2009年6月10日水曜日

日野市と財政の10年

今回は財政編の第3回 借金と特別会計について。


   縦軸の単位は億円です。
 市債とは市の借金のこと。平成13年ごろまでは250億円強で推移していましたが、平成20年ごろまでに350億円まで膨らみました。この大きな原因は臨時財政対策債などの赤字公債の増加です。
 赤字公債などについて詳しい説明はこちら(第3回、4回、7回ぐらいを読んでいただけば)。


 一般会計以外の特別会計です。国民健康保険の伸びが著しいです。平成21年が減少している理由は不明。
 老人保健は後期高齢者医療制度に移行したため、平成20年度で急減しています。後期高齢者の予算規模は20億円代ですが、これはお金の流れのほとんどが広域連合に移ったためであり、市の負担が減ったことを意味しません。
 整備が進んできている下水道を除けば全般に増加の傾向にあります。


 一般会計以外の主な市の借金も合わせて表示したものです。
 病院が急増したのは平成13年に新しい病院が開業したため。一般会計は最初に解説のとおり、土地開発公社は健全化策により市が土地の買取を進めています。
 これらの特別会計がどういうものかについては平成18年度の日野市の財政白書(第二編第一章)に詳しいです。

 一応財政の概要については今回まで。
 次回ここ10年の市政の動きをまとめることで、このコラムの締めとしたいと思います。

日野市民と税金 利子編

日野市にかかわる公的なお金の流れに関する記事の第二回です。

前回紹介した所得税の他に、市民が払っている所得税・住民税が3種類あります。

ひとつは銀行などの預貯金の利子にかかる税。もうひとつは株式の配当にかかる税。最後は株式の譲渡益(源泉徴収することを選択した口座のみが対象)にかかる税です。今日は預貯金の利子にかかる税について。

 低金利の中、銀行に預けておいても利子はすずめの涙ほどですが、実はその中からも所得税と住民税が徴収されています。
 銀行の利子も所得になりますので、本来であれば所得の多い人と少ない人で税率が違うべきなのですが、一人でいくつもの口座を持っている人も多く、徴税上の手間などの問題から、利子については一律の税率での源泉徴収だけでそれ以上の手続はないことになっています。
 税率は所得税と住民税を合わせて20%。
 つまり100円の利子がついたら、20円の税金が銀行側で徴収されて口座に振り込まれるのは80円です。
 20円のうち15円が国への所得税、5円が都民税になります。
 5円分は銀行から預金者の住所に応じて各都道府県に納付されます。
 その5円のうち3円が各市町村に配分されます。
 ちなみに各市町村へはどうやってわけるか?というと個人の都民税に対して比例配分します。
 本来は利子にかかる税金を払った人の住所に応じて配分すべきなのでしょうが、それでは面倒ということで、「個人の都民税が多い=その分預金が多い」という仮定の元に配分しているようです。(一部筆者推測)
 
 決算書・予算書を見ると、利子割交付金とあるものがそれです。徴税の手間の問題などから一旦都が受け取って市に配分していますが、これは実質的には日野市が受取るべき税金ともいえるでしょう。
 そのためかこれは使途が定められていない、いわゆる一般財源となっています。
 日野市の平成19年分の利子割交付金は3.05億円ですので、日野市民が都に支払っている税金としては
 A×(2%/3%)=2.03億円
 国に払っている税金としては
 A×(15%/3%)=15.25億円
 と計算されます。

2009年6月9日火曜日

茅ヶ崎市 包括財務報告書

茅ヶ崎市の包括財務報告書です。
 http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/newsection/zaisei/index.html

 財政のページの中段にあります。今年の4月21日公表とのこと。バランスシートは平成15年から作っているようですが、今回はかなり詳しくなっています。詳しさでは武蔵野市と並ぶぐらいです。

 かなり丁寧に説明していますが、そもそも難しい話題なのでやや上級者向けかと思います。

2009年6月8日月曜日

日野市と財政の10年

今回は歳出編です。
 まずは目的別から
クリックすると大きくなります。
平成12年に介護保険が導入され、特別会計に切り離されたため民生費はいったん減りましたが、平成17年まで伸びその後横ばいです。
教育費は学校の耐震化や建替で平成18~19と多くなりましたが、税収の悪化に伴い投資を手控える形になっています。
総務費は基金への繰入が含まれるため、景気がよいとされていた平成18~19は増えていますが、その後は教育費と同様に減少しています。
公債費は平成16年に減税補填債の借り換えがあったため瞬間的に増加しています。

性質別の経費


人件費は徐々に減っています。平成19年がやや多いのは退職者が多かったためと考えられます。
物件費の多くは委託料で徐々に増えてきましたが、平成20~21年度は絞り込もうという意思が現れているように思います。
扶助費や繰出金、補助費は徐々に増えています。繰出金の2/3(平成20予算ベース)は福祉関係の特別予算へのものであり、扶助費とともに一定基準で出されるものなので減らしにくいものです。
普通建設事業費は、平成18~19年は学校関係の投資により増えていましたが、先ほど解説した理由により減少しています。

