2009年7月14日火曜日

コラム 税金は誰が負担しているのか?

前回までのコラムで、日野市民がどれぐらい全体として税金を負担しているか見てみました。
 間接税については最終的に負担している人と税務署に支払っている人が違うので、実際に市民がどれだけ払っているか見えにくいという話をしましたが、間接税だけでなく、直接税でも実際の負担者を突き詰めて考えると実は簡単ありません。
 例えば、法人市民税を考えてみましょう。法人市民税は法人が払っているのですが、最終的にその負担は法人がしているのでしょうか。
 例えば、法人市民税を少し上げたとしましょう。法人の税引き後の利益が減り、自己資本に充てる金額や配当が減ったならば、その税金は法人(つまるところはその株主)が負担したといえます。
 しかし上場会社などの場合、配当が減るとその株の人気がなくなり株価に影響することとなります。それがいやなので、配当や自己資本のためのお金を維持しようと思った場合二つの方法があります。
 一つは自社が売る製品やサービスの値上げをすること、もう一つは生産のための調達を安くすること、より端的にいえば仕入を安くするか賃金を下げることとなります。
 前者のように製品の価格などに転嫁させることを経済学では「前転」、後者のように賃金などに転嫁させることを経済学では「後転」というようです。前転する場合は税の実質的な負担は消費者に、後転する場合は労働者にかかることになります。
 実際にはどちらか一方ではなく、両方起こることもありますし、一部株主が負担することもあります。
 実はここで終わりではなく、例えば前転させて価格を上げた場合、需要が減って売上の量が減ることが考えられます。その場合は利益が減少し、一部株主が(場合によっては労働者が)負担することとなります。
 実際に最終的な負担がどのようになるかは、かなり複雑で経済学の教科書の一章を割くほどのテーマです。
 一般論としていえば、独占的な市場(電力とか鉄道とか)では前転することが多く、競争が厳しい市場では後転することが多いことが予想されます。(その理由は考えてみてね。)
 また固定資産税は地主にかかるともいえますが、家賃に転嫁されれば賃借人が負担しているともいえます。賃借人が企業で営利活動を行っているのであれば、法人市民税と同様のまた長い説明がこの後に続くことになります。
 仮にある市が増税して(今の制度だと一つの市だけが突出して増税するのは難しいのですが、仮にできたとして)、税負担を嫌う市民が他に移住した場合には、得られるべき税金が0になるので、その分は残った市民が負担するといえるのではないでしょうか。
 ことほどさように、税の最終的な負担者を特定することは難しいものなのです。

古河市へ日野自動車新工場進出計画 茨城

MSNニュース 7/7
「トラック・バス製造販売の大手「日野自動車」(本社・東京都日野市)の茨城県古河市への新工場進出計画で、候補地の名崎通信所跡地(同市尾崎)の周辺道路に対し、市は9億5000万円の補正予算を盛り込み、拡幅化と延伸化に乗り出した。誘致に伴うアクセス道路の整備。市が具体的に動き出した格好だ。」

現在その跡地(64ha!)は県の開発公社が所有しているのだとか。現在の年間生産台数は約10万台で近い将来、20万台までの増産を計画していることから、新工場を進出させるとのこと。
 このまま10万台の生産であれば、どちらか一方でよいことになってしまうからだ。20万台!といっているのは日野市と古河市を安心させようという気持ちもあるのかもしれない。
 日野市民にとってはちょっと心配。今後とも動きに注目です。

2009年7月13日月曜日

市民と税金 税金関係のまとめ

市民と税金
 今回は税金関係のまとめです。平成19年度決算に基づくもの。

 前回までの結果をまとめたものです。
 一旦都に入った後に日野市に一定割合が交付されるものは、上記の図では全て東京都への流れにして、一部が日野市へ流れるフローとしています。一旦地方消費税分を含めて国が徴収するものも同じ扱いとしました。
 これを見てどう思うかは人それぞれかと思います。
 国が多いな・・・。と思ったでしょうか。
 これが多いか少ないかは、どう使われているかにもよろうかと思います。
 この連載はしばらく充電期間とし、次はどう使われているかを追ってみたいと思います。

(参考)これまでの連載
 ①所得税・都民税
 ②利子関係
 ③株式関係(配当・譲渡益)
 ④法人税・法人都民税・事業税
 ⑤固定資産税
 ⑥たばこ関係の税
 ⑦消費税・地方消費税
 ⑧自動車関係の税
 ⑨その他都税
 ⑩相続税・贈与税
 ⑪酒税
 ⑫エネルギー関係の国税
 ⑬その他国税

