2009年4月14日火曜日
杉並区財政白書
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/library.asp?genre=203010
いままで調べた中では一番最初に発行しているかも。平成20年で10回目です。
○構成
・財政状況の分析(普通会計決算)
・財務諸表による分析
・事業別コスト計算
・ABC分析
・新しい財政健全化指標
財政状況の分析はスタンダード。 事業別コスト計算以下が特徴。
新しい財政健全化指標については今年は言及している市が多いです。
○参考になる説明
・歳入の内容と一般財源をひとつのグラフに統合。(折れ線の色が同じで見づらいところが残念)
・健全化指標の経緯について丁寧に説明がされています。
○分析の視点の特徴
・区債の残高の圧縮を大きなテーマとしています。
・事業ごとのコスト計算については、6つほどの事業を選択しています。(毎年いくつかのテーマを入れ替えているよう。) ごみ処理のコストについてはどの市町村でも課題となるので、いろいろな市で作って相互に比較できるようにできればよいですね。
○興味深く思ったこと
・平成18、19と区債の発行をしていない! 経常収支比率70%台の財政力だからできるのでしょうかねぇ。 比較的財政状況がよいときに借金を減らしておけば、今のような情勢では役に立つでしょうね。
・有料駐輪場事業 収入でコストのほとんどを回収!(6.9億の費用6.6億の収入)
しかも放置自転車が9千台から2.6千台に減少!
・ABC分析とはActivity-Based Costingの略。
ABC分析をGoogleで引くとパレート図による要因分析が紹介されていますが、それとは別。
活動基準原価計算で調べると出てきます。 ~私も説明できるほど理解してません。。。。
徴税コストの分析で滞納のないものは一万円あたりのコストが143円なのに滞納分は1100円にもなるというあたりが参考になって興味深い。
2009年4月13日月曜日
名古屋市長選 市民税10%減税で白熱
名古屋市シリーズ もう一本
4月10日 中日新聞
12日に告示された名古屋市長選、民主の推薦する河村たかし氏(60)が掲げる「市民税の10%減 税」に関する議論が白熱しているとのニュース。
「先に減税ありきで税収を減らすことで役所の無駄をあぶり出し、消費促進などの経済効果もあるとアピールするが、ほかの出馬予定者は実現性に疑問符を付ける。 河村氏の構想では、個人・法人市民税(09年度見込み2355億円)の10%を減税する。個人は1人年間1万5000円、法人は1社10万円程度、負担が軽くなる計算だ。 」
反対論としては「▽もともと納税していない低所得者層に恩恵がない▽財政に余裕ありと見なされ国や県の補助金を削られる▽起債も制限される▽財源はどうする−など。」
衆院総務調査室によると、「減税しても、起債制限や補助金を削られる法的な根拠はない。起債は以前は制限されたが、3年前の法改正で、減税しても総務相の許可があれば可能になった。」
市職員が懸念するのは補助金の方だ。補助金は市幹部が中央官庁に陳情して付けてもらう政治的な側面がある。減税したら「そんな余裕があるのなら補助金は要らないでしょ」と門前払いされるのではないかと。
ニュースに関してランダムにコメント
地方分権といいつつ、歳入については(法令上はともかく)ほとんど自治体の裁量の余地がないというのが、日本の現状であり、問題点といわれています。国の方針によって突然住民税が減税される一方で、自分が変えるのはたった10%でも大変というのはまさにこの点を象徴しているようにも思うのですが。
企業誘致のための一定期間固定資産税を減免したりというようなことはよくあるのですが、市民を誘致(?)するために住民税を安くするという話は聞いたことがないのですが。なぜでしょうねぇ。まあ個人の場合住民税の安さで住むところを決めるわけではないからでしょうかね。 逆に「高い住民税を払っても住みたい。」と思われる町を作ることが重要なのかも。
名古屋市さんの台所事情 家計に例えまとめる
読売新聞 4月9日より
「名古屋市は、市の厳しい財政状況と財政健全化への取り組みについて市民に理解してもらおうと、財政状況を一般家計に例えた「なごやの台所事情」にまとめた。市の2009年度一般会計当初予算額を、年収500万円(月収41万6700円)の1か月の家計に当てはめた。
支出は月収(税収など)だけではまかなえず、親からの支援11万2000円(国や県からの支出金1883億円)に加え、ローン6万1000円(市債 による借入金1025億円)に頼らざるを得ない状態だという。09年度のローン残高は1292万円(市債残高1兆8088億円)で、年収の2・6倍に上る。」
今月20日以後HPにあげるとのことなので、公開しだい別館図書室でリンクを張ろうと思います。
2009年4月12日日曜日
09年度一般会計:国債が税収上回る
「政府・与党が10日に決定する過去最大規模の追加経済対策により、09年 度の一般会計の総額は100兆円を超え、国の借金に当たる国債の発行額が戦 後初めて税収を上回る見通しとなった。」
補正予算による財政支出15・4 兆円、このうち積立金の取り崩しで3兆円、残る10兆〜11兆円を建 設国債と赤字国債の発行でまかなうとのこと。 これにより国債発行額は43兆〜 44兆円程度、一方、09年度の一般会計税収見通しは景気の落ち込みによる企業業績の悪化などで、国債発行額を下回る見通しとなったとのこと。
一般家庭でいえば、給料以上の金額を借金でまかなっていることになり、まさに異常事態といえるでしょう。
国の借金は借金時計によると800兆円弱。少しぐらい増えたところでもういいやという感じなのでしょうか・・・??