2009年6月7日日曜日

木更津市 官民連携手法指針

財政白書というわけではないのですが、木更津市の官民連携手法指針のページ
  http://www.city.kisarazu.lg.jp/about/plan/ppp.html

 Public Private Partnership の略でPPPなどと言ったりもします。最近風当たりが厳しい民営化というワードですが、一口に民営化・官民協働といってもいろいろあることがわかります。具体的な内容は行政職員やより詳しく興味のある人向け。

 特にお勧めは元日本開発銀行におられた東洋大学根本教授のスライド。
 http://www.city.kisarazu.lg.jp/about/plan/ppp/toyo-h20.html
 の下のほうに木更津版PPPの可能性のリンクあり。

 特に一枚目の心構えのところは多くの人に読んでほしいと思いました。
 (一枚目から抜粋)
  「PPPは単なる官と民の“仲良しクラブ”や“民への丸投げ”ではありません」
  「官も大きな責任を果たす(=誤解しがち)」

日野市と財政の10年

しばらく更新していなかった日野市と財政の10年。
やっと財政の話に入れます。さて決算ベースでは平成19年度までしかありませんが、財政非常事態宣言をしたのは平成20年度も末であり、また平成19年度はまだ景気がよいという認識だったこともあり、平成10年度や11年度と直接比較してもどうかという感じがしました。
 というので悩んだ末に、平成19年度までは決算ベースで、平成20年度は最終の補正予算を含んだ予算ベース、平成21年度は予算ベースでまとめてみました。

まずは歳入。





  











市税は10年前からほぼ横ばい。歳入は全体的に漸増している感じです。
平成16年は市債の借り換えが多額にあったため、平成18~19年度は学校建設費などに対する国や都の補助、基金の取り崩し(自治体の場合にはこれも歳入になるので。)が増加要因のようです。
10年前と直接比較すると市税はほぼ同じ(275億円と282億円)、歳入もほぼ同じであるものの平成21年度の場合はいったん増えた後落ち込む形になっています。

市税を詳しく見てみると。
個人の市民税は定率減税の廃止と税源移譲により平成19年度にかけて伸びたものの頭打ちと予想。
固定資産税と都市計画税は横ばい。
法人市民税は平成14年に15億円を割り込みましたが平成18年には32億円弱に回復。しかし今年度は一気に13億円台に。

2009年6月6日土曜日

日野市民と税金等

日野市にかかわる公的なお金の流れに関する記事の第一回です。

 日野市民としては市税だけではなくて、国税も都税も払っていますが、なかなかそこらへんを把握するのは難しいことです。実際にはこれらの制度は難しくて一気に解き明かせるものではありません。ということで、本日から徐々に掲載していくことにしました。 しばらく更新されないこともありますがご容赦ください。

まず本日は個人の所得にかかる税金、所得税と都民税(東京都以外は道府県民税)をどれぐらい払っているかの試算です。

 試算はいろいろな方法があると思いますが、他の市の方も簡単に計算できる方法をなるべく採用しました。また元の情報にさかのぼりやすいよう参考のリンク先も表示します。
 所得税といっても預貯金の利子にかかるものなど一部のものは後日紹介します。会社員の方は概ね給料にかかる所得税を対称にしているとイメージしていただければと。
 個人の所得にかかる税金には、国に払う所得税、都に払う都民税(道府県民税)、市に払う市民税(市町村民税)があります。所得に対する割合は、都民税は4%、市民税は6%。所得税は所得の金額により異なります。(所得が高いほど税率が高くなる)
 平成19年度決算で日野市の個人市民税の総額は130.16億円です。

○都民税
日野市民が支払う都民税は次のように推計できます。
 130.16×4%/6%=86.77億円

○所得税
所得税は税率が一定ではないので、正確には所得階層別の税収がわからないと計算ができません。また所得税と住民税は時期のずれが生じます。たとえば平成19年分の所得は平成19年度中に所得税として納められますが、住民税は所得税の金額を元に平成20年度中に納められます。ということで、平成19年度の住民税は平成18年度の所得税に対応することとなりますが、この間税制改正などがあり、正確な推計をするのはかなり困難です。

そこでここでは、平成19年度の所得税は平成19年度の市町村税に比例すると想定することとしました。
つまり、所得階層の分布は全国平均とだいたい同じであり、平成18年度所得が多かった人は平成19年も所得が多いと想定したということです。


このような想定を元に計算すると
 国税 平成19年度決算 所得税16.1兆円①
  http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm
   うち源泉利子 6,324億円②
   うち源泉配当(上場株式等) 5,584億円③
   うち株式譲渡源泉 2,104億円④
  http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/gensen2007/gensen.htm
 個人住民税総額 平成19年度 72,939億円 ⑤
  http://www.soumu.go.jp/iken/kessan_gaiyo_h19.html
 上記ページから市町村普通会計決算の概要のファイル
 所得税=個人市民税×(①-②-③-④)/⑤=130.16×146,988/72,939
      =262.30億円
 となります。

訂正 6/9
 最初に投稿した際には、源泉配当全部を③で控除していましたが、住民税の源泉徴収(特別徴収)があるのは上場株式等のみのため、源泉配当のうち上場株式等のみを控除する計算式に改めました。