぐらい作っても維持修繕費という意味では大きな影響はありません。(1kmあたり13.3万円ぐらい)
借入金で作った場合場合
~ その年以後の利払い及び元本の返還のための費用が、経常収支比率の分子の部分になりますので、上記より大きく経常収支比率を増加させることとなります。
一方、道路特定財源に基づく国などからのお金があります。(平成19年度は自動車重量譲与税、地方道路譲与税、自動車取得税交付金)これらは道路面積及び道路延長により比例配分されるため、道路が増えればその分これらの金額も増えることになります。道路特定財源といいながら、実は経常収支比率の分母である「経常一般財源」を構成するため、経常収支比率が減少(つまり改善)する方向に働きます。
ちなみにこれらの金額の合計額は平成19年度で約7.8億円。。。?
ということは、道路を作ると、分母の方の増え方が大きい→経常収支比率がよくなる、ということですかね?(他の市も同じ割合で道路を増やしていれば増えませんが。)
日野市のように地方交付税の不交付団体はここまでなのですが、多くの市町村は上記に加え地方交付税が交付されています。地方交付税の元となる基準財政需要額は、道路の面積や小学校の数などに応じて計算されますが、例えば平成20年度の基準財政需要額の計算では道路の延長1kmあたりの単位費用は26.2万円。つまり道路を1km作るとそれだけいろいろな費用がかかるので、26.2万円分、市に渡すお金を増やしましょうということ。
地方交付税は経常一般財源なので、経常収支比率を改善する方向に動かすことになります。
まとめていうと。
○道路と作ると維持管理費及び公債費(借入金で作った場合)の分 経常収支比率が悪化します。
○一方道路特定財源と地方交付税(交付団体のみ)が増加する分 経常収支比率が改善します。
トータルした場合、経常収支比率がよくなる場合も悪くなる場合も考えられます。
直感としては公債費を入れた場合は悪化し、そうでない場合は±0かやや改善すると思われます。
明確な結論がでなくてさえないコラムですねぇ。。。
2009年7月17日金曜日
大阪市、2015年度にも「破産」見通し
「大阪市は16日、今後10年間の市の収支見通しを発表し、新たな収支改善を行わなければ、2015年度にも自治体の破産にあたる「財政再生団体」に転落する、との試算を明らかにした。 市内企業の業績悪化による法人市民税の落ち込みなどが理由で、このままでは、12年度以降、年210億~610億円の財源不足が発生。15年度には累積赤字が1860億円に達し、実質赤字比率が財政再生基準の20%を超えるという。 市は、職員給与の平均5%カットなど今後2年間で総額約650億円の歳出削減策に着手している。平松邦夫市長は「現行の改革を確実に達成するのは当然として、歳出の精査や歳入確保策の検討に早急に取り組む」としている。 財政再生団体になると、地方自治体財政健全化法に基づき、財政再生計画の策定が義務づけられ、国の管理下で財政再建を行うことになる。」
記事の元となった発表資料はこちら。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000045614.html
大阪市は政令指定都市の中でも飛びぬけて経常収支比率が高く、職員数も多いのが特徴です。
財政関係の資料はこちら。
http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top/category/889-6-0-0-0.html
大阪市の財政白書的なものとして「大阪市財政の現状」「財政のあらまし」を発表しています。
実はまだ読んでいないので・・・・。大阪市の話題についてはまた記事をあげていきたいと思います。
2009年7月16日木曜日
財政用語プラスα 経常収支比率2
前回 経常収支比率= 経常経費充当一般財源/経常一般財源 となることをお話しました。
決算カードとつき合わせて、経常一般財源に含まれるものを列挙(一部推定)してみました。
①市税(都市計画税を除く)
②地方譲与税
③利子割・配当割・株式等譲渡所得割交付金
④地方消費税交付金
⑤自動車取得税交付金
⑥地方特例交付金
⑦地方交付税(特別交付税を除く)
⑧交通安全交付金
⑨使用料(道路・河川・公園のみ):推理
⑩財産収入(財産貸付収入):推理
⑪諸収入(預貯金の利子?):推理
○謎
○留意点
次回以降、具体的な財政的アクションと経常収支比率の関係を考察していきます。
2009年7月15日水曜日
地方分権改革推進委員会
地方分権改革推進委員会です。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html
2000年に地方分権一括法が施行されましたが、財源などまだまだ未完の地方分権。実はこれで終わったわけではなく、平成19年からさらにいろいろと議論がされているようです。
今回の重点は国の出先機関や国による義務付け・枠付け、第二次勧告まで出されています。
キーワードは(立法権、財政権を具備した地方政府としての)「完全自治体」、いろいろ抵抗はあるかと思いますが、是非実現してほしいところです。
(意見・勧告はこちら)
これらのまとまった資料も参考になりますが、面白いのが各委員会での資料。
既に89回開催されています。特に猪瀬委員などが提出している委員提出資料と議事録(議事要旨)が面白い。 とても全部目を通せるというものではありませんが、面白いものがありましたらまた紹介したいと思います。
今回のお勧めは第2回 猪瀬委員資料:議事録をあわせて読むと面白い。
資料 議事録(PDF)
第4回 議論 機関委任事務がなくなって、法定受託事務と自治事務になったけれども、法律により縛りが多く「法定自治義務」になっているという話。井伊委員の資料説明と議論が興味深い。
2009年7月14日火曜日
コラム 税金は誰が負担しているのか?