ところで財務省「国債等所有者別残高の各国比較」によると国債の所有者の42.5%が政府等が保有しているらしい。
政府等って国のこと? なぞが深いです。どういうことかうまく説明できる人はおりますでしょうか。ちょっと頭がこんがらがっています。
2009年4月11日土曜日
おすすめ財政白書 その4
○行政と市民の関係について
・行政が何を行うべきかということに関する基本的な考え方について
東久留米市の市政構造改革の記事 : 行政の役割について丁寧に説明されています。
・受益者負担
同じく東久留米市の市政構造改革の記事から。:多くの市の財政白書でも考え方が書かれていますが、おそらく一番丁寧な解説では。
ちなみに下の公共施設の4象限の図は立川や多摩など多くの自治体で使われています。このブログでも紹介した「都市政府のマネジメント」でも紹介されています。原典は吉田民雄著の「都市行政の新しい設計」1995 のようです。
・財政錯覚
財政錯覚そのものの説明としては白書ではありませんが、こちら。
以前紹介した「よくわかる自治体財政の仕組み」の著者の肥沼位昌さんのページです。
日野市財政白書のH15年版 P8~9にかけて、財政錯覚という言葉は使っていませんが、わかりやすく説明しています。
市の財政白書で財政錯覚を正面から取り上げている例はあまりないようです。上記の白書を作ったときも市民が反発するのではないかという心配があり、この表現についてはかなり議論になったくらいですから。
○最近話題の言葉
・指定管理者制度
東久留米ばっかりになってますが、こちらの市政構造改革のページ。
ウィキペディアの解説 ~ 問題点も指摘されており、単に導入して満足するのでも、民営化だからといって排除するのでもなく、よりよいガバナンスを実現するひとつの手法として磨きをかけることが重要と思います。
2009年4月10日金曜日
ブックレビュー 希望の構想
この本は、地方分権や財政改革の今後のあり方を考えたい人向け
ある程度基礎知識が必要。基本的には現在の政策に対して「地方切捨て」「福祉切捨て」と批判的。(神野先生は民主党の主要なイデオローグとのこと)
世の中の悪いことをセンセーショナルに書き連ねて、何でも格差社会に原因を求めて、元総理を批判しておしまいという書も多い中、この本の特徴は地方分権のあり方、社会保障制度、税制、国債について具体的な提案をしているところ。
特に地方分権のあり方については納得度合いが高かった。
以下本書の構成に従って簡単に
序章 現在の小さな政府への政策に対する批判
第一章 地方が自分で自分のことを決められるための地方分権の制度設計について
行政任務の適切な割り当てとそれに見合った財源の確保が重要という、こう書いてしまうと当たり前なのだが。地方が自分の財政の命運を自分で決められないという指摘はまさにその通りと思います。
第二章 年金・医療について 基本的なところは税方式にしようということなのですが、それでうまくいかないから保険になっているのであって、本当にそれでうまくいくのかな?という疑問は残る。元が難しい話だけにあまりよく理解できてなかったのかも。第一章のような定量的な提案を今後是非研究していただくことを希望。
第三章 税制について 資産税強化と消費税改革の提案。趣旨はよくわかる。でも現在そうなっていないのは何か理由があるはず。そのハードルとは何か?どう越えるかを示してあるとよかった。
第四章 国債の管理について 金融についてはあまり知らないのでよく理解できなかった・・・。
国債残高もすごいけど資産もあるからあまり心配いらない。財政再建を口実に小さい政府を目指すのが問題だ。ということなのですが。安心したい気持ちもあるけれども、なかなかそういう気持ちにはなれないようです。
制服ワッペン2万枚作り直し、3400万どぶ…都下水道局
「東京都下水道局が昨年、制服に付ける都のシンボルマークを添えたワッペンを2万枚作製したところ、シンボルマーク使用に関する内規に反したとしてこれを使わず、新たに約3400万円をかけて、ワッペンを作り直していたことがわかった。」
内規に違反したというワッペンですが、デザイン的にみるとよっぽどよいと思うのだが。 しかもわざわざそんなお金をかけて作り直すなんて。
やり直さないと ①今後ふさわしくないデザインが出る可能性がある ②華美なデザインになってお金がかかるものが出てくる
という心配があるのかもしれませんが、役所の人が集まって考えればそれほどふさわしくないものが選定されるとは思えないし、お金については予算を決めてしまってその中での裁量ということにすれば、職員の創造性も高まると思うのですがねぇ。
と思ったら新しいニュースが、石原知事が怒っているとか。無理もないか。
