守口市は財政がかなり大変で、財政健全化団体になるのではないかということがいわれおり、(平成20年度決算では該当せず)ブログの記事でも紹介しています。
日野市との比較でいえば(左 守口市、右 日野市。以下同じ)
経常収支比率 106.5 : 94.0
実質収支比率 -13.6 : +4.0
と大変苦しいことがわかります。
一方で、経常一般財源(用語の解説はこちら)を見ると
総額 282.8億 : 308.55億
人口一人当たり19.4万円 :17.9万円
と一人あたりでは守口市の方が多くなっています。
経常収支比率の内容を見ると
守口 : 日野
人件費 41.7 : 31.8
公債費 17.0 : 9.9
扶助費 12.6 :10.5
合計 71.2 :52.1 といわゆる義務的経費の比率が際立って多い。特に人件費が多いことがわかります。
人件費を市民一人当たりで見ると
9.4万円 : 6.7万円 と1.5倍弱になっています。
これは人口一人当たりの千人あたりの職員数が
7.82人と6.07人 と1.3倍多く、かつ一人当たりの月給も38.1万:35.2万と多いことによります。
(決算カードより)
守口市の人件費は全国の一人当たり7.3万円と比較しても多いことがわかります。
このような状況に対し、財政健全化計画で民間委託等を進めるとしていますが、
一人当たりの委託費は1.6万円で、日野市の3.1万円、全国の2.4万円と比較してもまだ低いものとなっています。
また扶助費については、守口市は保護率が31.1‰と大阪府の中でも高く、日野市の3倍以上に達しています。守口市の平成19年の生活保護には81億円にも達しており(日野市は28億円)、市の負担は1/4だけとはいえ、無視できないレベルになっています。
日野市と守口市の比較により、同じぐらい経常一般財源があるものの「人件費が多い」「生活保護が多い」ことが財政を苦しくしている要因とみられました。
これは東京と大阪の比較でもある程度いえそうです。
(人口一人当たり人件費:多摩63千円、政令都市以外の大阪72千円)
(生活保護率 大阪25.1‰、東京都15.8‰)
これまでの東京・大阪の比較及び地方交付税の算定根拠から、大阪の財政が苦しい理由は
①東京に比較して税収が少ない分は交付税でカバーされているが、人口密度が高く、人口が多いため、全国に比較すると交付税の額は大阪は少ない。
②人件費が多い。(東京に比べると職員数が多い。全国に比べると給与水準が高い)
③生活保護費が多い。保護率が高いことは地方交付税の額に反映されない。
④財政が苦しいための借金により、公債費が多い。
又は、公債費が多いため、財政を圧迫している。
と分析することができます。
もう一段踏み込めればよいですが、個人のブログではここまで。
なお、箕面市と国分寺市を比較するとしていたのですが、分析の結果上記以上の発見ができなかったので、東京と大阪のコラムについては、この記事で終了とさせていただきます。
2009年10月19日月曜日
決算書を読むシリーズ 自治会への補助
自治体への補助は企画部地域協働課の管轄のようです。
決算書では民生費の社会福祉費のコミュニティ費に分類されています。
市によっては総務費に位置づけられているところもありそうです。
日野市には249自治会の自治会があって、41,588世帯が加入、54%程度の加入率のようです。
補助は1世帯あたり年間240円だとか。自治会の区域があるところはその区域内で未加入の人がいても240円支払われるようです。その理由は不明ですが、市からお金をもらっているゆえに、未加入の人を無視できず、自治会の仕事が増えたり話がややこしくなったりすることもあるようで、
「いっそのこともらわなければいいのに」なんて話がでることもあったりします。
ちなみに全体で年間1744万円が支払われています。計算すると72660世帯ぐらいなので95%の世帯が補助金の対象になっていることになります。
決算書では民生費の社会福祉費のコミュニティ費に分類されています。
市によっては総務費に位置づけられているところもありそうです。