2009年7月12日日曜日

市民と税金 その他国税

市民と税金 その他国税として今日は関税、印紙税、登録免許税を取り上げます。
 いずれも間接税です。
 関税は消費税に比例、印紙税と登録免許税は人口に比例すると仮定しました。
 印紙税はほとんどが法人が払っていると思われますが、最終的に消費者に転嫁されると想定しました。
 登録免許税は土地建物に係るものが多いので、実際には不動産取得税額の比例に近いのでしょうが、不動産取得税自体想定で日野市分の負担を想定しているような状況なので、人口割にしてみました。(実際にはこれより日野市民の負担額は多かろうと思われます。)
 関税の総額は9,410億円
http://www.mof.go.jp/zeisyu/h19.htm
 消費税は全国で10兆2719億円、日野市分の推計が145.59億円より(記事はこちら参照)
 ゆえに9,410×(145.59/102719)=13.34億円
 印紙税の総額は2,144億円
 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 2,144億円×(17.2659万人/12,777万人)=2.90億円
 登録免許税の総額は6,359億円
  http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001032538
 6,359億円×(17.2659万人/12,777万人)=8.59億円
 となります。

 以上、一通り紹介したはずです。
 かなり雑駁ですが。
 次回はこれまでのものをいったんまとめてみます。

2009年7月11日土曜日

自治体財務書類を簡単検索 総務省がHPに新コーナー

共同通信 7/11

 「総務省は11日、全国の地方自治体の資産や債務の状況が分かる貸借対照表(バランスシート)などの財務書類を、インターネットで簡単に検索できるコーナーを、同省のホームページ(HP)に近く新設することを決めた。 」
 一般にも無料で利用できるものだとか。総務省の考えとしては、各市町村に連結財務諸表を作ってほしいので他の自治体の財務書類を参考にしやすくすること、自治体財政への住民の関心が高まっていること、他の自治体の財務状況を知りたいという行政側のニーズがあること。 に対応するものとのこと。
 決算カードなどの資料は総務省のページに今でもあるのですが、今度は各市へのリンクになるということでしょうか。
 確かに私も各市の財務資料の行脚はそれなりに時間がかかるなぁとは感じていましたが。ぜひとも早く設置されるとよいですね。

市民と税金 エネルギー関係の国税

今日は一気に揮発油税+地方道路税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税、電源開発促進税を紹介します。
まずは税の概要から
 揮発油税+地方道路税はいわゆるガソリン税。昨年話題になりました。ガソリンにかかる税金です。直接払うのはガソリンスタンドですが、実質的にはガソリンを使う人が払うことになります。
 石油ガス税は、天然ガスのタクシーの液化天然ガスにかかる税金。直接支払うのはスタンドですが、実質的にはタクシー会社さらにはタクシーの利用者に転嫁されているものと思われます。
 航空機燃料税は、航空機の所有者・使用者が積み込まれた燃料の量に応じ負担するもの。国内線のみにかかるもののようです。これも間接的に乗客が負担していると思われます。
 石油石炭税は原油・輸入石油・LNG・石炭の輸入者(採掘者も)にかかるもので、実質的に消費者に転嫁されていきます。ちなみに、ガソリンにはまずこの石油石炭税がかかり、上記のガソリン税がかかり、最後に消費税がかかります。
 電源開発促進税は電気代にかかっている税金。意外と知らせていませんが、1,000kwhにつき375円かかっています。
 間接税なので、日野市民がどれだけ負担しているかはかなり大胆な想定を置かないとわかりません。ここでは可能な限り簡単な方法ということで、
 ガソリン税は自動車の保有台数。その他は人口に比例するものとしました。
 まずそれぞれの税の税収は、
 揮発油税+地方道路税3兆1209億円
 航空機燃料税 1,046億円
 石油ガス税   274億円
 石油石炭税  5,779億円
 電源開発促進税 3,522億円
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kansetsu2007/kansetu.htm
 自動車保有台数は日野市平成19年度末 52,119台
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/tnenkan/2007/tn07qyti0510u.htm
  全国では7,908万台
 したがって日野市の占める割合は 0.0659%①
http://www.stat.go.jp/data/nenkan/12.htm
 人口は日野市172,659人 全国12,777万人
 したがって日野市の占める割合は 0.1351%②
 ガソリン税は①をその他は②を掛けると
揮発油税+地方道路税20.57億円  航空機燃料税 1.41億円  石油ガス税   0.37億円  石油石炭税   7.81億円  電源開発促進税 4.76億円
 となります。  これらは目的税なので使途が限られています。
 それがどのように使われているかは後日(いつになることやら)。  

2009年7月10日金曜日

市民と税金 酒税

今日は酒税です。
 酒税は間接税のひとつ。国税です。
 間接税は直接税を納入する人と、実質的に負担する人が違うので日野市民がどれぐらい負担したかを知ることは困難です。
 仮に人口一人当たりの納税額が同じとして計算することにしました。
 東北地方は一人当たりの酒量が多いとか、東京の方が高級酒が多いとかいろいろな変動要素はあろうと思いますが、考え始めるときりがないので。
 平成19年の酒税収入は1兆5,244億円。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/sake2007/shuzei.htm
 ゆえに
 15,244億円×(17.2659万人/12,777万人)=20.6億円
 結構飲んでるもんですね。