前回までのコラムで、日野市民がどれぐらい全体として税金を負担しているか見てみました。
間接税については最終的に負担している人と税務署に支払っている人が違うので、実際に市民がどれだけ払っているか見えにくいという話をしましたが、間接税だけでなく、直接税でも実際の負担者を突き詰めて考えると実は簡単ありません。
例えば、法人市民税を考えてみましょう。法人市民税は法人が払っているのですが、最終的にその負担は法人がしているのでしょうか。
例えば、法人市民税を少し上げたとしましょう。法人の税引き後の利益が減り、自己資本に充てる金額や配当が減ったならば、その税金は法人(つまるところはその株主)が負担したといえます。
しかし上場会社などの場合、配当が減るとその株の人気がなくなり株価に影響することとなります。それがいやなので、配当や自己資本のためのお金を維持しようと思った場合二つの方法があります。
一つは自社が売る製品やサービスの値上げをすること、もう一つは生産のための調達を安くすること、より端的にいえば仕入を安くするか賃金を下げることとなります。
前者のように製品の価格などに転嫁させることを経済学では「前転」、後者のように賃金などに転嫁させることを経済学では「後転」というようです。前転する場合は税の実質的な負担は消費者に、後転する場合は労働者にかかることになります。
実際にはどちらか一方ではなく、両方起こることもありますし、一部株主が負担することもあります。
実はここで終わりではなく、例えば前転させて価格を上げた場合、需要が減って売上の量が減ることが考えられます。その場合は利益が減少し、一部株主が(場合によっては労働者が)負担することとなります。
実際に最終的な負担がどのようになるかは、かなり複雑で経済学の教科書の一章を割くほどのテーマです。
一般論としていえば、独占的な市場(電力とか鉄道とか)では前転することが多く、競争が厳しい市場では後転することが多いことが予想されます。(その理由は考えてみてね。)
また固定資産税は地主にかかるともいえますが、家賃に転嫁されれば賃借人が負担しているともいえます。賃借人が企業で営利活動を行っているのであれば、法人市民税と同様のまた長い説明がこの後に続くことになります。
仮にある市が増税して(今の制度だと一つの市だけが突出して増税するのは難しいのですが、仮にできたとして)、税負担を嫌う市民が他に移住した場合には、得られるべき税金が0になるので、その分は残った市民が負担するといえるのではないでしょうか。
ことほどさように、税の最終的な負担者を特定することは難しいものなのです。
古河市へ日野自動車新工場進出計画 茨城
「トラック・バス製造販売の大手「日野自動車」(本社・東京都日野市)の茨城県古河市への新工場進出計画で、候補地の名崎通信所跡地(同市尾崎)の周辺道路に対し、市は9億5000万円の補正予算を盛り込み、拡幅化と延伸化に乗り出した。誘致に伴うアクセス道路の整備。市が具体的に動き出した格好だ。」
現在その跡地(64ha!)は県の開発公社が所有しているのだとか。現在の年間生産台数は約10万台で近い将来、20万台までの増産を計画していることから、新工場を進出させるとのこと。
このまま10万台の生産であれば、どちらか一方でよいことになってしまうからだ。20万台!といっているのは日野市と古河市を安心させようという気持ちもあるのかもしれない。
日野市民にとってはちょっと心配。今後とも動きに注目です。