日野市には249自治会の自治会があって、41,588世帯が加入、54%程度の加入率のようです。
補助は1世帯あたり年間240円だとか。自治会の区域があるところはその区域内で未加入の人がいても240円支払われるようです。その理由は不明ですが、市からお金をもらっているゆえに、未加入の人を無視できず、自治会の仕事が増えたり話がややこしくなったりすることもあるようで、
「いっそのこともらわなければいいのに」なんて話がでることもあったりします。
ちなみに全体で年間1744万円が支払われています。計算すると72660世帯ぐらいなので95%の世帯が補助金の対象になっていることになります。
地方交付税の根拠4
今日は補正係数について
以前の回で、基準財政需要額=Σ(単位費用×測定単位×補正係数)と説明した補正係数です。
補正係数とは例えば同じ道路の管理費用でも、積雪が多い地域では管理費が高くなるとか、そういったことを補正するための係数です。
係数そのものは余りにも複雑なので、紹介しません(できません。)が、どういう補正があってどういう考え方なのかを簡単に説明します。
○種別補正
・道路や港湾の種別により補正。なぜか国道や県道は増加方向で補正。
○段階補正
・一般に人口が多くなるほど、スケールメリットがでることから、人口が多くなるほど単位費用が少なくなるように補正するもの。
○密度補正
・人口密度が低いほど、費用がかかることを補正するもの。
・保育園の入所人員が多いほど、基準需要額が増えるような補正係数もここに組み入れられているようです。
○態様補正
・生活費が高い地域(東京は都心に近いほど高い)が高くなるように補正(給与を高くしなければならない)
・都市化の度合い(ごみ処理などは高く補正。農林関係は低く補正)
・中核市や特例市、保健所設置市は高くなるよう補正(業務が県から移譲されている)
・投資的経費の必要度合い(道路の未整備延長などを考慮するらしいが・・・・)
○寒冷地補正
・寒かったり雪が積もった入りするところを増やす
○数値急増(急減)補正
・人口などが急増又は急減しているところを増やす
○合併補正
・合併したところを増やす
○財政力補正
・地方債の元利償還金の割合が多いところを増やす
以前の回で、基準財政需要額=Σ(単位費用×測定単位×補正係数)と説明した補正係数です。
補正係数とは例えば同じ道路の管理費用でも、積雪が多い地域では管理費が高くなるとか、そういったことを補正するための係数です。
係数そのものは余りにも複雑なので、紹介しません(できません。)が、どういう補正があってどういう考え方なのかを簡単に説明します。
○種別補正
・道路や港湾の種別により補正。なぜか国道や県道は増加方向で補正。
○段階補正
・一般に人口が多くなるほど、スケールメリットがでることから、人口が多くなるほど単位費用が少なくなるように補正するもの。
○密度補正
・人口密度が低いほど、費用がかかることを補正するもの。
・保育園の入所人員が多いほど、基準需要額が増えるような補正係数もここに組み入れられているようです。
○態様補正
・生活費が高い地域(東京は都心に近いほど高い)が高くなるように補正(給与を高くしなければならない)
・都市化の度合い(ごみ処理などは高く補正。農林関係は低く補正)
・中核市や特例市、保健所設置市は高くなるよう補正(業務が県から移譲されている)
・投資的経費の必要度合い(道路の未整備延長などを考慮するらしいが・・・・)
○寒冷地補正
・寒かったり雪が積もった入りするところを増やす
○数値急増(急減)補正
・人口などが急増又は急減しているところを増やす
○合併補正
・合併したところを増やす
○財政力補正
・地方債の元利償還金の割合が多いところを増やす
それぞれについては、確かにそれなりに理屈があるのですが、具体的な数値は毎年変わり、計算式も複雑なので、市の財政担当者にとっては予見可能性が低くなっています。
例えば平成21年度日野市は予算の段階では交付税が6千万円もらえる予定でしたが、結局ふたを開けてみればもらえないということになっています。
この稿はこれで終了です。
2009年10月18日日曜日
日野市には条例がいくつあるか?
