2009年7月22日水曜日

自治体システム ネットでソフト共有

日経新聞 7/19

 現在市町村が別々にソフトをITメーカーに発注していますが、今後総務省はインターネット経由でソフトを共有する「クラウドコンピューティング」によりソフトの共有化と、導入経費の軽減を目指すとのこと。



 地方分権改革推進委員会の第4回でも、わずかな制度改革でもコンピューターのシステム変更が強いられ、多額の改修費用を強いられるという問題が指摘されています。

 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai04/04gijishidai.html

 (上記リンク、資料3露木委員資料参照)



 こうした取り組みが市の財政にプラスになるとよいですね。注目すべき取り組みと思います。

  

2009年7月21日火曜日

地方財政プラスアルファ 経常収支比率4

地方財政プラスアルファ 経常収支比率 その4
 前回に引き続き具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について


2.学校を建て替えました
 1)作る年の話
  建物などの投資的な費用は、臨時的なものですので、経常収支比率の分子にも分母にも影響を及ぼしません。

 2)その後の年の話(歳出面)
  ①維持管理費
   通常新しい建物になると修繕費などが減るはずですが、新しい設備が入っている場合(例えばクーラーが入るとか)は逆に水光熱費が増えるケースも考えられるので一概にはいえません。
  ②公債費
   市債の借入なしで作った場合には影響がありませんが、借入を起こした場合には後年の経常収支比率を上げる方向になります。

 3)その後の年の話(歳入面)
  ①地方交付税
  地方交付税の算定根拠となる基準財政需要額を構成する要素として、学校の児童・生徒数、教室数、学校数があります。
  建て替えても児童や生徒の数が増えるわけでもなく、学校の統廃合をするとむしろ減る方向になります。 (小学校が1校減ると800~900万円ぐらい基準財政需要額が減る)

 学校に限らず、建物(福祉施設や文化施設など)を作っても基準財政需要額は変わりません。(特別交付税で考慮される可能性はありますが、特別交付税は経常一般財源ではない。)

 4)道路との違い
  費用を支出した年とその年以後の歳出の面では、道路も学校その他の建物も同じ扱いですが、交付税措置や道路特定財源などのため、同じ投資をした場合は道路を作った方が経常収支比率の面では有利になります。実際の歳入の面でも同様です。
 交付税措置や特定財源、経常収支比率だけで財政運営をしている市はないとは思いますが、道路だけ特別扱いされていることによるインセンティブ(より道路に費用をかけようという)が働いてないとも断言できないように思います。

2009年7月20日月曜日

Yahoo、Google 「市 財政白書」ランキング

7/14現在の「市 財政白書」検索ランキングを当ブログ図書室に掲載しました。
 http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/Home/ranking
 行の高さがそろわないのはご容赦ください。
 こちらの方は、半月に一回か月に一回ぐらいどれかを更新しようと考えています。
 ちなみに今回の検索ランキングでは八王子市が2冠を達成しました。当ブログと図書室もランクインしています。
 こういうランキングを載せているので、やや自作自演っぽいところもないではないですが

 ランキングについては当ブログにはよほど大きい動きがあるか、ネタ切れのときにのみ記事を出すこととします。

2009年7月19日日曜日

大阪市財政資料

先日ニュースで取り上げた大阪市です。
 大阪市の財政資料の中では「大阪市の財政の現状」をまず読むのがよいかと思います。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000041347.html
 この中では、大阪市の財政が苦しい理由として、昼間人口が多くその分行政需要が大きいこと。
 早くから都市基盤を整備してきた結果、施設の更新時期が来ていること。府や国からの還元が少ないこと。
 をあげています。

 一方ベッドタウンの市は「市民が外で稼いだ法人税収は入らず、住民であることによる需要は100%かかる」思っているでしょうし、また昭和40年代以降人口が急増したところは「多額の投資が後から必要になりそれが財政を圧迫した」(八王子市など)という見方をしているところもあり、「市外の人が稼ぐ法人税収が入り、既に都市基盤が整備されている」大阪市は財政的には有利なのではないか?とも思われます。
 上記の条件は横浜市と基本は似たようなものであり、その差がどうして生じたかをちゃんと分析することが必要ではないかと思われます。
 資料を見る限りの個人的な感じとしては、①大阪都市圏の活力の減退(市民税の税収が15年前より横浜は増えているが大阪は15%も減っている。)  ②他の政令市と比較して保護率が圧倒的に高いこと(横浜市の3倍) ③職員数が非常に多い状態を長年続けてきたこと(近年大幅に減らしてきているがなお圧倒的に多い。)
 が原因として大きいのではないかと思います。

2009年7月18日土曜日

地方財政プラスアルファ 経常収支比率3

地方財政プラスアルファ 経常収支比率 その3
 今回から具体的な行政のアクションと経常収支比率との関係について


1.道路を作りました
  道路を作る費用は、臨時的な費用であり、そのための補助金や借入金も臨時的なものですので、経常収支比率の分子にも分母にも影響を及ぼしません。 以上、ちゃんちゃん。
   ・・・・・・ではありません。それは道路を作った年の話。