議会の話題が出たので、なんとなく数えてみた。
日野市例規集で数えてみたら条例が210ありました。規則の数は数えていませんが大体同じぐらいあると思われます。
そのうち民生関係の58が一番多いようです。
ちなみに国の法令は今年の9月1日現在で法律が1799(日本国憲法含む)、政令が1923、省令が3630もあります。
太平洋戦争が終わって日本の法律が全て変わったかのようなイメージがありますが、戦前の法律も実はかなり残っており、勅令(天皇の命令)なんかも一応廃止されずにあるものがあります。
例えば砂防法施行規定は明治30年の勅令ですが廃止されず、ご丁寧にも平成14年にも改正されています。
面白いところでは、臘虎膃肭(ラッコオットセイと読むと思われる)獣捕獲取締法という明治45年の法律が残っていたりします。
東京都は条例・規則・告示等あわせて、2289件がデータベースに登録されています。
日野市例規集で数えてみたら条例が210ありました。規則の数は数えていませんが大体同じぐらいあると思われます。
そのうち民生関係の58が一番多いようです。
ちなみに国の法令は今年の9月1日現在で法律が1799(日本国憲法含む)、政令が1923、省令が3630もあります。
太平洋戦争が終わって日本の法律が全て変わったかのようなイメージがありますが、戦前の法律も実はかなり残っており、勅令(天皇の命令)なんかも一応廃止されずにあるものがあります。
例えば砂防法施行規定は明治30年の勅令ですが廃止されず、ご丁寧にも平成14年にも改正されています。
面白いところでは、臘虎膃肭(ラッコオットセイと読むと思われる)獣捕獲取締法という明治45年の法律が残っていたりします。
東京都は条例・規則・告示等あわせて、2289件がデータベースに登録されています。
地方交付税の算定根拠3
基準財政需要額の算定式で、それぞれの行政需要の項目(道路だとか公園だとか)について計算したものが、事務報告書の財政課のページにあります。
これを見ると、国の基準による需要と実際の費用とのギャップが確認できます。
なお、地方交付税は一般財源なので、比較対象はそれぞれの費用にかかった一般財源と比較しなければなりません。決算書から拾うのは大変なので、財源が明示されている予算書と比較しました。
差があるものを主に取り上げます。
左側が基準で、右側が実際の費用単位は百万円。
消防費 2127→1791 (人口密度が高いので効率よくできるということ?)
道路橋梁 541→349
都市計画 225→784 (区画整理などがあるため?)
下水道 324→1952 (下水道事業への投資と借入返済が続いているため?)
小学校 862→1592
中学校 366→811
その他教育 1106→2763
(投資があるからか、サービス水準が高いからかは不明。)
生活保護 758→710(全国平均よりは低いといことか?)
社会福祉 2388→8689
(サービス水準が高いため?全国基準の定め方がかなり大雑把なためというのもある。)
徴税費 441→258
個別の項目を見ていくとかなりずれがあることがわかる。
これをどう評価すべきかはよくわからない。基準の算定のぶれの問題か、全国基準を当てはめることが適切ではないのか、独自のサービスが多いからなのか。
中途半端な結論で申し訳なし。
これを見ると、国の基準による需要と実際の費用とのギャップが確認できます。
なお、地方交付税は一般財源なので、比較対象はそれぞれの費用にかかった一般財源と比較しなければなりません。決算書から拾うのは大変なので、財源が明示されている予算書と比較しました。
差があるものを主に取り上げます。
左側が基準で、右側が実際の費用単位は百万円。
消防費 2127→1791 (人口密度が高いので効率よくできるということ?)
道路橋梁 541→349
都市計画 225→784 (区画整理などがあるため?)
下水道 324→1952 (下水道事業への投資と借入返済が続いているため?)
小学校 862→1592
中学校 366→811
その他教育 1106→2763
(投資があるからか、サービス水準が高いからかは不明。)
生活保護 758→710(全国平均よりは低いといことか?)
社会福祉 2388→8689
(サービス水準が高いため?全国基準の定め方がかなり大雑把なためというのもある。)
徴税費 441→258
個別の項目を見ていくとかなりずれがあることがわかる。
これをどう評価すべきかはよくわからない。基準の算定のぶれの問題か、全国基準を当てはめることが適切ではないのか、独自のサービスが多いからなのか。
中途半端な結論で申し訳なし。
決算書を読むシリーズ 議会費
議会費は総額約3億97百万円です。そのうち議員に係る人件費が2億75千万。
定員26名で割ると、一人当たりにすると1057万円です。
その他事務局職員の人件費が90百万円となっています。
その他映像データ作成に223万円、議事録作成で約500万円使っています。
(検索システムは25万円、使っても費用が増えるものではないと思うので、使ってみよう。)
よく政務調査費のことが取りざたされますが、どこに含まれるかは不明。
(10/19追記:1345万円が別立てで計上されていました。一人当たり50万ぐらい。負担金・補助及び交付金に分類されていました。)
(2/19修正 一人当たり50万と書くべきところを500万としていました。本文はすでに修正済みです。お詫びをして訂正します。)
人口一人当たりの議会費はというと大体2400円ぐらい。
平成19年度で比較すると、人口規模の同じぐらいの市は一人当たりの議会費は同じぐらいのようです。(2300円~2500前後)。一般的に人口が多いほど一人当たりの費用は少なくなるようです。
八王子市は一人当たり1200円程度、逆に人口が5万人程度だと4000円台ぐらいになるようです。
ちなみに平成20年度の本会議時間は約100時間、委員会は84時間。議員からの条例案の提出は1件とのこと(事務報告書より)でした。
定員26名で割ると、一人当たりにすると1057万円です。
その他事務局職員の人件費が90百万円となっています。
その他映像データ作成に223万円、議事録作成で約500万円使っています。
(検索システムは25万円、使っても費用が増えるものではないと思うので、使ってみよう。)
よく政務調査費のことが取りざたされますが、どこに含まれるかは不明。
(10/19追記:1345万円が別立てで計上されていました。一人当たり50万ぐらい。負担金・補助及び交付金に分類されていました。)
(2/19修正 一人当たり50万と書くべきところを500万としていました。本文はすでに修正済みです。お詫びをして訂正します。)
人口一人当たりの議会費はというと大体2400円ぐらい。
平成19年度で比較すると、人口規模の同じぐらいの市は一人当たりの議会費は同じぐらいのようです。(2300円~2500前後)。一般的に人口が多いほど一人当たりの費用は少なくなるようです。
八王子市は一人当たり1200円程度、逆に人口が5万人程度だと4000円台ぐらいになるようです。
ちなみに平成20年度の本会議時間は約100時間、委員会は84時間。議員からの条例案の提出は1件とのこと(事務報告書より)でした。
2009年10月17日土曜日
地方交付税の算定根拠2
前回の同名の記事では、基準財政基準額の積み上げの根拠となる要素を列挙しました。
今回はその要素の選定がどういう影響を及ぼしているかを見ます。
前回の記事でもわかるように、おおよそ人口に比例する指標が多くなっていますが、道路や港湾などについてはその施設の量に比例するものもあります。特に道路の延長は人口というよりもその市の面積に比例するので、一人当たりにすると面積が大きく、人口密度の低い市の方が財政需要が大きいと計算されることになります。
道路については、実際に道路の量が多ければそれだけ行政需要が多くなるのは間違いがないですが、必要な道路については必要なだけお金が入るということになれば、本当に役立つのかとかいったことを考えなくなりがち、というマイナス面も考えられます。
人口一人当たりの道路の延長は東京の1.86m、大阪の2.1mに対し、全国平均は9.3m、最大は島根県の24mと大きな差があります。
また生活保護や社会福祉費(日野市では児童福祉と生活保護以外の福祉ですが、交付税の上では老人福祉と生活保護以外の福祉のようです。)は人口に単純に比例しており、実際の福祉の需要やサービスレベルとは関係なく定められているようです。
特に生活保護の割合(平成18年度)は、大阪府の25.1‰(千人あたりの割合)から富山県の2.3‰まで10倍もの差があり、例えば同じ大阪でも大阪市は40‰を越すなど差があります。
市の負担は全体の1/4とはいえ、保護率の高い市では基準財政需要額にカウントされない行政需要が多額に発生することとなります。
今回はその要素の選定がどういう影響を及ぼしているかを見ます。
前回の記事でもわかるように、おおよそ人口に比例する指標が多くなっていますが、道路や港湾などについてはその施設の量に比例するものもあります。特に道路の延長は人口というよりもその市の面積に比例するので、一人当たりにすると面積が大きく、人口密度の低い市の方が財政需要が大きいと計算されることになります。
道路については、実際に道路の量が多ければそれだけ行政需要が多くなるのは間違いがないですが、必要な道路については必要なだけお金が入るということになれば、本当に役立つのかとかいったことを考えなくなりがち、というマイナス面も考えられます。
人口一人当たりの道路の延長は東京の1.86m、大阪の2.1mに対し、全国平均は9.3m、最大は島根県の24mと大きな差があります。
また生活保護や社会福祉費(日野市では児童福祉と生活保護以外の福祉ですが、交付税の上では老人福祉と生活保護以外の福祉のようです。)は人口に単純に比例しており、実際の福祉の需要やサービスレベルとは関係なく定められているようです。
特に生活保護の割合(平成18年度)は、大阪府の25.1‰(千人あたりの割合)から富山県の2.3‰まで10倍もの差があり、例えば同じ大阪でも大阪市は40‰を越すなど差があります。
市の負担は全体の1/4とはいえ、保護率の高い市では基準財政需要額にカウントされない行政需要が多額に発生することとなります。
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