  道路ができた後の年はどうなるかというと、その財源とその市が地方交付税の交付団体かどうかによって違いが出ます。
  借入金なしで作った場合
   ~ その年以後の道路の維持管理のお金は経常収支比率の分子の部分になりますので経常収支比率が増える方向に動かします。日野市の場合は道路の維持費は年間約6千万。道路延長は約450kmなので100mぐらい作っても維持修繕費という意味では大きな影響はありません。(1kmあたり13.3万円ぐらい)
  借入金で作った場合場合
   ~ その年以後の利払い及び元本の返還のための費用が、経常収支比率の分子の部分になりますので、上記より大きく経常収支比率を増加させることとなります。
  一方、道路特定財源に基づく国などからのお金があります。(平成19年度は自動車重量譲与税、地方道路譲与税、自動車取得税交付金)これらは道路面積及び道路延長により比例配分されるため、道路が増えればその分これらの金額も増えることになります。道路特定財源といいながら、実は経常収支比率の分母である「経常一般財源」を構成するため、経常収支比率が減少(つまり改善)する方向に働きます。
 ちなみにこれらの金額の合計額は平成19年度で約7.8億円。。。?
 ということは、道路を作ると、分母の方の増え方が大きい→経常収支比率がよくなる、ということですかね?(他の市も同じ割合で道路を増やしていれば増えませんが。)

 日野市のように地方交付税の不交付団体はここまでなのですが、多くの市町村は上記に加え地方交付税が交付されています。地方交付税の元となる基準財政需要額は、道路の面積や小学校の数などに応じて計算されますが、例えば平成20年度の基準財政需要額の計算では道路の延長1kmあたりの単位費用は26.2万円。つまり道路を1km作るとそれだけいろいろな費用がかかるので、26.2万円分、市に渡すお金を増やしましょうということ。
 地方交付税は経常一般財源なので、経常収支比率を改善する方向に動かすことになります。

まとめていうと。
 ○道路と作ると維持管理費及び公債費(借入金で作った場合)の分 経常収支比率が悪化します。
 ○一方道路特定財源と地方交付税(交付団体のみ)が増加する分 経常収支比率が改善します。
  トータルした場合、経常収支比率がよくなる場合も悪くなる場合も考えられます。
   直感としては公債費を入れた場合は悪化し、そうでない場合は±0かやや改善すると思われます。

 明確な結論がでなくてさえないコラムですねぇ。。。 

2009年7月17日金曜日

大阪市、2015年度にも「破産」見通し

読売新聞 7/16
「大阪市は16日、今後10年間の市の収支見通しを発表し、新たな収支改善を行わなければ、2015年度にも自治体の破産にあたる「財政再生団体」に転落する、との試算を明らかにした。  市内企業の業績悪化による法人市民税の落ち込みなどが理由で、このままでは、12年度以降、年210億~610億円の財源不足が発生。15年度には累積赤字が1860億円に達し、実質赤字比率が財政再生基準の20%を超えるという。  市は、職員給与の平均5%カットなど今後2年間で総額約650億円の歳出削減策に着手している。平松邦夫市長は「現行の改革を確実に達成するのは当然として、歳出の精査や歳入確保策の検討に早急に取り組む」としている。  財政再生団体になると、地方自治体財政健全化法に基づき、財政再生計画の策定が義務づけられ、国の管理下で財政再建を行うことになる。」
 
記事の元となった発表資料はこちら。
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000045614.html

 大阪市は政令指定都市の中でも飛びぬけて経常収支比率が高く、職員数も多いのが特徴です。
 財政関係の資料はこちら。
 http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top/category/889-6-0-0-0.html

 大阪市の財政白書的なものとして「大阪市財政の現状」「財政のあらまし」を発表しています。
 実はまだ読んでいないので・・・・。大阪市の話題についてはまた記事をあげていきたいと思います。

2009年7月16日木曜日

財政用語プラスα 経常収支比率2

経常収支比率の第2回です。
 前回 経常収支比率= 経常経費充当一般財源/経常一般財源 となることをお話しました。

 分子も分母も「財源」となっているのがややこしいところですが、前回の話を表でまとめると下のようになります。

 分母については「経常経費」のうち「一般財源」から払われている部分とご理解いただければと。
 それではその分母である経常一般財源が何から構成されるか見ていきましょう。
 決算カードとつき合わせて、経常一般財源に含まれるものを列挙(一部推定)してみました。
 ①市税(都市計画税を除く)
 ②地方譲与税
 ③利子割・配当割・株式等譲渡所得割交付金
 ④地方消費税交付金
 ⑤自動車取得税交付金
 ⑥地方特例交付金
 ⑦地方交付税(特別交付税を除く)
 ⑧交通安全交付金
 ⑨使用料(道路・河川・公園のみ):推理
 ⑩財産収入(財産貸付収入):推理
 ⑪諸収入(預貯金の利子?):推理

○謎
 地方税には普通税と目的税があります。目的税は使途を特定している税のはずなのですが、どういうわけか、都市計画税以外の目的税(事業所税・入湯税)も経常「一般」財源なのだとか。
 ちなみに都市計画税は「臨時」一般財源に分類されるらしいです。経常特定財源ならばまだわかるのですが。
 また地方譲与税や自動車取得税交付金といった道路特定財源もなぜか「一般」財源とされています。
 ネット上ではなぜそうなっているか?に関する納得できる説明を見つけることはできませんでした。

○留意点
 経常というと、安定してある収入というイメージがあり、HPによっては「毎年固定的に収入される」というような説明があったりしますが、経常一般財源には法人市民税が含まれ、金額面では変動要素が多く含まれています。
 ですから「経常一般財源=基本給」ではなく、「=賞与や手当てを含む給与」に近いと思われます。
 (賞与は景気によりなくなったりするので)
 したがって分母が固定的ではないので、毎年の経常収支比率は仮に経常的な支出が一定だとしても変動するものといえます。端的に言えば平成19年度(法人税収絶好調)の経常収支比率と平成20年度(法人税収ぼろぼろ)の経常収支比率とは単純に比較できない。むしろ毎年固定的に入る「経常的」歳入と考えるのならば法人税割を除いた(逆に都市計画税は加算してもよい気がするが)経常収支比率の方が指標としてはよいのかもしれません。

 次回以降、具体的な財政的アクションと経常収支比率の関係を考察していきます。